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【きんぐだむ はーつ ばーす ばい すりーぷ】
ジャンル | アクションRPG | |
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売・開発元 | スクウェア・エニックス | |
発売日 | 2010年1月9日 | |
定価 | 6,090円 | |
プレイ人数 | 1人(~6人 ※マルチプレイ時) | |
判定 | 良作 | |
キングダム ハーツ シリーズ・関連作品リンク? |
キーブレードマスター・エラクゥスのもとで日々修行に励むキーブレード使いの3人、ヴェントゥス・アクア・テラは彼から
もう一人のマスター、ゼアノートの失踪と世界に起こる変化を告げられる。
それぞれの思惑で冒険の旅に出る3人はやがて世界を脅かす陰謀、そして災いに巻き込まれていく…
そう、全ての運命に―「偶然」などなかったのだ。
(パッケージ裏、取扱説明書より抜粋、一部改)
『キングダム ハーツII』(以下KHII)の続編(というより外伝)として発表された三部作(*1)のひとつ。その中でも本作は本編と結びつきが強く、『II』『IIFM』のシークレットムービーで描かれていたのは本作である(*2)。
三部作の最後に発表され、その中でも最もスペックの高いハードである事を活かし、本編に近い操作性とグラフィック、ボリュームを備えている。ディレクターの野村哲也氏は「ソラが主人公でないからナンバリングをつけなかっただけで、ボリュームや密度の濃さはPS2の時と大差ない」と語っている。前作『キングダム ハーツ 358/2 Days』(以下Days)の評価からか出来を不安視が多く、その一方で期待する声も強かった。
物語は『キングダム ハーツ』(以下KHI)の約10年前を描き、『KHI・II』のキャラの数多くが過去の姿で登場する。本編の時代には闇に飲まれて崩壊していた世界も舞台となり、本編で明かされなかった残りのセブンプリンセスのステージ(シンデレラ、白雪姫など)、更に『リロ&スティッチ(*3)』のステージも登場する。
主人公は新キャラの「テラ」「ヴェントゥス」「アクア」の3人で、1人につき1つずつストーリーがある。最初はヴェントゥス視点から始まり、テラ、アクアと切り替えて行くが、オープニングイベントが終わると誰でプレイするか選択する。
全てのストーリーが同じ時間軸で多少前後しつつ並行して進む為、全員でクリアする事でストーリーの全貌が判るようになっている。並行して進めても、順番に進めても問題ないが、野村氏は並行プレイは推奨していない。また、条件を満たす事によって真のラスボスとの対決とストーリーの結末を描く「ラストエピソード」がプレイ可能になる。
従来のRPGっぽいコマンドから一転、本作では一つの技をコマンドとしてはめ込み、組み合わせたコマンドを一つのデッキとして戦う。
L+Rボタン長押しで発動。一人称視点になり敵に照準をあわせることで、周りの敵を一掃する破壊力のコマンドを使う。
戦闘面で、細かい問題点がいくつかある。
これらはアビリティやコマンド、アイテムでどうにかなる物が無いため一層不満が強い。
強制や運が絡むせいで、プレイヤーの手に委ねられる要素が少ないことも不満を強めている。
【きんぐだむ はーつ ばーす ばい すりーぷ ふぁいなるみっくす】
【きんぐだむ はーつ えいちでぃー にいてんご りみっくす】
外伝作品ながら、これほど完成度の高いものになったのは前4作で試行錯誤を重ねた末、システムを煮つめた結果である。
『CoM』『II』から形を変えて登場しているシステムが多いことからそのことが見て取れる。
だが特に戦闘面には細かい粗も点在しているため、まだ改善の余地は十分にある。今後のシリーズで完成度の向上が期待されている。
シナリオはシリーズ中最も古い時代の出来事を描くため、新規層であってもストーリーで困惑することはない。むしろ本編『KHI・II』がより分かりやすくなるだろう。
一方『IIFM』で追加されたあのムービーの意味とは? このキャラクターの正体とは? と言う謎がこの作品で明かされると言う流れだったので、
『IIFM』をやりこんだ古参層こそ楽しみにしていた物であるのも間違いない。
特に「留まりし思念」と戦った人程、テラでプレイし「アルテマキャノン」等が使えた時は感動を覚えたのではないだろうか。
年末年始に発売されたため売上を大きく伸ばし、新規層を取り込む一因になった。
ただ他の作品の同じFINAL MIX版として見ると、システム面での修正がほとんど無い点や、新規のシステムとムービーの方に不具合が多数存在する等、かなり欠点も目立っている。これからのシリーズに期待と不安も同時に感じさせている状況である。