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ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー - (2017/01/17 (火) 02:00:41) の編集履歴(バックアップ)


ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー

【ぽけっともんすたー はーとごーるど・そうるしるばー】

ジャンル RPG

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 2009年9月12日
定価 4,800円
判定 良作
ポイント ファン感涙の追加要素が多数
ツボを抑えた傑作リメイク
ポケットモンスターシリーズ関連リンク


概要

シリーズ2作目の『ポケットモンスター 金・銀?』のリメイク作品。略称はそれぞれHG・SS、二つまとめてHGSSとされることが多い。
本作には万歩計風の携帯ゲーム機「ポケウォーカー」が同梱されている。


原作『金銀』からの変更点

  • システム・グラフィックなどは『DPt?』やハードに準拠したものになっている。
    • 道具や対戦要素も同様。
  • 第四世代に合わせた難易度の調整
    • 全体的にCPUのAIが賢くなり、やり応えが上がった。
    • 第四世代のシステムや技の追加により、原作よりジムリーダーが強化された。代表的なものでは、最弱クラスのジムリーダーだったツクシは、切り札のストライクの技が初期威力10の「れんぞくぎり」から威力70の「とんぼがえり」に強化され巧みに攻めてくるようになった。
      また、原作屈指の強ジムリーダーのアカネは手持ち2体のレベルが1ずつ下がっているが、『RS』で追加されたとくせいの恩恵を受け、単に弱体化したわけではない。
    • ただし、本作はトレーナーのレベルが低めで、ポケウォーカーを使えば序盤から戦力を充実させることも可能なのでクリアまでの道のりはそこまで険しくない。
  • 出現ポケモンの増加
    • 原作のポケモンの新たな進化形が『DPt』で追加されたことにより、ポケモン図鑑が251匹から256匹に増加。
    • カントー地方を含むほとんどの木に対して「ずつき」ができるようになり、出現するポケモンの種類も少し増加。
    • 大量発生の種類も増加。日替わりで1種類該当箇所に出現する。
    • 第三世代の伝説のポケモンや御三家ポケモンの多くが入手可能に。
      • カントーとホウエンの御三家ポケモンが貰えるイベントが追加された。
        FRLG』で捕まえられた伝説の三鳥、ミュウツーが復活。
        RSE?』のラティオス・グラードンが『SS』で、ラティアス・カイオーガが『HG』で入手可能。本作で捕まえたグラードン・カイオーガをどちらか1つにまとめるとレックウザも入手可能に。
        結果、レジ系を除く第三世代に登場する伝説のポケモンを全て入手できる。出現する伝説ポケモンの数は歴代でも2番目に多い。
  • キャラクター関連
    • 男主人公は原作とほぼ同じだが、女主人公は『クリスタル』から髪の色・服装など変化した。ただし、どことなく旧作の雰囲気は踏襲している。
    • 選ばなかった性別の主人公がサブキャラとして登場する他、5人のまいこはんにも役割が加わった。
    • バッジを16個集めると強化されたジムリーダーや四天王と再戦できる。
  • ガンテツがぼんぐりから作る特別製のボールが改善されたうえで復活
