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レリクス 暗黒要塞 - (2022/04/05 (火) 10:53:39) のソース

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//『RELICS -The recur of "ORIGIN"-』

*レリクス 暗黒要塞
【れりくす あんこくようさい】
|ジャンル|アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/160100197.jpg,height=180)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~|
|発売元|ボーステック|~|
|発売日&br()()は書換開始日|1987年4月10日(1987年6月5日)|~|
|定価|4,200円(税別)|~|
|配信|[[プロジェクトEGG>https://www.amusement-center.com/project/egg/]]&br;2010年2月2日/617円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
|ポイント|劣化移植を突き抜ける出来&br「''おまちくた゛さい''」のロード地獄&br劣悪なレスポンス|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
PC98でヒットしたアクションアドベンチャーゲームの移植。主人公は「魂」で、倒した敵の体に憑依し乗り移って進む、という当時としては斬新なコンセプトを持った作品であった。~
ディスクシステム移植版となる本作は、憑依システムは原作そのままだが、いくつか原作から変更された箇所がある。~
それだけなら当時のパソコンからファミコンへの移植に伴うグレードダウンの常としてやむを得ない点ではあるのだが、ゲーム開始と同時にありえないぐらいのディスク読み込みによるローディングが待ち受けており、ゲームそのものの評価を下す以前の問題となってしまっている。

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**問題点
***恐怖の「おまちくた゛さい(ローディング)」地獄
-スタート直後、上の階層へハシゴを上っていくと「''おまちくた゛さい''」。 
-通路でたむろする兵士の前で「''おまちくた゛さい''」。 
-イモムシやコウモリ、ミイラなどのザコ敵の出現前に「''おまちくた゛さい''」。
-上下で画面切り替えのあるとき、ジャンプして「''おまちくた゛さい''」。そのまま落下して「''おまちくた゛さい''」。
-ボスの棲息エリアに突入する時も「''おまちくた゛さい''」。 
-そして本作最大の特徴である、敵戦士の身体に乗り移る場面ではもちろん「''おまちくた゛さい''」。 
-スタミナが0になって死亡した時ももちろん「''おまちくた゛さい''」。 

ファミコンディスクシステムのディスクカード(クイックディスク)は、ディスクの特定個所を読み込む事(ランダムアクセス)ができないため、データを取り出すのにディスクを毎回最初から最後まで読まなければならない。~
そのため、''ローディングは一律8秒かかる仕様''である。元々クイックディスクの比較対象は「ロードに1回10分以上かかる磁気テープ」なので、本来はこれでも十分早いのだが…。ただし磁気テープ時代のアクションゲームは全てオンメモリの仕様であり、ゲーム中にデータを読む事は無かった。~
この仕様を全く考慮していないローディングの多さのため、「一画面分歩くのに8秒」、「梯子を上りきるのに8秒」、「画面スクロール時に必ず8秒」などいちいち8秒間遮られ、ゲームのテンポは最悪という、どうしようもない作品に成り果ててしまった。

また、一般的なディスクシステムのゲームは「最初に一度だけ読むデータやセーブデータがA面、ゲーム中に読むデータはB面」という設計で、これによって「一度ゲームを始めたらセーブするまでB面」という形で入れ替えを最適化している。~
しかし、本作はゲーム中に必要なデータがA/Bの両面に分散しているため、''ゲーム中にディスクの裏表入れ替えを頻繁に要求される''。酷い時には死亡した際に入れ替えを要求されることも…。

***ローディング以外の問題
-ジャンプは常にためらっているようにのっそり。
-逆方向に振り向きたい時、上方向入力で上を向く動作を挟む必要がある。
-スタミナ回復アイテムは最大7~12ゲージ中1か2ゲージしか回復しない。(比較的少ない)
//某所のRTA動画での指摘を反映して修正。
-ラスボス撃破後にエンディングが始まらないバグが存在する。ラスボス奥の階段の下二段に乗ってしまうと横方向ジャンプが出来なくなり、後ろに戻ってしまうと何故か復活したラスボスに瞬殺されてしまうことによるもの。ハシゴを登る時の上を向いてのジャンプ&左方向入力で対処は可能。

