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エターナルダークネス ─招かれた13人─」を以下のとおり復元します。
*エターナルダークネス 招かれた13人
【えたーなるだーくねす まねかれたじゅうさんにん】
|ジャンル|サイコアドベンチャー|&amazon(B00006L909)|
|対応機種|ゲームキューブ|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|Silicon Knights|~|
|発売日|2002年10月25日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|クトゥルフ神話をモチーフにした世界観&br;サニティ(正気度)システム|~|
#contents()
**概要
-「クトゥルフ神話」((アメリカの創作ホラー小説群。世界には人知を超えた恐ろしい存在がいて、人類の歴史や知識、存在は彼らにとっては簡単に滅すことができる取るに足らないものなのではないかという『宇宙的恐怖』をテーマにしている。))をモチーフに作られたホラーアクションアドベンチャーゲーム。
--ただし、世界観設定はクトゥルフ神話そのままではなく本作独自のものになっている。
--後述するサニティ(正気度)システムもクトゥルフ神話のテーブルトークRPGで使用されているものである。
-子供向けゲームの多いゲームキューブでは珍しい正統派ホラーゲーム。
--バイオハザードシリーズ(とルイージマンション)を除けばゲームキューブのほぼ唯一のホラーゲームと言えるだろう。
--当時CEROレーティングはまだなかったが、パッケージには「この作品には銃撃、暴力、出血などのショッキングなシーンが多く含まれております。」としっかり書かれている。
-ゲーム進行はチャプター形式になっており、基本的には「主人公で屋敷を探索→他のキャラのチャプターを攻略→再び屋敷の中を探索…」を繰り返して進めていく。
--全12章で、さまざまな場所さまざまな時代で12人のキャラクターを操作して進めていくことになる。
-もともとはニンテンドー64用に開発されていたタイトルだが、結局ゲームキューブ版で出されることになった。
-日本ではいまいち知名度が低いが、海外では「ゲームキューブのベストアクションゲーム」など数多くの賞を受賞している。
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**ストーリー
2000年、ワシントン州の大学生アレックス・ロイヴァスは夜中に祖父が殺されたという知らせを受け、~
祖父の屋敷へと向かい、そこで祖父エドワードの惨殺死体を見てしまう。数週間後、遅々として進まない~
警察の捜査に業を煮やしたアレックスは自らの手で館の探索を開始する。その最中、屋敷の隠し部屋で~
奇妙な本を発見する。人間の骨と皮でつくられたその本は、強大な闇の存在「エンシャント」と~
人類との戦いを記録した「エターナル・ダークネスの書」だった……
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**特徴
***サニティシステム
-エンシャントの眷属たちの視線を浴びたり、正常な人間を殺害したりすると、プレイヤーのサニティ(正気度)が減少していく。
-サニティが低い状態ではプレイヤーはさまざまな「幻聴」「幻覚」に遭遇することになる。
-また、サニティがゼロの状態で敵の視線を浴びると、体力が減少していく。
-サニティは敵に「とどめを刺す」かアイテム、魔法等の手段で回復することができる。

***エンシャントの選択
-今作には人類に敵対する強大な闇の存在「エンシャント」が4体登場する。
-ゲームの序盤でそのうちの3体のうちから1体、メインの悪役となるエンシャントを選択することになる。
-選んだエンシャントによってゲーム中に登場する敵キャラの種類が変化する。
--「力のチャターガ」を選んだ場合、再生能力を持ったゾンビが雑魚として登場。
--「無限のウーリアス」を選んだ場合、自爆能力を持ったゾンビになる。
--「狂気のゼロタース」を選んだ場合、頭部を破壊されても霊体の頭部で視線を浴びせてくるゾンビになる。
--その他の雑魚敵も選んだエンシャントによってタイプが変化する。
-エンシャントはそれぞれ敵対関係にあり、ゲーム中でも別々の主に使える眷属たちが争う場面に遭遇することもある。

***スペル
-ゲーム中に「ルーン」というアイテムを集めると魔法が使えるようになる。
--ルーンは力を借りるエンシャントを示すルーンとその他の二つのルーンを組み合わせて作成する。
--基本的にはルーンの他にルーンの意味を示す「コーデックス」や魔法に必要なルーンを示す「スペルスクロール」を揃えることで魔法が使えるようになる。
---ただし、コーデックスやスペルスクロールがなくとも自力でルーンを組み合わせて魔法を作ることもできる。
-攻撃を無効化するシールドや敵にダメージを与えるフィールドを作りだす魔法など、主に戦闘に使用する魔法もあれば、見えないものを暴く「リビール・インビブル」、障害となる魔法を解除する「ディスペル・マジック」など主に探索に用いる魔法もある。
-魔法の使用にはマジックポイントを消費する。マジックポイントは時間経過やアイテムで回復することができる。

