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デジタル・デビル物語 女神転生II - (2010/11/15 (月) 21:30:24) のソース

*デジタル・デビル物語 女神転生II
【でじたる・でびるすとーりー めがみてんせいつー】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B000068H3V)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|アトラス|~|
|発売日|1990年4月6日|~|
|定価|7,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|2個(バッテリーバックアップ)|~|
|ポイント|以降のメガテンの(世界観的な)ベース|~|
|>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/286.html]]''|

**概要
「悪魔合体」等の独特の要素でコアなファンを虜にした前作『デジタル・デビル物語 女神転生』の続編(と言っても繋がりを匂わせる部分は少ないが)。OVAの続編という形だった前作と違い、完全なオリジナルである。~
今作の舞台は新型爆弾の爆発で生じた次元の裂け目から出現した悪魔により荒廃した東京。~
体感RPG『デビルバスター』に興じていた主人公とその親友は、ゲームに封印されていた魔王パズスと出会い、救世主に選ばれるのだった…。

**特徴
***ゲームの基本構造・前作との違い
-マップが2Dフィールドと3Dダンジョンに2分化された事で、舞台の広がりを表現した。フィールド上の移動はマグネタイト(MAG)を消費せず、ダンジョン内では消費する。
-武器が「ガン」「剣」の二種類に別れ、いずれかを戦闘時に選択できる。前者は鬼・人間・マシン系に有効で霊には効き難くスライムには無効。後者は獣・霊・魔族系悪魔に効果が大きい。
--ガンは店売りだが、剣は一部を除き敵が低確率でドロップする。
-防具も頭(ヘルメット)・胴体(アーマー)・腕(グローブ)・足(ブーツ)・装飾品(ゴーグル、マント)に細分化された。そのうち、装飾品以外は店売りだがゴーグルは宝箱、マントはコードブレイカーで好成績を出さないと取れない。
-悪魔を「仲魔」にする為の会話は、相手の気をひく為の行動を取れるようになり、より交渉らしさが増した。これを行わずに単に物をあげるだけでは仲魔にできる可能性は極めて低い。
-隠しパラメーターとして「魅力値」というものがあり、仲魔に引き入れる可能性に大きく影響する。明確な上げ方は不明だが、仲魔と同種族の悪魔を倒したり、ギャンブルのやりすぎで下がってしまう。
-悪魔合体は従来の2体に加え、新たに3身合体が可能に。従来の2身合体も、1に比べて法則を掴みやすい様に改良された。
--精霊の「〇〇スライム」系や4大エレメントは特定種族を1ランク上の悪魔にする等、素材としても高い価値がある。3身合体でスライム4種orエレメント4種のどれか3つを組み合わせると前者は鬼神(仏教系の四天王)に、後者は天使(4大セラフ)になるが、精霊だけで適当に組み合わせてもピクシー(最下級の妖精)にしかならない。
-3身合体はGOOD悪魔のみ使用でき、魔神や神獣はこれでしか作れない。注意点として、精霊以外の種族3つで合体しても4大スライムのいずれかにしかならない。又、2つが同種族で1つが別種族の合体は使用した別種族の悪魔から1ランクダウンしたものになってしまう。
***その他・評価された部分等
-本作はご存知「電脳悪魔絵師」こと金子一馬氏(当時のPNは金子一魔)のデビュー作で、彼のイラストを元にドット絵にされた悪魔達は前回同様にアニメーションする。
--女性悪魔は上半身裸。任天堂チェックをどうやってパスしたか…。
--アトラスのマスコットとして有名な「ジャックフロスト」(文字数の関係で「ジャクフロスト」)は本作が初出。但し『真』以降のそれとは姿形が全く違うし、ヒーホー語も話さない。
-悪魔との会話も台詞のバリエーションが多彩化。女性NEUTRALの「あくまをころしてへーきなの?」等が有名。
-増子司氏によるBGMは、ソフトに積まれた特殊チップで重厚さが加わり、いずれもハイクオリティ。
-独特な世界観。東京という実在の土地を舞台にしつつ、北斗の拳や原作漫画版デビルマンを思わせる退廃的な雰囲気を取り入れた世界は今なお刺激的。
-作中で最初に行う体感RPG「デビルバスター」は前作のダイダロスの塔を舞台としている。BGMも前作のもの(拡張音源によりグレードアップしている)が使われており、前作プレイ者にはニヤリとさせられるイベントである。