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**評価点
-原作ではできなかったセーブが可能。
-一応、原作の憑依システムという斬新なコンセプト自体は維持している。
-ゲーム中は効果音のみだった原作とは異なり、BGMが流れる。
-原作のやや難解であったストーリーをファミコンユーザー向けにアレンジしており、原作に比べて目的はわかりやすい。
//無理矢理に考えた評価点です。というか最大限考えて評価できる点はこれくらいしか…

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**総評
当時のアクションゲームと比較しても、微妙な点がチラホラ。~
そもそもレリクスはオリジナルのPC-9801版からしてロード地獄なものの、PC-9801が16bit機(加えて使用するフロッピーディスクがランダムアクセスが可能)だから何とかなっていただけであり、8bitパソコン移植版(こちらもフロッピーディスクを使用しているが)は全て散々な評価である。PC98以外の16bitパソコン移植版としてX68000版も存在するが、PC98よりも高性能であるにもかかわらずグラフィックはすべてPC98からの流用なうえに移植度も劣悪で、当時のPC雑誌にかなり酷評されていた。~
それより更に低性能なディスクシステム版((上記クイックディスクの仕様に加えメモリーも一般的な8bitパソコンの半分しかない))がこの惨状なのもむべなるかなというところである。

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**その後の展開
-その後、Windowsにてリメイク作品である『&link(){RELICS -The recur of "ORIGIN"-}』(以下『ORIGIN』)(1999年発売)及びその続編である『RELICS -The 2nd Birth-』(2001年発売)が発売された。
--『ORIGIN』はオリジナル版をもとに、クォータービュー型アクションロールプレイングゲーム(ARPG)としてリメイクしたものである。
//--Xboxにてフルポリゴン化したレリクスの開発も進められていたが、残念ながら開発中止となってしまった。
//--2005年に日本ファルコムとソフトバンクBB から『RINNE』というクォータービュー型ARPGが発売されているが、商品タイトルにトレードマークのRELICSが無いものの、事実上、これは『ORIGIN』から連なるシリーズの続編である((世界観やシステム・キャラクターデザインが酷似しており、またプログラムのファイル名にもRELICSの記述がある。))。
//『ORIGIN』からの展開を『ORIGIN』のページに移動。

-プロジェクトEGGではFCDに忠実な移植版が配信されており、これらではロード時間やタイミングは改善している。
--また、プロジェクトEGGからダウンロード販売(要会員登録、有料)されている本作もロード時間及びディスク面入れ替えはない。
--さらに、プロジェクトEGG初のパッケージソフトとして、X68000版を除いたPC版全てとFCD版を収録した「RELICS ANTHOLOGY」も発売されている。

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**余談
-本ゲームのBGMは岩田匡治氏が作曲を担当。同氏のキャリアの中でも最初期の部類に入る。
--ボスエリアのBGMの一つが『[[ダンジョンキッド]]』((本ゲームと同じく岩田匡治氏が作曲を担当。))の戦闘曲にメロディーが流用されて使われている。
-『[[伝説のオウガバトル]]』及び『[[タクティクスオウガ]]』に、このゲームをモチーフにしたと思われる「レリクス」の名を冠する武器やユニットが登場する((『伝説』『TO』の開発・発売元であるクエストはボーステックの後継会社のため。))
--なお『オウガバトルサーガ』におけるレリクスは「言葉の通じない邪悪な異世界」という設定の模様。
-CS番組「ゲームセンターCX」では有野課長が退院後((2008年5月30日、肺膿瘍の治療で課長が入院休養することを所属事務所が明らかにしてからの退院後、初のゲームセンターCXでの挑戦は「退院したとは言え長時間ゲームの挑戦は過酷」な為、その時はリハビリモードの日となった。))の放送で「次は何を挑戦するか」というおまけコーナーがあり、その時に当時のADであった中山がこのゲームに対して「クソゲー・操作が悪い・''紹介はしたい''」と散々なコメントを残した。
--スタッフによると、当のAD中山が(次の挑戦の)候補にあげた記憶は無いのだが、勝手に次に何の挑戦をするかの表に入ってた とのこと。
--ちなみに、最終的に次の挑戦に選ばれたのが[[コレ>暴れん坊天狗]]である。
--今となっては中山はADをやめており、このゲームにも課長は挑戦をしていない。

#region(動画)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm241270)
プレイ動画その1。スクロールすらしてないのに「おまちくた゛さい」の連発。

&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=wGf8DevKMC0)
&br() これはエミュレーションもの。劇的に向上している。
#endregion