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New スーパーマリオブラザーズ Wii - (2018/10/27 (土) 21:24:56) の編集履歴(バックアップ)


New スーパーマリオブラザーズ Wii

【にゅー すーぱーまりおぶらざーず うぃー】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
発売・開発元 任天堂
発売日 2009年12月3日
定価 5,524円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 【WiiU】2016年8月9日/2,700円(税8%込)
判定 良作
ポイント 4人で一緒に遊べる新たなマリオ
画期的かつ賛否両論な「おてほんプレイ」
マリオシリーズ


概要

長いブランクを経てDSで発売されたマリオの2Dアクション『New スーパーマリオブラザーズ』の続編。据置機での2Dマリオ新作は『スーパーマリオワールド』以来である。
国内売り上げ本数は約467万本で、Wiiソフトとしては1位を記録している。

ものがたり

ピーチ姫の誕生日。
誰かから届いた、大きなバースデーケーキの中から、
いきなりクッパJr.とクッパの手下たちが現れて、みんな大さわぎ!

あっという間にピーチ姫をさらって飛び去る巨大な飛行船…。

ピーチ姫を助けるため、マリオたちの冒険の旅がはじまります。


特徴・評価点

  • アクション
    • プレイはWiiリモコン横持ちで行う。『New スーパーマリオブラザーズ』を元にしており、1でダッシュ、2でジャンプという基本操作の他、三段跳びや壁キックといった応用アクションも存在する。
    • また地上にいる際にリモコンを振ることでスピンジャンプが可能。『スーパーマリオワールド』の同名アクションのように回転しながらジャンプし*1、これで敵を踏むと大きくジャンプすることができたり、雲や霧などを振り払ったりできる。
    • 空中にいる際にリモコンを振った場合は「空中回転」になり、マリオが回転して滞空時間が少しだけ伸びる。雲や霧もわずかながら振り払える。
    • その他、リフトなどの各種仕掛けを動かすためにリモコンを傾ける、素早く振るなどの操作が新たに用意された。
    • またヌンチャクスタイルにも対応している。
  • パワーアップ
    • DSにあった「巨大マリオ」と「コウラマリオ」は削除されたが、新たに「アイスマリオ」と「ペンギンマリオ」、「プロペラマリオ」が追加された。
+ 詳細
  • アイスマリオ
    • アイスフラワーを取ると変身。アイスボールを発射できる。
    • 当たった敵は一部を除き、すぐには倒せないが凍り付いて動けなくなる。
      足場として利用したり、リモコンを振って持ち上げて投げることでコウラのように敵に投げ当てて武器として利用することも可能。
      ファイアマリオでは倒せない敵も倒せたりするのだが、ボスには効かない。
      • ちなみに今回初登場の敵として、このアイスボールを放つ、『アイスブロス』も登場している。
  • ペンギンマリオ
    • ペンギンスーツを取ると変身。アイスボールを放てる他、氷の上でも滑らずに移動可能になり、水中を素早く直線的に動くことが可能になる。
    • また、助走をつけてからや坂道でしゃがむことにより腹滑りで敵を倒すことも出来る。
  • プロペラマリオ
    • プロペラキノコを取ると変身。地上または空中でリモコンを振ることでプロペラを回し、大きくジャンプすることが可能。
    • また、ゆっくりと降下することが出来る。ただし空中で利用するためには一度地上に足をつける必要がある。
  • ヨッシー
    • ヨッシーにも騎乗可能。マルチプレイの場合は、その人数分のヨッシーが出てくる。
    • クリボーなどの敵を食べることができ、踏んでも倒せない敵を踏みつけるだけで倒すことができる。
      ハンマーブロスのハンマーを吐き返したり、火を吐くパックンフラワーで火を噴いたりなど、口に含んだものによってアクションが違う要素も追加。
    • 今回はパワーアップするアイテムをくわえても口に含むだけで、乗っているキャラクターは直接パワーアップしない。
      さらに、ヨッシーで他のプレイヤーキャラを口内に含む、ふんばりジャンプで滞空時間を長くするなどのアクションも可能になっている。
      しかし、2回連続でふんばりジャンプを使用することは出来ない。
    • また『スーパーマリオワールド』と異なり、ヨッシーに乗ることができるのは出てきたコースのみで、ゴールすると強制的に降りてしまう所謂「アニマルフレンズ」仕様である。
  • 協力プレイ
    • 本作ではすべてのステージで最大4人による多人数同時プレイが可能。
    • 1Pはマリオで固定、以降はルイージ、きいろキノピオ、あおキノピオのいずれかを操作することになる。
      • 能力は全員マリオと同じ。キノコなどのパワーアップアイテムはブロックを叩くと人数分飛び出す。
    • 協力プレイの際は以下の専用のアクションが使える。
      + 詳細
    • 協力ジャンプ
      • 味方の頭の上でタイミングよくジャンプすると、より高くジャンプすることが可能。
      • 同時ヒップドロップ
        • タイミングを合わせて全員でヒップドロップすると、POWブロックのように振動で画面内の地面にいる敵を倒せる。
      • シャボン
        • ミスしたキャラクターがこの状態になる。
          残機は減るが、シャボン玉に入りステージ内をフワフワと移動するので、そこで他のキャラクターが触れると復帰できる。
          リモコンを振ることで他のキャラクターに接近する。全員がシャボンに入ってしまうとステージから退場となる。
      • その他、リモコンを振って他のキャラクターを持ち上げ、一度に2人分のパワーアップを得るなどのアクションもある。
    • マップ
      • 『Newマリオ』と同じくスゴロク状のマップを移動してコースを選択する形式。
      • スーパーマリオブラザーズ3』の「キノピオの家」が復活。入手したアイテムをマップ上で使用できる。
        • これに伴い、前作のようにステージ中にストックアイテムを使用することは出来なくなった。