    • 『クリスタル』同様ぼんぐりをまとめて渡せる。
    • 原作における不具合も修正され、効果がきちんと機能するようになっている。
      • 『金銀』ではスピードボールはコイル・ベトベター・モンジャラにしか効果がなく、ラブラブボールは同種の同性にしか効果がなく、ムーンボールに至ってはどのポケモンも捕まえやすくならなかった。
    • なお『DPt』にはこのボールのデータが存在しないため送ることができず、その弊害としてポケモンに持たせることができない。
  • ダンジョン関連
    • アルフの遺跡の石版パズルはタッチスクリーンのスライドで組み立てる方式に。パネルを回転させる要素も追加された。
    • 原作から行けたカントー地方は容量の都合で大きく削減されていたが、密度が大きく増している。
      • 2番道路と同化していたトキワの森やふたごじまの地下、ハナダの洞窟が復活。シロガネやまにファイヤーが潜む小部屋が追加。閉鎖していたサファリゾーンはパルパークに改装など。なお、グレンタウンはイベントに関わるためか、火山噴火で崩壊したままとなっている。
    • 『DPt』の新秘伝技の「ロッククライム」を使う場所も追加。
    • ダンジョンなどに入る時、ロード中に一枚絵が挿入される。
      • しかも時間によって微妙に変化する他、よく見るとどの絵にもポケモンが隠れている。
  • 施設関連
    • グレンジムとトキワジムにトレーナーと仕掛けが追加された。
      • ジムの内装もタイプの特徴がより強調された物となり、仕掛けも複雑になっている。
    • 『プラチナ』からGTS・パルパーク・バトルフロンティアなどの施設も続投。
      • バトルフロンティアは一部のトレーナーの手持ちポケモンを除き『プラチナ』と同様なので、そちらとも協力プレイが行える。他、フロンティアブレーンのポケモンが一部変化している。
    • トキワシティにあるトレーナーハウスの仕様変更。
      • ルールはLv.50フラットになり、勝利するとBPが貰えるようになった。
      • ポケウォーカーで他のプレイヤーと通信するとハウス内の対戦相手が増えていくようにも。
  • 『クリスタル』の『金銀』からの追加要素・改善点も再現。
    • 前述のぼんぐりに加え、主人公の性別の選択やアルフのいせきの追加エリア等再現されている。
      • 伝説のポケモン・スイクン絡みのイベントも追加されているが、イベントをこなさなくてもストーリーが進むようになった。
  • その他
    • 演出も和の要素が強いジョウト地方に合わせて、日本情緒あふれる風景やBGMが更に強調されている。
    • おこづかいを預けることでおかあさんが買ってくる品物が変化。バトルに役立つ道具や半減実などの道具を買ってくる。
    • きのみのなる木が撤廃され、すべてぼんぐりの木に統一された。
      • きのみの栽培は新アイテム「きのみプランター」で行うようになり、いつでもどこでも栽培可能になった。
    • 時計機能がDSの内部時計に対応し、内蔵電池切れの心配もなくなった。
  • 『金銀』から縮小・廃止・削除された要素
    • 部屋の模様替え要素
    • 原作で壊れ性能と名高かったアイテム「はかいのいでんし」が入手不可能に。
    • ゲームコーナー関連
      • プレイできるスロットゲームが原作のものとも『DPt』とも違うものに。
      • タマムシシティの方でプレイできた「カードめくりゲーム」は廃止された。
      • コインと引き換えできる景品も変化している。

