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マリオパーティ3 - (2017/04/12 (水) 22:55:07) の編集履歴(バックアップ)


マリオパーティ3

【まりおぱーてぃすりー】

ジャンル パーティゲーム
対応機種 ニンテンドウ64
発売元 任天堂
開発元 ハドソン
シーエイプロダクション
発売日 2000年12月7日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 3個(フラッシュメモリ)
周辺機器 振動パック対応
判定 良作
ポイント マリオパーティシリーズ3作目
ミニゲームをすべて新作に総入れ替え
デイジーとワルイージが初参戦
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

マリオパーティシリーズ第3弾で、ニンテンドウ64で発売された最後のマリオパーティ。
基本的なシステムは前作(『マリオパーティ2』)と同様だが、これまでの反省を活かした内容となっている。
累計売り上げは前作に続き100万本を超えた。

本作では前作と同様のスターを集めた数を競う「バトルロイヤルマップ」と、それとは異なるルールで1対1で対戦する「デュエルマップ」の2つのボードゲームを搭載。
また、収録されているミニゲームは70種類すべて新作となり、過去最大のボリュームとなった。


評価点

世界観

  • 本作のストーリーは「1000年に一度産まれるといわれるミレニアムスターがマリオたちの世界に降ってきて、マリオの住む世界がおもちゃの世界に変えられたので、元に戻してもらうためにミレニアムスターの持ち主を決める」という設定。
    • それにより、マップやミニゲームの背景もとびだす絵本のような世界観になり、これまで以上にかわいらしい画面となった。

ボードゲームの改良点・新要素

  • 前作までは、プレイするターン数の設定が最低20ターン、中間の35ターン、最長50ターンの3択のみだったが、今作からは10ターンから50ターンまで5ターン刻みで選ぶことができるようになり、自分の遊べる時間に合わせて設定しやすくなった。
  • ルールの設定時に最初から所持しているスターの数(ハンデ)を設定できるようになり、全てのプレイヤーが平等に遊べるようになった。
    • 上級者の楽しみとして、COMに設定してハンデ戦をすることも可能。
  • アイテムショップが2種類になった。
    • キノピオは主に使用者を助けるアイテムを、ミニクッパは主にライバルを邪魔するアイテムを売ってくれる。
      • 普通はどちらかランダムで登場するが、マップのどの場所でもアイテムを買える「かいものでんわ」というアイテムを使えば自身で指定できる。
  • アイテムやイベントが大幅に増加し、自由度と戦略性が大きく向上。
    • 移動に関する選択の余地が与えられるイベントが非常に多い為、運ではないプレイヤー自身の意思で様々な戦略を取る事が可能となっている。後述のアクションタイムなどが良い例。
    • 本シリーズは続編を重ねるにつれファミリー向けの傾向が強まることから、こうした選択を迫る要素は敷居を低くするためか減少傾向にある。そう考えると本作はシリーズ中でも最も多彩な戦略性のある作品とも言える。
  • ルールの設定時に「ファミリーパック」という項目が追加された。
    • これに設定すると、一部の難しいミニゲーム(主にテクニックを要求されるもの)がミニゲームルーレットに表示されなくなる(ボードゲーム内で発生しなくなる)。ゲームが得意でない人も、より楽しめるようになった。
    • ただし、当然「ファミリーパック」に設定すると全てのミニゲームは出てこないため、そのままではミニゲームが一生揃わない。全てのミニゲームが揃っていない状態では「ノーマルパック」推奨。
  • ポーズメニューから、キャラの移動スピードを指定できるようになった。
    • 「はやい」にすればかなりのスピードで移動するので、ボードマップの移動時のテンポがよくなった。

バトルロイヤルマップに関して

  • マップ上の「?マス」にとまると、過去作でもマップに応じてさまざまなイベントや変化が起こっていたが、今回はさらに、マップ独自の「アクションタイム」と呼ばれるイベントが発生するようになった。
    • 通り道にいた他のプレイヤー全員を巻き込んで巨大雪玉から逃げる、巨大なアンコウにすいこまれて遠くへ吹き飛ばされるなど、よりマップの特徴を活かしたイベントが楽しめるようになった。
  • 前作から導入されたアイテムは新しいアイテムが多数追加。
    • また、一度に3つまで持てるようになり、戦略性も増した。さらに、滅多に手に入らないが、強力な効果を持つ「レアアイテム」も存在する。

