真・三國無双6 猛将伝
【しん・さんごくむそうしっくす もうしょうでん】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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プレイステーション3
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メディア
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BD-ROM 1枚
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発売元
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コーエーテクモゲームス
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開発元
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コーエーテクモゲームス(オメガフォース)
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発売日
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2011年9月29日
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定価
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通常版:5,040円 PREMIUM BOX(限定版):8,190円
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プレイ人数
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1~2人
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通信機能
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Playstation Network対応 ※ダウンロードコンテンツ配信、オンライン協力プレイ
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セーブデータ
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HDD必要空き容量:600KB以上(トロフィーは7000KB以上)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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コンテンツアイコン
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暴力、セクシャル
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備考
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3D立体視対応 ボイスチャット対応
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判定
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なし
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無双シリーズ
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概要
『真・三國無双6』に向けて、6年ぶりに登場した拡張ディスク。
装備アイテムやモード等の追加、ゲームバランスの調整などが成された。
過去の『猛将伝』と同様に無印のディスクを読み込ませることで、『猛将伝』での追加要素を無印のシナリオでも楽しむことが出来る。
追加・変更されたモード
レジェンドモード
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無印のストーリーモードなどで語られることの無かった戦い(英傑伝シナリオ)や過去作のリメイクシナリオ(レジェンドシナリオ)をプレイすることが出来るモード。
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まず最初に、プレイする武将と副官を務める武将を選択する。そしてシナリオを選びクリアしていくことによって拠点「居城」が発展していき、やがてあるイベントを迎えることによってエンディングとなる(その後もプレイは続けられる)。
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副官に選んだ武将はシナリオクリア毎に徐々に成長するようになっている。プレイヤーも「学問所で書物を買う」という形で、所持金を消費し各ステータスを即座に上げることが出来るようになった。これらによって普段使わない武将も簡単に能力強化を図ることができる。
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さらに一定条件を満たしてレジェンドモードのシナリオをクリアすると、その功の見返りとして「将軍位」を得られ、様々な強化能力を得ることが出来る。得られる将軍位は武将毎にある程度異なるため、武器適性に代わる新たな個性付けの役目も担っている。
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初回で得られるのは第5階級までだが、エンディングを迎えるとそれぞれ「難しい」「修羅」「究極」で取得できる第6~8階級が解禁。取得はここでしか出来ないが、一度取ればチャレンジモードを除く他のモードでも有効。
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「交易商」は各地方の交易品によって資金を得ることが出来る。馬などのいわゆる支援獣をこの交易によって手に入れることも可能。ただし、交易品はシナリオをクリアするごとに一定確率でランダムに出現するため、貴重な交易品を得るには何度もプレイを繰り返す必要がある。
チャレンジモード
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本作の無印で姿を消していたモードの復活。基本的にはこれまでの過去作と似た内容だが、インターネットランキングによって全国のプレイヤーと腕を競うことが可能となった。
ストーリーモード
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ストーリーモードのシナリオセレクトにおいて、好きな武将でプレイすることや2P協力プレイが可能になった。
