*だれでもアソビ大全 【だれでもあそびたいぜん】 |ジャンル|テーブルゲーム集|#amazon(B000BAFX2O)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|64MbitDSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|アジェンダ|~| |発売日|2005年11月3日|~| |定価|3,619円(税別)|~| |プレイ人数|1~8人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|42種類ものテーブルゲームで遊べる&br()多人数プレイも気軽に可能|~| |>|>|CENTER:''[[Touch! Generationsシリーズ]]''| **概要 ニンテンドーDSで発売されたテーブルゲーム集。~ 本体とソフトそれぞれを人数分そろえるワイヤレスプレイはもちろん、人数分の本体があればソフト1本だけでプレイ可能なダウンロードプレイにも対応している。 **収録モード -フリープレイ --収録ゲームを自分の好みのルール設定でプレイできるモード。 --累計勝敗数も記録される。(999回まで) -スタンプラリー --収録ゲームをスタンプラリー形式で一通りプレイしていくモード。収録ゲームの一部にはこちらで一度プレイすることでアンロックするゲームがある。 --負けても1個だけはスタンプが押せるようになっており、苦手なゲームで詰んでしまう事はない。 -チャレンジ --課題をクリアするモード。「1ゲームに○点以上獲得」など様々な条件があり、クリアするとプレイヤーアイコンがアンロックされる。 **収録ゲーム -おてがるトランプ --トランプゲームの中でもルールがわかり易く、親しみやすいゲームが収録。 --「ばばぬき」「7ならべ」「しんけいすいじゃく」「ダウト」「スピード」「ページワン」「アメリカンページワン」「スローモー(うすのろゲーム)」 -おとなのトランプ --トランプゲームの中でもややルールが複雑で、高度な戦略性を求められるものや、カジノゲームなどが収録されている。 --「だいふごう」「ポーカー」「ブラックジャック」「セブンブリッジ」「ラミー」「クロンダイク」 -トリックテイキング --トランプゲームの中でも、特に高度な駆け引きと戦略性が求められるゲームが収録。共通しているのは「プレイヤーは各ターン順番に手札から1枚ずつカードを出す」「後続のプレイヤーはできる限り最初のプレイヤーが出したのと同じマーク((正式には「スーツ」「スート」と呼ばれるが、本作のルール解説欄には「マーク」と表記されている。))のカードを出さなければならない」ということ。 --「ハーツ」「ナポレオン」「スペード」「コントラクトブリッジ」「ゴニンカン」「ナップ」 --後述のWi-Fi対応版ではナポレオンとゴニンカンに加えて「トリックテイキング」という枠取り自体が無くなっており、続投したゲームも「おとなのトランプ」と「じっくりトランプ」(新設)に入れられている。 -和風ゲーム --日本生まれのボードゲームやカードゲームを収録。 --「ごもくならべ」「しょうぎ」「はさみしょうぎ」「ぐんじんしょうぎ」「はなふだ(こいこい)」「ぼうずめくり」 -ボードゲーム --サイコロを振ったり、駒を動かすタイプのボードゲームを収録。 --「リバーシ」「バックギャモン」「チェッカー」「チャイニーズチェッカー」「チェス」「すごろく」 -バラエティゲーム --DSのタッチ&スライド操作を用いたパーティゲームを収録。 --「バランスゲーム」「ことばさがし」「ラストワン」「ソーダゲーム」「シーソーゲーム」 -アクションゲーム --こちらもDSのタッチ&スライド操作を用いたゲームで、「投げ」たり「転がし」たりする内容。 --「ボウリング」「ダーツ」「おはじきゴルフ」「おはじきビリヤード」「おはじきじんとり」 **評価点 -おなじみのトランプゲームやボードゲーム、パーティ向けのゲームなどを1本のソフトに収録。 --文章やイラストを描いて送ることができるチャット機能も使用可能。宛先を指定してのチャットも可。 --元は青森県のローカルゲームであるゴニンカンなど、ゲームソフトでは未だに本作にしか収録されていないようなゲームもある。軍人将棋の収録も珍しい。 --Wi-Fi対応版では削除されてしまったゲームも存在するため、好み次第では現在でも本作を買う価値は無くなっていない。 -一人で気軽にプレイするのはもちろん、人数分の本体をそろえれば1本のソフトで多人数対戦も可能。しかも、ソフト1本で全てのゲームを遊べる。 --ソフトを人数分そろえないと不便なことと言えば、親機以外は隠しプレイヤーアイコンやチャットでの隠しカラーを使えないことくらいである。 -収録ゲームそれぞれに丁寧なルール解説コーナーがある。上達のアドバイスや用語解説も記載されている。 -DSのタッチ&スライド操作を用いた操作性で、あまりゲーム機に慣れていない方もプレイしやすい。 --反面、ボタン操作にはほとんど対応していない。 -フリーモードで各ゲームを一定回数勝利するとゲーム中の画面のデザインを変更できるようになるが、トランプゲームにおいてデザインを変更するとトランプ裏面のデザインも変わる。 --このデザインはいずれも任天堂が販売していたトランプのものが使用されている。トランプ表側のデザイン(絵札やジョーカー等)も任天堂が販売しているトランプのものである。 -BGMはそれなりに良曲揃い。ここぞという場面では曲調がアップテンポに変化して盛り上げてくれる。 -トランプゲームでは黒同士や赤同士のマークを判別しやすいように、スペードは黒、クラブはグレー、ハートはピンク、ダイヤは赤、と色分けされている。 **難点 -坊主めくりなどほとんどが運に支配されるタイプのゲームを除き、ロボ(CPUプレイヤー)の強さは「ふつう」「つよい」「すごい」の3段階で調節できるが、将棋とチェスには実装されていない。 --これは筆者が実際に任天堂のお客様相談窓口に問い合わせて聞いた話だが、将棋とチェスは思考ルーチンが複雑であり、強さ調節を実装させるとなると複雑なルーチンを複数用意する必要があり、結果製造コストが上がってしまうからとのこと。 -ロボのAIについて。 --一部のゲーム(中でもトリックテイキング)では、強さ設定を最大の「すごい」にしても全然強くない。 ---例えば、スペードQを取らないことが重要な「ハーツ」で、スペードQを取ってしまう危険の大きいスペードA・Kを平気で出すなど。 --トリックテイキングの「ナポレオン」では、ロボがちょっとしたイカサマを行う。 ---後引き札と呼ばれるナポレオンの手札に後から加える札の中身を、副官の指名前から盗み見ている((本来は副官の指名を終えるまでナポレオン本人も見てはいけない。))。~ 実際にはナポレオンが副官を兼任しなければならなくなる((本来、ナポレオンは副官という味方を1人だけ付けられるが、それを兼任となると自分以外は全員敵となり勝つのが難しくなる。))事態がたまに起きるが、本作でロボがナポレオンになった場合、このイカサマにより兼任が一切起きない。 -ノンキャラクター路線で味気が無い。 --対戦相手となるロボ達はシンプルなアイコンがついているだけで、個性や思考ルーティンの違い等は無い。そのため、対戦相手となるロボも選ぶ事はできず、将棋などは必ずロボ1との対決になる。対戦中に表情を変えたりセリフのやり取りなどは無いので、淡白で味気が無いという印象を受ける。 -チャレンジモードの一部クリア条件が鬼畜。特に以下の2つが問題視されている。 --「バックギャモン」~バックギャモン勝ちを達成せよ ---バックギャモン勝ちとは、「相手の駒が1個もゴールに上げられておらず」「盤面から追い出された駒があるか相手スタートエリアに駒が残った状態で」「自分の駒を15個すべてゴールに上げる」こと。最適な戦略をとることはもちろんのこと、サイコロ運にも左右され、トッププレイヤーでもバックギャモン勝ちに持ち込むことは難しいとされている。 --「花札(こいこい)」~五光を作れ ---五光とは、「松に鶴」「桜に幕」「ススキに月」「小野道風にカエル」「桐に鳳凰」を独占する役。これらをとること自体はさほど難しくないのだが、独占するとなると「こいこい((獲得した札で役が成立した後、さらに得点の高い役を狙ってゲーム続行を宣言すること。))は一度しかできない」という本作独自のルールが邪魔をすることになる((「花札(こいこい)」をテーマとしたゲームソフトでは、「こいこい」は手札がある限り何度でも可能なことが多い。))。 --他にもボウリングやダーツのチャレンジは非常にシビアなペンさばきを要求される。 --この難関を乗り越えてチャレンジモードを全クリアしたご褒美は、隠しBGMが解禁されるだけ。 -ゲーム画面の文字が全体的に小さく読みにくい。 --TVCMでは老若男女がこのゲームで遊ぶ様子が紹介されていたが、実際このゲームの文字サイズではお年を召した方には厳しいと思われる。 -「ことばさがし」((文字パネルを使って隠された言葉を当てていくゲーム。))の正解の言葉が必ずしも誰でも知っている言葉ではない。 --例:「シーラカンス」「ツタンカーメン」「はこいりむすめ」「はっぽうびじん」「ハレーすいせい」「ふたこぶらくだ」「マリオネット」「やまとなでしこ」「らくてんか」 --CEROレーティングの割に、年少者にとっては難しい言葉も一部含まれる。仮に正解がそもそも知らない言葉だった場合、このゲームで勝つのは不可能。 **総評 定番のトランプゲームやボードゲームがリーズナブルな値段で数多く収録された作品。特にトランプゲームの充実ぶりは、トランプメーカー最大手の任天堂の面目躍如と言える。 ルールがやや複雑なゲームも、このソフトがあればCPU対戦を繰り返してルールやコツを掴むことができるので、ボードゲームの入門としては適している。 一方、ゲームによってはCPUが弱すぎることもあるので、慣れてきてもっとプレイしたいと思ったら、専用のソフトやオンライン対戦・対人戦などにステップアップするのが良いだろう。 **その後の展開 -海外では『42 ALL-TIME CLASSICS』(欧州・オセアニア)・『CLUBHOUSE GAMES』(北米)のタイトルで、一部収録ゲームの変更とWi-Fi対戦を実装して発売され、その後国内にも『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』として逆輸入され、2007年4月19日に発売された。 --収録ゲームの変更は7つ。「ナポレオン」「ゴニンカン」「ぼうずめくり」「すごろく」「ラストワン」「シーソーゲーム」「おはじきゴルフ」が削除され、「テキサスホールデム」「グリッドアタック」「ドット&ボックス」「ルドー」「ドミノ」「マージャンソリティア」「だっしゅつパズル」が追加。 ---削除されたゲームの多くは日本のローカルゲームである。 --海外プレイヤーとの対戦も意識して、予め翻訳された定型文でのチャットが可能などとても親切。このような機能が搭載されているゲームは2015年現在でも意外と少ない。 ---なお、海外との対戦で「ことばさがし」がどうなっていたのかは不明((ゲームの性質上、異言語間では成立しない。))。 --本作と比較するとグラフィックやBGMが少々シックな雰囲気になっている。 --2014年5月20日をもってニンテンドーWi-Fiコネクションのサービスが終了したため、現在ではほぼ収録ゲームの違いのみとなっている。 -DSiウェアで、本作の収録ゲームを分割販売した『ちょっとアソビ大全』シリーズが配信されている。