    他にもマップ上では以下のような仕掛けがある。

    + 仕掛けの詳細
    • キノピオの家
      • 神経衰弱方式でアイテムを入手できるもの、大砲で風船を割って1UPキノコを入手できるもの、スターを入手できるものが存在する。
        一度利用すると消えてしまうが、特定の条件を満たせば復活し、以後何度でも使用できる。
      • また、特定の条件を満たしてステージをクリアすると、各ワールドのスタート地点に現れるものも存在する。
    • 大砲
      • 入ると他のワールドへワープできる。すべて隠しゴールの先にあるため、隠しゴールを見つけなければ利用することはできない。
        • ちなみに通常の方法で移動先に行ったことがあっても、コンプするためには一度は利用する必要がある。
      • マップ上の特定の場所を移動しており、ぶつかると強制的にステージに移動し、敵がうろつく中で100秒以内に画面中のキノピオマーク8個を手に入れるステージをプレイすることになる。
        クリアできれば移動中に使用できるキノコを3つ手に入れられるが、ミスするとマップ上を押し戻されてしまう。
        • ちなみに、出現する敵はワールドによって異なる。
  • その他
    • シングルモードの1つのコース内で8回失敗すると、ステージ上に「おてほんブロック」が出現。叩くと、コンピュータ操作のルイージが「おてほんプレイ」として、自動でコースを攻略してくれる。
      • おてほん実行中でもボタンを押せば、いつでも手動操作に切り替えることが出来る。最後まで代わりに進めてもらってクリアしてもらうことも可能。
      • その場合は次のステージには進めるものの、自力クリア扱いにはならず、スターコインも入手したりもしない。
  • セーブは相変わらず各ワールドの「塔」「城」「飛行船をクリアしたとき」「大砲でワープしたとき」の限定されたポイントで行う。
    但し本作では一度だけ再開できる『中断セーブ』が追加されたため、セーブできる場所をクリアしなくても中断できる。
    • クリア後は中断セーブではなくなり、通常のセーブが可能。
  • ピーチ城では、集めたスターコインで、隠しゴールやスターコインの入手方法、マリオクラブスタッフによるスーパープレイを見られる。
  • ムービーは条件を満たすと増えていく。隠しゴールやスターコインは普通のプレイであり、スーパープレイは前半は感心する程度だが、後半は色々と狂っておりマリオクラブの本気を垣間見れる。
  • ストーリー本編とは別にこれまでプレイしたステージを協力プレイで楽しめる「フリーモード」、対戦用の「コインバトル」も収録されている。
  • ワールド8でクッパを倒すと、ワールド9が追加。
  • 1~8まであり、該当した数字のワールド(9-1ならワールド1)ですべてのステージでスターコインを入手するとそのステージをプレイできる。
  • コクッパ7人衆が『マリオ&ルイージRPG』以来6年振り(アクションゲーム新作では『スーパーマリオワールド』以来19年振りに)ボスとして久々の復活。また、クッパJr.との共演は本作が初となる。
    • ただし本作では「コクッパ」の名称は一切記載されず、「クッパの手下」という表記になっている(クッパの子供という設定がJr.のみに変更されたため)。それまではクッパJr.とコクッパの関係ははっきりと明言されていなかったため*2、今作で単に手下と表記されたことについては過去の設定を知るファンへの混乱を招いたり、否定的な意見も出た。
    • その後のNewマリオシリーズでも「クッパの手下」として表記され、さらに『マリオカート8』以降は「クッパ7人衆」という新たな総称が与えられている。

