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ガンスモーク - (2011/12/27 (火) 09:08:49) の編集履歴(バックアップ)


ガンスモーク

【がんすもーく】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1985年
ポイント 3つのボタンを使い分けるウエスタンシューティング
容赦無き難易度の高さ

概要

  • 1985年にてカプコンからアーケードにリリースされた縦スクロールシューティング。
  • 西部劇を舞台に二丁拳銃の保安官ビリーが平和を乱すお尋ね者を退治するというストーリー設定。
  • 一人~二人交互プレイ可能。全10ステージ構成。

主なルール

  • 原則的に一般的な縦シューティングを同じ、「先に進んでボスを倒せばステージクリア」という流れである。
  • 使用コントローラーはレバーと3ボタンとなっている。レバーにてビリーの八方向移動、ボタンはすべてショット(ライフル撃ち)に使用する。
    • このゲームは3つのボタンをどう押すかによってビリーの攻撃方法が変わる。保安官は二丁拳銃使いなので、ショットは必ず2方向同時の撃ち分けとなる。また、ショットには射程制限があり、画面端までは届かない。
    • 以下にボタンによるショットの撃ち分けを示す。ボタンの押し方は単発(1つ押し)と2つ同時押しの各パターンがある。
ボタン 攻撃方向
中央 前方2方向に同時ショットを放つ
左側 前方左斜め2方向に同時ショットを放つ
右側 前方右斜め2方向に同時ショットを放つ
左側 中央 前方1方向と前方左斜め1方向に同時ショットを放つ
中央 右側 前方1方向と前方右斜め1方向に同時ショットを放つ
左側 右側 前方左斜め1方向と前方右斜め1方向に同時ショットを放つ

追記:表左のボタン配置はコントローラーに見立てると「レバー + (左側)/(真ん中)/(右側)」という配置順となる。

  • ステージ開始前に賞金首(ボス)の顔と賞金額が表示され、そのステージをクリアすれば賞金額がそのままスコアボーナスとして加算される。
  • 各ステージに配置されている「樽」をショットで破壊すれば以下のアイテムを落とす(破壊しても何も出ない場合もある)。
    • パワーアップ系(どれも最大5段階までパワーアップできる。取得したアイテムはストックとして画面下に表示される)
      • 「靴」…移動速度を上げる。
      • 「弾丸」…ショット速度を上げる。
      • 「ライフル」…ショットの射程距離を上げる。
    • その他
      • 「馬」…ビリーが愛馬に乗り、3回までの敵ダメージに耐えてくれる。全ダメージをもらうと消滅する。
      • 「Pow」…画面内の敵を全滅させる。
      • 「弥七」…1UPボーナス。
      • 「シャレコウベ」…上記のパワーアップ効果がすべて1ランク下がるマイナスアイテム。
      • 「スコア」…スコアボーナス。
    • ステージクリア後は次ステージにてパワーアップ系のアイテムストックがすべて引き継がれる。
  • 残機制の戻り復活ですべてなくなるとゲームオーバー(コンティニューは可能)。
    • ビリーのミス条件は「敵や敵の攻撃に触れる」事である。
    • ゲームの関係上、建物や川などがビリーの行動範囲を邪魔する形で配置されている場面があるが、これには触れてもミスにはならない。また、スクロールと建物などに挟まれてもミスではない(挟まれた状態から弾き出される)。
    • ミスすると「靴」「弾丸」「ライフル」のパワーアップ効果が1ランク下がるペナルティがある。
      • パワーアップのストックは最大である5段階からさらに溜める事が可能で、その状態だとミスしてもパワーランクが下がらない*1恩威がある。