特徴・追加要素

  • ポケモンの「連れ歩き」の実装
    • 『ピカチュウ』版のピカチュウのように、ポケモンを主人公の後ろに連れて歩く事ができる。
      手持ちの先頭に配置すれば連れ歩ける。第4世代のすべてのポケモンに対応しており、同種でも姿違いや色違いなどの細かな点も連れ歩きのグラフィックには反映される。
    • ハガネールのような特大サイズのポケモンは室内で連れ歩けなかったり、溶岩地帯や足場が不安定な場所ではどんなポケモンも自動的にしまわれるなどのリアルな仕様も見られる。
    • 話しかけると仕草を見られるが、パターンが非常に豊富。HPがあれば元気そうだが、少なくなったり毒を受けていれば苦しがる。草むらにいれば草むらで遊び、水たまりなら自分の顔を覗き込む。都会の街にいればビルを眺めて、田舎町ならリラックスするなど。
      • また、ポケモンによって固有の反応を見せる場所もある((発電所でピカチュウが喜んだり、マダツボミのとうだったらマダツボミが踊ったり。
      • 話しかけた時に時々拾った道具を渡してくれる。たまに「かがやくはっぱ」を見つけることがあり、これを5枚集めて幼馴染に話しかけると仲の良さを称える賞状をもらえる。
        入手には性格が関係しており、たとえば「むじゃき」な性格をしたポケモンは、31・34or47・1・3・5の道路ではっぱが入手可能。ちなみにこの性格と入手場所のパターンは6種存在する。
    • 連れているポケモンでひでんわざを使用する時に、実際に後ろのポケモンが技を出してくれて、本当にポケモンと旅をしているような雰囲気を味わえる。
      • ただし余分な一アクションが増えるため、ただでもテンポの悪いひでんわざの演出が、尚更うっとうしくなるという指摘もある。詳しくは問題点の項を参照。
  • 新たなミニゲーム「ポケスロン」の登場。
    • スピード・ジャンプ・テクニック・パワー・スタミナの5部門に分かれており、各部門で3つのミニゲームを行い、その合計得点を競う。
      • 参加ポケモンは一部門3匹まで。ポケモンの種類ごとに競技に用いるパフォーマンス値は固定されており、性格によって2つのステータスが上下する。
        パフォーマンスは進化前でも通常値や最大値が進化後を上回っているものが多々あり、使えるポケモンは対戦より豊富。
      • ミニゲームはタッチ操作なので直観的に遊べる一方、ポケモンの長所短所の考慮が必要で戦略性がある。
    • ボンドリンク
      • ぼんぐりを用いて作るドリンクであり、これを飲ませると一時的にパフォーマンスを高められる。極端にパフォーマンスが低いポケモンでもうまく特化させれば十分使える。
    • 競技を終えるたびにスロンポイントが入手可能で、ぼんぐりや進化に使えるレアアイテムと交換できる。
    • コースごとの記録を見れるミュージアムや、競技で好記録を取るともらえるトロフィ収集などやり込み要素も存在。
  • ジョウト地方に「サファリゾーン」が追加された。
    • 従来のサファリゾーンから「エリアカスタム」の機能が加わった。
      • 園長のバオバの課題をクリアすると、12個のエリアを6箇所に振り分けて自分好みのサファリゾーンを作れる。
      • ヤミカラスやデルビルなどカントー地方限定のポケモンも出現するため、殿堂入り前からそれらを連れて冒険ができる。
    • サファリのポケモンは個体値*1が高確率で1箇所最大になるように設定されているため、厳選作業がちょっと捗る。
    • 全国図鑑入手後にはエリア内に「ブロック」が置ける。地形に合わせた性質を持ったブロックを配置すると、その数と種類に応じて全国の貴重なポケモンも出現するようになる。
      そこから時間が経過することによって、さらに多くのポケモンが出現する。
  • 孵化厳選がやりやすくなった。
    • 『エメラルド』から『DPt』で何故か低かったHPとぼうぎょの遺伝率が上昇した。
    • 「パワー○○」系のアイテムを親に持たせると、親の個体値が1つだけ確実に遺伝するようになった。
      • 特に重要なステータスであるすばやさだけでも遺伝させておけば、最低限対人戦で活躍させる事はできるので、初心者にも優しくなったと言える。
    • かわらずのいしで♂の性格も遺伝するようになった。『DPt』までは♀限定だった。
  • 同梱デバイス「ポケウォーカー」にポケモンを入れて、現実でも連れ歩ける。
    • 歩数に応じて得られる「ワット」を使ってポケモンの捕獲・道具の入手もできる。
      • コースによってはミカルゲやヒンバスといった珍しいポケモンやアイテムが入手可能。
      • その時点では入手できないポケモンをポケウォーカーで入手して攻略に役立てることも可能。
    • また、歩いた歩数の分だけ、連れているポケモンが経験値を獲得する。これによってレベルアップも可能。ただし、いくら歩いても超過分は切り捨てされ1度に1レベルずつしか成長しない。また、進化や技を覚えることもない。
    • モノクロなので色違いは反映されないが、本編そのままの縮尺でポケモンは表示される。全28種類の姿を持つアンノーンはもちろん、パッチールの億を超えるパターンの模様も反映される。
    • ポケウォーカーにポケモンを入れたまま失くしても、説明書に記載されているコマンドの使用で強制的に帰還させられる。冒険したデータは手に入らず、ポケウォーカーを見つけても初期化する必要はあるが、救済案としては十分だろう。
  • 非常に使いやすくなったUI
    • タッチスクリーンを活かした操作が強化された。右手でタッチペン、左手で本体を持つ事を前提とした設計であり、下画面の使いやすさに関しては非常に考えられている。
      • 移動中でも下画面をタッチするだけで、その場で使いたいメニュー項目を選択できるようになった。
      • べんりボタンに2つまでどうぐを登録できるようになり、1つはYボタンかタッチで、もう1つはタッチで起動できる。
      • 従来のダッシュはBボタン+十字キーだったが、下画面のシューズをタッチすると常時走ることが可能。ボタン操作の手間が減って楽になった。
      • はい/いいえなどの選択肢もタッチで選択可能に。
    • パソコンのボックス操作やポケモン交換等も、タッチペンで直感的にポケモンを動かせるようになった。