***戦闘
-Rトリガーで武器を構え、頭、胴体、腕などの部位を狙うことができる。
--正気度を下げる視線を出す頭部を先に破壊したり、両腕を破壊して無力化するなどの戦術をとることができる。
-キャラクターにはスタミナがあり、武器を連続で振ったり、走り続けたりすると、息切れして動きが遅くなってしまう。
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**評価点
***凝った幻覚
-サニティが低下した際に発生する幻覚は多くの種類があり、場所やキャラクター独自のものもあり、演出も凝っている。
-天井から血が滴り落ちてくるといったような正統派のものから、ドッキリ系、さらにはプレイヤーの精神を直接狙ったようなメタネタまである。
#region(幻覚一部ネタバレ)

-正統派
--地面と天井が逆になる。
--天井から血が滴り落ちてくる。
-ドッキリ系
--回復魔法を使おうと思ったら突然上半身が爆裂して死ぬ。
--プレイヤーキャラクターの首が突然地面に落ちる。
-メタネタ
--敵に囲まれた状態で『コントローラー端子が刺さっていません』
--セーブ画面で『メモリーカードのデータを全て削除しています』
#endregion()

***スペル
-スペルは全部で12種類だが、相手にダメージを与える壁を作り出す魔法や、敵を召喚する魔法などがあり幅広い。
-戦闘と謎解き、両方で使う魔法が多く、創意工夫が求められる。
--例:壊れた物を修理する「エンチャント・アイテム」は武器を強化できる、魔法の障害を排除する「ディスペル・マジック」は敵の防御呪文を無効化できるなど。
-上手く活用することで戦闘を非常に有利に進めることができる。
-ルーンさえ持っていれば、その場ではまだ覚えないはずの魔法も自作できる。

***マニアックな武器
-さまざまな時代、さまざまな場所が舞台となるため、武器のチョイスが幅広く、マニアック。
--古い時代の章では、古代ローマのグラディウス、インドの投擲武器チャクラム、インドの儀式用大曲剣ラムダオなど。
--近現代においてはフリントロックピストル、第二次大戦中のライフル、ショットガンなどが登場する。
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**不満点・賛否両論点
***プレイヤーキャラクターの末路
-クトゥルフ神話をモチーフにしているので仕方がないのだが、章の最後でプレイヤーキャラクターがあっさり死ぬことが多い。
--死なないまでも、たいていはトラウマが残ったり、狂気に走ったり、たいていは悲惨な結末になる。

***ムービー
-もともとはN64で開発されていたゲームのためか一部(それも重要な場面)のムービーは低解像度のものがそのまま流用されている。
-一周目はムービースキップができないため、ラスボス戦など低解像度のムービーを何度も我慢して見続けなければならないのはかなり苦痛である。
-2周目以降は一度見たムービーをスキップできるようになるが、選択したエンシャントの違いでわずかでも内容に差があるとスキップできない。

***敵の種類
-エンシャントごとにタイプは変わるが、基本の雑魚敵が5種類ほどしかいないため、やや単調。
--最初に選んだエンシャント以外のタイプの敵も一応登場するが、全体を通して数は少なく、しかも基本的な行動パターンや能力は同じ。
-周回プレイ時、基本的にやることが変わらないため、新鮮味に欠けるという問題もある。
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**総評
「ゲームキューブのホラーゲーム」としては今となってはバイオハザードの影に隠れている感が否めないが、~
幻覚をテーマにした凝った演出は、今でも他に類を見ないこのゲーム独自の要素。~
幻覚以外の戦闘、謎解きといったアクションアドベンチャーの要素は、悪く言えば地味で凡庸だが、~
特筆すべき欠点もなく、アクションアドベンチャーの基本はしっかりしている。~
サニティシステムの一点で、ゲームキューブの隠れた名作ホラーゲームと言ってもいいだろう。~
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**余談
-タイトルの「招かれた13人」の13人目というのはプレイヤーのことだが、特にストーリーや裏設定に関係するわけではない。海外版ではSanity's Requiemという全く別のタイトルで発売されていた。

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