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無印では難易度に関係なく一定だった獲得金も、難易度によって増額するようになった。
クロニクルモード
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ストーリーモードと同様に獲得金が難易度によって増額するようになった。
その他の変更点
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3人の新武将が追加、あるいは復活した。
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新武将「王異」「郭嘉」が追加参戦、「龐徳」が『4』以来の復活を果たした。彼らにはレジェンドモードで主役を務めるステージが登場。もちろん全てのモードで使用可能となり、専用の武器モーションも追加。
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『猛将伝』における新武将追加は『真・三國無双』シリーズでは初めてである。
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既存の武将の一部にも、モーションが追加された。
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「夏侯惇」「趙雲」「関羽」「張飛」の4人は無印では他の武将と武器を共用しており、固有の武器モデルがそのカテゴリに入っていたが、それが1つの武器種として独立する形で新たなモーションが用意された。
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新武器には新たな天稟として「無影脚」「転身」が追加された。
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無影脚はいわゆる影技で、チャージ攻撃中を専用の突進でキャンセルでき、絶え間ない攻めができる。ゲージ消費はなし。
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転身は地上で被弾中に無敵のあるステップアウトを行え、敵から逃れることが可能。
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無印の「修羅」を上回るさらなる高難易度への挑戦として、「究極」難易度が追加された。
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それに対応して、各武将のステータスの上限が大幅に上げられ、すべて一律となった。また無印では特技以外に上昇しなかった力と素早さのステータスも上げられるようになり、武将ごとの武器の得手不得手は「将軍位」に取って代わられた。
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レジェンドモードの各シナリオごとに「秘蔵武器」が設定されており、「修羅」「究極」それぞれの難易度で一定の条件を満たすことによって獲得できる。無印の「宝具」武器を大幅に上回る能力があり、もちろんチャレンジモード以外の全モードで使用可能である。
評価点
レジェンドモード(評価点)
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無印においてストーリーモードで出番がない、そもそもストーリーがないといった理由で掘り下げが不十分だった武将たちに一定のフォローがなされた。「将軍位」「秘蔵武器」の設定がプレイの新たなモチベーションを呼び起こし、取得後は他モードでもそれを生かすことが出来る。そして、過去作のステージを新たなシステムで楽しむことが出来る。また、副官に任命した武将は太守たるプレイヤーに対して様々な態度で接するため、武将の新たな一面を知る楽しみもある。
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難易度「天国」でも獲得できた無印の秘蔵武器と違い、難易度が「修羅」「究極」に限定された本作の秘蔵武器はまさに過去作のユニーク武器獲得システムの復活であり、やりこみ派のファンには朗報と言えた。
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将軍位システムも、高い階級になると取得の難易度が鰻登りになり、武将によるが多くの場合その苦労に見合う能力強化を得ることが出来る。
ストーリーモード(評価点)
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上記の変更により、フリーモードに近い楽しみ方が復活した。また、無印では完全に自己満足だった高難易度への挑戦も、資金をより多く得るという目的において意義のあるものとなった。
クロニクルモード(評価点)
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ストーリーモードと同様に、資金の増額によって高難易度への挑戦に意義が出来た。
その他(評価点)
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上記の変更で武将ごとの武器の「適正」が事実上なくなり、可憐な女性武将が巨大な武器を旋風を巻き起こしながら振り回したり、巨漢の男性武将が軽やかに空中を駆け回るというシュールながらも楽しい光景が実現した。
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「全武将のコンパチ化」がますます進んだという見方も出来るが、一部武将のモーション追加、新武器・新武将の追加でモーションのバリエーションそのものは更に増えている。
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また、将軍位の能力によって全ての武将において得意武器を使うことに大きなメリットが存在するため、様々な武器を自由に選べることとその武将本来の個性を活かすことを両立し、プレイヤー自身に選ばせ楽しませる方向に向かっている感はある。
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無印にも言えることであるが、DLCによって一度消えたモーションがアレンジされて復活したり、全くの新武器も現れており、今後の新作を視野に入れての制作側の意欲的な取り組みが垣間見える。
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また、一部の武将における攻撃の当たり判定や威力の不備などによる扱いにくさを是正すべく、再調整が行われている。
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無印においては空中に浮いた敵には投げ技が当たらなかったが、今作では浮いた敵も投げ技で掴むことができるようになり、コンボの幅が広がった。特に黄蓋など無双乱舞が投げ技のキャラにとってはこの変更が大きな救済となっている。
