「じゅうべえくえすと」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

じゅうべえくえすと - (2020/01/23 (木) 01:44:02) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*じゅうべえくえすと 【じゅうべえくえすと】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068H3X)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|バースデイ (企画制作・デザイン)&br()イマージュソフト|~| |発売日|1991年1月4日|~| |定価|7,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ストーリーが長くボリュームが多い&br;戦闘のバランスがあまりに大味&br;宝箱とフィールドの罠でやる気をそがれる|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 [[貝獣物語]]を手掛けた「バースディ」制作のオーソドックスなRPG作品。 物語上の繋がりはないが、端々に貝獣物語のシステムを導入している。~ また本編10章、裏ワールド2章の12章仕立てでボリュームはファミコン作品では有数。 **あらすじ >やぎゅうの里の空に激しい光と共に空間が裂け、飛び出してきた2つの球が激突した。~ 1つは遠くに飛び出し、もう一つは三色の光の球に分かれやぎゅう谷へと落ちた。~ やぎゅうの里城主がその谷を調べると、右目を怪我した赤ん坊が入ったカプセルが落ちていた。~ その事件から15年後。世界は時空の歪んだ摩訶不思議な戦国世界へと変貌していた。 > >そんな不安定な世界では、宇宙塚を中心にした不思議な事件が発生しており、~ やぎゅうの里城主は親友であるおわりにゅうどうと共に、魔界衆が原因であると突き止める。~ 彼らを探る最中に行方不明になったおわりにゅうどうを探し、魔界衆を止めるようにと頼まれ、~ 主人公、じゅうべえの冒険が始まる。 (ゲーム冒頭より) **基本システム -一般的な「ドラクエ型」のRPG。 --フィールドを移動するランダムエンカウント方式。 --一定の経験値でレベルがあがり、お金を用いて装備を整え強化するシンプルなスタイル。 -探す --足元ではなく、目の前のマスを調べるシステムのため、同じマスでも向きが違うとアイテムの入手が出来ない事がある。 --十字ボタンのちょん押しにより向きを変えられる分、歩きはじめるにはラグが存在する。 -旅日記 --どこでもセーブが出来るこのゲームの良心。 ---エンカウントが激しい、ボスが強い、アイテム変換が確率であるなどの理由から有り難いが、一方でバランスが崩れる原因となる。 -助っ人 --戦闘員3人、非戦闘員11人の固有能力を使う事が出来る。 --宝箱の罠を解除する、アイテム変換が出来る、ダンジョンから離脱する、解読できない言葉を解読するなどゲームの上で重要な力を持つ。 ---助っ人システムは形を変えて[[大貝獣物語]]に継承された。 **戦闘システム --貝獣物語同様、キャラクター一人一人が敵を指名し行動が取れる。 ---敵の数が多くて倒しきれない場合、防御させた味方一人を囮にして受けるダメージを減らし、かつ攻撃役を守るという方法が使える。 --命(HP)が一定以上減った敵はグラフィックが変化するが、ステータスの弱体化はない。あくまで目安。 --ステータスのスピードで敵味方の行動順が固定されるため、超力による補助もしやすくなっている。 -超力 --他のゲームでいうところの「魔法」 ---攻撃の超力には7種類の属性があり、敵によって効きやすい、効きにくいなどがある。 ---回復やステータスアップなどの補助、エンカウント抑制、戦闘から逃げる超力など一通り揃っている。 ---- **評価点 -キャラクターデザイン --貝獣物語同様、瀕死時のグラフィックでは可愛らしい姿を見せる敵もいる。 ---一方でネーミングセンスがなかったり、ブラックジョークにしては不謹慎な敵がいないわけではない((中国を元としたフィールドにはにんげんもどきという敵が群れをなして登場する。))。 -ボリューム --概要でも説明したように12章という長い作品のため、長期間楽しめるというのは評価点。 --ファミコンのRPGに有りがちな、ヒントが雑、ヒントがないため当て所無くさまようといった事がなく、シナリオをクリアする上でのストレスはほとんどない。 --ワールドは広いものの、本体に付属しているマップがあるため迷うこともない。 --また、マップも1章1章で範囲が区切られており、マップがないからといって迷子になることもなく、戦闘にさえ目を瞑れば楽しめる。 -BGM --メロディーがよく、聴きやすいものが揃っている。ただし音質はよいとは言えない。 -どこでもセーブ機能 --戦闘やアイテム変換の前にセーブ出来る事で最善な結果を残しやすい。 --おかげで悪質な問題点に対し心が折れにくい。 -豊富な助っ人能力 --宝箱を開けるための鍵や移動用など、他のゲームにおいて持ち物欄を埋めがちなアイテムが、いつでも際限なく使える。 --特にフィールド上ならどこでも呼べて一度行った町まで移動できる「カゴちゃん」は広大なフィールド移動において大変便利。後述する戦闘バランスの悪さゆえ常に全滅の危機がある本作において一人でも生存していれば近隣の町まで一瞬で戻れるのも高評価。移動の距離に応じて消費するお金が増えるが増えたところで10数両なのでお金が足りないなんて事もまずありえない。 --一方で主人公達では開けられない宝箱を開ける事の出来る「ジロキチ」は本作の害悪として叩かれる事に(後述) -有用な戦闘用アイテム --敵の耐性により威力は上下するが、それでも主人公たちより遥かに基礎ダメージが高いアイテムがある。 --そのほとんどは「げんない」の変換で入手が可能のため、彼が加入してからの戦闘は少しだけ楽。 -お守りシステム --神社にはお守りが販売されており、装備することによって各パラメータが直接上下する。 ---攻撃力の上がるお守りで速攻を狙うか、命や守備力の上がるお守りで安全に進めるか。ここでプレイヤーの個性が出る。 ---仲間それぞれに違うお守りを持たせて役割分担もできる。 -破綻するようなバグがない --これだけ長いストーリーを持ちながら、ゲームに著しく問題を与えるようなフラグ管理のミスもない。 **賛否両論点 -ストーリーが長い割に薄い --全10章仕立て、和風RPGの皮をかぶったSFだが、章の転換毎に超展開を見せていく。 --最序盤こそ悪鬼を成敗する王道展開なのだが、話の途中で殺された重要人物をキョンシーとして使役したり、本編に関わらない裏ワールドを旅する必要がある。 ---しかもその展開に対する言及が少ない。「行動したからこうなりました」と理解するしかない((ただし最終局面の展開は明確にされている。))。 --エンディングは、プロローグから察する事が出来るため、途中の展開が上手く作れなかったように見える。 ---摩訶不思議と前置きをしたのだから、最初からSF要素を増やした厚みのある話にも出来たと思うのだが…。 **問題点 -エンカウント率が高い --特定の''エリアの周辺ごと''に細かくエンカウント率が設定されているという妙な仕様のせいでエンカウント率が非常に高い。 ---この仕様のせいで平地''のみ''ならエンカウント率は低いが''森や侵入できる山が近くにある平地エリア''だと一気にエンカウント率が跳ね上がる。((森や山と言った侵入可能なエリア以外にもウルフ編の巻貝のようなオブジェクトの周辺など侵入できないエリアの周辺であってもエンカウント率がハネあがるケースも多い))エンカウント判定が低いエリアなら画面半分ほどは歩けるものの、だいたいは1~5歩でエンカウントし、1歩エンカが2~3回続くことも珍しくない。 --また素早さにより逃走率が変わるため、新しい地域では逃走に失敗しやすい。 --そのため街にたどり着くまでに数歩歩いてセーブ、エンカウントし逃走に失敗したらリセットのセーブ歩きをすることになる。 -操作性が悪い --本作では十字ボタンを押すとキャラが押した方向に向く''だけ''であり、移動させるにはもう一度押す必要がある。十字ボタン押しっぱなしでも一応、向く→移動するの一連の動作はしてくれる。 --そのため、一般的なRPGの感覚で動かすと常時カクカクした動きになってしまい、ストレスがたまってしまう。 --貝獣物語では一般的なRPGの動きだったのに、''どうしてこうなった。'' -敵が常に一回り強く割に合わない。 --開始直後のフィールドの敵ですらこちらのHPの1/3~1/4を削る強さであり、それらが3匹の編成も当たり前のように出るため常に全滅の危機。 --またじゅうべえの速さが遅いため、レベル1で先を取れる敵はおらず、レベル3でようやく2種類から先手を取れる。 --序盤はアイテム欄に余裕がないので数戦戦い、街に戻りのレベル上げ作業を余儀なくされる。 --そして、苦戦してレベルを上げても敵の特殊攻撃でガンガン命を削られていくため疲弊する。 --行動が素早さに依存するため、味方が増えても傾向は変わらず、守備力が低い仲間はいつまでたってもやられやすいリスクを背負う。 -敵の強さと経験値のバランスがムチャクチャ。経験値に比べるとお金の設定はマシな方。 --強い敵ほど経験値が多い、などという暗黙のルールは微塵も存在しておらず、むしろその地域で一番倒しやすい敵が最も経験値効率が高いということもザラにある。((最初の敵で例に挙げると、最弱のステータスでこの時点では無駄行動に等しい能力低下魔法ベト(素早さ低下)とミハギト(守備低下)を使ってくる「しろぼうず」が経験2金5なのに対して、しろぼうずより被ダメージが2倍ほど高い「レッドスネーク」は経験1、金4としろぼうずを下回っている。橋を渡った先から出てくる「カマおとこ」はレッドスネークより倍近いダメージを与えてきて打撃はほぼ通らないほど固く、会心攻撃という強化攻撃までしてくる序盤屈指の難敵なのに経験値はしろぼうずと同じ2しかもらえないといった具合。))苦労をして倒しても1章の経験値は一匹あたり1や2、多くとも7という少なさなので弱い敵を狩り続けた方が経験値効率が良いというケースがほとんど。 //--複数出てくる為累計では悪くないように見えるが、強さと見合っているかといえば物足りない。 ---序盤こそ必要な経験値は少なく、積極的に戦闘をすればレベルは上がっていくが、話の後半になるにつれ敵が強くなる方が早い。 ---特に章ボスがいない章では、全体的にザコ敵がものすごく強く、主人公でさえもまともにダメージが通らなかったり、1ターンでパーティーを全滅寸前に追いやられるような組み合わせも存在する。 --後半になるとさすがに増えるが、経験値は戦闘後の生存者で頭割りシステムもあって、割に見合わない敵が多い。 ---しかも頭割りシステムで経験が1以下になる場合、&bold(){しっかり小数点以下まで切り捨てられる}為、低報酬に更に拍車がかかる。最初から2人パーティのウルフ編では&bold(){2匹倒して経験1}なんてこともザラ。 ---特にダンジョン内の固定敵は不具合かと思うほどに強さに見合った報酬をもらえない((周囲の雑魚より一回り以上高い能力をもつのに、経験も金も周囲の雑魚より圧倒的に低い。))ただし、章ボスクラスだけは雑魚との比にならない程度に経験値やお金をもらえる。 --上記エンカウントと敵の強さ&低報酬が相まって戦闘を拒否するプレイヤーも多く、ラスボスに推奨レベルで到達するプレイヤーはごくわずか((後半のレベルになるとじゅうべえだけでなく他仲間も強力な特技を覚えるのだが、そこまでレベルアップすることのほうが難しくゲームクリアが先になってしまう場合が多く、存在を知らないor見た事がないプレイヤーがほとんど。))。 挙句の果てに最終章になると何故かその前の章よりも全体の経験値が低くなるためレベルアップが困難になる。 ---それでもボスは倒せるので変な方向でバランスは取れているとも言えなくはないが…。 -装備の値段のインフレ --お金も最序盤こそ600両とほどほどの装備を整えられる所持金を持っており、それ相応の武具が買えるが、一つの街を越える度に値段が跳ね上がっていく。後半の武器は1万2万、防具は3万4万を平然と要求してくる。 ---途中からは錬金術があるためお金には困らないとはいえ、序盤は弱い装備と低いレベルでやっと倒せる戦闘を繰り返すことになる。 --また仲間のうち、ウルフ以外の武器、防具が拾えない事も財布を圧迫してくる。 ---限定的でイベント入手の装備はあるがそれまでの装備が強制的に捨てられるため、初回プレイだと直前に武器を高値で購入したのに無駄にしてしまう可能性が高い。 -「げんない」の存在 --特定のアイテムを別のアイテムに変換する助っ人で、バランス崩壊の原因。 --500両で購入可能な「オカルトン」というアイテムは、24%の確率で((正確には変換成功率が80%、成功のうちタスカルの確率が30%。))死者単体の蘇生、命・超力の全回復という「タスカル」というアイテムに変化するが、この売値が5000両。オカルトン購入に対して差し引き4500両の儲けが出る。 --どこでもセーブが可能なため、変換前にセーブ、失敗したらリセットを繰り返す事で、時間こそかかるがクリアまでの金策を可能としてしまう。 --便利ではあるが、おかげで罠のリスクを伴う宝箱の存在意義が薄い。 --だからといってこれを制限すると格上と延々と闘うことになり辛さが増す。 --また、戦闘用アイテムとしてマシンガン(敵全体に150ダメージ)、ミサイルポッド(敵全体に280ダメージ)、ひらいしん(敵全体に200ダメージ)があり、2、3つで大半の雑魚をなぎ倒せてしまう。 --素材となるアイテムの価格も300~1000両と安価であり数を用意しやすい。 --この2つの変換の存在で、相手の強さが調整されているように思える。 -攻撃用超力の存在意義が薄い --超力に対して耐性を持つ敵が登場する。炎の敵には当然炎は効かないのだが、意外な敵が耐性を持っている場合がある。しかも、補助魔法の様に効くか効かないかの二択しかない。当時は[[ドラゴンクエスト]]なども攻撃魔法は効くか効かないかの二択だったのでこの仕様自体は特別問題視されることではないが、本作では上記の戦闘用アイテムが量産しやすいうえ、戦闘用アイテムは''耐性に関係なく必ずダメージを与えることが出来る''ので、攻撃用超力の存在を完全に奪ってしまっている。 ---カエン系の超力を無効化する相手でも「かえんじって」や「ファイアボール」は普通に効いてしまうなど理不尽な仕様も攻撃系超力の存在意義を奪ってしまっている。 -序盤からクライマックス --最初は一人で冒険しなければいけないのだが、最初の本格的なダンジョン、からくり城へ入る為の謎解きや先への進み方が、「怪しいところを調べる」である。初の章ボス戦も、いきなり二回攻撃を引っ提げて立ちはだかる。 --続く2章では複数の敵を率いる中ボス戦に加え、クリアまで戻れないダンジョン((一応、ダンジョン脱出アイテム「テレポストーン」が直前の拠点で売られている。また、宝箱のテレポート罠で強引に脱出する事は可能だが運が絡む。))。しかも、極めつけにあるアイテムを持っていないとダメージを与えることが出来ない、大魔王の様なボスまでも現れる。いずれも下手をすると詰みかねないレベルであり、仲間を加えるまで苦行が続く。しかし、苦行はまだ始まりに過ぎなかった。 -落とし穴トラップ --ダンジョンで何度もお目にかかることになる開閉式の床やひび割れは、仲間の一人が引っかかっても入り口や階下に落とされる足止めのギミック。序盤のダンジョンは大した脅威にはならないが、隊列が増える中盤からは目に見えて厄介なトラップへと早変わりする。 --ただでさえ長いダンジョン、強敵の群れの中、何も産まないただの足止めになっているためにストレスが溜まる。 ---勿論直前でセーブ、落ちたらリセットで問題はないのだが、それが故にこのトラップの存在に対しヘイトが募っていく。 ---小技として&bold(){落とし穴の上でセーブ&リセットで再開するとその箇所の落とし穴判定が無くなる}と言うものがある為、パーティメンバーが増える後半はこの手を使うと良い。非常に面倒な方法の小技だが、こんな手にすら頼らないと&bold(){まともに踏破できないぐらい間断なくビッチリと仕掛けてある}のが問題である。最大の4人パーティで落とし穴トラップだらけの箇所を延々と昇らされる「氷結城」でゲンナリしたユーザー数は計り知れない… //メガトンコインは橋に載せるな、というゲーム内ヒントがあるため理不尽な罠とはいえないので該当の記述を消しました。 -宝箱の罠 --罠はずしの能力を持つ、ジロキチが加入する話の最序盤からほとんどの宝箱に仕掛けられており、解除するのも確率。 --失敗すると10ダメージの爆弾や毒になる毒針はまだ楽な方で、&bold(){全員のレベルが1下がる}エナジードレイン、強制的にダンジョンの入口に飛ばされるテレポート、モンスタートラップなど凶悪かつ迷惑極まりないものがある。 ---これでいて報酬は僅かなお金かお店で購入可能な消耗品ばかりなのだから開ける気力をそがれる。((装備の変更は一部イベントを除いて武具屋で購入して装備品は強制的に下取りされるシステムの為か、本作では宝箱から入手できる武器・防具・おまもりは一つも存在しない))中にはからっぽなのに罠が仕掛けてあるというケースもある。 -セーブの難点 --どこでもセーブできるのが良心ではあるのだが、あろうことかこの際に次のLvUPまでの必要経験値が「仲間キャラ全員分、かつ毎回」表示される。 --幾度となくセーブ&リセットを繰り返すととにかく邪魔で時間もかかる。リセット前提のゲームバランスと噛み合っていない。 --セーブ機能そのものが悪いというより、セーブ&ロードの繰り返しが必要なゲームバランスの問題という話ではあるが。 -全体完全復活によるループ --全滅時に味方蘇生かつ命と超力の完全回復という「タスカルオール」というお助けアイテムがあるが、全滅して進展する必須戦闘(負けイベント)でも強制発動する。よって折角のお助けアイテムを無駄に消費する厄介な状況が出来上がる。 ---アイテムの預かり所がないので全滅イベント前に取ったら無駄消費となる。しかも、その戦闘では一度全滅したとみなされ、お金までも半分に減らされるが、こちらは銀行があるので対処可能である。 ---これを回避するには全滅イベント発生までにタスカルオールを入手せず、イベント後に戻って回収するしかない。そもそも初見ではそんなことを知る由もないので、大量に集めたタスカルオールを全部使わされるショックは大きい。 -村や町の扱い --終盤に起こるイベントによって、ほぼすべての町へ入れなくなってしまう。 ---そのため、ほとんどのアイテムが再入手不可と言う状態に陥る。このイベントが起こる時点でまだ遠い最終決戦の準備をしないと、ただでさえ厳しかった冒険の難易度がさらに跳ね上がる。 -ボス戦専用BGMが存在しない --ボス戦はもちろん、ラスボス戦''すら''存在せず、通常BGMが流れる。 --それなのに、前述の裏ワールドでは戦闘BGMが変わる。 ---- **総評 ファンタジーの皮を被ったSFという大筋は良いのだが、話の道のりが何がやりたいのかわかりにくく散らかっている。~ 戦闘が序盤は難しいが後半は生成出来るアイテムの都合で途端に優しくなる。~ 折角多くの仲間が加入するのに一部の仲間はワンポイントのみの使用と勿体無い。~ これらの要素の良し悪しや、前後で発売されたゲームとの比較、ならびに[[貝獣物語]]の次がこれだったため、~ せっかくバグも無く長く楽しめそうな素材ながら良ゲーになりきれなかった。~ //判定無しへの変更を受け、総評を変更しました。編集合戦が行われそうな場合は判定なし専用意見箱で再度まとめていただければと思います --2018/3/13 //反対意見が出なかったため、要強化から外しました。 --18/3/16
*じゅうべえくえすと 【じゅうべえくえすと】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068H3X)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|バースデイ (企画制作・デザイン)&br()イマージュソフト|~| |発売日|1991年1月4日|~| |定価|7,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ストーリーが長くボリュームが多い&br;戦闘のバランスがあまりに大味&br;宝箱とダンジョンの罠でやる気をそがれる|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[貝獣物語]]』を手掛けた「バースデイ」制作のオーソドックスなRPG作品。 物語上の繋がりはないが、端々に貝獣物語のシステムを導入している。~ また本編10章、裏ワールド2章の12章仕立てでボリュームはファミコン作品では有数。 **あらすじ >やぎゅうの里の空に激しい光と共に空間が裂け、飛び出してきた2つの球が激突した。~ 1つは遠くに飛び出し、もう一つは三色の光の球に分かれやぎゅう谷へと落ちた。~ やぎゅうの里城主がその谷を調べると、右目を怪我した赤ん坊が入ったカプセルが落ちていた。~ その事件から15年後。世界は時空の歪んだ摩訶不思議な戦国世界へと変貌していた。 > >そんな不安定な世界では、宇宙塚を中心にした不思議な事件が発生しており、~ やぎゅうの里城主は親友であるおわりにゅうどうと共に、魔界衆が原因であると突き止める。~ 彼らを探る最中に行方不明になったおわりにゅうどうを探し、魔界衆を止めるようにと頼まれ、~ 主人公、じゅうべえの冒険が始まる。 (ゲーム冒頭より) **基本システム -一般的な「ドラクエ型」のRPG。 --フィールドを移動するランダムエンカウント方式。 --一定の経験値でレベルがあがり、お金を用いて装備を整え強化するシンプルなスタイル。 -探す --足元ではなく、目の前のマスを調べるシステムのため、同じマスでも向きが違うとアイテムの入手が出来ない事がある。 --十字ボタンのちょん押しにより向きを変えられる分、歩きはじめるにはラグが存在する。 -旅日記 --フィールドやダンジョンなど、場所や状況を問わずどこでもセーブができる。 ---なおセーブデータは2つまで保存可能であり、セーブ時には次のレベルまでの必要経験値も確認できる。 -助っ人 --戦闘員3人、非戦闘員11人の固有能力を使う事が出来る。 --宝箱の罠を解除する、アイテム変換が出来る、ダンジョンから離脱する、解読できない言葉を解読するなどゲームの上で重要な力を持つ。 ---助っ人システムは形を変えて『[[大貝獣物語]]』に継承された。 -超力 --他のゲームでいうところの「魔法」。 ---攻撃の超力には7種類の属性があり、敵によって効きやすい、効きにくいなどがある。 ---回復やステータスアップなどの補助、エンカウント抑制、戦闘から逃げる超力など一通り揃っている。 -特技 --超力とは別の、各キャラ固有の特技。 ---じゅうべえは通常攻撃がそのまま特技になっており、複数攻撃や連続攻撃など様々に使い分けられる。これも『大貝獣物語』の主人公に継承された。 **戦闘システム --貝獣物語同様、キャラクター一人一人が敵を指名し行動が取れる。 ---敵の数が多くて倒しきれない場合、防御させた味方一人を囮にして受けるダメージを減らし、かつ攻撃役を守るという方法が使える。 --命(HP)が一定以上減った敵はグラフィックが変化するが、ステータスの弱体化はない。あくまで目安。 --ステータスのスピードで敵味方の行動順が固定されるため、超力による補助もしやすくなっている。 ---- **評価点 -キャラクターデザイン --貝獣物語同様、瀕死時のグラフィックでは可愛らしい姿を見せる敵もいる。 //にんげんもどきが不謹慎なブラックジョークという主旨の記述が意図不明であるため削除 -ボリューム --概要でも説明したように12章という長い作品のため、長期間楽しめるというのは評価点。 --ファミコンのRPGに有りがちな、ヒントが雑、ヒントがないため当て所無くさまようといった事がなく、シナリオをクリアする上でのストレスはほとんどない。 --ワールドは広いものの、本体に付属しているマップがあるため迷うこともない。 ---マップはほぼ日本地図だが、中国大陸や裏ワールドがチラッとだけ載っている。ただのオマケかと思いきや、実際に行ってみるとそのあまりの広さに驚くという仕掛けになっている。 --また、マップも1章1章で範囲が区切られており、マップがないからといって迷子になることもなく、戦闘にさえ目を瞑れば楽しめる。 -アイテム所持数 --一人7個まで持てるようになり、ロバロバ購入により実質11個と、貝獣物語よりも増えた。 -地図システム --アイテムとして「地図」が手に入り、使用するとどこかのマップに×印をつけた画面が表示される。実際にその場所を探し出して×印を調べると道が開けたり、有用アイテムが手に入ったりする。 -BGM --メロディーがよく、聴きやすいものが揃っている。ただし音質はよいとは言えない。 ---特に勇壮ながらどこか悲哀を感じさせ、後の展開を暗示するかのようなフィールド曲は印象に残りやすい。 --作曲者は『安全地帯』でベース・ピアノ・キーボードを担当したことがある六土開正。 -豊富な助っ人能力 --宝箱を開けるための鍵や移動用など、他のゲームにおいて持ち物欄を埋めがちなアイテムが、いつでも際限なく使える。 --特にフィールド上ならどこでも呼べて一度行った町まで移動できる「カゴちゃん」は広大なフィールド移動において大変便利。後述する戦闘バランスの悪さゆえ常に全滅の危機がある本作において一人でも生存していれば近隣の町まで一瞬で戻れるのも高評価。移動の距離に応じて消費するお金が増えるが増えたところで10数両なのでお金が足りないなんて事もまずありえない。 --一方で主人公達では開けられない宝箱を開ける事の出来る「ジロキチ」の「ワナはずし」は、事実上円滑なゲーム進行を阻害する要素になってしまっている(後述)。 -お守りシステム --神社にはお守りが販売されており、装備することによって各パラメータが直接上下する。 ---攻撃力の上がるお守りで速攻を狙うか、命や守備力の上がるお守りで安全に進めるか。ここでプレイヤーの個性が出る。 ---仲間それぞれに違うお守りを持たせて役割分担もできる。 ---「マリファ((命が上がって防御が下がる。))」や「[[バラモス>ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]」「[[タイソン>PUNCH-OUT!!]]」といったネーミング的にヤバいものも。 -破綻するようなバグがない --これだけ長いストーリーを持ちながら、ゲームに著しく問題を与えるようなフラグ管理のミスもない。 **賛否両論点 -ストーリーの展開 --本編は全10章仕立て、和風RPGとSFを融合させたストーリー。また本編とは別に存在する2つのシナリオは御伽噺や童話風の世界観をベースにしており、それぞれ仲間キャラである「ウルフ」「イワン」にまつわるストーリーとなっている。「摩訶不思議戦国ワールド」の触れ込みどおり、スケールの大きな冒険とともに多彩な世界観を楽しめる作りが特徴。 ---じゅうべえ一行の目的は「日本(とその周辺)各地で悪事を働いている悪の組織・魔界衆の成敗」で一貫しているため、大まかな本筋がそこからブレる事はない。ただし個々のイベントの中には奇想天外とも言えるインパクトの強い演出もあり、そうした展開が作品の持ち味にもなっている反面、人によっては少々荒唐無稽に感じられる場合も。((宇宙船に乗って他の星へ行く、敵に殺された助っ人がキョンシーとなって甦る、トランポリンを使って長城を飛び越えるなど様々。ただし最終局面の展開はプロローグや道中の伏線などからも明確にされている。)) ---また描写は比較的あっさりとしているが、子供向けの雰囲気をまといながらも後の大貝獣物語を彷彿とさせるハードな展開が意外に多い。