評価点

  • マリオ本編では初めて本格的な多人数同時プレイが実装された。
    • スーパーマリオブラザーズ』から存在する2人プレイはあくまで交代制であり、前作『Newスーパーマリオブラザーズ』の「マリオVSルイージ」モードにおいては2人同時プレイが可能だったものの、遊べるのは専用のコースに限られていた。
    • しかし本作では初めて本編のすべてのコースで多人数プレイが可能に調整された。みんなで協力して敵を倒したり、逆に上手い人が難所を突破して初心者を助けたりと、プレイヤーによって様々な遊び方が可能。
      • もちろん取ったコインの数を競ったり、わざとコウラをぶつけたり踏んづけて穴に落としたりと、初代『マリオブラザーズ』を彷彿とさせる仁義なき疑似対戦ゲームとして遊ぶことも可能である。
  • 万人向けの安定した内容
    • マリオらしくアクションゲームとしては安定と安心の品質。
    • 全体的な難易度はライトユーザーを意識してか前作に続いてやや低めだが、それでも後半はそこそこの難しさになり、スターコインをコンプリートしようとすれば中級者以上でもある程度歯ごたえがある内容になる。

賛否両論点

  • 「おてほんブロック」の存在
    • 前述の通り、同じコースでミスを繰り返すと登場するおてほんブロックを使うことで、CPUに代わりにコースを進めてもらうことができる。最後までクリアしてもらうことも可能。
    • 主に初心者やライトユーザー、子供のプレイヤーが難しいコースで詰まってしまい、そのままゲームを進めるのを諦めてやめてしまうのを防ぐための機能だと思われるが、「ノーコストでステージを自動クリアしてしまえる」というアクションゲームの前提も揺るがしかねない機能なこともあり、少なくない賛否両論を巻き起こした。特に旧作からの古参ゲーマーの中には強い拒否反応を示す者も多かった。
      • 良くも悪くも、DS・Wii時代からライトユーザーに対して手厚い配慮を施すようになった任天堂の作風を象徴する機能とも言えるだろう。
    • 賛否両論ながら、同様の機能は続編の『2』『U』の他、『ドンキーコング リターンズ』でも採用されており任天堂アクションゲームのスタンダードになりつつある。
    • また本作では「おてほんブロック」を一度も表示させずにクリアするとその旨の勲章データに残るというやりこみ要素が存在する。
      • しかし一度でもおてほんブロックが表示されてしまうとこの勲章は取れなくなってしまうため、最初から長時間のやり直しを強いられてしまうので、やや理不尽。
  • 協力プレイ時のバランス
    • 多人数プレイ時は他人の操作キャラクターが邪魔になることも多く、狭い足場の奪い合いになるところから始まって、踏みつけジャンプが暴発したり、それで穴に落とされたり、他人の投げたコウラが当たったり、極端には相手を持ち上げて穴へと投げ捨てたり……とミス要因が増える。
      • ミス回数は増えるが、一人が生き残っていれば復帰可能なのでゴリ押しが効くようになる。残機はゴリゴリ減っていくが。
      • 「協力のつもりが対戦になっていた」というマリオブラザーズからの伝統ともいえるが。