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ステータス上限の拡張および将軍位の追加により武将自身の戦闘能力が大幅に向上。属性の割合ダメージに頼らなくとも高難易度で爽快な戦いができるようになった。
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無印では高難度の敵の防御力が極めて高かったため、斬・雷・風属性といった割合ダメージを発生させるチャージ攻撃でしか敵将にまともなダメージを与えることができず、その結果これら斬・雷・風属性の武器とそうでない炎・氷属性の武器とでは火力に極端な差が生じていた。
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また、各武将の特徴ともいえる無双乱舞・EX攻撃も大半が割合ダメージではないため高難度ではダメージ源として期待できず、無双乱舞を緊急回避として使う以外は使用する意義が非常に薄かったため、結果として武将が没個性し、割合ダメージ武器を振り回すだけのコンパチ状態を作り出していた。
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その点において今作では各武器の割合ダメージの発生箇所が調整され、割合ダメージの多段ヒットは発生しないようになっており属性による極端な火力差は緩和されることとなった。
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その一方、武将のステータス上限の拡張および将軍位の効果によって武将自身の基礎的な攻撃力が大幅に向上しているため、しっかりと育成・将軍位取得・武器に「究極武芸」を装備すれば高難度でも割合ダメージに頼らない戦いが可能になっている。
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特に無双乱舞やEX攻撃は一撃必殺ともいえる高火力技となり、武将の固有モーションにスポットライトが当たった上で爽快感も非常に高い。
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これにより無印において低火力とされた炎・氷属性の武器も使いやすくなり、割合ダメージが発生しない攻撃も活用の機会が増え、様々な武器・チャージ攻撃を組み合わせた幅広いアクションが可能になった。
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ただし、武将自身の攻撃力が上がりすぎたため、今度は属性の影が薄くなってしまった感もある。
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一応、斬は雑兵の一撃撃破、雷は気絶、風はガード不可、氷は敵を地上判定で固定するという特徴があるため役に立たないわけではない。ただ、炎に関しては完全に空気。
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既に過去最大のワラワラ感を達成したという無印だが、本作のレジェンドモードではさらなるワラワラ感を実現。まさに大群を薙ぎ払う爽快感が味わえる。
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プレイ出来る武将は60人以上に達しており、それらを全て育て上げるのは非常に手間のかかることであったが、本作では学問所で簡単にステータスを上げることが出来る。そのため、個人的好みなどにより基本的には使いたくないが攻略上使わざるを得ない武将などは、とにかく金にモノを言わせて鍛え上げ、必要なときだけ使うことが可能となった。
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それに伴って、無印ではひと通り武器を揃えてしまえばほぼ使い道が無かった獲得金も、武将の育成資金という新たな用途が出来た。
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本作ではすべてのモードにおいて、高難易度ほど獲得金額が増加するように調整されたため、無印の段階で多くのプレイヤーが要望していた「難易度に応じてステータスの上昇値を変える」という内容が事実上達成される形となった。
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ただし学問所ではステータス上げをするたびにいちいち「はい」「いいえ」の選択肢が現れ、しかもデフォルトで「いいえ」の位置にあるためにそのたびにカーソル移動が必要となる。まとめ買いもできず、かなり面倒。
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なぜか無印では外されていた武将ステータスのリセット機能が復活。
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なんといっても新モーションが追加。新武将である王異・郭嘉のモーションもさることながら、夏侯惇や趙雲・関羽・張飛というシリーズを代表する武将のモーションがコンパチではなくなったことは強く歓迎された。
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趙雲は無印の槍武器でも違和感ないアクションをしていたが、刀剣を両手握りしていない夏侯惇など違和感があるケースもあった。
それ以上にファンの心情的にも、勢力の主役格である武将たちにこそ固有武器種があってほしいという要望はあったと思われる。
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シリーズを通しての美点として語られることが多いBGMは健在。今作は新武将3人に対してはそれぞれのテーマ曲が設定され、いずれもファンからは概ね好評を持って迎えられた。
問題点
レジェンドモード(問題点)
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「英傑伝シナリオ」では、ひと通りの武将のストーリー的掘り下げはなされているものの、二次創作的な「途中にあったかもしれないIFエピソード」という趣が強く、充分にドラマチックとは言いがたい。
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また、他勢力武将のシナリオはムービーやイベントも無く、三国+晋のそれと扱いの差を感じてしまう。
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「レジェンドシナリオ」は、過去作のシナリオをリメイクしたことにより、懐かしさと6のシステムでプレイ出来る新鮮さを共に味わえる触れ込みだが、大事な要素であるBGMが当時の収録ではなく、『6』の汎用BGMでのプレイを強いられてしまう。
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また、元作品ではムービーが挟まれていた承前イベントが悉くカットされており、淡泊極まりないものになっている。
