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ロックマンワールド5 - (2016/10/15 (土) 11:23:52) の編集履歴(バックアップ)


ロックマンワールド5

【ろっくまんわーるどふぁいぶ】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
発売日 1994年7月22日
定価 3,800円
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2013年11月6日/400円
分類 良作
ロックマンシリーズリンク


概要

ロックマンワールド初の完全オリジナル作品。
これまでのワールドではファミコンのロックマンシリーズの2作を元に再構成していたが、そのストックが『ロックマン6』のみとなったためにオリジナルになったという経緯がある。
基本的には前作の要素を引き継いでいる。

特徴

  • 本作の敵は地球では発見されていない特殊な物質で作られているためロックバスターが効かないという設定になり、新武器「ロックンアーム」を装備。
    • チャージショットがロケットパンチに。もちろん通常のバスターも発射可能*1
    • 射程はちょっと短いが、「Pチップ」による強化が可能で、従来のチャージショットには無い能力を追加できる。
      • 「ロックンクロー」至近距離の敵をつかんで連続ダメージを与える。
        敵に接近して撃ち込む必要があり、結果的にアクション性の向上につながっている。
      • 「マジックハンド」地形の中や、遠くにあるアイテムをつかんで取る機能。
    • アームが戻ってくるまで攻撃できない。ただし戻ってくる途中のアームにも攻撃判定があり、撃ち込みが外れた場合でもまだ命中の可能性がある。
    • また、ゲームオーバーになり同じステージでコンティニューを4回繰り返すと…
      + ...
      • ロックンアームをパワーアップでき、飛行速度が格段に上昇する。
      • さらに4回ゲームオーバー・コンティニューを繰り返すと、もう1段階速くなり、チャージ速度もアップする。
        どうしてもクリアできない人は、試してみてはどうだろうか。
      • ただし、前作同様にパスワードでこの状態を保存することはできない。
  • 従来のチャージショットに比べて劣る点もあるが、各種機能の追加などチャージショットより優れた部分も目立ち、総合的にバスターの扱い方が多様化した。
    • 後に『7』のスーパーロックマンも同様のロケットパンチを装備し、逆輸入された形となった。
  • 特殊武器
    • ロックンアーム自体が特殊な機能を備えているが、それに食われているといったこともなく、使えない特殊武器はない。
    • 敵に命中するとライフエネルギー(小)を出現させて漂わせる「スナッチバスター」、チャージにより無敵状態で体当たりする「ブレイクダッシュ」などは特に個性的。
    • さらに「パワージェネレーター」と呼ばれるアイテムを装備することで、消費エネルギー量を半分に抑えることが可能。ただし入手できるのは終盤になり、入手するためには後半4ステージそれぞれに1個ずつ隠された「クリスタル」を集めなければならない。またクリスタルの配置上特殊武器やマジックハンドを使用しなければならず、後半4ステージを1周しただけですべて集めるのは不可能である。
      • 具体的に言うと、ウラノスステージとプルートステージのクリスタルの入手には、お互いのステージボスの特殊武器が必要(ウラノスステージではプルートの、プルートステージではウラノスの武器)なため、クリスタルを集めようと思えば、嫌でもどちらかのステージは2回行かなければならない。しかも、本作にはステージ途中でエスケープする機能は無いので、すでにクリアしたステージを再びボス部屋まで行かなければならず、面倒。
    • ボスキャラクターはオリジナル敵「スペースルーラーズ」となった。
      • 「○○マン」という定番の名前ではなく、「マース」「マーキュリー」等、太陽系の惑星の名前がつけられている。リーダーは「地球」を意味する「アース」であり、従来のロックマンキラーに相当する。
      • なんと ラスボスまでオリジナル である。一応ワイリーも登場する。
    • これまでのワールドシリーズに登場したオリジナルボス(エンカー、クイント、パンク、バラード)が最終ステージで中ボスとして再登場している*2。ワールドシリーズをプレイしてきた人には嬉しい演出。
  • 新サポートキャラのネコ「タンゴ」が登場。
    • この作品以外では『10』と黒歴史扱いされがちな『未来からの挑戦者』で登場している。
  • BGMもオリジナルだがこちらの出来も良い。特にラスボス戦のBGMは名曲と名高い。
  • スーパーゲームボーイにも対応。

