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ロックマンX サイバーミッション - (2018/07/05 (木) 12:33:49) のソース

*ロックマンX サイバーミッション
【ろっくまんえっくす さいばーみっしょん】
|ジャンル|アクション|[[&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51RT7ZmK9eL.SL160.jpg)>http://www.amazon.co.jp/dp/B000069TEN/]]&amazon(B00OT5V2MC)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|カプコン|~|
|開発元|カプコン&br()ミッチェル (プログラム)|~|
|発売日|2000年10月20日|~|
|定価|3,980円(税抜)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【3DS】2013年12月4日/600円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|Xシリーズ初の携帯機作品&br() 原作に忠実な内容|~|
|>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『ロックマンX』シリーズ初の番外編的存在で、ロックマンシリーズ久々のゲームボーイ作品。~
「『[[ロックマンワールド]]』のX版」とでもいうべき存在で、『[[X1>ロックマンX]]』と『[[X2>ロックマンX2]]』からボスが4体ずつ出演している。

**特徴
-ストーリーの時系列は『X2』と『[[X3>ロックマンX3]]』の間に当たり、『[[X4>ロックマンX4]]』から登場しなくなったDr.ケインがチョイ役で出演している。
--時系列的には2と3の間となっているが、エックスやゼロのドット絵は当時最新作だった4に準拠している。((ステージ開始時・終了時のエックスのモーションや、ゼロスクランブルのゼロの技など))

-プレイヤーキャラはエックスのみ。ゼロは特殊武器「ゼロスクランブル」によって呼び出せるお助けキャラという扱い。
--ゼロスクランブルは強化パーツ扱いで、片方のモードの強化パーツのあったカプセルから入手する事になる。

-原作の隠し要素の波動拳と昇龍拳も登場。
--ただ、コマンド入力が難しいハードに合わせてか、コマンドが変更されており、ボスに対しての威力はかなり低い。

-ゲームは、4大ボスを倒して最終面に挑む「ノーマルモード」から始まり、これをクリアすると残りの4ボスと戦う「ハードモード」が出現する。
--ハードモードはノーマルモードの後日談という扱いで、ノーマルモードのクリアデータを引き継ぐ事ができる。
---2つともクリアすると、両モードのボス全てと戦える「エクストリーム」モードが出現するが、これにはクリアデータは引き継げず、イベントや会話デモも存在しない。

-各種ステージは原作のステージを踏襲し、トラップ等変更は非常に少ない。
--原作から明確に変更のあるステージはシグマステージ1と最終ステージ。前者は原作ではシグマステージ1の大イベントだったゼロの自爆シーンは設定の都合上カットされ、代わりにシャドウハンターとの再戦が待ち受けている。
--後者は本作唯一の完全新規ステージ。同ステージでは本作独自の仕様としてボスラッシュの人数がモードに応じて変化するようになっている。

-本作は再開方式が原作のパスワード制からセーブ制に変更されている。その為メモは不要。
--またステージ中のリトライポイントでオートセーブをする事が出来、再開時にリトライポイントから始めることが可能。

-『X2』以降と同じくダッシュ能力はデフォルト装備となっている。
--このためフットパーツによる追加能力は「壁蹴りがダッシュ壁蹴りになる、壁蹴りで一部ブロックを壊せる」のみとなっている。
--この影響か、SFC版ではフットパーツ入手のついでに真っ先に倒される最弱ボスとして有名だったアイシー・ペンギーゴは性能が上方修正されている。

-『ワールド』シリーズ同様、本作にはオリジナルボスとして、「シャドウハンター」という2体のキャラが登場している。
--また本作オリジナルキャラクターとして「ミディ」「テクノ」が追加されている。無印シリーズではおなじみだったが、Xシリーズとしては唯一の音楽ネタからの命名である。

-ステージセレクト時のボスの名前が英語からカタカナに変更されている。

**評価点
-ストーリーの要所要所で一枚絵が表示され、かなり迫力がある。

-GBソフトでありながらBGMにサラウンドが効いており、3DS本体の擬似サラウンドスピーカーで聞くとかなり音の広がりを感じられる。
--スパーク・マンドリラーステージやシグマステージ1などの評価が高い。
--しかし、問題点もある(後述)。