評価点・原作からの改善点

  • ポケギアの強化
    • 電話番号を登録しておける数に上限がなくなり、どの人を登録しておくか取捨選択する必要がなくなった。並べ替えもできるので扱いやすい。
    • 条件を満たすとジムリーダーの電話番号も登録でき、再戦を申し込む事も可能。
    • 原作同様ポケモンの出現率が操作できたが、今作ではさらに「ホウエンサウンド」「シンオウサウンド」で該当地方のポケモンも出現するようになった。
    • マップ機能で各地を逃げまわるポケモンの捕捉が可能になり、わざわざ図鑑を開いて分布を見るよりも手間が減った。
  • 捕まえたポケモンのボールアイコンにガンテツボールが追加された。
    • 好きなポケモンのイメージに合ったボールで捕まえる楽しみが生まれた。
    • 『DPt』に送るとモンスターボール扱いになるのは仕方ないか。
  • 進化の石の量産が容易になった
    • 「ポケスロン」に参加することでもらえるポイントと進化の石の引き換えが可能になり、手軽に使えるようになった。優勝できなくてもポイントは貰え、一度引き換えしても景品は日替わりで補充されるので量産可能。
    • 『DPt』で登場したやみのいし・ひかりのいし・めざめいしが量産できるようになったのは大きい。
  • キャラクターの設定面の強化・デザインの変更
    • ライバルのロケット団への嫌悪やポケモンへの感情などの描写や設定が掘り下げられて、より感情移入しやすくなった。クリア後に泥棒だった彼が改心してウツギ博士の研究所へ行ったことが聞ける。この掘り下げは評価が高い。
    • 原作でモブ同然だったロケット団幹部の2人に固有グラフィックと名前、性格が設定された。また、したっぱ団員のうちのある2人にも同様の変更が加えられ、幹部に昇格した。
    • ジムリーダーのヤナギは原作でTシャツ・短パンだったが、本作ではコートに変わり風格が出ている。
    • またジムリーダーの電話番号交換や再戦、イベントなどジム戦後も交流することが出来るようになった。
  • イベント面の強化
    • 細かい部分で追加されている。例えばロケット団を制服を着て街に出て住民の反応楽しめるなど細かい作り込みである。
  • カントーとジョウト間の移動が快適に。
    • 原作ではリニアなど乗り物を使う必要があったが、セキエイこうげんかチャンピオンロードを経由すればそらをとぶでも行き来できる。
  • 伝説のポケモン関連
    • 図鑑が本作と『DP』『RSE(いずれか一本)』だけで完成できるようになり第三世代よりは楽になった。
    • 『エメラルド』以前と『XD』で不可能だった「シンクロ*2」が有効になり、厳選が比較的楽になった。
      • 徘徊伝説のライコウ・エンテイ・ラティオス・ラティアスは依然として不可能だが。
    • ルギア・ホウオウのイベント演出が強化された。
      • 原作ではパッケージを飾ったにもかかわらずストーリーには絡まず地味な扱いだったが、殿堂入り前に強制的に戦うことになり、存在が強調されている。
      • 特にホウオウ戦のBGMは非常に評価が高い。ホウオウ登場前の演出や曲も合わせ、ポケモン史上最高の名場面の一つとしての評価もある。夕方に行うとさらに見栄えも良くなる。
      • 作曲者曰く「和」を強調しすぎてポケモンの世界観にそぐわないと思ったが、作り直す時間も無くそのまま採用したとの事。
      • ただし、捕まえないことも可能で、逃げたり倒しても殿堂入りする度に何度でも再戦できるので問題ない。また、イベント自体の演出もグレードアップしている。
  • パルパークの24時間に1回の制限が撤廃された。
  • BGM関連の評価は相変わらず高く、GBの電子音源を美しくアレンジしている。新規曲も概ね大好評。
    • 全16個のバッジを手に入れたご褒美として入手できる「GBプレイヤー」というアイテムを使うと、BGMを原作のものにして楽しむ事が可能。
      • 新曲もGB風のBGMを聞くことができる(サファリゾーンなど)。バトルフロンティア施設内などの例外はあるが。
      • ハードの性質上、原作完全再現という訳ではなく、モノラルで一部BGMには非対応。
      • 街やダンジョンのBGMは一部変更されており、前作から消えてしまったBGMもある。

賛否両論点

  • 一部キャラクターのデザインの変更・言動など
    • ヤマブキシティのジムリーダーのナツメは髪の色以外大胆に変えられており、特に意見が分かれた。
    • アカネの「あんた SとM どっち?(ジャージのサイズについて)」や、エリカとミカンの会話で、エリカがミカンにイブキの恰好を「はずかしい」と言わせるなど。
      • ネタ寄りのセリフは初代からあったが本作で追加されたものは傾向が異なり、ユーザー間では意見が分かれている。
        …にもかかわらず、最新作までこの傾向は強くなっている。
  • 連れ歩きによるテンポへの影響。
    • 後述の「連れ歩いてるポケモンが秘伝技を使う」以外にも連れ歩きが原因でテンポを悪くしている場面が存在する。
      連れ歩いているときに自転車に乗る、巨大なポケモンを連れて建物に入るなどする際、ポケモンをボールに戻す演出が入ってほんのわずかだがテンポが遅れてしまう。
      それとは逆にポケモンがボールから出る時には時間がとられないため、「どうして出す時は問題なくて戻す時は遅れてしまうのか」と言われてしまうことになった。
    • 気にならない場合はまったく気にならない点だが、本作は伝説のポケモンの多さから周回に向いていたり、孵化厳選の環境が改善されたため、いわゆる廃人プレイヤーからすれば気になる点になっている。