問題点

  • 前半4体ボスのうち2体は弱点武器で攻撃する事が出来ない(弱点武器は後半に手に入る)。「ボスを倒して入手した武器が別のボスの弱点」というのがロックマンシリーズの特徴なのに…。
    • 幸いその2体はボスとしてはたいして強くないので弱点武器なしでも十分勝てる。
    • 一応、アースを含めた9体のボスの弱点がサークル状になっているのが救いか。
  • 上記の通りオープニングでアースに対し「ロックバスターが効かない」という設定だったはずが、再戦時には 普通に効いている
    • しかもこのアースはスペースルーラーズのリーダーという役どころでオープニングでその強さを見せつけていたにも関らず、再戦時には その場でバスターを連射しているだけで倒せる というシリーズでも屈指の弱さになっている。
    • アースは近づくとワープをするという特性があり、それを使われるとそれなりに強くなるが 近づかなければどうということはない 。積極的にワープするようにすればまた違っていたのだろうが・・
  • チラつき、速度低下の処理落ちが少々多い。とくにタンゴを出したときは…。
  • 新サポートキャラの「タンゴ」が非常に扱いにくい。
    • 敵のいる方向に向かってローリングアタックをしてくれるのだが、ビートと違い地上がメインなので空中の敵には当たり辛く、攻撃力も高くない上に発動中はエネルギーを消耗し続けるので燃費も悪い。さらに上記の通りチラつきも激しくなるので…。
  • 特殊武器の項で述べた通り使えない特殊武器はないが、全体的にクセのある特殊武器が多い。また万能な性能の特殊武器は入手時期が遅く、終盤のステージでのみ使用可能となっている。
    • 主なものとして、威力や燃費に秀でているが軌道に癖があるため使いこなすには慣れが必要な「バブルボム」、使い勝手は抜群だが、一番最後に入手するため使用できる期間が短い「スパークチェイサー」などが挙げられる。
    • もっとも前者のような特殊武器は使い方に慣れてしまえば道中で役立つし、後者に至っては過去作のロックマンキラーたちの特殊武器にも言えることである*3
    • 「ディープディガー」は、ガッツマンのスーパーアームみたいに、特殊な岩の上に乗って使うことで、岩を持ち上げて投げつける技である。だが、攻撃するためには岩があることが前提な仕様のせいで、戦闘面ではあまり活躍できない。実質的に使用するタイミングのほとんどが、岩で隠されている道を除去する為の謎解きである*4 。もっとも、スーパーアームも同じ様な問題を抱えていたが……。
      • ディープディガーが有効なボスはアースであり、いかにも使えと言わんばかりに岩が敷き詰めてあるが、岩を抜くと凸凹になり戦いにくくなる上、弾数も限られるため普通にバスター連射していた方が楽である。ダメージは大きいため使えないことはないといった程度である。なお、アース以降のボスで岩が置いてあるボスは持ち主のウラノスだけであり、勿論効く訳がなく、潰されて死ぬ危険が高まるだけである。
      • どうにも使い道が難しく1でハブられていた特色ある武器「スーパーアーム」をここにきてあえて復活させたというのはバリエーションを増やした面では評価できるが、もう少し活躍の場面を増やしてもらいたかったところである。
  • 『5』に登場したボスキャラのうち、残りの4体(ジャイロマン、ウェーブマン、スターマン、グラビティーマン)の立場。
    • 前述の通り本作は、「ストックが『6』しか無かった為、オリジナルにした」との理由で完全新作となったが、やはり残りの『5』ボスの事を気の毒に思うユーザーもいない訳ではなく、「残り『5』ボスと『6』から4体ボスを選出した構成でも良かったのでは?」、「残り『5』ボスを蔑ろにする気か」といった意見も聞かれた。
    • とはいえその構成にしたところでプラントマンとケンタウロスマンは武器性能が被るため出すわけにはいかず、『6』のボスはどのみちそれ含め4体余ることになるし、性能の劣るGBへの移植に近いことを4作もやってきたためのマンネリ打破の意味合いもあったと思われる。

総評

ややクセはあるもののアクションゲームとしての出来はかなりいい。
ロックマンワールドシリーズ唯一のオリジナル作品という異色作ながらロックマンの外伝作品として非常によく出来ている。
まさしくワールドシリーズの集大成と言える出来なので、1度はプレイしておきたい作品である。

余談

  • ボス名は太陽系の惑星から名づけられていることは述べたが、2006年8月に国際天文学連合 (IAU) 総会による惑星の定義付けで、冥王星こと「プルート」は惑星でなくなり、「準惑星」になってしまった。
    • そのため、現在で本作の話題が出た時ボスキャラの中でもプルートはこのネタで弄られることになる。
  • 有賀ヒトシの描き下ろしコミカライズ『ロックマンギガミックス』の2巻~3巻においては本作をテーマにした死闘が描かれる事となった。有賀はコミックボンボン増刊号での『ロックマンメガミックス』の連載が終わった後に本作のコミカライズの考案を練っていたが10年以上発表の機会がなかったため。
    • 本作での「スペースルーラーズ」はワイリーが開発したわけではなく、白い巨人(デューオ)によって封印されていた破壊者という設定。凶悪な宇宙からの破壊者達相手にロックマンを初めとしたライトナンバーズは、Drワイリーとワイリーナンバーズと共闘してスペースルーラーズに立ち向かう事となる。
    • 原作では雑魚ボスだったアースだが、ギガミックスにおいては恐怖や絶望を糧とするダークムーンを成長させるべくルーラーズの仲間の目玉を抉り取ったり見殺しにするなど残忍な性格を持って描かれる事となった。