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ナムコット麻雀III マージャン天国

【なむこっとまーじゃんすりー まーじゃんてんごく】

ジャンル テーブル(麻雀)
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 ナムコ
開発元 日本物産
発売日 1991年3月8日
定価 4,900円(税別)
プレ人数 1人
判定 なし
ポイント 基本は前作の発展形でルール設定はさらに細分化
反面アレンジゲームは1つのみになった
ナンバリングやシリーズ区分がナゾ


概要

1991年3月にナムコが発売したファミリーコンピュータ用ロムカセットソフトの麻雀ゲーム。
ファミリーマージャンII 上海への道』(1988年11月発売)のゲーム性を引き継いだ麻雀のアレンジゲーム。
開発は麻雀ゲームの草分け的存在であるニチブツこと日本物産による点も同じ。

そのため実質的な『ファミリーマージャンIII』であり本項目では上記作品を「前作」として扱うものとする。


内容

  • ツモやリーチ、チー、ポン、カン等の基本操作は前作からそのまま引き継いでいる。
  • 設定可能なルールは下記10通り。
    • 箱割れ
      • 「有」にすると得点がマイナスになった時点で終了。
    • 食い断
      • 「有」だと食ってもタンヤオが認められる。「無」では食っていると無効となる。
    • ツモ平和
      • ツモとピンフの複合の有無で、「有」だとピンフ・ツモで2飜20符、「無」だとツモのみ1飜30符となる。
    • 一発
      • リーチ一発の有無。
    • 裏ドラ
      • 裏ドラの有無で「無」ならばリーチで和了しても裏ドラの権利は得られない。
    • 槓ドラ
      • カンした場合のドラ追加の有無。
    • 槓裏
      • カンした場合のドラ追加が裏ドラにも適用される否か。「無」なら表のみ追加され裏ドラは常に1つ。
    • 親流れ
      • 「有」ならば親がノーテンの場合、親の権利が流れる。「無」ならば子のいずれかが和了するまで流れない。
    • 待表示
      • 「有」の場合、リーチ時待ち牌が表示される(前作と同じ形)。
    • 早打ち
      • 「有」にすると配牌やツモの動作がなくなり進行が早くなる。
  • 前作の難点だった「親だろうが子だろうが得点に無関係」はなくなり、ちゃんと親で和了すれば1.5倍になる。
    • 前作では適用されていたローカル役は適用外となった。
  • チョンボになるケースは強制的に拒絶されるため、前作までのようなチョンボは発生しない。
  • ゲームモードは下記の3種類。
    • 対局麻雀
      • 下記6人の対戦相手から選んで自由に対局できる。
    • アドベンチャー麻雀
      • 本作のメインとなるモードで詳細は後述。
    • トレーニングモード
      • 上記「対局麻雀」と同じく対戦相手を6人から選んで対局するのだが特殊なルールが用いられる。
        「5秒切り」5秒の時間制限があり、時間内に判断できないと、鳴きはできず勝手に牌をツモり、捨て牌時は今カーソルが合っている牌を勝手に切られる。
        「雀球麻雀」ソウズの中張牌を使わない。必然的に混一色や清一色ができやすい。
        「理牌なし」自動的な理牌がなく、バラバラのまま打たなければならない。

対戦相手

  • 浮田軽三
    • 年齢・25歳 雀歴・8年 血液型・B型 職業・フリーター
    • かるい性格のため、雀歴のわりにはタコ打ちもしばしば。ついつい鳴きに走ってしまいます。
  • KABUKI
    • 年齢・18歳 雀歴・3年 血液型・O型 職業・レコード屋
    • けれんみあふれる麻雀が信条。一通や清一など、ハデな手でウケを狙ってくるのがクセです。
  • 冴木俊介
    • 年齢・35歳 雀歴・2年 血液型・AB型 職業・証券マン
    • 「麻雀は技術」と言うだけの打ち方をしているかどうかは疑問です。ただし無理はしません。
  • 川下きっこ
    • 年齢・21歳 雀歴・2年 血液型・A型 職業・お嬢様
    • 平和や断九を好み、あくまで上品にきれいな手作りを心掛けているお嬢様雀士。
  • 森口りえ
    • 年齢・17歳 雀歴・半年 血液型・B型 職業・自称アイドル
    • とにかく楽しければいいという麻雀。鳴きまくっては場を混乱のるつぼへたたきこみます。
  • 加賀舞子
    • 年齢・25歳 雀歴・5年 血液型・O型 職業・OL
    • 一定の型を持たず、場や手に応じて臨機応変に打ってきます。でも和がりに対しては貪欲!

