この項目ではアーケードゲーム『スタージャッカー』及び、同作の家庭用移植のSG-1000版について取り扱っています。
判定は前者がなし、後者は
良作
です。
スタージャッカー
【すたーじゃっかー】
| ジャンル | シューティング |  
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| 対応機種 | アーケード(SYSTEM I) | 
| 発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | 
| 稼働開始日 | 1983年 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ゼビウス系統のSFシューティング 残機数 = 出撃中の自機の数
 長蛇の陣
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概要
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1983年にセガ・エンタープライゼス(現:セガ)からアーケード用にリリースされた、縦スクロールシューティングゲーム。セガ初の内製アーケード用システム基板「SYSTEM I」の第1弾。
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宇宙を舞台に、2種類のショットを持つ戦闘機を操作して、各ステージに存在する敵基地を攻略するのが目的。
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1~2人交互プレイ可能。全16ステージでループする。
主なルール
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いわゆる一般的な縦シューティングだが、ボスに該当する存在はなく特定地点まで進めばクリアとなる。
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使用コントローラーはレバーと2ボタン。レバーにて自機の八方向移動、ボタンは各自、対空ショットと対地ショットに使用する。
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「対空ショット」は空中の敵に有効な前方一直線のショットを放つ。射程は敵に当てない限りは画面端までショットが届く。また、敵弾の相殺も可能。
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「対地ショット」は地上の敵に有効な前方一直線のショットを放つ。射程に制限があり、敵に当てなくても画面途中で消滅してしまう。
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各ショットは共に使用回数は設けられておらず、無制限で発射可能。
 
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このゲームにおける残機数は特殊で、一般的な残機制とは仕様が変わっている。
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ゲーム開始時は同じ自機が3機連なっており、それをすべて一括で操作する事となる。いわば、『グラディウスシリーズ』でいうところの自機とオプションを同時に操る感覚とやや似ている。
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自機のいずれかがダメージを受けてミスすると一旦画面が暗転し、前の状態で引き連れていた自機が1機消滅した状態でのその場復活となる。
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自機が1機だけの状態でミスすると、完全に自機が全滅しゲームオーバーとなってしまう。
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すなわち、このゲームには残機ストックという概念は存在せず、出撃している自機の数がそのまま残機数である事を意味している。
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ステージクリアすると味方基地に自機が帰還する演出があり、すぐさま次ステージに進む。
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ステージクリア時にはスコアボーナスが入る。スコアボーナスはその時点で引き連れている自機が多ければ多い程高くなる。また、ステージクリアボーナス加算後の時点で、スコアによるエクステンド条件を満たしていた場合、引き連れる自機が1機上乗せされる。付けられる自機は最大5機まで。
 
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引き連れている自機が多ければ同時に撃てるショットが増し火力増強が図れる反面、自機を多く引き連れている分やられ判定も増すというデメリットもある。よって、必ずしも自機を多く引き連れているからといってプレイが有利になるとは限らない。
 
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時折ステージ内にて「小型の赤い敵」と「中型の赤い敵」が出現し、それらを倒すとワープ演出が発生してそのステージは強制クリアとなる。
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小型敵は対地ショットにて、中型敵は対空ショットを複数回撃ち込めば破壊できる。また、ワープ中は急激な勢いでスコアボーナスが入る。
 
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一応残機制だが仕様が違うのは上記で述べた通り。ミス条件は「自機が対空敵、及び敵弾に触れる」となっている。
評価点
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対空と対地のショットを撃ち分ける」方式を採用している事
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ゼビウスと同年だが、「スクロールスピードが速く、全体的にテンポがスピーディ」という点で異なる。
 
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やることはシンプルで分かりやすい。
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下記問題点にあるような難しさはあるが、ゲーム自体はショットオンリーのシンプルなゲーム性で各ステージの構造も短期でさくさくクリアが可能。
 
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グラフィックの良さ
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1983年のACゲームとしてはグラフィックが綺麗であり、レトロでサイバーなSF世界が的確に描かれている。下手すると80年代中期のゲームといっても過言ではない外観である。
 