問題点

  • タッチペン操作を重視した結果、UIが不便になっている。
    • バッグの中の道具や商品・景品などの表示が1ページ・6種類になり、ページ送りが面倒になった。一応『DPt』よりは使いやすくなってはいるが。
    • ボックス操作では、ボックスの切り替えとポケモンの移動が同時にできなくなった。
      従来は「ボックス1の画面でポケモンを選択→ボックス2の画面に移動→ボックス2にポケモンを置く」ものだったが、本作では「ボックス1で「ポケモンいどう」を選択→ポケモンをボックス2に移動する→ボックス2に切り替える(位置を決める場合はそこからさらに動かす)」という形式になっている。
      • また、2匹以上のポケモンをまとめて移動する機能もなくなっている。
      • 問題の認識をしたのか、次回作の『BW』で前者、『BW2』で後者が復活した。
  • ポケギアの問題点
    • 登録人数の上限が撤廃された弊害として削除ができなくなった。一度登録すると初期化するまで二度と消せない。
    • 登録したNPCは電話をかけてくるが、そのほとんどが世間話かあまり役に立たない豆知識。無視する場合はほかのNPCに話しかける・調べる・マップ切り替えするまで通知がポップアップされ目障り。特に幼馴染のヒビキ/コトネは登録が強制で電話の頻度も高く非常に煩わしい。
    • ラジオ機能の問題
      • 早送りができないため、大量発生の確認に時間がかかる。
      • 戦闘後にラジオが解除されるようになった。1戦ごとに付け直すのはかなり面倒。
  • 自転車の仕様の変更
    • 本作の自転車は初速が遅く、しかも壁にぶつかる・マップ切り替えする度に自転車の加速がリセットされる。
      • 本作では街・道路・ゲート間のマップ切り替えが多いのも相まって非常に煩わしい仕様。原作にはないところにもなぜかゲートが追加されたのも痛い。
    • ダンジョンではしごを昇降すると自転車も降りてしまう。
  • エンカウント率の異常な高さ。
    • ダッシュ・自転車使用時は草むらを1、2歩進んだだけでエンカウントする。逆に歩きだと10歩歩いてもエンカウントしない両極端な設定になっている。
      • 歩きの場合、移動速度は遅いがエンカウント率も低いので、草むらなどはダッシュ・自転車で進むよりも歩いたほうが速いというおかしな状態になっている。
      • 原作より草むらの範囲が大きく広がっている場所もあり、避けて通ることができずエンカウントしやすい。
      • むしよけスプレー系のアイテムを使えば、手持ちの先頭よりレベルの低いポケモンの出現率を0にできるが、メニューをいちいち開くのは面倒。
    • これについてスタッフはゆっくり歩いて背景を見てもらいたいと発言しているが、テンポを犠牲にしてまで背景鑑賞を強要するのは傲慢だろう。
  • 秘伝技関連の煩わしさ。
    • 使用時の演出は残されているが、なぜか『プラチナ』よりもモーションが遅くなっている。演出のON/OFFもない。
      • 連れ歩いてるポケモンが秘伝技を使うとさらに遅くなる。
    • 秘伝技はきりばらいがうずしおに変わっただけで8種類のまま。相変わらず技枠が圧迫される。
    • シロガネやま攻略にフラッシュが不要になり、ロッククライムが必要になった。フラッシュはなくても手探りで攻略出来たがロッククライムは必須な点も劣化点。
      • 道のりの長さと秘伝技の演出の長さが相まってストレスが溜まりやすい。
      • ロッククライムは覚えられるポケモンが少なめだが、ジョウト御三家は都合のいいことに3匹とも習得可能。ただし、技枠が圧迫されるので結局覚えさせにくい。
    • 『金銀』よりは進歩したが、そらをとぶで2地方間を行き来するのに、セキエイこうげんかチャンピオンロードを経由しないといけないのは不便。
  • ボールの問題点
    • ガンテツボールは性能の設定ミスこそ改善されているが、使い心地は微妙なまま。
      • ヘビーボール・ムーンボールは有効なポケモンの少なさ*3、フレンドボールはなつき度200という恩恵を受けられるポケモンが限られるため、ラブラブボールは目当てのポケモンと同種の異性という厳しい条件から使い勝手が悪い。
      • ルアーボールは釣り上げたポケモンの捕獲率が3倍になるという効果だが、『RSE』で登場したネットボールに対し性能・利便性がほぼ下位互換となっている。
        ネットボールは水か虫タイプの捕獲率を3倍にする効果であり、今作の釣りで出現するポケモンは大半が水タイプなため。例外はミニリュウとハクリューの2体のみで、このどちらかを釣りで出現させたときに限りルアーボールのほうが捕獲しやすい。
        釣り以外で出現したポケモンにも有効で、水タイプ全般に加え虫タイプにも有効なネットボールのほうが、有効範囲は圧倒的に広い。