アドベンチャー麻雀

  • 本作のメインともいえるモードで麻雀でスゴロクをする。
    • このモードはパスワード制によるコンティニューが可能。
      • パスワードは前作同様麻雀牌で構成されている(11文字分)。
    • パスワードは中間点(後述の大マス)突破時に発行される。
  • このモードでは下記3種類のステータスがある。
    • 持ち点………ただの持ち点ではなく、対局が終わっても持ち越される。HPのようなものを兼ねており、これがマイナスになるとゲームオーバー。
    • POW………ボス戦で積み込みをする時に消費する。
    • 運………これが高いと手配やツモで良い牌が来やすくなる。
  • サイコロの代わりに対局し、どちらかが和了るまで続きプレイヤーが勝てば役の翻数分進み(つまり役満なら13マス進める)、負けた場合は1マス戻る。
    • 負けた場合の戻りは1マスだが、得点がなくなるとゲームオーバー。
    • 対局相手は前述の6名からランダムで選ばれる。
      • 進んだにしろ戻ったにしろ、止まったマスのマークに応じてイベントが発生する。マーク毎のイベントを終えると再び対局に入る。
    • ダイヤ………「牌めくり」42枚並んだ牌をめくっていき、マンズ、ソウズ、ピンズの同種の牌を連続で引くほどパワーポイントが得られる。
    • ハート………「おみくじ」4枚のおみくじカードから1枚を引き、大吉~大凶の運勢により、運の値が上下する。
    • スター………「宝くじ」Aボタンでルーレットを止め、止まったアイテムがもらえる。ルーレットは上記アイテム1つずつと「ハズレ」の5コマ構成
    • スペード………「ハプニング」所謂アンラッキーイベントで、パワー、アイテム、持ち点を失う(募金するハメになって得点の一部を失う、スリにアイテムをスラれる等)。
    • 途中の拠点となる大マスは強制ストップで、そこで中間ボスと対局することになる(東南の半荘を終えるか、どちらかが箱割れするまで)。
      • 半荘を終えて相手より持ち点が低いと1マス後退することになる(実質すぐ再戦)。
      • 勝てばPOWが300加算され、箱割れさせればさらにPOW500と4つのアイテムを1つずつもらえる。

アイテム

  • ラストチャンス券
    • リーチをかけて流局した場合に、7枚の伏せられた牌から3つまで選ぶことができ待ち牌を引き当てれば和了となる。
  • ボーナス一万点棒
    • 対局前に10000点が持ち点に加算される。
  • 「まった」カード
    • 振り込んでしまった時に、それを取り消せる。
  • 水晶玉
    • 和了ったとき、この玉1つにつき1翻が上乗せになる。

積み込み()内は消費POW

  • 牌交換(50)
    • 配牌の後、不要な牌を交換できる。
  • 中張配置(100)
    • 二~八に固められやすく手堅いタンヤオ狙いに最適。
  • 役牌(150)
    • 役牌の刻子が必ず含まれる。
  • 公九配牌(200)
    • 一九牌に固まりやすいのでチャンタ系や混老頭、清老頭を狙いやすい。
  • 一色配牌(300)
    • マンズ、ピンズ、ソウズに固まった配牌で混一色や清一色を狙いやすい。
  • BIG配牌(500)
    • 役満テンパイやその寸前の豪華な配牌。

評価点

  • 前作で一部おかしかった基本ルールが改善。
    • 前作では親が実質意味がないものだったが、それがちゃんと1.5倍になった。
  • より豊富になった対戦相手。
    • レギュラーの6人だけでなくアドベンチャー麻雀で登場する独自の相手もおり、それぞれが固有のロジックを持っている。
      • そのため過去2作品よりもその充実度も高い。
  • ルール設定の幅がより広がった。
    • これにより今まで以上に個人の好みを反映したプレイが可能となった。
    • ファミコンでは、ここまで手広いカスタマイズができるソフトは数少ない。
  • 前作とは一味違ったアレンジ麻雀。
    • 後述の運ステータスや新要素の積み込みによって初心者への救済もしっかりしている。まだ前作のものよりゲームとしての要素が濃いものとなっている。
    • 対局によって飜数の数だけ進むという方式は今までのアレンジ麻雀ゲームでは見られなかった斬新なゲーム性。
    • アイテムも効果の被ったものが分散されてムダが多かった難点が解消され、いずれも有効性が高いものが揃っている。
      • また麻雀そのものに対する救済要素が色濃く、多少は麻雀ができる初心者なら勝つ快感を味わいながら楽しめるため、前作よりはハードルが下がっている。
    • 大役でドンと進むもよし、小さな役でコツコツ戦略を組み立てるもヨシと攻略の幅も広い。
    • ただ麻雀大会をしたりクイズをしたりだった前作と違って、ちょっとしたストーリーもある。

賛否両論点

  • アドベンチャー麻雀モードでは運パラメータによる影響が極端すぎる。
    • これが低いと麻雀本来の役の組み立てが出来る者にとっては、ツモが悪すぎて和了できないイライラ状況ばかり味わうハメになる。反対に高いと異常なほど和了れるため不自然な印象も受けてしまう。
    • 反対にゲームとして割り切ればこれを高めることで、爽快なほどにホイホイ役が出来るので初心者にとっては麻雀が楽しく思えることだろう。

