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スーパーマリオブラザーズ2 - (2017/09/27 (水) 23:08:58) の編集履歴(バックアップ)
スーパーマリオブラザーズ2
【すーぱーまりおぶらざーずつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ ディスクシステム
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂、エスアールディー
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発売日
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1986年6月3日
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定価
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2,500円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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なし
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※ファミコンミニシリーズ版以降より付加
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2007年5月1日/500Wiiポイント(税5%込) 【3DS】2012年7月25日 【WiiU】2013年8月8日/上記共に500円(税5%込)
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備考
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GBA『ファミコンミニシリーズ』第三弾(2004年8月10日発売)
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ最高レベルの難易度 毒キノコや逆ワープといったトラップ マリオとルイージの差別化 FOR SUPER PLAYERS
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マリオシリーズ・関連作品リンク
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概要
世界的大ヒット作品となった『スーパーマリオブラザーズ』の続編。
ストーリー自体は前作とほぼ変わらず、取扱説明書では「前作のパラレルワールド」との記載がある。
基本的なシステムは前作を踏襲しているが、ディスクのジャケットカバーに「FOR SUPER PLAYERS」と記載されているように、前作を遊びつくしたプレイヤーを対象として開発されたため、難易度は大きく上がっている。
前作からの変更点
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プレイキャラクターをマリオとルイージから選べるようになった。
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マリオは前作と全く同じ挙動。ルイージはマリオよりジャンプ力が高く、マリオがダッシュジャンプしなければ乗り移れない足場にも楽々飛べる。
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しかしブレーキが効き難く、小さい足場で滑って落ちてしまうことも珍しくない。
このように、マリオとルイージは一長一短の絶妙な調整になっている。
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取るとダメージを受ける「毒キノコ」。
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茶色に黒い斑点と毒々しい色をしているので、事前に知っていればまず取ることはない。ただし、地下や城ではパレットの関係で地上とは違う色で表示されるため、同じく違う色で表示される「1UPキノコ」との見分けが非常につきづらい。
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同じ画面にアイテムは1個しか存在できない仕様のため、スーパーキノコや豆の木が画面内にある状態で毒キノコを出すと消滅してしまう罠もある。
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ちなみに説明書では敵キャラクターの欄にて紹介されている。また、本作のデモ画面は「1-1でチビマリオがうっかり毒キノコを取って死ぬ」場面のため、説明書がなくてもマイナスアイテムであることはわかるように作られている。
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前のワールドに戻される「逆ワープゾーン」。
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3-1と8-1の2箇所にあり、3-1では1-1に、8-1では5-1に戻される。逆ワープが嫌なら、3-1にはすぐそばに自滅用の穴があるためそこに落ちればいいのだが、8-1にはない。つまりタイムアップによる時間切れを待つしかないという地味に面倒な仕様になっている。
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ちなみに当時の攻略本には、腕さえあれば逆ワープを利用し続けることでスコアを無限に稼ぐことが出来る、という利用法が紹介されていた。
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新たな仕掛け
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画面外まで飛び出してしばらく落ちてこないほどの跳躍力を持つ「スーパージャンプ台」、右方向へキャラクターが流される「追い風」などが登場。
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これらの仕掛けを上手く利用しないとクリアできないエリアも多い。
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敵キャラクターの調整
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新たな敵キャラクターが登場したり、既存の敵キャラクターの挙動が難度を上昇させる方向で変更されたりした。
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前作では城のみで設置されていたファイアーバーが他のエリアでも設置されるようになった上、軸ブロックを足場にして進まねばならないエリアも作られた。
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他にも、前作では水中のみで登場したゲッソーが地上エリアにも登場したり(地上の場合は踏んで倒すことができる)、逆に水中にノコノコやメットといった地上の敵キャラクターが登場するエリアもある(水中に登場した場合はプクプクやゲッソーと同じで踏むことができない。そのためファイアが効かない水中メットは実質無敵)。
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4-1以降では全てのパックンフラワーが挙動が早く土管に触れていても引っ込まない赤いパックンフラワーに切り替わるほか、5-1からは逆さ土管や逆さパックンも登場する。
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敵を踏んだときの反動が大きくなった。