      • スピードボールは「すばやさの種族値が100以上のポケモン」に有効となっているが、いかんせん種族値はマスクデータなので外部の知識がなければ効果を活かしにくい。ただし条件を満たしているポケモンは、捕まえにくい進化形や伝説のポケモンが多いので、まったくの役立たずというわけではない。
      • 唯一レベルボールはLv100のポケモンを使えばLv24以下のポケモンの捕獲率が8倍、Lv49以下は4倍と非常に強力。もっとも、8倍の条件を満たす低レベルポケモンは補正の低いボールでも捕まえやすい傾向にあるので、実際は4倍を活かすのがせいぜいだろうが、それでも強め。
      • 手痛いのはガンテツボール以外にも特殊な効果を持つボールが登場し、その多くが市販となったこと。ネットボール・クイックボール・ダークボールなどは汎用性の高い性能を持っていながら入手が容易なのに対し、ガンテツボールは多くが性能・利便性に劣る。
        しかもボールを作って貰うまでのプロセスは変わっていない(ぼんぐり収集→ガンテツに預ける→1日経過後にもらう)ので、数を集めるにはそれなりの手間がかかる。DS本体の時計を変更すれば入手性は緩和されるが、それが推奨されるようなバランスはいかがなものか。
    • 『RSE』で登場した一部特殊ボールが購入できない。
      • ゴージャスボール・リピートボール・タイマーボールは入手手段が曜日で変わるくじの2等景品・特性ものひろい・ポケウォーカーのダウジングのみ。どれも不確実かつ運頼みな上、消耗品であるボールを1個ずつ渡されても使いづらい。『DPt』では普通に販売されているため、ポケモンに持たせて交換すれば確実に入手できるが、これも1個ずつなので結局効率は悪い。
      • ダイブボールはポケウォーカーのダウジングしか入手方法がなく、そこで出現する確率も低い。『DPt』でも入手に運の絡むアイテムであり、数を集めるには『RSE』から送る必要がある。
  • きのみを入手・量産しにくい。
    • 上述の通り、本作できのみを育てるにはきのみプランターを使用するのだが、生育スペースが4つと少なく、量産がしにくい。
      • 『RSE』や『DPt』では各地にある土に植える必要があったため、管理のしやすさではこちらが勝ってはいるが……。
    • また、きのみ自体の入手にも運が絡み、望んだものを育てにくい。
      • 低ランクのものはボールの項の曜日くじの3等景品となっている。1回300円と少々割高であり、どれがもらえるかもランダム。
      • 他のきのみはポケウォーカー、かけら系アイテムと交換してくれる人、バトルフロンティアのスクラッチ(やはり運が絡む)、過去作からの入手となる。対戦でそれなりに使う半減効果を持つきのみだけはたまにおかあさんが買ってくる。
      • もっとも、下記を除いて本作ではきのみを大量消費する機会も存在しないが。
    • この問題はモーモー牧場のイベントにも影響しており、オレンのみをどうにかして7つかき集めることになるが、確実に手に入る3つを除いた残り4つはどうにかして量産する必要がある。
      • イベント終了後には有用な回復アイテム「モーモーミルク」が購入できたり、装飾要素のシールが使えるようにもなるが、思うようにイベントを進められなかったプレイヤーも少なくない。
      • なお、原作では一人プレイだとどうあがいても2日かかったので、一長一短な調整となっている。
  • クリア後の経験値稼ぎに丁度良い場所が無い。
    • 原作同様全体的にトレーナーのポケモンのレベルが低めなので、強化イベント後のジムリーダー・四天王、隠しボス・バトルフロンティアの適正レベル(50~80)まで引き上げるのが大変。
      • 一応バトルフロンティア以外なら戦闘用アイテムを使うことでゴリ押しも可能だが。
    • システム上、何度も戦える高レベルの相手に欠けている。
      • 強化前の四天王とは何度も戦えるが、当然ながらクリア直後は苦戦するし、連戦とはいえチャンピオン勝利後のイベントは毎回挿入され時間もかかる。そしてバッジを16個集めると強化されるので話を進めるかレベルを上げ続けるか二者択一となる。
        16個集めないとカントー&ホウエン御三家、ファイヤー、ミュウツー、グラードン、カイオーガ、レックウザが入手不可能なので手早く進めたいところだが……。
      • 電話で一般トレーナーやジムリーダーと再戦の約束ができるが、曜日と時間帯(ジムリーダーは電話番号の登録条件も)がトレーナーごとに指定されており、しかもノーヒントなのでわかりにくい。向こうから再戦の約束をしてくることもあるがその頻度も低い。条件さえ合えば、その時間帯中はいくらでも再戦できるが。