批評点

  • 「3つのボタンでショットを使い分ける」という操作性は評価に値するだろう。
    • これにより、「敵の配置によってショットどの方向に撃てばいいのか」という戦略性を持ち、「敵を狙う楽しさ」が詰まっている。
    • 若干の慣れはいるものの、直感的に押しやすいボタン配置となっている、操作性に関してはそこまで複雑でもない。
    • 余談だが、当時のカプコンシューティングは本作以外にも「ショットの方向を調整して撃ち分ける」という作品が多かった。
      本作とゲームデザインが若干似通っている『戦場の狼』の他に、『セクションZ』や『サイドアーム』もこれ系統のシューティングである。
      後の『ロストワールド』や『アルティメットエコロジー』ではさらに進化した撃ち分けが採用される事となる。
  • 操作が特殊であると同時に、本作は同時期のカプコンシューティングの中でも難易度はかなり高い。以下その要因。
    • 建物などの障害物が多めに配置されている影響で、おのずとビリーの移動範囲が限られてしまう
    • ビリーは前方及び前方斜め2方向にしかショットが撃てないのに、敵は平然と360度方向で弾を撃ってくる
      • しかも、敵弾の速度が速い上に、敵そのものもビリーにまとわり付く感じで襲いかかってくる。ビリーの目の前で弾を撃たれると回避不可能な事態が普通に起こる
    • 敵の攻撃パターンのランダム性が強く、攻略がなかなか安定しない
    • ミスするとパワーダウンペナルティの戻り復活であり、いくら残機が余っていようがごり押しクリアは絶対にできない
      • さらに最悪な事にボス戦でミスすると、ボス戦直前ではなくボスの少し前の地点に戻されるというスタルパっぷり。
    • ボス戦でも容赦なく雑魚敵が無限に沸いてくる。完全に多勢に無勢状態で不公平である。
    • …といった感じで、終始遠慮のない難易度となっており、プレイヤーを選ぶ作風となってしまっている。
    • 逆に救いがあるとすれば「1ステージは短めで構造されている」「ボスの耐久度は低め」といったところか。それでもきつさの方が遥かに上回っているが…。
  • グラフィックの書き込みやBGMなどに関しては高評価。
    • グラフィックの書き込みは洗練されており、渋いテイスティの西部劇らしさが丁寧に描かれている。
      • 各ボス(賞金首)には様々な面子が存在する。西部劇の王道の奴らの他にも、忍者や近未来容姿といった異色のキャスティングも存在するが、決してギャグになっておらず違和感なく溶け込んでいるのはお見事。
        もちろん、各ボスには攻撃方法が多種多様であり、非常に個性的である。
    • BGMも西部劇の雰囲気を上手く表現した名曲揃いでひたすらに渋かっこいい。この辺は流石カプコンといったところか。

総評

  • 外観は当時のゲームとしては優秀で、独自性のある操作系統は純粋に素晴らしいのだが、難易度があまりにも高すぎた故に人を選ぶ作品となってしまった感は否めないのが残念である。
  • 家庭用移殖は単体移殖はファミコン(ディスクシステム)版のみ。しかし、後のオムニバス移殖が多くされているので、プレイする機会には恵まれている部類に入るだろう。

家庭用移殖

発売元はすべてカプコン。

  • ファミリーコンピューター版(1988年1月27日発売)
    • FCコントローラーでは3ボタンによる操作が再現ができない為、「Bボタンで左斜め、Aボタンで右斜め、AB同時押しで前方の攻撃」という操作方法に変更されている。
    • BGMが全て差し替えられたり、殆どのボスの攻撃方法が変わっている他、「ステージ内にて"手配書"を入手しないとボス戦に遭遇できない」「ショップにてアイテムが購入できるようになった」といったアレンジ色が非常に強くなっており、厳密な意味では移殖とはいい難い模様。
  • オムニバスソフト
    • カプコンジェネレーション 第4集 孤高の英雄(セガサターン/プレイステーション、1998年11月12日発売)
    • AC版のほぼ完全移殖。『戦場の狼』『戦場の狼II』とのカップリング収録。
    • カプコン クラシックス コレクション(プレイステーション2/同 ポータブル、2006年3月2日発売(PS2)/2006年9月7日発売(PSP))
    • 上記のカプジェネ版3作品も含めた全19作品のカップリング収録。