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この反動ジャンプを使うことを前提としたエリアも多い。有名なのはパタパタを利用した「甲羅飛び(「パタパタジャンプ」とも)」か。
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ポール越えについて
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今作ではジャンプ力の高いルイージやスーパージャンプ台が存在するため、最初からポールを飛び越えることを想定して作られている。
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基本的に城の先には進めず、進める場合は先にワープゾーンが設置してあるが、前述の逆ワープという罠がある。
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無限増殖ができる場所が大幅に増えた。
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つまり、公式が無限増殖による残機数増量を前提とした難易度調整を施したということである。
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例として、1-1スタート直後の場所でも出来るようになっている。
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また、一度段差で甲羅を踏み始めればAボタンを連打せずに放置していても連続で踏み続けられるようになった。
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コンティニューが正規コマンドとなった。
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ゲームオーバー画面でコンティニューの使用を問われるため、任意にコンティニューすることができる。
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ただし、コンティニューすると各ワールドのエリア1に戻された上、残機数3からのスタートとなる。無限増殖を活用してもなおゲームオーバーになるようなワールドを3機で再挑戦してクリアするのは極めて困難。
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3DS/Wii U版VCでは少々反則ではあるが「まるごとバックアップ」機能があるため、上記をする必要はない。
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グラフィック
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一部のマップチップが描き替えられて前作と異なる雰囲気に。キノコや背景の雲などに顔が付くようになった。
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ブレーキ音
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ダッシュ中、進行方向とは逆の十字キーを押した時に「キーッ」というブレーキ音が入るようになった。
評価点
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ワールド9、及びワールドA~Dが追加された。
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前作でも内部データ上はワールド9以降が存在していたが、本作では隠しルートとして正規に実装された。
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ワールド9はワープ不使用特典(逆ワープも不可)のおまけステージで、残機は強制的に1にされ、見た目が地上面のステージを泳いだり、クッパがいる城風の地上面がエリア3にあったり、最終面9-4は「アリガトウ!」の文字ブロックがあったりなど、前作で話題になった256面のバグ技で生成される面を意識したような特殊な面構成となっている。
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ワールドA~Dは通常のステージのパラレルワールドという扱いで、ゲームを8周クリアすると行けるようになる。表面よりも総ステージ数は少ないが表面より更に難易度が高い。特にワールドCは本作における最難関ワールドになっている。
賛否両論点
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非常に高い難易度
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前述してある通り、本作の『2』は続編とは異なり、『1』をクリアできるというより、制覇し遊びつくしたプレイヤー向けのエクストラステージ的な趣が強い。その為、本作は2D「マリオ」初挑戦とするには不向きである。
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象徴的なのが1-1で最初に出てくるスーパーキノコ。出てくるものをそのまま取ることができず、ここからして『1』にある程度親しんでいなければ越えることが出来ない高いハードルが用意されている。
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なお、本作が高難易度になった別の理由として、当時のゲーム業界は「裏ワザブーム」の最中にあり、高難易度で隠し要素が多いゲームが面白いゲームとされる風潮が強かったため、それらの意向を踏まえて高い難易度に設定された、という側面もある。
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ワールドA~Dの出現条件
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やり込み要素といえば聞こえはいいが、単に8周クリアするだけなので単調に感じたり、途中で飽きてしまう可能性もある。
問題点
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ルイージの性能区別や新しいアクションなど新要素はあるものの、根本的なゲーム性やグラフィックデザイン面は『1』とほぼ同じで目新しさに欠ける。
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やはりこれもエクストラステージ的なコンセプトの為ではあるだろう。
総評
基本システムは前作そのままであるため、「マリオを動かすだけで楽しい」という大原則を維持したまま、難度の高いマップをプレイヤーの技量で潜り抜けていく面白さもある。
慣れれば無限増殖をせずともワールド9に到達できるような、絶妙のバランス調整は流石の一言。
現在でもスーパーマリオシリーズで最も難しい作品とされている。
移植・リメイク
スーパーマリオコレクション
詳細は『スーパーマリオコレクション』の項目を参照。
余談
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海外では当初本作は発売されず、『夢工場ドキドキパニック』のキャラをマリオに差し替えたバージョンを『SUPER MARIO BROS. 2』(日本では『スーパーマリオUSA』)として発売された。
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その後、『Super Mario All-Stars(マリコレ)』で日本版の『2』が初登場となり、『SUPER MARIO BROS. THE LOST LEVELS』(訳すと「失われたコース」)というタイトルで収録されている。
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後に、海外のVCでも日本版『2』が『THE LOST LEVELS』として配信されたが、こちらはデータ自体はFCD版のため海外でもタイトル画面は『2』のままになっている。