デュエルマップに関して

  • カードゲームのようなルールの、1vs1のボードゲーム。以下のようなルールでゲームが進行する。
    • ゲーム開始時、キャラクターに一匹の「おたすけキャラ」が渡され、前か後ろに配置される。はじめに渡されるおたすけキャラはキャラクターごとに固定で、マリオパーティシリーズにしては珍しくキャラ特有の個性が出ることとなる。
      • ただし、一応前作にもCPU操作時に好みのアイテムが設定されているなど多少の差別化はあった。また、後の『7』では2人1組で共有の専用アイテムが存在している。
    • 順番にサイコロブロックをたたいて進み、ライバルキャラを通過する時におたすけキャラ同士で「バトル」が発生、追い越す側が相手に攻撃をする。
      • おたすけキャラの攻撃力がそのまま相手へのダメージとなり、体力のなくなったキャラは消滅。攻撃を受けるおたすけキャラの体力がこちらの攻撃力より少ない場合、余った数値分が相手プレイヤーへのダメージとなる。先にプレイヤーの体力がゼロになった方の負け。
    • おたすけキャラを補充、変更したいときは自分のスタート地点まで戻る必要がある。
  • おたすけキャラには特殊能力が備わっているものもいる。
    + おたすけキャラの一覧
  • ノコノコ:給料が最も安い割に体力が少し多め。
  • クリボー:手ごろな攻撃力タイプ。
  • キノピオ:攻撃も体力も弱いが、相手のマスに止まってもコインを奪われなくなる。
  • テレサ:攻撃されたダメージと同じ量だけ反撃が出来、稀に攻撃を回避する。
  • ボムへい:相手おたすけキャラを無視してライバルに直接攻撃できるが、一回限りで自爆し消滅。
  • バッタン:全キャラ中もっとも体力が高いが、攻撃は全くできない。
  • パックンフラワー:1~3マスだけ追加で移動できる事が有る、基本攻撃力が最も強い。
  • ムーチョ:給料は高いがターン開始時に時々数枚のコインをもらえる。
  • ドッスン:おたすけキャラを無条件で一撃必殺できるが、ライバルには攻撃できない。
  • ワンワン:前衛、ライバル、後衛の全員にダメージを与える、ただし給料も一番高い。
  • スローマン:自身から一番離れた相手を攻撃する、体力もノコノコより多い。
  • ミニクッパ:基本攻撃力は1だが、確率40%で3倍攻撃力or確率60%で攻撃不能。
    • ギャンブル性が高いが、ダブルパワーのメリットが他キャラよりも強く出ることになる。パワーアップと組み合わせると、なんと12もの攻撃力をたたき出すことも出来る。ライバルがパワーアップしたバッタンを連れている&どちらも体力満杯でなければ、一撃で勝利が確定する。
  • ミニゲームはどちらかのプレイヤーが「ミニゲームマス」に止まると開始。
    • おたすけキャラには毎ターンの開始時に給料としてキャラごとに設定されている額のコインを支払う必要があるため、ミニゲームなどでコツコツコインを稼ぐ必要がある。
    • もちろん給料がたりなくなった場合にはおたすけキャラが消滅。中々シビアだが、スタート地点に戻ってくるとコインがもらえるなど、稼ぐ手段自体は多い。
    • 「パワーアップ」はおたすけキャラが強化されるイベントだが、給料も倍になるのでいい迷惑になることも。
  • ボードマップもかなり短くなっており、短時間で遊べるゲームとなっている。
    • なお、現在このボードゲームをあそべるのは本作のみ。
  • 20ターン制に加え、どちらかがライフ0になるまで続く∞ターン設定、初期ライフの設定(ハンデ)を決められるなど、上級者や初心者も楽しめる。
  • このほかにもこのゲームのみのマスやイベントなど独自要素が多く、戦略性が高い内容となっている。

