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餓狼伝説 宿命の闘い - (2019/02/06 (水) 07:23:38) のソース

//文章量的に問題ないので記事を統合
ここでは『餓狼伝説 宿命の闘い』(判定なし)及び、その移植版である、SFC版(''クソゲー'')、MD版(判定なし)について紹介する。
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#contents(fromhere)
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*餓狼伝説 宿命の闘い
【がろうでんせつ しゅくめいのたたかい】
|ジャンル|対戦格闘アクション|~|
|対応機種|アーケード(MVS/業務用ネオジオ)|~|
|発売・開発元|SNK|~|
|稼動開始日|1991年11月25日|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2007年9月18日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【PS4】2016年12月15日/823円(税8%込)&br;【Xbox One】2017年3月23日/823円(税8%込)&br;【Switch】2017年4月20日/823円(税8%込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|メーカーの顔となる人気タイトル初代作&brなおかつ、否「対人戦」仕様の異色作|~|
|>|>|CENTER:''[[餓狼伝説シリーズリンク>餓狼伝説シリーズ]]''|
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**概要
同年に大ブームだったカプコンの『[[ストリートファイターII]]』の約半年後に登場したネオジオ初の記念すべき対戦格闘ゲーム。~
かつて『[[ストリートファイター(ストI)>ストリートファイター]]』を作ったスタッフが製作に大きく関わったため、『ストII』というよりも『ストI』に近い仕上がりになっている。

**特徴
-本作は後の続編や『ストII』等と異なり、対人戦を主眼に置いていない時代の「格闘''アクション''ゲーム」となっている。

-乱入時には''乱入者と協力してCPUを倒し、その後に対戦する''という形式になっていた(移植機種ではこの要素は割愛されている事が多い)。
--協力関係にある為か、味方同士の打撃は基本的にヒットしないが、飛び道具はヒットしてしまう。

-2ラインは存在していたものの、任意でライン移動ができるのは敵側のみで、プレイヤー側は一切できない。
--お互いが別ラインにいる状態で、こちら側がライン攻撃する事は可能。

-本作では必殺技のコマンドは一種類しかインストカードに書かれておらず、ステージクリアしていくとコマンドを教えてもらえるというシステムをとっていた。そもそもこのインストを設置している店が中々無かった。

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**評価点
-シンプルさ。
--難易度の低さも相俟ってとっつきやすい。
--対人戦は微妙であるが、純粋なアクションゲームとしてはよくできている。パターンを見切ることで強敵を倒していく喜びは大きいものがあった。

-敵キャラクターやステージ演出などが個性的で見ていて飽きない。
--例を挙げれば、天井からぶら下がるリチャード・マイヤ、亀仙人の如く服を破いてマッチョになったものの元の大きさに戻ると衣服も戻るタン・フー・ルー、ある程度ダメージを与えるとスーパードリンクを飲んでパワーアップするホア・ジャイ(中ボスの一番手)、棒を手放すとブルブル震えるだけのビリー・カーン(最後の中ボス)など。また、ステージによっては、奥ラインがダメージゾーンとなっている場合がある(マイケル・マックス等のステージ)。

-当時としては破格のグラフィックやサウンドの美麗さを誇り、プレイヤー達の度肝を抜いた。
--特にギース・ハワードステージのBGMである「ギースにキッス」は大好評を博し、『[[餓狼SP>餓狼伝説スペシャル]]』、『[[龍虎の拳2]]』などの後の格ゲーにて再度アレンジ収録がされる事となる。
---本作のサウンドチーム「新世界楽曲雑技団」は処女作である本作で早くも注目されるようになった。

-餓狼伝説の世界観や舞台設定などは既にこの時点で大方完成されており、それがこのシリーズの人気に繋がったといっても過言ではないだろう。
--永遠のSNKヒーローであるテリー・ボガード、格ゲー界屈指の悪のカリスマであるギース・ハワードなど、今でも現役活動している人気キャラクターの初出演作であり、彼らを生み出した本作の意義は極めて大きい。


**問題点
-初期のゲームゆえにゲームバランスは大味である。
--必殺技がハイリスク・ハイリターンな存在で、通常技の比にならない程凶悪な性能。
---テリーのパワーウェイブが今でいうところのパワーゲイザーなみの大きさだったり、アンディの斬影拳が''出してるだけで相手は何もできないチート性能''だったり。しかしその分コマンドは出づらく、本当の意味での「必殺技」を表していたといえる。
---飛翔拳などは出すまで時間がかかるが、上下幅が異常に大きく、3発当てればKOという威力の高いものだった。
--特に体の大きいライデンに空破弾・タイガーキックをひきつけてから放つと一度に3ヒットして''即死''する。
//---クラックシュートはライデン相手でも2ヒットしない様子。
---タイガーキックは転んだ相手に密着して2、3ヒットさせ即死させる事も可能。
--この頃の餓狼はまだ連続技という概念が存在しなかったので、無理に通常技で攻撃すると敵から必殺技の洗礼を受けてフルボッコにされるのが当たり前な状況であった。特にスーパードリンクを飲んだ後のホア・ジャイが顕著。ドラゴンキックの乱発(俗称:ドラゴンダンス)には、多くのプレイヤーが苦しめられた。