問題点

  • リモコンを駆使させる場面が多くやや面倒くさい
    • 多人数プレイであれば「誰が担当するか」等でむしろ盛り上がる要素なのだが、1人プレイであれば単に面倒な操作を強いられる。
    • ただし色々なステージで様々な種類のギミックが用意されており、「またリモコン操作か」と思うことはあっても、仕掛け自体に飽きることは少ない。
  • シャボンが便利すぎる
    • 多人数プレイ時は、穴に落ちそうになったり敵に当たりそうになるたびにAボタンを押せばシャボンに入って簡単に回避できてしまう。使用に回数等の制限もない。
    • もっとも多人数プレイ時はカジュアルなパーティーゲームとしての側面も強く、初心者が難所を攻略できずに全員が進めなくなってしまうというような場面を無くすための救済処置でもある。
  • 変身のバランスの悪さ
    • プロペラマリオは非常に強力で、無限に飛ぶことこそできないものの、大ジャンプと降下速度の緩さから足場の悪いステージでは難易度がかなり下がる。
      • もっともこれも『3』のしっぽマリオや『ワールド』のマントマリオと同様、難易度の高いステージを突破する際の救済処置として設定されていると思われる。
    • 対して、DSより引き継がれたマメマリオの利点が体の小ささと水上歩きの二点だけになってしまった。
      • もっともマメマリオはそもそもデメリットが多く、難易度を上げるための変身という側面も強い。
    • アイスマリオがペンギンマリオの下位互換でしか無い。
  • 従来のシリーズの焼き直し感
    • 斬新なステージ設計などで賞賛された同ハードの『スーパーマリオギャラクシー』等と比べ、ワールドの構成やステージのギミック等へのマンネリ感も指摘されている。
    • 本作のワールドは順番や詳細こそ違えど、『スーパーマリオブラザーズ3』や『New スーパーマリオブラザーズ』のワールドとの共通点が多い。
  • その他
    • ボリュームが少ない。携帯機から据え置き機に移行したにも関わらず、その前作よりもステージ数が減ってしまっている。
    • 一部のスターコインの隠し場所が酷く、壁の中に見えない状態で埋まっているものがいくつかある。一応「隠し場所どころか取り方まで説明してくれる」強力な救済措置があるのがありがたいのだが、じゃあ何故そこまでしないといけないほど分かりにくい場所に配置したのだろうか。
    • ヨッシーに乗ってこのゲームをプレイしているCMがよく放送されていたが、ヨッシーは限られたステージにしか出ず、しかも他のステージへの引き継ぎは不可。
    • メインBGMは前作をちょっといじっただけ。
    • オープニングムービーに一箇所おかしなところがある。キノピオが大砲に入れた箱の順番を良く見ると…。
    • コンティニュー回数が記録されてしまう。
      • ノーコンティニュークリアを目指すモチベーションになるが、コンティニューすることに対するプレッシャーにもなってしまう。

総評

マリオシリーズとしては初めて、本編で本格的に多人数プレイが可能になった画期的な作品。協力することで敵を倒せたり、難しいところは別のプレイヤーに任せたりといった遊び方が可能となり、初心者と上級者が一緒に遊べるようになった。まさに任天堂が目指すとする「万人向けアクションゲーム」を体現した新たなマリオと言える。もちろん、協力だけでなく妨害し合あうゲームとしても遊べる自由度の高さも初代『マリオブラザーズ』譲りであり、多様な遊び方が楽しめるようになった。


その後の展開

  • 2017年12月に本作がNvidia Shield TVに移植された。*3
    • PC・スマートフォンを除けば、任天堂制作のマリオシリーズが他社のゲーム機に参入するのは初となる。
      • 任天堂制作のもの以外(海賊版を除く)では、過去にフィリップス発売のCD-i向け『Hotel MARIO』が存在した。
      • ちなみにハードが変わったからといってタイトルが「New スーパーマリオブラザーズ SHIELD」に変わるわけではない。
      • Shield版の特徴としては解像度がオリジナルの480pから1080pに引き上げられており、よりくっきりとしたグラフィックで楽しむことが出来るようになっている。
    • ただし現地点では中国のみの配信で言語も中国語のみとなっている。
    • ちなみに後に『スーパーマリオギャラクシー』も移植された。