「ドラちゃん」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ドラちゃん - (2020/10/23 (金) 09:57:40) のソース

*ドラちゃん
【どらちゃん】
|ジャンル|アクションゲーム|#image(DORACHAN.png,title=プリーズ・アタック・ミー)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|クラール電子|~|
|開発元|アルファ電子|~|
|発売日|1980年|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|''堂々と著作権を侵害した商業作品''&br;単体のゲームとして見てもスカスカ|~|
|>|>|CENTER:%%''[[ドラえもんシリーズ]]''%%|
//#image(DORACHAN.png)
//画像がアップロードされていないのでCO
----
#contents(fromhere)
----

**概要
-名作アーケードゲーム『クラッシュローラー』で知られるクラール電子が発売したアーケードゲーム。
--『クラッシュローラー』と同様に開発自体はアルファ電子(後のADK)が行っている。

**問題点
-''ゲームシステムもドラえもんである意味がない。''
--レバーで車を東西南北に動かして敵から逃げながらドットを集めて画面上部の赤い壁に付いたトゲを取り除き、トゲがなくなって赤い壁にあいた穴を通れるようになったらドラえもんに体当たりしてステージクリア。…''以上''。
---やる事は本当にこれだけで、ひみつ道具を使ったり、のび太達が登場したりといった、ドラえもんならではの要素は一切ない。オリジナルでは駄目だったのだろうか。
---しかもこの車のグラフィックは、セガの名作『ヘッドオン』のそれに酷似している。
--ステージにいる敵キャラは、本作オリジナルの犬や猫や猿といった動物であり、絵柄も藤子不二雄タッチではない。
---この敵キャラクターのデザインは、後に『クラッシュローラー』の主人公をイカに変更したマイナーチェンジ版『コロスケローラー』でもカラー化され、背景に流用されている。
---それだけならまだしも、これらの敵は動きが妙にトリッキーで先を読みにくく、おまけに縦への移動がなぜか8ドット単位で急に動くという雑な仕様なため頻繁にぶつかりやすい。
--また、本作では敵を倒す唯一の方法として不定期に現れる点滅したドットを取る方法があるが、その際はなぜか''蛇が画面上からやってきて接触した敵を食べて消す''という意味不明なもの。何故こうなったのだろうか?


-''小学館に無許可で『ドラえもん』の版権を使用している。''
--本作は名前で分かるとは思うが、[[ドラえもん>ドラえもんシリーズ]]の登場するゲームである。
---''しかし本作はあろうことか、事前に小学館の了承を得ずに勝手に製作しリリースまでされている。''
--ちなみに1980年は、初の映画作品・大長編『ドラえもん のび太の恐竜』が公開された年でもある。

-''音楽まで無断で使用されている。''
--本作はステージクリアするごとにボーナスステージが現れるが、そこでは『ドラえもんのうた』が(当時の技術ゆえ、音楽のみで歌は無いものの)''超大音量かつ超スロー''で流れてくる。
---一度だけハートを画面下から発射してドラえもんに当たるようハートを左右に操作するというつまらないボーナスステージの内容と相まって、プレイどころか見ているだけでイヤな気分になってくることうけあいである。
---音楽はゲームを盛り上げる重要な要素である。せめて『ドラえもんのうた』を流すとしたら、アップテンポにした明るい曲調にアレンジしてステージ中で流してくれれば、それだけで本作の印象は多少異なったものとなっていたかもしれない。
--もっとも、[[当時のゲーム業界全体の風潮>スペースインベーダー]]であり、同年の『[[クレイジー・クライマー]]』やエレメカ『国盗り合戦』でも『ドラえもんのうた』が使用されていた。

**評価点
-ドラえもんのグラフィックは1980年という時代にしては良くできている。
--また、基板には日本語フォントのデータがないにも拘らずタイトル画面で複数の球体を並べて「ドラちゃん」と日本語表記しているのも芸が細かい。
--肝心のゲーム内容の方にも力を入れろと言わざるを得ない出来である。

**総評
リリースされた当時は、まだ業界全体に著作権の概念や法規意識が浸透していなかった時期とはいえ、当時から著作権管理に厳しい小学館の、それも随一の知名度を誇る作品を無許可で使うというのは、やはり大問題である。~

著作権を脇に置いて純粋な単体のゲームとしてみたとしても、「ドラえもんのゲーム」としても「アクションゲーム」としても中身がスカスカな子どもだましの内容でしかない。

結果としてクラール電子は小学館に訴えられ、本作のアーケード基板はそのほとんどが回収処分されることとなってしまった((一方で前述の『クレイジー・クライマー』は裁判沙汰にはならなかった。ただし移植版では当然の如く音楽が変更されている。))。~
今では稼動している機体を拝む事はほぼ不可能であろう、''幻のクソゲー''である。	


**余談
-本作のマイナーチェンジ版の基板として、のちに『ドラミちゃん』が少数製造された。
--しかしそちらは製造枚数が本作よりさらに少ないことに加えクラール電子が訴えられたことにより基板はほぼすべて回収処分、現在では全くお目にかかれないものとなっている。
-本作でのマイナスイメージを払拭しようとしたのか、後に発売された『クラッシュローラー』以降にクラール電子は社名のアルファベット表記を変更している。

//-ドラえもん絡みの不祥事そのものはこれだけでは終わらず、後に新たな[[著作権問題>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93%E6%9C%80%E7%B5%82%E8%A9%B1%E5%90%8C%E4%BA%BA%E8%AA%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C]]に巻き込まれる事となる。
//やたら著作権侵害を押し出してるが、ここで書くことでもないだろう。
//そんな事ないって~

**プレイ動画
#region()
&youtube(https://youtube.com/watch?v=oi7Jx7ddV7c){ここに横幅を入力,ここに縦幅を入力}
#endregion