問題点

  • 対局の進行速度が遅い。
    • 特に流局時は、テンパイかノーテンの判定に非常に長く時間がかかる。
      • 間違ってポーズをかけたのかと勘違いしてしまうほど。
    • 毎回対局が発生するアドベンチャー麻雀モードも、これのためテンポを少々悪化させている。
  • 「BIG配牌」の国士無双狙いの配牌はハズレの可能性が高い。
    • 実際、このパターンで来られると他への転換がしにくいため使い勝手が悪い。
    • これならPOW300で倍満クラスは堅く狙える「一色配牌」の方がハズレのリスクがなく便利なので「BIG配牌」のPOW500消費は少々割に合わない。同じPOW300ぐらいでちょうどいい。
  • アレンジゲームの種類が1つに減少。
    • 前作は2種類あったことを思えばゲームの幅は狭まっている。
  • 相変わらずパスワード制でメモしにくい麻雀牌34種類の絵面方式というのもそのまま持ち越されている。
    • なお先に発売されており同じ系譜で並立した『III』にあたる『ニチブツマージャンIII MAHJONG Gメン』(日本物産発売)はバッテリーバックアップ機能を搭載している。
  • ローカル役の排除。
    • もともと麻雀を利用したアレンジゲームが主軸となっているので、そこまで本格的なものでもないことから楽しめる幅を狭めた一面が強い。
    • これも上記ニチブツ版では、そのまま残っていたので本作でわざわざ廃止する意義が薄い。
  • トレーニングモードが実質不便なだけの対局
    • 時間制限はともかく理牌なしは自分で理牌できるわけでもなく、ただ不便なだけでしかない。
      • 結局、単なる縛り麻雀でしかなく「トレーニング」という言い回しもそぐわない。
  • 「5秒切り」はポーズができない。
    • そのため流局まで離れられないのは不便。
    • もちろん初作のように画面を出したままポーズが有効ではルールが蔑ろになってしまうが、ファミコン準ロンチの『麻雀』(任天堂)では画面を消してポーズができていたので、それぐらいは取り入れられたことだろう。

総評

実質『ファミリーマージャンIII』ということでアレンジ麻雀ゲームという根幹は前作から引き継いでいるものの、その内容においては実質別物で違った切り口から構成された全く新しいものとなっている。
前作は麻雀そのものへの救済は少なかったが、その点は豊富になり初心者にとっては基本こそ知っていなければならないが、そこまで慣れていなくても楽しめる構成で、そのハードルは下がっている。
ただ前作に比べると肝心な対局のテンポが悪化している点は残念に尽きる。また前作では2種類のアレンジゲームが楽しめたことを思うと、それが1つなったことで内容こそ濃くなったも反面、その幅が狭まった印象も受ける。


余談

  • ナムコットファミリーシリーズ』からは外れたものの前作からナンバリングのみが引き継がれたことでシリーズの括りという点ではややこしい位置付けになっている。
    • 聞きなれない初出のタイトル『ナムコット麻雀』はのっけから『III』が出て「IやIIはいつ出たんだろう?」と困惑した人もいただろう。
    • なお、上記シリーズは価格のお手頃さも強みとしたシリーズ*1であり、その点でも本作は前作と同じ4,900円と安価という条件を満たしているだけに『ファミリーマージャンIII マージャン天国』または『ファミリーマージャンIII 麻雀天国』で良かったのでは?と思わずにはいられない*2
    • 開発担当の日本物産は本作の8カ月ほど前に自社ブランドとして同じくファミコンロムカセットの『ニチブツマージャンIII MAHJONG Gメン』を発売している。これもIやIIは存在しない。
      • だが、この作品の対局時の画面構成や操作方法など麻雀のシステムは前作『ファミリーマージャンII 上海への道』をそのまま流用しており、『ファミリーマージャン』はI・IIとも日本物産が開発したことから、そのナンバリングを引き継いだものとも考えられる。そうなるとこの系譜では『III』が2つ存在することになるので一層ナンバリング関係がややこしくなる。
      • そして2つ出た『III』の後はナムコからは発売されず*3日本物産は1992年12月から『スーパーニチブツマージャン』として半ば新しくスタートさせることになる。そう考えるとこの2つの『III』は片や最終作、片やシリーズ1作目と相反した意味を持つことになる。

最終更新:2025年12月06日 09:23

*1 1988年5月発売のゴルフゲーム『ナムコクラシック』は『ファミリーテニス』『ファミリーサーキット』等シリーズ作品のパッケージに登場している女の子(後に「マコ」という名前が与えられる)が同じように描かれていながら『ファミリー』と冠されていないのは価格が5,900円と当時にしては高額な方だったため『ファミリーゴルフ』から名前を変えられた説がある。

*2 直後の7月発売された『ファミリーサーキット'91』で7,800円と高額にもかかわらず『ファミリー』が冠されている。

*3 一応ナムコも1992年1月にゲームボーイで『雀卓ボーイ』という麻雀ゲームを発売しているが、それまでの『ファミリーマージャン』とは実質別物。開発は日本物産ではなくナムコ自身が行っている。