      • レベル60前後のポケモンを持ったライバルと再戦可能だが、これも戦える曜日が設定されている。また、ライバルとタッグを組んでレベルが70近くあるワタルとイブキとのイベントバトルに勝たないと戦えない。
      • 一応、DS本体の内部時計は変更してもデメリットが薄いため、抵抗がなければ変更するのも一考。
    • ほかの効率の良い手段は少ない。「ヒトミボム(一般トレーナー・ヒトミと何度も対戦する行為)」と呼ばれる手段も存在するのだが、やはり時間がネックとなる。
  • ポケスロンの問題点
    • 1箇所のパフォーマンスが最高でも微妙。
      • というのも全ての競技で複数のパフォーマンスが要求されており、例えばパワーとスタミナの部門の種目「ブレイクブロック」はスタミナが最高でもパワーが2以下だとまったくスコアを伸ばせない。逆も然り。しかも3種目続くため、いずれかの種目で致命的なパフォーマンスがあると勝てないこともあり得る。
      • 一応必要箇所が全て3でも総合優勝ができないことはないが、それ以下だとかなり厳しい。
      • コースにもよるが、そこそこに適性の高いポケモンが1~2体いれば、残りはパフォーマンスが低めでも優勝を狙える。仲間次第では、ジャンプできないディグダを、ジャンプコースで優勝させるなんてことも可能ではある。しかし自由なチームで自由に勝てるとはいかない。
    • ボンドリンクの使いづらさ。
      • 保存できる種類・量が1種類・3回分とかなり少ない。
        ボンドリンクには「味の濃さ」と「まろやかさ」という調整に時間と手間がかかるパラメータがあるが、使いきってしまうとそれもリセット。1回分残っていればぼんぐりを1個以上補充すれば3回分まで戻るが、調整もやり直し。
      • 味の調整自体が大変にややこしい法則性をもっており、狙った効果のボンドリンクを製作するのがそもそも非常に難しい。
      • 自分で手間暇かけて作るより、店売りのドリンクに頼ったほうが早いという話すらあるが、販売されているのは日替わりで常に三種類ずつのみ*4。欲しいドリンクが売っているとは限らない。
      • ポケモンをボックスに預けると、ボンドリンクによる補正はリセットされる。補正を維持できるのは手持ちの6匹分だけ。
      • 上記の問題から結局は、「元々パフォーマンスの優秀なポケモンを使ったほうが楽」という身も蓋もない結論になる。
    • 参加することでもらえるポイントの引き換え景品は、どれも1日に1個ずつしか交換できない。量産しようとすると、こまめに足を運ぶ必要が出てくる。
  • サファリゾーンのレアポケモン入手
    • 特定の追加ポケモンを出現させるには、最低10日・最高100日放置する必要がある。いくらなんでも長すぎる。
    • DSの本体時間を変更すると日数経過が1日分進まなくなるペナルティが付いてくる。何故ここだけ…。
    • 24時間で済ませる裏技も存在するが、DS本体に手を入れる必要がある。
  • リーフィア、グレイシア、ジバコイル、ダイノーズに進化させるための場所が存在しない。
    • これらのポケモンはシンオウ地方の特定の場所でレベルアップすることで進化できるが、それに対応する場所が本作には存在せず、進化させるには『DPt』に送る必要がある。
    • スタッフもこれには気づいていたのか、後続の作品では進化用の場所がきちんと用意されるようになった。
  • 期間限定配信で解禁される要素の多さ。
    • 代表的なのは
      • 「えいがかんアルセウス」によるシント遺跡イベント。Lv.1のディアルガ・パルキア・ギラティナをどれか一匹入手可能。また、『DPt』のチャンピオン・シロナと会える。
      • 「なぞのすいしょう」を用いたラティアス(SS)・ラティオス(HG)イベント。シンボルエンカウントなので厳選も比較的容易。こちらは『RSE』のチャンピオン・ダイゴが少しだが関わる。
      • 「えいがかんセレビィ」による時渡りイベント。ライバルとサカキ*5の決別を見たあと、ラジオ塔事件まで遡り、ロケット団に合流しようとするサカキと戦える。
      • ポケウォーカー「きいろのもり」。なみのりピカチュウ・そらをとぶピカチュウなどの通常では出現しないポケモンも入手できた。
      • ポケウォーカー「チャンプのみち」。通常では覚えない「じばく」を覚えたゴンベなどが入手できた。なお、次回作の『BW』から「じばく」はゴンベのタマゴ技に追加されたが、覚えさせる手段は本作を除くと、『XD』の教え技のみ。
    • いずれも現時点では正規産のやり取りや改造を除き、入手や解禁が不可能なのも難点。従来の配布ポケモンと違い、これ限定で人気キャラと会えることやセリフが用意されていることも反感を買っている。こういった要素が純粋に楽しもうとするプレイヤーに埋められない格差を突き付け、改造を煽ることになったという指摘も根強い。