-一方で弱い点はとことん弱い
--「対空技」どころか「無敵時間」という概念がなく、ライジングタックルと昇龍弾は飛び蹴りに一方的に潰されるほど当たり判定が弱い死に技となっている。
--必殺技に恵まれているアンディだが、「投げ間合いが短い」と言う欠点がある。
---通常の敵キャラクターには問題ないのだが、ラストボスのギースには当身投げがあり、必殺技(通常技)や通常のジャンプで接触するだけで問答無用で投げられてしまう(飛び道具の撃ち合いでは勝負にならない)。従って、「ジャンプ(ボタンは押さない)→着地投げ」と言う戦法を取らざるを得ないので、この間合いの短さに多くのアンディ使いが泣いた。
---一応ギースもしばらくは何もしてこないことが多いのだが、運が悪いとアッパーや回し蹴りを出してきて食らってしまう。なるべくすぐに投げたほうがパターンに嵌め易いのは言うまでもないので、ジョーのほうが楽だった。

-選べるキャラクターがテリー・ボガード、アンディ・ボガード、ジョー東の3人しかいない。
--やはり格ゲー初期のゲームだけあって同キャラ対戦は不可能。敵キャラクター達も一切使用できなかった。

-クラックシュートのコマンドがおかしい。
--技の最初に入れるレバーが↓と↙に設定されているせいで↓から↙に入れても、同じと認識されて入れたことにはならない。そのため↓ニュートラル↙←↖+Bと入力する必要がある。

-ギースの当て身投げが鬼性能
--本作のギースが当て身投げの元祖だが、色々高性能すぎる。構えモーションはただ立っているのとほぼ同じ(呼吸モーションが無い一枚絵な程度)、必殺技や通常技を投げるのは元より、こちらが起き上がり時に当て身モーション状態で待ってたり、上りジャンプで攻撃し攻撃が引っ込んでいる状態やパワーウェイブを近距離で出しても投げてしまう理不尽さ。

-バグ
--ジョー東のみ、起き上がりに必殺技を重ねられると何故かガードできない現象が存在する。
---CPU戦でも起き上がりに必殺技を重ねるとガードしないで食らってくれるのだが、これもジョーと同じ現象だと思われる。
//但しギースは必殺技を重ねても当て身で返してくるので通用しない。
//---それは重ね方が遅い、早めに必殺技を重ねれば当て身投げされずにヒットする。
-レバー認識が一部の技で厳しい。
--例えば、ライジングタックルなどの「下溜め技」は、真下のみ有効。また、溜め解放時に一瞬ニュートラルに入っていないと技が出ない。

-飛び道具の射程
--主人公3人の飛び道具の射程に制限があり、両者が端と端にいる場合は、手前で消えてしまう(したがっていわゆる「鳥カゴ」状態にならない)。
--一方でCPUの飛び道具は射程が無限で端から端まで届く。ラスボスであるギースに至っては高速で烈風拳を連発し、鳥カゴ状態にしてくれる。
---なお、これはアニメ『バトルファイターズ餓狼伝説(1)』でも再現されており、主人公らの射程外からギースが烈風拳を放ち、「私に射程は無い(意訳)」と嘲笑っていた。

-ボーナスゲームが連打を要求しすぎる
--腕相撲に勝つことで得点が入るのだが最初と2回目はともかく、最後の相手はボタンを壊すレベルで連打''しても''勝つのが難しい。あまりの無理ゲーっぷりにスコアラー以外はスルーすることも少なくなかった。後半でも速い連打で勝てるわけはなく、適度な連射速度で勝てるという不思議仕様。

-敵キャラクターが勝利した時の戦闘終了後の台詞が、キャラごとに用意された固有セリフを除き共通である。
--そのため、老人であるはずのタン・フー・ルーが「優勝は''俺''のものだ!!」と言い出す、ギースの右腕であるはずのビリーが「ギースは10年前、この大会の優勝者ジェフ・ボガードを暗殺させたらしい。」と教えるなど、違和感が強い組み合わせになったりする。

-謎の特殊技が実装されている。
--テリーやジョーにはホア・ジャイが使うラインふっ飛ばしと同モーション性能のライジングアッパーがあるが、出す方法が不明。
--マイケル・マックス戦で立ちガードを延々続けると、無敵の「避け技」が頻繁に発生する。個々にモーションが用意されてあるので元々は使える技として用意されていたようだが、マックス戦以外でこの技が出せるかは不明。相手の技の空振りのスキにこちらが通常技で反撃するという使い方はある。

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**総評
あくまで本作は「CPU戦のストーリーを楽しみつつ、必殺技を出して敵を粉砕するゲーム」である。~
対人戦要素もあり本作独自の面白さもあるが、対人戦は全くといっていい程盛り上がらなかった。~
とはいえ、同時期に乱発された格闘ゲームの中でも遥かに遊べる出来であったことや、MVS筐体のレンタル制のおかげでゲーセンはもちろんの事、駄菓子屋などでも多く普及していた影響も相まって大ヒットした。~
本作が後にSNKが良作格ゲーを生み出すきっかけになったことは間違いない。

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**その後の展開
-本作の人気を受けて次々に続編が稼働し、家庭用機にも移植されていった。
--同キャラ対戦に関しては次のSNK格ゲー新作である『[[龍虎の拳]]』以降のすべての作品にて搭載される事となった。
--また、敵キャラクターに関しては本作の家庭用移植の一部では使用可能となっている(下のSFC版、MD版など)。
--続編の[[餓狼伝説2>餓狼伝説2 新たなる闘い]]からはプレイヤーの任意でライン移動、攻撃する動作が加わっている。

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**家庭用移植
-ネオジオROM版(1991年12月1日発売、SNK)
--オープニングデモに変更が加えられている以外はMVS版と同等。
--2007年9月18日からネオジオROM版がWiiの[[バーチャルコンソール>http://game.snkplaymore.co.jp/event/virtual-console/fatalfury/index_fatalfury_j.html]]にて配信されている。要900Wiiポイント。
--2010年12月22日からプレイステーション・ポータブル/同3の[[ネオジオステーション>http://game.snkplaymore.co.jp/game/neogeostation/lineup/details.php?id=10]]にもネオジオROM版基準が配信されている、要700円(PSP)/要900円(PS3)。
-スーパーファミコン版(1992年11月27日発売、タカラ)
--ファンを怒らせた程の超絶劣化移植として忌み嫌われている。詳しくは下記。
-メガドライブ版(1993年4月23日発売、セガ・エンタープライゼス)
--ホア・ジャイとビリー・カーンが残念ながらリストラされてしまった反面、任意ライン移動の追加など中身の移植度・独自アレンジは頑張っている。詳しくは下記。
-X68000版(1993年5月21日、魔法(旧:ホームデータ))
--ネオジオ版をベースに移植しているが同キャラ対戦が可能になり、やや餓狼2ライクにアレンジが効いている良移植。ちなみにホームデータが社名を「魔法株式会社」へ変更後、最初に発売したソフトでもある。
--かつて『[[霊界導士 Chinese Exorcist]]』という奇天烈な格ゲーを生み出した会社が、これほどまでに完成度の高い移植を成し遂げたことに驚いたファンも多いだろう。
-ネオジオCD版(1994年9月9日発売、SNK)
--同ハード共通の問題としてロードがやたらと長いが、一括ロードらしく、読み込んでしまえば電源を切るまでは待たなくて済む。
--ネオジオCD版の音源はMVS/ROM版の物と同様だが、収録楽曲にアレンジを加えたイメージアルバムも発売されている。
-アケアカNEOGEO版(PS4:2016年12月15日、One:2017年3月23日、Switch:2017年4月20日、PC:2017年12月15日)
--MVS版の移植。

-他にもカップリング移植としてプレイステーション2の『餓狼伝説 バトルアーカイブズ1』、及びプレイステーションポータブルの『SNK Arcade Classics Vol.1』にも収録されている。
--なお、『バトルアーカイブズ1』収録版では原作のネオジオCD版のBGMがROM版と同一であった為、新規アレンジver.のBGMが追加されているが、以前発売されていたイメージアルバム版とは全く異なる物になっている為賛否が分かれてしまっている。

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**ネタ
-CPU戦のデモ画面では、プレイヤーが敵を打ち破っていくたびに、ボスであるギース・ハワードは精神的に追い詰められていく。普通、悪の大ボスともなれば余裕のある態度を見せたりするものだが、このギースはあまりにも反応が素直なので「今見ると笑ってしまう」というプレイヤーも多い。
--そして、とうとう焦りが頂点に達したギースは怒り狂うことになるのだが、その際の台詞が「んんんんんー、''許るさーん!!'' 私の遊びの邪魔をしおって!!」という絶妙に笑いを誘うものとなっている。後年のほとんどの家庭用移植では送り仮名が修正され「許さーん!!」と変えられたが、PS2のバトルアーカイブズ1やWiiのバーチャルコンソール版などは原作を完全に再現しているため元のままである。
-エンディングは一部のメッセージ以外は基本的に共通だが、ギースの死亡日はネオジオの内蔵時計と連動して変わるというギミックがある。
--続編を期待させるものであり、予告通りに『[[餓狼伝説2>餓狼伝説2 新たなる闘い]]』が発売された。
-テリーの上着に袖がある。非公式設定だが、「本作のラストバトルでギースに破り取られ、以後は袖なしの状態になった」、とされている。また、『~2』とは違い、「オッケー!」の勝利ポーズでは、プレイヤーに顔(横顔)を見せている(体自体、プレイヤーに正対している)。
-本作のエンディングでギースは''ビルから落ちて死亡''するが、「彼を超える悪役が出来なかった」などの理由でゲームでは「~スペシャル」、ストーリー上でも『3』で復活した。その時の言い訳が''「ビルから落ち地表に激突する寸前に烈風拳を撃ち致命傷を逃れた。そしてこれがのちの疾風拳となった」''というものであった。なお『2』で出てこなかった上に部下のビリー・カーンが敵対関係にあるクラウザーの下で働いていたというのは「体を癒しており、クラウザーの動向を探るためあえてビリーを潜りこませた」というものだった。
--ちなみにギース戦で敗北した場合でもコンティニュー画面は変化し、プレイヤーキャラクターが''飛び蹴りを喰らってビルから叩き落とされる''。コンティニューカウントが3以下になると「うおおおお!!」というKOボイスと共に落下が開始され、姿が小さくなってゆく。絶望感と悔しさを煽る、初代だけの演出となっている。
//-シリアスな世界観ながら演出が大雑把。ギースを倒すという目標がありながらそれを忘れたかのようにビリーを倒しキング・オブ・ファイターズ優勝でえらく喜んでたりする。
-今作ではテリーやアンディがタン・フー・ルーに対して他の格闘家と同じように勝ち誇るが、後述のアニメでタンが彼らの師匠格であると後付け設定され、次の共演作である餓狼伝説SPECIALでは「タン先生! ありがとうございました!」という専用のセリフになった。
-2P対戦時に流れるBGM「ちょっと小意気な喧嘩野郎」はSNKが1989年にアーケードで出したベルトフロア型の格闘アクションゲーム、「ストリートスマート」の1面及び8面の曲のアレンジ。尚、ストリートスマートのBGMも本作の「ギースにキッス」と同様、田中敬一氏が手掛けている。
-ジャンプ中に必殺技(テリーのバーンナックルなど)のコマンドを入力すると、ジャンプモーションがキャンセルされ、突如地面にワープしたかのように必殺技を出せるバグが存在した。
//何故かジョーだけはこのバグに対応した必殺技が少ない(タイガーキックもスラッシュキックも出ない)。
//爆裂拳以外は普通に出たぞ。
-「2」から全キャラ導入される無敵バックステップと挑発は、初代で既にM.マックスとギースにだけ導入されていた。格ゲーで挑発の元祖は龍虎の拳ではない。
-タン・フー・ルーを変身させない方法
--本来タン・フー・ルーはある程度ダメージを与えると鋼霊身で巨大化し攻撃パターンが変化し更にダメージを与えると元に戻るのだが、最初に投げを決めテリーはクラックシュート、アンディは昇龍弾、ジョーはタイガーキックで攻撃すると巨大化モーション後に何もできず直ぐに元に戻る。モーションすらない場合もある。
--これは、タンの変身条件が体力の一定範囲にある状態のみとなっているため、それを超えるダメージを一気に与えると条件の体力ゾーンを過ぎてしまうためである。イメージとしては後の『餓狼MOW』でT.O.P.システムをゲージ中間に設定した感じに近い。

**余談
-その人気を反映してか、コミックボンボンでのコミカライズやTVアニメ化など、メディアミックスも行われた。
//地上波で放映したものをビデオ販売、という流れでありOVAではない。
-海外版タイトルは『Fatal Fury: King of Fighters』。直訳すると「致命的な怒り」になるが、意味合いは「宿命の闘い」である。
--海外アーケード版では一部の必殺技コマンドが他のコマンドに変更・入替されている。例でいえばテリーのクラックシュートとジョーのスラッシュキックのコマンドが交換など。
--後の家庭用移植では日本版と同じコマンドに統一されている。

#region(参考:海外AC版コマンド)
|キャラクター名|技名|>|コマンド|h
|~|~|日本版|海外版|h
|テリー|クラックシュート|2147+K|19+K|
|アンディ|斬影拳|16+P|46+P|
|~|昇龍弾|2369+P|2タメ8+P|
|~|飛翔拳|214+P|236+P|
|ジョー|スラッシュキック|19+K|214+K|
|~|タイガーキック|2369+K|19+K|
|~|ハリケーンアッパー|41236+P|236+P|
#endregion

-本作のストーリーをベースに「バトルファイターズ餓狼伝説」という名前でアニメ化がされた。オリジナルの展開ではあるものの~
ジェフの暗殺や、タン・フー・ルーがテリーやアンディの師匠として登場するといった、後のシリーズでおなじみとなる設定が描かれている。~
また、アニメの設定が本編に逆輸入される事も多く((餓狼伝説スペシャルでテリーやアンディがタン先生と呼ぶのはアニメの設定が元))シリーズとの関係は深い。~
余談だが、アニメにおけるジョー・ヒガシの声は格闘家の''佐竹雅昭''氏が担当しており、''その演技がある意味伝説''となったが、続編となった『2』のアニメでは檜山修之氏に変更され、同じくアニメ版でアンディを担当した難波圭一氏と共に『3』以降の本編に逆輸入された。~
--また、後作の『餓狼伝説 WILD AMBITION』にはジェフがこのアニメとほぼ同じ姿で登場しており、アンディのようなロン毛で美形な若ギースも『龍虎の拳2』などに影響を与えたとかなんとか。

-アンディの必殺技「昇龍弾」と「空破弾」の名前の混乱
--初代アーケード版ではアンディの「残影拳」以外は隠し技扱いで、「両手を拡げて回転しながら上昇する対空技」と「山なりに突進してドロップキックを放つ技」はコマンド以外の名称が不明だった。
--そして、当時の雑誌媒体にて、対空技が「空破弾」、突進技が「昇龍弾」の名称で紹介されていた。
--しかし、家庭用ネオジオ版ではこれらが逆となり、対空技が「昇龍弾」、突進技が「空破弾」となった。
--後述のスーパーファミコン移植版の説明書では再び前者の表記となっていたが、メガドライブ版で再修正された。
--続編『2』以降は家庭用ネオジオ版・メガドライブ版と同じく対空技が「昇龍弾」、突進技が「空破弾」に統一されている。
--当初雑誌で書かれたものが単なる誤植・間違いだったのかは定かではないが、空破弾のモーションは昇龍を模したもののように見えるし、昇龍弾も対空技であり名前と合致したものである事から「本作こそが正しかったのでは?」という声もあり、この入れ替わりはシリーズのミステリーの一つとなっている。

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*餓狼伝説 宿命の闘い (SFC版)
【がろうでんせつ しゅくめいのたたかい】
|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B000068GYW)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|ノバ|~|
|発売日|1992年11月27日|~|
|定価|9800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
|ポイント|通称『''タカラ餓狼''』&br()全てにおいて大幅改悪|~|

**概要(SFC版)
同名のアーケード及びネオジオ用ゲームの移植作。~
発売は''クソゲー会社としておなじみ''のタカラから。~

**特徴・変更点(SFC版)
-敵のAIがアーケード版と違う。
--また、ギースの性能が大幅に下がっている。それでも強いが。
--他の部分も違いすぎるため、アーケード版とは全く違うセオリーで戦うことが必要。

-2人協力モード廃止。
--所謂ストーリーモードからはプレイヤーの乱入そのものが削られてソロプレイ専用になっている。
---2人協力モードに関しては原作でもあまり人気のある要素ではなく移植の際に削除される事も多いため、批判する声はあまり聞かれなかった。

-SFC版オリジナルの技もいくつか追加されている。
--後述のMD版とは別内容で、CPUはほとんど使用しない。
--一部は後に本家にも逆輸入された。

-ボーナスゲームが「腕相撲マシーンとの勝負」から、「砂浜で左右から飛んでくるタイヤを打ち返すゲーム」に変更。
--腕相撲はかなりのボタン連打を要求してくるものであったため、そこだけ考えればマシとも言える。
--…が、''タイヤは攻撃しても0点''なので全く意味は無い、パーフェクトクリアボーナスの1000点という''パワーウェーブ一回分''のスコアを得る為に20秒もかけて挑戦するものになっており、非常に時間の無駄に感じてしまう。
---アーケード版でも1回目のクリアボーナスは1000点だが、タイムボーナスなどが加わるので数千点は貰えた。もっとも本作のスコアはほとんど意味のない物ではあるが…
---ちなみに''タイヤを1個打ちもらしても何故かパーフェクト''になるが、2個以上打ち漏らすとノーボーナス。どちらにせよあまり意味のない要素ではある。

-誤字であった「んんんんんー、許''る''さーん!」は修正された。
--ネタ人気もあったが、これは仕方ないだろう。

**問題点(SFC版)
''操作性が劣悪''
-コマンド入力判定がAC版とは変わっており、とにかく技が出しにくい。
--(プレイヤー右向き・テンキー表示)16+パンチボタンで簡単に出せるはずの、アンディの主力技でもある斬影拳ですらまともに出せない。
---レバーの最後をニュートラルにするのではなく、押しっぱなしにすると技が出る。
--ライジングタックルやスラッシュキックも同様に出難い。
---攻略本ではライジングタックル(2タメ8+パンチ)のコツを「2パンチ+8」と紹介していた。↓を押し続けながら出したしゃがみパンチの後に↑が入っていると、パンチ終了後に''ライジングタックル''が出るというもの。~
同様にクラックシュート(2147+キック)も214+キックを入れ、7を押し続けていると、''キック終了後にクラックシュートが発動する''。
---しかし、この必殺技のコツを紹介した攻略本でも''斬影拳の出し方には匙を投げた。''
--バーンナックルや飛翔拳などのいわゆる波動拳・竜巻旋風脚コマンドの必殺技は溜め技に比べれば''まだ''出しやすい。
//バーンナックルも飛翔拳も一応竜巻コマンドだから、誤解招かないように併記した。
---…が、ライデンの毒霧殺法(236+パンチ)はなぜか出ない。ただの波動拳コマンドなのに''1ラウンドに1度でも出たら奇跡''と言えるほど。逆に首締め(236''9''+パンチ)の方が何故か簡単に出る。
//---ちなみにこれは原作であるアーケード版からしてそうである。初期のSNKの格闘ゲームは入力が非常に難しく、その走りであるこの作品では、入力できない人間はまったくコマンド入力ができないという有様だった。それだけはそのまま再現されているのである。この入力の困難さは作品が出るにつれ少しずつ解消されていく。
//原作のAC版でライデン使えないんだが、どれを指して原作と言ってるが不明なので一旦CO。続編の事か?

-バランスも劣悪。攻略本曰く「ネオジオに比べてゲームバランスを良くした」らしいが……
--擁護すると、アーケード版では技の威力が高すぎて、タイガーキックや空破弾がクリーンヒットすると''即死''するというバランスだったので軒並み調整されたと思われる。
--しかし、ジョーがそのあおりを受けてしまい、最も高威力だったタイガーキックを初め、技の威力が軒並み低下。その上、プレイヤーキャラクター中、攻撃力も防御力も最低という雑魚キャラクターになってしまった。
--なぜかライデンの通常投げが体力の三分の一以上を持っていく超威力に調整されており、どんなキャラクターでも三回投げられれば終了。また、CPUのライデンを投げようとすると超反応でこちらが投げられる為、強敵ではあるが、AC版と比べると明らかにおかしい設定になっている。

-キャラクターの動きが風船にぶら下がっているかのように軽い。
--空中でKOされると、吹っ飛ばされたキャラクターが地面に着地する際にKOされるアクションが入る。この際にやたらと不自然に高く跳ねるため、''やられたキャラクターがゴムマリのように跳ねる''と言われる。

-当たり判定がおかしい。
--明らかに当たっているのに当たっていなかったりする。
--CPUはパワーウェイブや飛翔拳といった飛び道具を、%%[[龍虎の拳]]が如く%%飛び蹴りでかき消す。

-必殺技を当てた時の効果音が聞こえないので、当たっているのか当たっていないのかが全体的に有耶無耶。
--必殺技をガードしても相当のダメージがあるので、それが上記現象に拍車をかけている。

-テリーのバーンナックルの移動距離が明らかにずれている。

-''SFCなのに、ロード時間がCDなどのディスクメディアを用いたハードのゲーム並に長い''。ロードはバトル前に毎回入る。
--流石にネオジオCDほど酷くはないが、カートリッジメディアのロードとしては完全にあり得ないレベル。
--海外版では開き直ったのかラウンド開始前に「WAITING!」と表示される。
//ディスクハードってのはこの場合はPSとかSSとかそう言う意味だろ?

-対人戦限定で使える敵キャラクターだが、''2P側でしか使えない''謎仕様。
--上記仕様に加え、''2Pは1Pの使用キャラクターが決まってから選択する''ため、1Pには非常に不利な状況といえる。
---また、敵キャラクターの性能はCPU戦のバランス調整のままなので、ライデンに3回投げられると''死亡確定''。
---もっともビリーの棒を投げる技がCPU時と異なりすぐ戻ってきたり、ホア・ジャイの酒を飲んだ後にしか出せない技が最初から出せたりと、まったく調節してないわけではない。

-BGMが非常に貧弱。
--派手なエフェクトの効いた本家アーケード版の豪華なサウンドに比べると、パサパサと乾いていて物足りない。
--音源の問題もあるので仕方ないとしても、酷いものになるとメロディが改変されていたり、''音程が微妙にズレている''ような曲まである。このゲームは音色としてトランペットの単音を多用しているため。
---特に音声で表現されていた「リチャード・マイヤ」や「ホア・ジャイ」ステージはパペパプー音全開で槍玉にあがりやすい。
--加えて、アーケード版では絶えず続いていたBGMもラウンドごとに仕切り直しになるので今一つ爽快感がない。

-SEも貧弱
--アーケード版では「ダーン!!」「バーン!!」という派手なSEだったが、「ぴしゅっ」「ぴゅっ」といった非常に軽いものになってしまった。ヒットエフェクトのチャチさも合わせて非常に軽い。
---ジョーの爆裂拳もあおりをうけ、「ぴゅっ…ぴゅっ…ぴゅっ…やぁ」といった貧弱なSEで繰り出されるので脱力する。しかも''ヒット中に平気で反撃される''。

-ボイスの再現度
--数種類のボイスのピッチを極端に変えて使いまわしており、''「ヤァッ!」「ハッ!」といった甲高い声になったり、「ヤ゛ァッ」という妙に低い声になったりする''。同一キャラとは思えない(テリーでクラックシュート→昇りジャンプパンチとやってみると非常に分かりやすい)。
--必殺技ボイスはパワーウェーブ、バーンナックル、飛翔拳、スラッシュキックを除きカットされ、通常技と同一の掛け声に変更。
---もともとアーケード版の必殺技ボイスは早口か、ただの掛け声だったボイスが多かったのではっきりと聞き取れるボイスのいくつかを除いてカットして容量を稼いだのかもしれない。
---しかし、人気の高いジョーの「ハリケェェン!!アッパァ!!」までカットされ、軽い声で「やっ!」と言いながら放つようになってしまった。ハリケーンアッパーのジョーなのに…
--敵キャラクターのボイスもカットされ、プレイヤーキャラと同じものに変更された。
--極めつけはKOボイスであり、「うおおおおおお!!」と絶叫していたアーケード版とは異なり、''妙に甲高い声で「ウァッ ファッ ファッ ファッ ファッ ファッ…」とおおよそ格ゲーキャラのKOボイスとは思えない奇声''を発する。
---全ボイス中、何故かこれだけ''アーケード版の面影が全くない''上にどのキャラクターにも全く似合っていない為、違和感しか感じない。
---さらにはやられ声の一部が他の効果音にかき消されて''「ほっほっほっほっ…」という笑い声''にしか聞こえない事も多々ある。

-ストーリー間のデモ絵はカット。ひたすら黒背景にギースの顔と字が出るだけの仕様となっている。
--そのため、ギースがビルから転落する絵もカットされてしまった。直前のギースが攻撃を受ける場面までしか出ない。
--ギースに敗北した際に、主人公がKOボイスを叫びながら落とされる演出もカットされて通常のコンティニューと同様になった。もっとも''あの妙な声で再現されても困る''のだが…
--しかもギースの側近のリッパー&ホッパーの登場シーンはカットされているにもかかわらずセリフのみは残されているので、プレイヤーキャラクターがビリー勝利後にギースの前に連れ出されるシーンは妙なことになっている。
--また、対戦で敗北したキャラクターの顔絵も主人公の三人を除いて総カットされている。その為、''主人公だけが負けるとボコボコにされる''という妙な事になっている。

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**評価点(SFC版)
-グラフィックだけならアーケード/ネオジオ版をかなり再現している。
--ただしアーケードよりもアニメーションパターンが少なく、キャラクターの大きさもやや小さくなってしまっている。

-前述の問題点があるとはいえ、対人戦限定で、アーケード版では使えなかった敵キャラクターが使用できること。((特にホア・ジャイはこれ以外ではMD版では削られ、本家シリーズの2以後は二度と出てくることが無いままで、他作品に関しても20年近くたったKOF13(2010年)まで彼を操作できる作品が無かった。))
--追加されたビリー・カーンの「集点連破棍」とホア・ジャイの「ドラゴンバックブリーカー」は、後にKOFシリーズや本家で採用されており、見逃せない点でもある。

-1ライン制への変更。
--『餓狼1』時点ではライン移動はシステム自体が蛇足も同然だった((こちらからライン移動を仕掛けられないので、敵が逃げるのを追いかけるだけだったり、ラインふっ飛ばし攻撃で一方的にダメージを受ける等、プレイヤーに全くと言っていいほど恩恵がなく、ゲームテンポを損ねるだけのものになっていた。))ので、当時としては好意的に受け入れられた。
---『ゲーメスト』ですら「削除されて万々歳」とまで評価している。

-オリジナルのエンディングがついた
--難易度LEVEL4以上でクリアする事で簡素なものではあるが、キャラごとの専用エンディングが見られるようになった。
---さらにLEVELを最大にしてクリアするとアーケード版のワンコインクリアのような、キャラが必殺技を次々に繰り出す豪華なエンディングも見られる。

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**総評(SFC版)
糞移植の典型例。他会社の移植(セガ発売でタカラ製のMD版、魔法製のX68000版)をみると、「''やっぱりタカラ''」という感想しか出てこない。~
一応、家庭用ゲーム機を遊ぶ層に餓狼シリーズやネオジオ、SNKの名を知らしめた功績はあるが、本作のクオリティはもはや論外なので、餓狼伝説をやる場合はWiiのVCまたはネオジオステーションなどでネオジオROM版をプレイすることをおススメする。
//続編の事は続編の記事があるのでカット。

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**余談(SFC版)
-このSFC版の発売に合わせて、講談社の児童誌『月刊コミックボンボン』誌上でコミカライズが連載された。
--これが一部で有名な『''[[ボンボン餓狼>http://bohyou.vis.ne.jp/neogeo/bongaro/]](ボンガロ)''』である。

-説明書で、高速肘打ちの必殺技「斬影拳」が、何故かショルダーアタックになっている。

-2P側で使える敵キャラクターの調整があまりにも手抜き。「''マイケル・マックスはジャンプできません''」確かにCPU戦でもジャンプはしないのだが。
--それを逆手にとったのか、彼の必殺技「トルネードアッパー」は下から上にかけての半回転(23698+P)という珍しいコマンドになっている。

-VS表示時のBGMがAC版と違う。
--AC版でギースの側近に拉致されるシーンのBGMになっている。
---特に違和感がなくプレイに影響もないのでスルーされている。
-ボーナスゲームのBGMはアーケード版とは異なるオリジナル(?)のBGMになっているがクオリティは悪くない。しかしこの変更によりアーケード版の「乱入対戦」と「ボーナスステージ」のBGMはカットされてしまった。

//-[[海外版プレイ動画>http://www.youtube.com/watch?v=UaADdedy-9M&feature=related]]
//--国内版とは少々仕様が異なる(ラウンド開始時にWAITING表示がある等)。

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*餓狼伝説 宿命の闘い (MD版)
【がろうでんせつ しゅくめいのたたかい】
|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B000147VTI,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81GfmSVh8uL._SL160_.jpg)|
|対応機種|メガドライブ|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス|~|
|開発元|タカラ&br()ガイブレイン|~|
|発売日|1993年4月23日|~|
|定価|9,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|テンポ、操作性は共に良好&br()メガドライブオリジナル要素あり&br()任意ライン移動搭載&br()一部キャラクターの残念なリストラ|~|

**概要(MD版)
同名のアーケード及びネオジオ用ゲームのアレンジ移植作。~
SFC版とは発売元((海外版はSFC版と同じく、タカラから発売))・開発元が異なっている。~
パッケージイラストは貞本義行氏が担当。~

**特徴・変更点(MD版)
-SFC版同様2人協力プレイは削除。

-得点が廃止。それに伴ってかボーナスステージも削除された。

-ラウンド開始前からラウンドが始まって動けるようになるまで、原作ではキャラクターが通常のレバーニュートラル状態の動きをしていたが、本作では画面が静止している。

-専用のオープニングが実装されている。
--内容は主人公3人のカットインが映るというシンプルなもの。

-SFC版同様、ラストボスのギース・ハワードを倒してもビルから転落するシーンは削除された。
--ただし飛び蹴りを喰らって終わりだったSFC版とは異なり、必殺技を喰らって画面から消える演出に変更されており、違和感はある程度軽減されている。

**評価点(MD版)
-''テンポの良さ、操作性の軽快さはかなり原作に近いものになっている''。
--SFC版の謎ロードや劣悪操作とも無縁である。

-SFC版では削除された2ライン制が存在しているばかりか、原作では出来なかった''任意操作のライン移動も可能''となった。
--また原作では1ラインだったマイケル・マックスステージもライン移動が可能である。
--上記で述べた通り原作では任意ライン移動がCPU専用であまり意味を成していなかったため、プレイヤーも使えるようになったことで新たな戦法を取れるようになった。
--移植としては原作無視の要素であるのだが、元々CPUの方は使ってきていたため、不満ならこちらがわざと使わないという選択肢も取れる。

-対人戦限定で同キャラ対戦が可能になった。SFC版と違い、1P、2P共に敵キャラクター(もちろん同じキャラクター同士も可)を使用できる。
--敵キャラクターのオリジナル技も追加/使用可能となり、MD版ならではのプレイができる((なお、これらのオリジナル技のラインナップはSFC版の方とも異なっている))。対人戦で言うならば大胆なアレンジであるものの良調整である。
---ただしCPU戦では、SFC版とは異なりCPUがオリジナル技を高頻度使ってくるため違和感がある。
--原作ではジャンプできなかったマイケル・マックスにもジャンプ動作が追加された。

**賛否両論点(MD版)
-原作と比べるとやや違和感のあるBGMのアレンジ。
--ただしSFC版と比べるとはるかに聞けるレベルであり、決してクオリティが低いわけではない。

-同じくやや違和感のあるボイス。
--とはいえこちらもSFC版のような極端な改悪は無く、必殺技のボイスはしっかり揃えられている。
--ただし敵キャラクターのボイスは一部を除いて削除され、''リチャードとタンは一切ボイス無し''という憂き目に。
---一応マイケルとダック(とエンディングのギース)はプレイヤーキャラのボイスで代用されている。また、全ての敵キャラクターで共通だった勝利ボイスがライデン専用になった他、ギースには別の勝利ボイスが追加されている。

**問題点(MD版)
-''ホア・ジャイとビリー・カーンの存在がステージごと抹消''された(マップにも空白がある)。このためギースの手下はライデンただ一人に。
--一応2人とも''背景キャラクター''として出演しており、全くの無存在というわけではないが…。
---ちなみに、背景にいるビリーの横にはなぜか妹のリリィがいる。せめてものサービスだろうか…。
--CPU戦ではリストラされた2人の代わりに、プレイヤー選択で選ばれなかったキャラクター2人が、最初の相手とギースを除いたいずれかのCPU戦前に敵として乱入してくる(例えばテリーを選んだ場合、アンディとジョーが敵として登場)。そのため、対決数自体は原作同様全8回構成となっている。

-やはりメガドラのスペックの関係上、キャラクターグラフィックの色数が、原作・SFC版と比べ劣っている。
--また、一部キャラクターのアップのグラフィックが、原作を再現しているSFC版に対し、ドット絵というよりも絵柄自体が変わってしまっている。

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**総評(MD版)
一部のキャラクターがリストラされ、外見上ではSFC版以上に劣る部分もあれど、中身の再現度は当時としてはかなり頑張っている。~
任意ライン移動、対人戦で敵キャラ使用可能、オリジナル技多数追加など、ゲームを面白くするアレンジとしては良質であり、MD版独自の要素として評価できる内容。~
削る部分は魅力減少覚悟で斬り捨て、独自のアレンジを施すなど、あくまでも外見よりも中身にこだわったその姿勢は、英断といえるのではないだろうか?
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