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ディスクシステム媒体の作品であるため、ロムカセットよりも安く、書き換えなら500円で入手可能であった。ディスクライターでの累計書き換え回数は1位を記録している。
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週刊少年ジャンプの『ファミコン神拳』で、ディスクシステムを所有していないユーザーのためにROMカセット版が企画されているという情報が紹介され、CMでもゼルダの伝説1と共に宣伝が行われたが、結局発売されなかった。
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アーケードの『VS.スーパーマリオブラザーズ』では、一部エリアやエンディングは本作の物が流用されている。
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『2』で敵を踏んだ時の反動が大きくなったことが前提の造りのエリアを、反動が前作のままで攻略しなければならず、極めて難しい。
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ゲームボーイカラーの『スーパーマリオブラザーズデラックス』には隠しゲームとして『2』のステージが収録されているが、こちらも基本システムは『1』に準拠しているため『2』独自のシステムの多くは未実装。ステージは若干調整されているもののパタパタジャンプはシビアである。
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1986年には本作とのタイアップとして、アニメ映画「スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!」が上映された。
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内容はクッパに攫われたピーチ姫を助ける為に、不思議な力を持った「パワール」と呼ばれる3つのアイテム(スーパーキノコ、ファイアフラワー、スーパースター)を集めクッパ城を目指すというもの。
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アニメオリジナルの設定や描写が多いが、「キノコ王国の住民が様々な物に変えられている」「キノピオがピーチ姫の侍女」「クリボーが最初クッパの手下として認識されていない(キノコ王国の裏切り者)」という初期のゲーム内設定はきちんと守られている。
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主役のマリオを演じるのは古谷徹氏。更にルイージ役の水島裕氏、アニメオリジナルキャラの「キビダンゴ」役を務めた千葉繁氏など、豪華声優陣が勢揃いしている。
ただしピーチ姫の声は歌手・タレントの山瀬まみ女史、クッパはなんと和田アキ子女史が演じている。
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和田女史に関してはハマり役で違和感が無いとの評価が多く、現在でも「和田クッパ」と呼ばれ親しまれている。その一方で、ピーチ姫役の山瀬女史の演技はというと…本業でない事を差し引いても凄まじい棒読みっぷりである。付いた通称も「棒読み姫」。挿入歌では本気を出しているのに…。
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先述したマリオふりかけや、翌年に発売された「マリオ茶漬け」のCMにおけるマリオとピーチ姫の声も古谷氏と山瀬女史が担当している。
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ビデオソフトは存在するが、残念ながらDVD化はされていない。
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ファミコンゲームのゲームブックが流行っていた80年代当時、本作も活字のゲームブックで発売されたことがある。
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ゲームの仕様に乗っ取り、主人公をマリオかルイージのどちらか1人から選んで進めるのだが、ルイージで進めた場合、選択肢を誤るとストーリー冒頭で毒キノコを食って死亡→GAME OVER、など散々な扱いだった。
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コミカライズは当時あった徳間書店の雑誌『わんぱっくコミック』で連載された。
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作者は現在もコロコロコミック誌上でマリオを題材としたギャグ漫画『スーパーマリオくん』を連載中の沢田ユキオ氏。氏はこれ以前にも読み切りを同誌に掲載していたが、本作は同誌において最初の長期連載作品であると同時に(続編を含めて)廃刊まで掲載された最後の連載作品でもあった。このことから『マリオくん』を実質的に本作の続編・後継作品と見ているファンも多いが、設定や作風は後述の通り大きく異なる。
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当時のビデオゲームは現在ほど設定やシナリオ面の作り込みがされていないのがほとんどで、それゆえにコミカライズにおいて作者の独自解釈やオリジナルの設定が用意されることが主流であった。本作もその例にもれず「マリオが再びピーチを助けに向かう理由」「クッパがピーチを誘拐する理由」などの根幹設定の違いや、オリジナルの敵キャラ、ゲームに存在しない動きを行うマリオや敵キャラの描写も見られ、同時期の他ゲームを題材としたネタも多かった。
その一方でクリボーの「キノコ王国を裏切った兵士」という設定を掘り下げたり、「赤ん坊のマリオ」「水中面で潜水艦に乗って戦う」「クッパ一族の科学者や魔法使い」のように後続のゲーム作品で登場した要素を先駆けて描写するなど、独自要素について(特に後年から)評価された部分も多い。
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また基本的に『マリオくん』と同様のギャグ漫画として描かれてはいるが、配下の兵士を捨て駒扱いするなど冷酷な態度を見せるクッパや、敵キャラクターの「死」を明確に描写するうえにその表現がかなりショッキングなものであるなど、シリアスなバトル漫画としての要素も色濃く作られており、『マリオくん』が後のゲームに合わせて子供向け・ファミリー向けの作品として洗練されていったのと対照的に全体的にどこか暗さを感じさせる作風となっている。
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ギャグも吉本新喜劇的な要素が強くなっていった『マリオくん』と方向がかなり異なり、「キンタマリオ」のような当時のゲームに関連したネタなどが多い。
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『マリオくん』初期には「クッパに合わせてデザインしたのでピーチ姫には大きすぎる指輪」のような、本作のギャグの流用も多かった。
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連載は続編『3』の内容に継続し、タイトルもそれに合わせて変更されたが、雑誌の廃刊で打ち切りとなり、4巻を刊行予定だった単行本も全3巻となった。現在は全て絶版であり、掲載誌や版権等の都合から、今後とも再販等の可能性は絶望的と見られている。
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本作は『ゼルダの伝説』と一緒にCMが放映されており、所ジョージ氏と当時子役の間下このみ女史がプレイをミスするとマリオやリンクから「ヘタクソ!」と罵られてしまい「ムカーッ」と叫ぶ場面を演出。『ムカっと来るけどやめられない』が当時のキャッチコピーだった模様。