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加えて、台詞もほぼ完全に再現しているのはいいのだが、元作品の無双モードの流れを汲んだ上での台詞までも流用しているため、元作品を知らないと意味が解らないことになってしまう。
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極めつけに、無印のクロニクルモードではDLCで過去作のBGMでプレイ出来たのに、レジェンドモードではそれが出来ないという理解に苦しむ仕様になっている。
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結論として、「懐かしさ」を味わうための要素・配慮は少ない。「懐かしい」と感じられるのはそのステージによほど強い思い入れのあるプレイヤーだけであり、大半のプレイヤーは「体のいい手抜き」と感じてしまうだろう。
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かといって、そのステージに強い思い入れのあるプレイヤーが満足出来るかと言えば、BGMは6の汎用で全くの別物な上に、ステージ中のイベントもカットされているものがあったりとで懐かしさを感じる前に「コレジャナイ」感の方が先行してしまいかねない。
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せっかく無印において過去最高のワラワラ感を実現しながら処理落ちやステルスなどの問題点を克服していたのに、さらなるワラワラ感を追求した結果、またしてもステルスが目立つようになってしまった。
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特に顕著なのが無双乱舞時。ピンチになったので無双乱舞を使用して敵を吹っ飛ばしたのに、攻撃終了時には同じくらいの数の雑兵に囲まれてしまう。
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そして、可変フレームレートの煽りでのカクカク感やちらつき感もさらに助長されてしまっている。
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ストーリーモードとクロニクルモードのMIXJOYにおける常駐ステージでは特に敵を増やす調整は行われていない模様であり、これらの問題はレジェンドモードとDLCステージ限定だったのは不幸中の幸いと言うべきだろうか。
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無印においては『5』から流用されただけで何の意味もないと思われていた将旗兵に、難易度究極限定の能力が付加された。
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『5』同様の敵武将の攻撃力2倍・防御力2倍と体力回復に加え、プレイヤーの無双ゲージを空にする効果のいずれかが発動する。
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プレイヤーにも後述の「体力吸収」能力があるので、難易度修羅までとは一転して、こちらも敵も一向に死なない難易度であり、爽快感は半減。
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前述のステルスの弊害が強く出る要因でもある。将旗兵を一掃していなければ乱舞発動→終了時には攻防2倍・体力大回復などということもよくあるため、下手に無双乱舞を使うと余計にジリ貧になりかねない。
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将軍位システムは、MIXJOYしてのストーリーモードやクロニクルモードでも有効だが、これがゲームバランスを崩してしまっている。難易度「天国」で取得可能な将軍位の中に、「条件を満たす武器を使用中は敵を攻撃すると体力を吸収する」という能力があるからだ。
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その効果は字面以上のものがあり、高難易度においても敵集団に向かって攻撃したり無双乱舞を繰り出すだけでたちまち体力ゲージが満タンになってしまうレベル。お陰で普通以下の難易度では回復アイテムが要らないどころか全く体力ゲージを気にせずにクリア出来てしまう有様である。「究極」の★10ステージですら、充分にステータスの上がった武将ならば敵武将の無双乱舞による一撃死やコンボを食らっての敗北にさえ気を付ければほぼ無敵になってしまう。
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ただし、対象となりうるのは各キャラクターの将軍位によって「素早さ武器全て」「そのキャラクターの得意武器」のどちらか。必然的に、力武器を得意武器にしている武将との格差が発生している。
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百歩譲って、プレイヤーが秘蔵武器取得などで過去作のような理不尽なまでの難易度を味わわずに済むようにという配慮ゆえの処置だとしても、これはさすがにやり過ぎだという見方が多い。
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せめて、印システムのように付けはずし自由にしたり、吸収効果をチャージ攻撃や無双乱舞に限定するなどすれば、ここまで極端なものにはならなかったという意見もある。
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難易度「究極」における被ダメージは極めて高く、アクションゲームがよほど得意でない限りこの能力を一度も使わずにステージをクリアするのは相当骨が折れる。それでも、最低限の位置取りや立ち回りさえも一切考える必要を無くしてしまいかねないこの能力は、否定意見が大半を占める。対策として、この能力の条件に適合しない武器を装備するなり、防御力を半分にするアイテムを2つ装備するなどすれば多少はゲームとして成立するようにはなる。
チャレンジモード(問題点)
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毎回おなじみのモードであり、ネットワークでのランキングなどPS3ハードならではの要素もあるが、マンネリの誹りは免れない。ましてや5までは無印の時点で実装されていたので今更感も…。
その他(問題点)
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相変わらず、MIXJOYを行おうとするとゲーム起動の度にディスク入れ替えによるアクティベーションを要求される。無印ディスクの中古対策という面があるとは言え、いささか旧態依然に過ぎるという不満は多い。
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Playstation Networkにサインインして起動すれば、一定時間の範囲内なら認証が継続してディスク入替が不要になる。ただし、これはあくまで「非公式」機能であり、無印のディスクが要らなくなるわけではないので勘違い無きよう。