**問題点
-''ゲーム全体でオリジナリティが皆無''
--各ステージ構成はSFC版からさほどアレンジされていない。
--まず、オープニングステージからして「ハイウェイでの戦いで中ボスを撃破すると床が崩れる」「ボスがライドアーマーに乗ったVAVA」と原作と全く同じシチュエーションから始まる。
--8ボスステージの方もフレイム・スタッガーステージでは「下から吹き上げてくるマグマから全力で逃げる」特徴が原作と同じだし、マグネ・ヒャクレッガーステージでは「レーダーに当たった回数で中ボスがパワーアップする」特徴まで瓜二つである。
--各種ボスの攻撃パターンや特殊武器の性能も原作と変化が無い物が多い上、特殊武器の使い勝手も殆ど変わっていない。
--シグマステージの多くまでもが原作そのもの。ステージ内のギミックまでも原作から丸々流用してしまう始末『ワールド』では、最終面は毎回新規だったのだが…。
--ここまで読むと「SFCの名作をゲームボーイに完全移植している」と思われがち。~
だが、本作における各ステージは容量の都合上、ステージ内のエリアが短縮され雑魚敵の一部もカット。おまけにゲームボーイに画面比率を考慮せずに移植している点から屋内エリアの画面が全体的に窮屈と化してしまった。~
これらの事から本作は原作からの劣化点も多く、残念ながら「完全移植」とは程遠い出来である。
--同様に『X2』のステージも特殊チップを用いた演出がカット、簡略化されていて((仕方がないとは言え続編『ロックマンX2 ソウルイレイザー』にも引き継がれてしまっている。))、原作と比較して「物足りない」という意見も多い。
--挙げ句の果てに、最終ボスたるシグマも、''変身前・変身後共に『X1』と同じ姿''。その上後日談の筈のハードモードでも、同じ姿で現れる。
--「本作ならでは」の要素といったら、デモ画面の存在や各種隠しモード、ゼロスクランブルに追加ボスであるシャドウハンターに完全新規ステージとなる最終ステージと、細かい物程度しかないのは哀しい。

-本作のBGMは原作のアレンジなのだが、フレイム・スタッガーステージやメタモル・モスミーノスステージ等のBGMのテンポが原曲と違う。
--前者は原曲から異様に遅くなり、後者は異常にテンポが速くなっている。どちらもステージの雰囲気に合ってない。
--ちなみにシグマステージ2(『X2』のカウンターハンターステージ3)のBGMはテンポが速くなり、ステージの雰囲気が台無しだが、後に『[[X6>ロックマンX6]]』のゲイト研究所ステージに何故かアレンジされ使用されている。
--ゲームオーバーやオプションの画面に使われている曲も異様に遅くなっており、かなり間抜けな印象を受ける。続編ではテンポが改善されている。
--ちなみに本項で述べたスタッガーをはじめとする一部ステージBGMには何故か新規のフレーズが追加されているが、わざわざ既存曲にフレーズを追加するなら原作のBGMの再現を優先しろと言わざるを得ないだろう。

-ダッシュがやりづらい。
--ボタンが少ない関係で、ダッシュの操作が本家のスライディングと同じく↓+A、または十字キーの横を2度押しとコマンド式になってしまったため。
---↓+Aではなぜかダッシュジャンプができない。((同じGBの『ワールド』シリーズでは同じコマンドでスライディングジャンプが出来た。))
--ちなみにオプションのキーコンフィグでスタートボタンにダッシュを割り振ることが出来る「スピードタイプ」が存在するのだが、ボタン配置のせいでほぼ意味がなくなっている。
---ダッシュの度にスタートボタンに親指を移動する人は果たしてどのくらいいるのか。
---キーコンフィグは「ノーマルタイプ」と「スピードタイプ」を変更できるのだが、違いはスタートボタンの項目が「つかわない」か「ダッシュ」かの違いのみ。ノーマルタイプの存在は、プレイ中に間違ってスタートボタンを押してダッシュしてしまいたくない人への配慮だろうか。
---このモードは続編で削除されている。

-ゲームスピードの悪化
--リトライポイントを通過する際に画面がホワイトアウトし「オートセーブ」と表示され一時停止するので、ゲームのテンポが悪化している。シリーズの売りであるハイスピードアクションを堪能できない。
---ダッシュジャンプでリトライポイントを通過しても、オートセーブの表示の後真下の地面に立ち止まった状態で再開するため、いっそうテンポが悪い。
---おまけに特定のステージ内で戦う事になる全ての中ボスの前にステージボス前シャッターが追加されてしまい、ゲームテンポの悪化に貢献している。
--続編ではGBC専用になった為、オートセーブ時の一時停止も改善された。

-シャドウハンターのキャラ
--シャドウハンターのザインは、寡黙な性格という設定であり、悪役のテンプレ的なセリフしか喋らない為、キャラ立ちが弱い。
--その分相方のギーメルは''もう嫌ってほどキャラが立っている''のだが、おかげでザインは益々影が薄くなってしまった。

**総評
ファミコンソフトを下敷きにした『ワールド』とは違い、本作はスーパーファミコンソフトが下敷きなので、ゲームボーイに落とし込んだ事を考えれば無難な出来と言ったところか。~
とはいえ、ゲームテンポの悪化や屋内エリアの狭さなど、移植の際に生じた劣化点についてはなんとかして欲しかったと言わざるを得ないだろう。

**その後の展開
-本作の翌年には続編『[[ロックマンX2 ソウルイレイザー]]』が同じくゲームボーイ向けに発売された。
--こちらの方はカラー専用になった事に伴い、据え置き機からの移植からリメイクに方向転換した作品だが、残念ながら多数のバグで評価を落としてしまった一作である

**余談
-ホイール・アリゲイツステージで、ある方法を使ってパーツカプセルに入ると、''「ライ」という文字をバスターとして発射するようになる''というバグがある。((さらに、装備や向きを変えると「トは」「かせ」といった文字も発射される事もある。「ライトはかせ」という文字がグラフィックに上書きされてしまっているようである。))
--とはいえ、これは意図的に狙わなければ遭遇できないであろうが…。