ミニゲームに関して

  • 本作からすべてのミニゲームが新作となり、シリーズを通してプレイしている人もより新鮮な感覚で楽しめるようになった。
  • 新ジャンル「ギャンブルミニゲーム」が搭載。
    • マップの「ギャンブルマス」に止まるか「ギャンブルだましい」というアイテムで指定されると強制的にプレイすることになる、1人用のミニゲーム。「自分の手持ちの全コインを賭けて1人用のミニゲームに挑戦する」というルールで、ミニゲームで勝つと賭けた枚数の2~64倍のコインを入手できるが、負ければ手持ちのコインを全額没収となるという、スリリングなイベントとなっている。
    • ミニゲームの内容も「ギャンブル」という名の通り、ほぼ運任せである。

その他

  • 前作では、ボードゲームで遊んだことのあるミニゲームをフリーで楽しむためには、ボードゲーム内で集めたコインで買う必要があったが、今作から一度プレイしたミニゲームは、そのままフリープレイ(本作の場合は「ミニゲームルーム」)のモードで遊べるようになった。
  • 新たにプレイヤーキャラクターとして、『マリオテニス64』から引き続いてワルイージとデイジーの二人が参戦。
    • キャラが増えたことは概ね評価されている。ワルイージに至っては自らの名を冠した「ワルイージとう」というマップも用意された。
      • ちなみに、今作で特定のキャラクターの名前がつけられたマップはこれだけ。
    • ただし彼ら2人はパーティモードでのみ使えるプレイヤーキャラクターで、ストーリーモードではコンピュータ専用キャラとして登場する。レギュラーとして使えるようになるのは次作『マリオパーティ4』以降となる。

問題点

強力すぎるアイテム

  • バトルロイヤルマップの一部アイテムが使い方によるが、非常に強力。
    • 今作からアイテムが3つ持てるようになったこともあり、より強力に感じてしまう。具体的には以下の通り。
      + 強力なアイテムの詳細
    • 「テレベル」はどこでもいつでもテレサを呼び出しライバルからスターやコインを奪えるアイテム。テレサにコインを奪ってもらうときに5コイン、スターなら50コインが必要。前作では基本的に「アイテムミニゲーム」のみでしか入手できなかったレアなアイテムだったが、今回はアイテムショップで15コインで購入可能となった。
      • 一方で、持っているだけでテレサの襲撃を一個につき一回だけ完全に防いでくれる「テレよけスプレー」も登場(10コインでキノピオショップでも買える)。
    • 「さかさまキノコ」。指定した対象(自分も含む)を1度だけ逆方向に進ませる。スター目前のライバルに使うと有効なのだが、ほかにもテレサを通過した後にすぐに自分自身につかうという以下のようなテクニックもある。アイテムショップの販売価格は5コイン。
      • テレサの前を通過してライバルからスターかコインを奪う。次のターンで、「さかさまキノコ」を自分に使い、ふたたびテレサの前にもどり、ライバルからスターかコインを奪う→次のターンで三度テレサの前へ行き…という、凶悪なコンボができてしまう。コインが150枚以上あれば、この流れで一気に3枚のスターを奪うことも可能。CPUを虐めるだけならともかく、対人でこれをやったら友情ブレイク必須。
      • 同じ要領でアイテムショップに連続で2~3回立ち寄るのもなかなか凶悪。コインこそ要るが、アイテムを1ターンで何個も調達できる。売られていれば、「さかさまキノコ」をまた買った上に「テレベル」を買ったりも可能。
      • さらに、さかさまキノコの効果でマップを逆走している間は分岐点の順路を無視して突き進むことができる。本来は通行に「キーマン」が必要なゲートも、裏側からであればキーマン無しでこじ開けて進める。少々癖は強いが、使いこなせれば恐ろしく強力なアイテムと化すのである。
      • のろいキノコとさかさまキノコは「キノコ」「スーパーキノコ」「ワープブロック」を使うと効果を無効化できる。クッパマスで発生するイベントの中にゲーム参加者全員にのろいキノコ・さかさまキノコと同様の効果がかかるというものがあるが、こちらも同様。
  • 今作には入手の困難なレアアイテムというアイテムも登場したが、いずれも強力だからというよりは「ゲームの状況を大きく変えてしまいかねない」という理由で希少度が高い物がほとんどであり、むしろ上記のアイテムの方がよほど凶悪である。
    • ちなみに一応前作にもショップで買えないアイテムが登場したが、本作のレアアイテムはより入手が困難になっている。
  • 強力すぎたためか、「さかさまキノコ」は本作のみで廃止となり、以降の作品には類似アイテムも登場していない。
    • 「さかさまキノコ」の類似アイテムが登場しない理由は他にも、今作以降はボードマップの構造の複雑化が進み、そもそも逆走が難しくなったという点も考えられる。