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過去作の「立志モード」「修羅モード」「武将エディット」に当たるような自由度とやり込みがいのあるモードが存在せず、ソフト単体のレジェンドモードとチャレンジモードだけでは明らかなボリューム不足である。
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特に、既に無印をやりこんだプレイヤーにとっては、秘蔵武器と将軍位を取得することや副官の武将のセリフ収集ぐらいしかやることがなく、しかも金で武将を好きに強化できるのでプレイ自体が作業感丸出しのものになってしまう。
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新たに導入された「無影脚」「転身」だが、実装されたのは新武器のみで、続投武器で変更されたりといったものはない。そのため空気気味。
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また、転身に関しては効果自体が不遇。発動条件が受動的で、能動的に回避できる軽功と比較すると使い辛さが目立つ。
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緊急回避として使うにしても、地上仰け反り出ないと効果が発動できないという制約のキツさで、本来の使用目的としても満足な運用は難しい。
賛否両論点
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無印では多段ヒットするチャージ攻撃において全てのヒットに属性発動の判定が乗るため、特に斬・雷・風属性とこのようなチャージ攻撃の組み合わせが凄まじい破壊力を誇った。だが、他の属性やEX攻撃の存在意義が薄れてしまっていたので、本作では属性付与の技でも割合ダメージが発生する判定が区別され、技毎に1回のみ効果を発揮するように設定された。
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これは捨て属性扱いされた炎属性の武器を救済することになったが、「修羅」難易度での敵武将ですらもチャージがひと通り入れば即死という威力に魅力を覚えていたプレイヤーも多く、変更を惜しむ声もある。
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ただし無印では攻撃力がほぼ意味をなさないぐらい敵が堅い&割合ダメ付き属性が有利すぎるゲームバランスだったため、この変更は妥当だろう。また本作では将軍位の効果もあってプレイヤーの火力が上方修正されており、印「究極武芸」とあわせれば「究極」難易度でも属性効果に頼らなくても良い程度の通常攻撃力は出せる。
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将軍位システムにおいて、最高の第8階級まで取った武将への特典として、新たな衣装「上公衣」を得ることが出来る。しかし、これが通常衣装にマントと兜や王冠などの新たな被り物を加えただけのやっつけ感丸出しのシロモノである。
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武将によってはまさに「取って付けた」ような感じになり、着ないほうがマシな場合も。それなりに似合っている武将もいるので全く価値がないとも言えない。
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無印の記事でも触れられたが、DLCの中に世界観を崩壊しかねないものが存在する。ちなみに猛将伝での追加武器及び新武将が対象のものは無料である。
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こういったネタ武器にも秘蔵武器に相当する能力が存在するため、秘蔵武器獲得挑戦へのモチベーションを奪いかねない。これらも使わなければいいと言えばそれまでだが…。
総評
無印で目立った荒削りな面にある程度のフォローを入れ、ネガつぶしにほぼ成功したという面では大いに評価できる。
しかし、これは無印+猛将伝でようやくひとつのある程度完成されたソフトになったということでもあり、過去作における「無印だけで充分に満足できるが、猛将伝でさらなる満足を得られる」と言う本来のコンセプトからは大幅な後退になってしまった。
単体では内容的に追加シナリオ集の域を出ないボリュームの薄さは、新たなユーザーにはソフト1.8本分の金を出すことを強いて、無印からのユーザーには「やり込み」という名の作業プレイで水増しをしている感が否定できない。
そういう訳で、ユーザーの心情に真摯に応えているソフトとは言いがたい面がある。
ただ、無印の記事でもあった通り、制作側にユーザーの声を拾おうとする態度が垣間見えるところが現状での救いであり、今後の派生作品あるいは完全新作においてそれが結実したものが世にでることを期待されていた。
余談
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後作では上記の「吸収」での反省を活かし、似たような能力でも回復量・発生頻度は比較的抑えられた。
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レジェンドモードの樊城の戦いは『2』のものをリメイクしたもの。その中でも呉軍シナリオの呂蒙とプレイヤー武将の冒頭のやりとりは『2』において戦闘前のムービーで交されたやりとりの踏襲。
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これは『3』までに存在していた一部のイベントムービーにてプレイヤーの全武将それぞれにセリフが用意されていたというギミックの一種であった。
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そういうわけで、樊城の戦いの時点で既にもう死んでいるはずの呂布や董卓などを出したり、本来ならば味方なはずなのにやたらと殺気立っている蜀軍の武将達等が見られる一種のお遊びイベントとして、『2』は勿論、本作の収録でも好評を博している。
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ただし、シリーズにおける武将のキャラクター付けの方向が定まったのが『3』から『4』にかけてであったため、新規収録は勿論本作で交されるやりとりと『2』で交されるやりとりで変化がある武将もおり、中でも大喬は大きく変わっている。
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「殺す」が「倒す」に変わっていたりなど、再収録にあたって細かい点でも違いが在る。また、元々のイベントが雨の降りしきる中で軍馬に乗って樊城に向かっているシーンでのやりとりであるため、それを踏まえておかないと不自然に聞こえるやりとりもある。
最終更新:2022年06月10日 16:48