((助っ人の死、人間を缶詰にする工場、敵に壊滅させられる街など。)) --「コスモトロン」の存在と扱い ---事件解決に奔走しているじゅうべえ一行はあらゆる場所で謎の物質「コスモトロン」を手に入れるが、その正体は全て集めると古代に封印されたエイリアンの破壊兵器を蘇らせるキーアイテムであることが物語中盤で発覚する。 ---敵に絶対渡してはいけない物であるのは確かだが、じゅうべえ達はその事実を知ってからも特に思案する事なくコスモトロン集めを続行し、案の定終盤で味方に変装した敵に集めたコスモトロンをすべて渡してしまい兵器が復活してしまう。お約束の展開と言えばそれまでなのだが…。 --刀鍛冶イベントの末路 ---じゅうべえの武器を刀鍛冶に鍛えてもらい、だんだんと切れ味が増していくというイベントがあるのだが、''最終武器は他人からのもらい物''。システム的に武器は一つしか持てないので、鍛え上げた武器はあっさりお払い箱に…。%%鍛冶代返せ!%%((なお準最強武器である最後の刀鍛冶が鍛え直した刀もストーリー進行に必須なイベントを経た際のクリア報酬なので、実質タダである。愛刀奪還後からここまで刀を鍛えるのを我慢すれば、道中が多少厳しくなるものの金返せという事態にはならずに済む。)) ---ただし最終武器はじゅうべえの出自にも関連するもので、ストーリー上の妥当性はある。 //ストーリーが長いわりに薄い事を評価する内容がないので問題点に移行 //評価点の追記と雑多な記述の整理を行い再度賛否両論点に移行 -どこでもセーブの是非 --ゲームバランスが厳しい本作において難易度の緩和に一役買っており、時と場所を選ばずセーブが可能なことによって最善の結果を残しやすい。 ---ファミコン有数の長編RPGでありながらも、この機能のおかげでプレイ時間が確保しにくい時などでもコツコツ進めていける。 ---本作は全滅すると神社に戻される仕様のため、不用意なセーブが原因でハマリ状態になってしまうこともほぼない。 --その代償としてダンジョンや宝箱のトラップなど一部のギミックはセーブ&ロードで容易に回避できてしまうため、ほとんど意味をなさなくなってしまっている。 ---一方でこれらのギミックの中には正攻法で対処するにはあまりに辛いもの(後述)も含まれているため、良くも悪くもどこでもセーブ前提のバランスが顕著となっている。 ---なおセーブ時には次のレベルまでの経験値が「仲間キャラ全員分、かつ毎回」表示される。この表示自体に問題があるわけではないが、リセット前提のゲームバランスとはあまり相性が良くない。 --ダンジョンの奥で謎解きをする場面がいくつかある。町の人がヒントを教えてくれるのだが、ダンジョンでセーブしてしまっていると聞きに戻るのも苦労する((「チューリップの歌が聞こえる」といった、小学生ならすぐにわかるが大人には逆にわかりづらいという粋なヒントもある。))。 //どこでもセーブが本作にもたらしているメリットとデメリットを考慮し項目を統合の上、賛否両論点へ移行 -「げんない」の存在 --敵の耐性により威力は上下するが、それでも主人公たちより遥かに基礎ダメージが高い攻撃アイテムが存在する。その多くは「げんない」のアイテム変換で入手が可能。 --しかも素材となるアイテムが比較的安価であることから、変換前にセーブ、失敗したらリセットを繰り返す事で、かなり面倒ではあるが強力なアイテムが量産できてしまう。どうしても攻略できない場合の救済措置として機能する反面、時期と運用次第ではバランスの崩壊につながる恐れがある。((もっともプレイヤーが攻撃アイテムの有用性に気が付いており、かつそれらがげんないのアイテム変換で作成可能であることを知っている、という前提条件はあるのだが。)) --また「オカルトン」というアイテムを高額アイテムの「タスカル」に変換・売却して金策するテクニックも存在するが、こちらは素材となるオカルトンがゲーム終盤にならないと手に入らないこともあり、前述の攻撃アイテム量産に比べて使いどころは限られる。 //げんない加入後の戦闘バランスについて相反する記述が見られたため、項目の統合と記述の整理を行い賛否両論点に移行 **問題点 -エンカウント率が高い --特定の''エリアの周辺ごと''に細かくエンカウント率が設定されているという妙な仕様のせいでエンカウント率が非常に高い。 ---この仕様のせいで平地''のみ''ならエンカウント率は低いが''森や侵入できる山が近くにある平地エリア''だと一気にエンカウント率が跳ね上がる。((森や山と言った侵入可能なエリア以外にもウルフ編の巻貝のようなオブジェクトの周辺など侵入できないエリアの周辺であってもエンカウント率がハネあがるケースも多い))エンカウント判定が低いエリアなら画面半分ほどは歩けるものの、だいたいは1~5歩でエンカウントし、1歩エンカが2~3回続くことも珍しくない。 --また素早さにより逃走率が変わるため、新しい地域では逃走に失敗しやすい。 --どこでもセーブを駆使したセーブ&ロードでエンカウントを回避しつつ少しずつ進めることも可能だが、面倒な上に多用し過ぎるとレベルが上がらず、ただでさえ厳しいゲームバランスがますます辛くなっていく悪循環に陥る。 -厳しいゲームバランス --ゲーム全体を通じて戦闘バランスが厳しめに設定されており、前述した高すぎるエンカウント率の問題と合わせて攻略にはかなりの根気を要する。 --敵が強力な割に1回の戦闘で得られる経験値等は決して多くなく、レベルアップのためには必然的に相当数の戦闘をこなす必要がある。ただし強さと実入りが必ずしも見合っていない敵も多い。