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BGMも良い
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ゲームの世界観とぴったりとマッチしたテクノチックな良曲となっている。
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楽曲が少なく、同じ曲を連続で聞かされる事となるが、それが不思議なトランス感を醸し出しており、長時間プレイしているとクセになりそうな中毒性を持つ。
 
 
問題点
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ゲーム難易度が高い
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まず「複数の自機を引き連れながらの操作」が難しい。
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あまりにも自機を多く引き連れていると「やられ判定が大きすぎてまともに敵などを回避できない」という状況に陥りやすく、単純に引き連れる自機が多ければいいってものではない為。
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「引き連れている自機の数 = 残機数」なので、「残機を増やしたければ自機を多く引き連れなければならず、自機の数が少ないとミスした場合に戦力不足となってしまう」というジレンマに悩まされる。
 
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上記に加え、敵の動きも全体的にトリッキー。
 
総評
セガであるものの、知名度の低さは否めない。
前方には結構強いが、横からの攻撃には脆い長蛇の陣を展開する自機達。
長蛇の陣がどんな陣形かを体現している作品で、長蛇の陣が好きな方ならプレイする価値あり。
家庭用移植
発売元はすべてセガ。
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オムニバスソフト
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SS版 『SEGA AGES メモリアルセレクションVOL.2』(1997年11月27日発売)
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『侍』『モナコGP』『シンドバッドミステリー』『忍者プリンセス』とカップリング移植。スタージャッカーはAC版ベースでの収録となっている。
 
 
スタージャッカー(SG-1000/SC-3000版)
【すたーじゃっかー】
| 対応機種 | SG-1000/SC-3000 |  | 
| メディア | 32KbitROMカートリッジ | 
| 発売日 | 1983年7月15日 | 
| 定価 | 4,000円 | 
| 判定 | 良作 | 
 
アーケード版との相違点
アーケード版との相違点は以下の通り。
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ハードスペックの関係上、引き連れることができる自機の数が最大4機までとなっている。
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対地ショットで破壊できるワープを発生させる敵の廃止。
また、ROM版には前期版と後期版があり、後期版では以下の要素が追加/変更されたいわゆるアップデート版となる。
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タイトルロゴが新規デザインのもの(AC版のタイトルロゴに近いデザイン)に変更。
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タイトルBGMとゲーム開始時のSEが追加された。
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敵の出現パターンが変更されている。
評価点(SG-1000)
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当時の観点で見れば移植度は良好。
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スクロール速度はアーケード同様高速で敵の動き自体もアーケード版にそれなりに忠実。
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グラフィックは性能面で大きく劣る側面はあるもののおおむねアーケード版の敵には対応しており、プレイ感覚は損なわれていない。
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ワープの演出は自機が大きくなった状態でワープ状態となるため演出面でもアーケード版に比べて強化されている。
 
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難易度調整も適切。
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引き連れている自機の数が最大4機になっている関係上、敵の回避は容易になった。
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アーケード版に比べて難易度はややマイルドに調整され、遊びやすくなった。
 
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良質なBGM
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ゲーム中のBGMの再現度は十分なされている。
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後期版で追加されたBGM、SEはかなり高評価。初期のSG作品の名曲としても名高い。
 
問題点(SG-1000)
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ワープフューチャーの一部廃止
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対地ショットで破壊できるワープを発生させる敵がいなくなったため、ワープのチャンスが減ってしまった。
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とはいえ、ワープを発生できる敵司令船は出現頻度も調整されているのでそこまで問題にはならないが。
 
総評(SG-1000)
アーケード版との性能差から一部オミットされた要素こそあるものの、プレイ感覚はそのまま維持しつつ遊びやすい難易度に調整された良移植。
初期のSG-1000/SC-3000を代表する名作として名高い。
余談(SG-1000)
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通常のカートリッジ版の他に、試験販売のみで終わった書き換え可能なカードROM『EPマイカード』版も出ているが、出回りはごく少数。
最終更新:2025年10月30日 00:55