バグ・不具合

  • かがやくはっぱはタイプと性格の組み合わせによっては5枚すべてを入手できない。
    • 具体的には、性格が「しんちょう」などのポケモンは33番道路で5枚のうちの1枚を入手できるが、この場所は常に雨が降っており、みず・ほのお・いわ・じめんタイプは雨に喜ぶor嫌がる反応が入手を上回ってしまうらしく入手できない。
    • 該当するタイプの中には最初に選べるポケモン3体のうち2体(炎タイプのヒノアラシ、水タイプのワニノコ)も含まれるため、それらに思い入れのあるプレイヤーにとっては災難である。
    • なお、海外版では修正されている。
  • 『プラチナ』から改善されていない問題。
    • おいうちバグがそのまま残っている。バグを起こさないように心がけるマナーも必要である。
    • 『DPt』に比べて戦闘テンポが多少早くなっているが、基本的には流用なのでいまいち改善されたとは言い難い。第4世代全体の問題点となってしまっている。
  • ゲームプレイに支障をきたす不具合の存在。
    • レポート中にスリープ状態にすると、再開不能になる事がある。
      • レポート中はフタを閉じないようにしたり、ABXYボタンに磁石を近づけないようにする必要がある*6。ヘッドホンのスピーカーにも磁石はついているので注意。
      • また、スイクンとのバトル中やバトルビデオ視聴を中断した時にスリープモードにしても発生するとの報告もある。データ自体は消えていないらしく、任天堂サービスセンターに送れば復旧してくれる。
    • ゲームを起動すると「レポートの ないようが きえてしまった!」と出て、セーブデータが消えてしまう不具合。当時問題になっていたマジコンなど違法ソフトの対策とも言われているが、真偽は不明。
      ポケスロンをプレイした後に電源を落とすと発生しやすいとの報告が多いが、正確な発生条件はわかっていない。
      こちらもサービスセンターに送れば復旧する可能性があるとのこと。また、単にソフトの接触不良や端子の汚れなどで誤って表示されたこともありうるため、挿し直せば正常に起動するかもしれない。

総評

「金銀時代に嵌まった人たちも満足できるリメイクを」というコンセプトを強く意識して作られた今作だが、その意図通り、前作の良さを存分に残しつつ新たな要素を加えた絶妙な仕上がりと質の良さから、結果として出荷総本数約400万本、発売直後に難民を生み出す程の大ヒットを記録した。 本体性能の向上によって、今シリーズ特有の和の雰囲気がより一層洗練され、味のある情景を再現する事に成功した。
ポケモンを連れて歩けるシステム、ポケスロンやポケウォーカー等、誰でも気軽に楽しめる要素も増え、ポケモン初心者でもとっつきやすい作りになっている。
旧金銀で省いた要素の復活と、新要素の追加でそれぞれの地方が歴代シリーズの一地方分のボリュームを内包しており、その2つの地方をまたいでの冒険はシリーズ屈指の広大さを誇る。ストーリーを攻略するだけでも充分にボリュームの多さを感じられるだろう。
その完成度の高さから、ポケモンシリーズでも評価は高い。


余談

  • 海外版ではスロットが「ビリリダマめくり」というゲームに差し替えられている。
    • 海外ではゲームコーナーの存在自体がマズいようで、以降の作品で日本語版ともども廃止された。
  • 本編では微妙な扱いのガンテツボールだが、『XY』(第六世代)以降で親のボールが子に遺伝する仕様になった*7ことで、対戦用ポケモンを中心にオシャレボールとしての需要が一気に高まった。
  • ポケウォーカーはアイオワ州立大学の研究者の実験により、市販の歩数計よりも正確であるとの結果が出ている(参考)。