ミニゲームの解禁方法について

  • 一度でもそのミニゲームをプレイしたことがある事が条件になったことで解禁自体は簡単になったが、肝心のプレイできるミニゲーム自体はランダムで選択されるため全て解禁するのには時間がかかる。
    • ミニゲームの数が多くなったことも集めづらくなった原因。「ファミリーパック」で出るミニゲームならそれに指定すればいいのだが、「ノーマルパック」でしか出ないミニゲームだとなかなか出ないことも多い。
      • この仕様は本作のみならず以降の作品でも継続されて採用されているが、一部の作品などではミニゲームパックの種類でミニゲームを絞りこめたり、やったことがないミニゲームが出せるような救済処置があるようになり改善されている。

デュエルモードでのキャラ差

  • 最初に仲間になっているおたすけキャラはキャラクターごとに固定であり、同じキャラで対戦は出来ないのでキャラ差が現れる。
    • 給料が高いムーチョやパックンフラワーが指定されているデイジーとワルイージが厳しい。敵として出てきた場合には何もしないまま3ターン目あたりで丸裸になることも。
    • その他にも攻撃できないバッタンを持つドンキーや簡単に消えるボムへいを持つワリオも微妙。

総評

「バトルロイヤルマップ」では、バランスの悪い部分もあるものの、キャラの性能差も無くお互いに同じ条件で遊ぶことになるため、誰かが一方的に有利という状態にはなりにくい。
何かしら対策を講じることもできるので、最後まであきらめなければ逆転することも可能ではある。

ちなみに、ギャンブルとアイテムの凶悪さは、アイテムが存在せず、コインもおたすけキャラに払う以外は基本的に使い道がない「デュエルマップ」ではなりを潜めている。
ネット対戦などは無いので、だれかとプレイする時は、話し合いでルールを決めて遊ぶとよいかもしれない。


余談

  • 「ストーリーモード」ではプレイヤーを妨害しようとクッパが登場するのだが、間抜けなシーンが多く、前作以上にギャグキャラとしての扱いが強くなっている。
    • ワルイージにボコボコにされたり、デイジーに一撃でぶっ飛ばされたりと、噛ませ犬のようなシーンも。せっかく新キャラにワルイージがいるので彼に華を持たせた結果だろう。
      • ただし、彼の悪役としての出番はそれっきり。最終ボードマップやラストバトルは他のキャラクターが担当する。
  • ある意味ルイージらしいともいえるが、「ストーリーモード」におけるルイージの扱いが若干悪い。
    • 本作のストーリーモードは、「ゆうき、ちえ、ちから」と言った、それぞれに優れたNo.1のキャラクター(ドンキーなら「ちから」など)にボードゲームで勝利して、その称号のスタンプを集めていくという内容だが、ルイージは自分が使っているプレイヤーキャラクターのパートで代理出演する。つまり、ルイージにだけNo.1に設定された称号がない
      • たしかにルイージに何をやるか迷う所だが(優しさもヨッシーと良い勝負?だし…それだとドンキーとワリオで「ちから」が良い勝負なのだが…)やはり各キャラに一つは与えられているんだし、何かやってほしかったという意見もある模様。
      • ちなみに最終ボードマップである「ワルイージとう」のCOMキャラにおいては、必ず登場するワルイージの他に彼のライバルに該当するルイージが高確率で選ばれるという仕様がある。