((序盤で例を挙げると、最弱のステータスでこの時点では無駄行動に等しい補助超力を使ってくる「しろぼうず」が経験2金5なのに対して、しろぼうずより被ダメージが2倍ほど高い「レッドスネーク」は経験1金4といった具合。またダンジョン内に存在するシンボルエンカウントの敵は通常エンカウントの敵と比較して強敵に設定されているが、得られる経験値やお金は大差なくドロップ品なども存在しない。こちらはゲーム上でも避けるべき障害物やトラップに近い位置付けとなっている。)) --武器や防具を買い揃えても数値の上昇量はそれほど高くないため、根本的な解決策にはならない。そもそも後半は装備品の値段もインフレが激しくなるため、最新装備を買い揃えること自体が難しくなる。~ もっとも大枚叩いて買っても数ポイント程度の上昇であることがほとんどなので、無理をして都度買い揃える必要性も薄いのだが。((特に僧侶ポジションに近い龍姫は武器の影響度が低いキャラであり、しかもストーリー進行の都合で彼女の最強武器と然して遜色無い性能の専用武器が無料で手に入るため、彼女には武器を一切与えずに進めた方が金銭面で楽になる。)) --適正レベル以下でもやりようによってはクリアも可能ではあるため、ある意味でバランスは取れているとも言えなくはないが…。 //ゲームバランス関係の項目はミクロで冗長な記述、過大な表現や重複する内容の記述が目立つため全体的に整理・統合 -雑魚敵が強いのは先に述べた通りだが、せっかくなのでその一部を挙げてみる。 --素のスペックが高くシンプルに強い敵も多いが、使用してくる特技に厄介なものも非常に多い。 #region(一部の雑魚敵) ''あおぼうず'' -大体2体で出現し全体攻撃「ライフダメージ」に加え、たまに麻痺の状態異常も入れてくる厄介な敵。素早さが高い為ある程度レベルが上がってもなかなか先手を取れず、確定一発が難しい点も強さを後押ししている。 --更に厄介なのがこいつと一緒に出てくる「オニデーモン」という敵があおぼうずよりもビジュアル的に強そうに見えるので(オニデーモンは物理一辺倒で何の特技も持たない)、あおぼうずに対して無警戒になりやすいというプレイヤーの心理を突いた初見殺しも。 ''にんげんもどき'' -4~5体の集団で現れ、そこそこの攻撃力で殴りつつ防御力を上げる超力「コウラブル」で脇を固めてくる。 --コウラブルを重ね掛けされるとじゅうべえでもまともにダメージが通らなくなっていく為超力や攻撃アイテム頼みになる。かと言って超力で攻撃しようにも耐性が強い為無効化されやすく「リマジク」で超力を反射してくるという嫌らしさもある。 ''ガオウ'' -「ぜったい0ど」で全体を氷結状態(数ターン行動不能)にしてくる。HPも高いので1ターンで倒すにはある程度のレベルと性能のいい武器が必要。素早さも高い為ウルフ以外では先手を取りにくい点も逆風。 --ぜったい0ど以外にも全体攻撃の「じしん」や高威力の「たいあたり」等の厄介な特技も持っている。 --ただ、氷結の成功率はそこまで高くなく超力も炎系は効きやすいのでそこを上手く突けばまだ楽な方。 ''パニュロン'' -全体に50前後のダメージを与えるライフダメージを使用する上に麻痺攻撃も仕掛けてくる。あおぼうずの恐怖再来である。 --こいつ単体でも厄介だが、先述したガオウとセットで出てきた場合は厄介度が跳ね上がる。ガオウのぜったい0どで身動きを取れなくされたところをこいつの麻痺とライフダメージで全滅したというプレイヤーも多いだろう。 ''ブビ'' -オーロラ王国のラストダンジョンに出現し、''全体に200近いダメージを与える「ファイアブレス」という特技を使用してくる。'' --普通に進めているとこの時点で一番HPの高いイワンでも200をようやく超えるくらいで、喰らえばパーティはほぼ確実に壊滅状態に陥る。ファイアブレスの使用頻度も決して低くなく、低レベルだとこれ一発でHPMAXから全滅する事も。 --章締めのラストダンジョンだけに強力な敵が配置されるのは理解できるのだが、いくらなんでもやりすぎなのは言わずもがな。一応獲得経験値が1900/パーティ人数とオーロラ王国では最も多く得られるが、この強さに見合った量とはとても言えない。 ---余談だがファイアブレスを使用してくる敵はラスボスとこいつだけである。 -…と、このように本作の雑魚敵は一癖も二癖もある奴らばかり。繰り返すがこれでもごく一部である。 #endregion -攻撃用超力の使い勝手 --超力に対して耐性を持つ敵が登場するが、攻撃用超力も補助用超力と同じく効くか効かないかの二択しかない。当時は[[ドラゴンクエスト]]なども攻撃魔法は効くか効かないかの二択だったのでこの仕様自体は特別問題視されることではないが、本作では攻撃アイテムが''耐性に関係なく必ずダメージを与えることが出来る''仕様のため、攻撃用超力のお株を奪ってしまっている。 ---ただしゲーム最終盤では攻撃アイテムの確保が難しくなるため、アイテムにばかり頼っているわけにもいかない。攻撃アイテムを持っていない場合においては貴重な全体攻撃手段の一つであることには変わりなく、また敵単体に大ダメージを与える「スパーク」((りゅうひめとウルフが習得し、終盤における両者の火力不足を補う切り札にもなり得る。))などボス戦に有用な超力もあり、運にも左右されるものの使いどころがないわけではない。 -操作性が悪い --本作では十字ボタンを押すとキャラが押した方向に向く''だけ''であり、移動させるにはもう一度押す必要がある。 --十字ボタン押しっぱなしでも「向く→移動する」の一連の動作はしてくれるが、一般的なRPGと比較するとワンテンポ遅れた動きになりストレスがたまってしまう。 --「さがす」コマンドが''足元''ではなく''一歩前''を調べる仕様であるため、それに対応するための挙動と思われるが、そもそも敢えてこのような仕様にする必要があったのかは疑問が残る。((一般的RPGのように怪しい場所の「上に乗って」調べても何も起こらないため、この仕様を理解していないと隠し通路などが発見できずにスルーしてしまうといった問題が起こり得る。)) -落とし穴トラップ --ダンジョンで何度もお目にかかることになる開閉式の床やひび割れは、仲間の一人が引っかかっても入り口や階下に落とされる足止めのギミック。序盤のダンジョンは大した脅威にはならないが、隊列が増える中盤からは目に見えて厄介なトラップへと早変わりする。 最大の4人パーティで落とし穴トラップだらけの箇所を延々と昇らされる「氷結城」は特に顕著。 --勿論直前でセーブ、落ちたらリセットで問題はないのだが、ただでさえ長いダンジョン、強敵の群れの中、何も産まないただの足止めになっているためにストレスが溜まる。 ---小技として&bold(){落とし穴の上でセーブ&リセットで再開するとその箇所の落とし穴判定が無くなる}と言うものがある為、パーティメンバーが増える後半はこの手を使うと良い。 //メガトンコインは橋に載せるな、というゲーム内ヒントがあるため理不尽な罠とはいえないので該当の記述を消しました。 -宝箱の罠 --ワナはずしの能力を持つジロキチが加入する序盤からほとんどの宝箱に仕掛けられており、解除するのも確率。 --失敗すると10ダメージの爆弾や毒状態になる毒針、モンスタートラップなどは常識的な範疇だが、&bold(){ランダムな誰かひとりのレベルが1下がる}エナジードレイン、強制的にダンジョンの入口に飛ばされるテレポートなど凶悪なものも存在する。 ---それでいて報酬は僅かなお金やお店で購入可能な消耗品などが大部分を占めるため、開けるメリットも薄いことが多い。((装備の変更は一部イベントを除いて武具屋で購入して装備品は強制的に下取りされるシステムの為か、本作では宝箱から入手できる武器・防具・おまもりは一つも存在しない。))中にはからっぽなのに罠が仕掛けてあるというケースもある。 --これもまた宝箱の前でセーブし、失敗したらリセットしてやり直せば良いだけの話なので、前述の落とし穴トラップとあわせて&bold(){ギミックが有効に機能していない}。~ セーブ出来ずにこんな罠を搭載されたらそれはそれでストレスフルなのだが…。 -負けイベントに絡む問題点 --全滅時に味方全員の命と超力を完全回復の上蘇生してくれる「タスカルオール」というお助けアイテムがあるが、全滅することで進展する必須戦闘(いわゆる負けイベント)でも強制発動する。 ---アイテムの預かり所がないので負けイベント前に取ったら無駄消費となる。しかも、その戦闘では一度全滅したとみなされ、お金までも半分に減らされるが、こちらは銀行があるので対処可能である。 ---これを回避するには負けイベント発生までタスカルオールを入手せず、イベント終了後に戻って回収するしかないが、そもそも初見ではそんなことを知る由もないので、多くの場合は集めたタスカルオールをここで全て使わされることになる。 -村や町の扱い --容量の関係からか、一部のマップや町の人のセリフに使い回しが多い。 --また終盤に起こるイベントによって、ほぼすべての町へ入れなくなってしまう。 ---ほとんどの店が利用不可となる関係から、有用なものを含めて多くのアイテムが調達困難となる。取り逃したアイテムなどがある場合、それらも入手できなくなる。((ウルフの武器防具は街中で拾ったアイテムを素材にげんないに作って貰うのだが、よりによって最強武器の素材が件のイベント後に入れなくなる街の中に落ちている(と言うか最強防具以外の素材全部が入れなくなる街に落ちている)。この街に行ける期間自体極々短いのもツラい)) -ボス戦専用BGMが存在しない --ボス戦はもちろん、ラスボス戦''すら''存在せず、通常BGMが流れる。 --その一方で前述の裏ワールドでは戦闘BGMが変わる。 //問題点として指摘されるほど露骨なお色気要素とは思われないため「露骨なお色気要素」の項目を削除 ---- **総評 和風時代劇を土台にしたSF・ファンタジーという舞台設定は良いのだが、独特の世界観や展開は人によりやや好みが分かれる。~ ファミコンRPGでも屈指のボリュームは流石と言えるが、その一方で大味な作りも目立ち、特に厳しい戦闘バランスと非常に高いエンカウント率の嚙み合わせが良くないため、この点でゲームのテンポを大きく損ねてしまっている。~ 助っ人システムは大貝獣物語シリーズにも採用された良システムではあるものの、一部の助っ人はワンポイントのみの使用にとどまるなど、まだ洗練されていない部分も見られるのが惜しい。~ これらの要素の良し悪しや、発売時点でもやや時代を感じさせるシビアなゲームデザインに加え、姉妹作の[[貝獣物語]]でも見られた問題点が解消されておらず、目立ったバグも無く長大なスケールを感じさせる素材ながら良ゲーになりきれなかった。~ //動画投稿者の名前や詳細な内容の記載が宣伝に当たるとの意見があったため概要だけ残して削除しました。書きたい場合、投稿者の具体名や事情の詳細を書くのは控え大まかな概略だけにしてください。 //↑本作と直接関わりがないローカルな話題であり記載自体不要でしょう。 //判定無しへの変更を受け、総評を変更しました。編集合戦が行われそうな場合は判定なし専用意見箱で再度まとめていただければと思います --2018/3/13 //反対意見が出なかったため、要強化から外しました。 --18/3/16

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: