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1943 (FC) - (2016/02/27 (土) 09:45:09) のソース

*1943 
【いちきゅうよんさん】
|ジャンル|シューティング|#amazon(B000068HKX)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|1M+64KROMカートリッジ|~|
|発売元|カプコン|~|
|開発元|不明|~|
|発売日|1988年6月20日|~|
|定価|5,300円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|思い切ったアレンジ|~|
|>|>|CENTER:''[[カプコン19シリーズリンク>カプコン19シリーズ]]''|

**概要
アーケード『[[1943 ミッドウェイ海戦]]』(以下原作)のファミコン移植版。~
移植にあたって大胆なアレンジが施されており、『1943改』とは異なる調整が施された作品である。~

**変更点
-2人同時プレイが廃止され、シングルプレイ専用になった。タイトル画面にもその旨が書かれている。
-原作は大日本帝国海軍が敵だったが、架空の国となっており、それに伴い、敵艦の名前が三国志の武将(主に董卓軍)の名前に変更されている。
--大飛龍編隊の名前が「ガンリョウ」と「ブンシュウ」だったり、戦艦「カユウ」と「リョフ」が同型艦だったり、空母に「リジュ」、「カク」といった軍師の名前が付けられていたりと、敵艦にも一定の命名規則がある。
---敵艦の名前は主に三国志演義の主役と言える劉備軍の敵役となっている。その割に「ロシュク」(呉の軍師である魯粛と思われる)といった、作中では劉備寄りだった人物の名が何故か入っている。
-設定は「ヴァルハラ沖海戦」となり、自軍はアメリカ軍のままだが、敵軍は仮想のものとなった。
--舞台の変更により、ストーリーにもアレンジが加えられ、原作よりもストーリー性が増している。原作にはなかった意表を付く展開や、印象的なエンディングが用意されている。
-ステージ数が16→24に増加。原作の最終ステージに相当する16面をクリアすると…。
-自機をカスタマイズする事が出来、ポイントを使用して、RPGさながらに「攻撃力」、「防御力」、「特殊武器」、「エネルギータンク」、「特殊武器」、「武器使用時間」に割り振って自機を強化させる。
--これに伴い、原作ではスコアアイテムだったトンボとタケノコを取得する事でポイントを取得し、自機を強化できるようになった。取り逃すと後半が厳しくなる為、毎ステージで見つけておきたい。
-原作で隠しスコアアイテムだった「タル」や「象」などにも武器やエネルギーの回復効果が付加され、重要な存在になった。
-宙返り後にエネルギー消費無しで、メガクラッシュが発動するようになった。この為、原作では影が薄かった宙返りも使用されるようになった。
-一定時間、ショットボタンを押し続けることで使用武器に関わらず、レーザーが発射できるようになった。
--当然、原作に比べると威力は落ちているが、武器を使い果たして弱体化した状態でも逆転を狙えるようになった。
-メガクラッシュは「雷」に統一。艦隊戦で使用するとスクロールが一定時間止まり、原作の「津波」と同様の効果になる。
-ゲームオーバー時に表示されるパスワードを入力する事で、最後に到達したステージから再開できる。

**評価点
-原作の空気の再現度は高め
--爽快感、BGM、撃破時のデモ、巨大ボスとの戦闘等、原作のウリとなった部分は高いレベルで表現されている。
--BGMは原作のテンポはそのままに重厚さを意識した作りになっており、良アレンジ
-原作ではなかった、ステージによる背景の変化(夕暮れ、朝焼け)が存在する。
-自機のカスタマイズにより、原作よりも戦略性が増している。特殊武器のレベルを抑える事でPowアイテムの変化少なくし、エネルギータンクに変えれるようにする…といった事が可能。
-武器の調整が行われているが、バランスは比較的良好。
--原作で使えない武器だったショットガンはパワーアップさせる事で前方に弾消し可能な通常弾を放ちつつ、敵の弾を消す弾を扇状に放つという調整がされており、~
前方を攻撃しつつ弾消しによる回避が可能となる改善を受けた。弾消し能力は[[1943改>1943改 ミッドウェイ海戦]]のショットガンに近く、~
かなりの弾幕に押し勝てる為、非常に使い勝手が良い。ただし威力は高くないため、それ一辺倒で全て立ち回れるわけではない。
--3WAYはボタンを押し続けることである程度、自動連射が働くようになり、攻撃をしつつレーザーの溜め撃ちが出来るという本作のアレンジにあわせた調整がされている。
---ただし、通常ショットよりも攻撃力が劣る為、3WAYを取ったが為に敵が落としづらくなったというアーケードからは考えられなかった現象も起こる。
--レーザーが標準装備となった。
---それなりに特殊武器のレベルが必要となる他、出現させるまでに結構な撃ち込みが必要なため、原作改ほど他の武器の存在を食っていない。
-ボス出現時の演出が秀逸
--艦隊戦の最後になると、BGMがおどおどしい物に変化し、海面がフェードアウトしてから画面全体を使ってボスが出現する。~
ボスも原作に負けず劣らずのサイズで迫力があり、ハードの制約をうまく演出でカバーしたものと言える。
---ボスBGMは原作に存在しなかった為、演出にメリハリがついた。
---大飛龍ステージでのボス戦に入る際に、「ワレ、テキホンタイト、ソウグウセリ」という追加メッセージもある。

**問題点
-処理落ちがかなり激しい場面も存在する。
--原作後半ステージの艦隊戦における敵の猛攻をファミコンなりに再現しているが、その為に恐ろしく処理落ちする。
-システム上仕方ないが、ステージの途中でカスタマイズのために進行が止められる。
-後半のステージになると、通常の雑魚敵ですら一撃で落とせない耐久力を持つようになり、連射機が必要になってくる。
-ゲームオーバー時のコンティニューはステージの最初からやり直しになる為、クリアできない場合はひたすら同じステージのリトライを繰り返す事になる。
-ステージ数が増加したが、焼き直しのステージが多い為、間延びした感がある。
-カスタマイズによる強化はかなりの影響をおよぼすので、「エネルギータンク」や「武器使用時間」を疎かにするとあっという間に息切れする。
-エネルギーが残り少なくなった時にBGMがピンチ時のものに固定される。1ループが短い単調な曲な為、聞き続けると滅入ってくる。
-原作から一部のBGMが削除された。
--他のBGMの完成度が高い為、原作の「空中戦B~艦隊戦B(扶桑や飛龍ステージのBGM)」が存在しないのが惜しまれる。
-一度、カスタマイズするとポイントの再振り分けは出来ない為、極端な割り振りにして詰まった場合は最初からやり直す事になる。
-やはり最終面にあたるステージではパスワードが表示されないため、非常に厳しい。
--また、そのステージもボスラッシュ的な構成となっている為、非常に長丁場となり、ゲームオーバーになると堪える。
-架空の敵が相手になったため、原作や史実が好きな人には盛り上がりに欠けるシチュエーションになっている(大和→トウタクなど)。

**総評
アーケードの良作たりえた部分を可能な限り再現し、
自機カスタマイズ機能や、パスワードコンティニューといった意欲的なアレンジを加え、~
その他、調整された点も遊びやすさや爽快感についてよく考えており、原作からの劣化部分を感じさせないような作りとなっている。~
操作感も前作のファミコン移植((そもそも本作は、前作を手がけたマイクロニクスが関与していない。かと言ってカプコン内製か外注かどうかも分からないのが現状。))とは異なり、スムーズに動くため、非常に遊びやすい。

**余談
-空母発進時にモールス信号を思わせるSEが挿入されるが、打電としては「-・-・ --・- -・・ ・ -・-・ ・- ・--・ -・-・ --- -- -・・ -・ ・・・ -・-」となっており、欧文符号では「CQDE''CAPCOM''DNSK」、和文符号では「ニネホヘニイツニレヨホタラワ」となり、平文打電としては''特に意味のない電文''となっている。
-GB『カプコンクイズ ハテナ?の大冒険』では、6つのステージの内1つが本作(AC版ではなくFC版)をモチーフとしており、ステージボスの巨大戦艦は「トウタク」の名義。
--ただし、あちらの作風に合わせて大幅にデフォルメ化されている。艦体の両脇には手が生え、艦首にはいかつい顔があり、あまつさえパイプまで咥えている。
-本作は当初、アーケード版同様に「ミッドウェイ海戦」として作られていた節があり、チラシも存在している。発売までに何らかの事情で変更された模様。
-本作が発売されるにあたってCMが作られたが、その内容が''ゲーム画面の上を赤子が浮遊しまくる''という謎のモノだったため、妙にシュールかつ印象に残る。

#region(妙にキャッチーなCM)
&u2b(http://www.youtube.com/watch?v=YASUplXxSME)
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