そして本作の最も象徴的な部分が、勧善懲悪の域を離れた壮大なストーリーである(以降ネタバレにつき伏せる)。
#region
中盤のボス・魔王バエルを倒すと無力なカエルに変身し、その後とどめを刺すか刺さないかの選択を行うのだが、~
この選択肢如何でエンディングが変化する(バエルはパズスから提示された討伐目標だが、考え方の違いからパズスとは決別し、戦いの末倒している。また、パズス側に加担したがゆえに道を誤ったダークヒーロー(主人公の親友)の仇でもある)。~
~
その後、物語の終盤に魔王ベルゼブブ、ルシファー、サタンと名だたる敵と戦っていくことになるのだが…。~
~
カエルにとどめを刺していた場合は上記の魔王達とは問答無用で戦いとなり、全て打ち倒すと主人公の前に「唯一神」が現れ、悪魔を殺し尽くした功績を認められて天界に昇るエンディングを迎える。しかし、地上は相変わらず崩壊したままであり、いささか後味が悪い。ある意味バッドエンドとも言える。~
~
今度はカエルにとどめを刺さなかった場合。この場合は魔王ベルゼブブとの戦いの前にバエル(カエル)とベルゼブブが融合し、本来の姿である魔神バアルの姿を取り戻し、主人公の仲間になる。~
(ここで融合を阻止することも可能。その場合はカエルにとどめを刺した時と同じ展開になる)~
さらにルシファーに会うと、ルシファーは唯一神の目論見を明かし「神を倒すため共に戦おう」と誘われ、これも仲間になる。~
バアルとルシファーを仲間にして、神側についているサタンを倒すと、ここで現れる唯一神Y.H.V.H.と戦うことができ、これが真のラスボスとなる。~
~
詳細は伏せるが、Y.H.V.H.を倒したときのエンディングは「人の運命は人自身が決める。困難は多いがあきらめずに力を合わせればきっと…」という前向きで希望に満ちたものであり、真のエンディングとも言える内容になっている。
このエンディングは、「必ずしも神が正しいとは限らない」という事を提示した。~
~
この「神の代行者になるか、己の意思を示すか」という流れは『真』以降のシリーズにも影響した。~
余談だがサタンの立ち位置が従来の「悪魔の代名詞」ではなく、「唯一神の側に付く悪魔」というスタンスになったのは後の「真・女神転生2」にも引き継がれる。~
#endregion

**難点
-終盤の悪魔の一部に「剣攻撃を跳ね返す」属性を持ったものが存在し、それらはガン攻撃にも若干耐性があり、思ったほどのダメージを与えられない。仲魔も強力な者は大概通常攻撃が剣属性で、うっかりAUTOを選択してしまい一瞬でパーティーが全滅…等という事も多々ある。
--鬼女の上位3種(ボルボ、タマモノマエ、ランダ)や、幽鬼ギリメカテがそうで、いずれも劣らず嫌らしい魔法・特殊攻撃を使う。特にギリメカテのムドハンマ(最強の即死魔法。2人を即死させる)で主人公・ヒロインを瞬殺されて終わり…を経験した人も多いだろうか。
--更には魔王サタンもムドハンマを使う為、一瞬でのゲームオーバーと隣り合わせのプレイを余儀なくされる。故に終盤のゲームバランスは不安定かもしれない。
-魔獣との会話で、何かするとすぐ逃げられる事が多い。
-オートパイロットが使いにくく、バグが発生することもある。その一方で使用中はエンカウントしないという利点もあるが…。

**総評
全てが前作より大きく飛躍した本作は、以降のメガテンの見本となった。~
発売時期の近い『ドラゴンクエストIV』においても非勧善懲悪が打ち出された事もあり、和製RPGの多様化に貢献した。~
それと同時に、よりマニアック且つストイックな方向への進化は、「メガテン=マニア向け」のイメージをより確固たるものにしたともいえるだろう。~
本作で打ち出された「神の正当性の否定」という概念は、シリーズ初のアトラス自社ブランドとなるSFCの次作『真・女神転生』での「LAW・CHAOS・NEUTRALの思想と正義の多様性」に繋がっていく事となる。

**余談
-アトラスからSFCで発売された『旧約・女神転生』にIと同時収録されている。こちらはオートパイロットに代わってオートマップ機能が搭載されたが、魔王系のHPが約半分にされたり、I程ではないが様々な点に変更がある。
-携帯アプリ版はよりFCに忠実な内容で、どこでもセーブが可能。