メダロット カードロボトル カブト/クワガタ
【めだろっとかーどろぼとる かぶと/くわがた】
ジャンル
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カードゲーム
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 裏を見る
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 裏を見る
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対応機種
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ゲームボーイカラー(全GB共通)
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発売元
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イマジニア
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開発元
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ナツメ、トーセ
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発売日
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2000年3月10日
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定価
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3,980円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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元TCGから新規カード追加 もっさりインターフェース リニューアルされたルールは好評
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メダロットシリーズ
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概要
テンキー制作のTCG『メダロット・カードゲーム』を元にしたコンピュータカードゲーム。
本作のオリジナル主人公がカードロボトル大会優勝を目指す。
世界観は『メダロット2』を下敷きにしており、イッキなどをはじめとする『2』のキャラクターも登場する。
世界観・ゲームの流れ
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『メダロット2』の世界観をベースにしており、おみくじ町に住む少年が主人公。
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シリーズで唯一デフォルト名が無く、自らしゃべることがほぼ無いドラクエタイプ。
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『2』の主人公である「天領イッキ」は主人公の実質的なライバルとして登場。
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アリカやコウジといったイッキの友人やロボロボ団等のお馴染みのキャラクターもストーリーに関わる。
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エリアマップから行きたい施設を選択し、様々なメダロッターとカードロボトルすることでシナリオが進む。
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基本的に勝利してポイントを稼ぎ、ランキング順位を上げることで上位のランクアップ試験を受験することが可能になる。
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ランクアップ試験をクリアすると、ランクが上がり次のマップに進める。
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プレイヤーはランクCから始まり、ランクAになることで出場可能な大会での優勝を目指す。
カードの種類・内容に関して
元々のTCGに存在したカードであっても、パーツ能力や効果は変更・調整されているものも存在する。
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パーツカード
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場に出すメダロットを組み立てたり、戦闘中のパーツ交換に使用するカード。
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原作通り頭部・右腕・左腕・脚部の4部位存在し、それぞれに装甲値やパーツ能力が設定されている。
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ゲームのロボトルにはない要素として、戦闘中のパーツ交換を行える『資産・価格』の概念が導入されている。
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『メダロット・カードゲーム』基準のメダロット1の60体(240枚)に加え、メダロット2のメダロット10体(40枚)のゲームオリジナルカードが追加。
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メダルカード
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場に出すスターターメダロットを組み立てるのに必要なカード。
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この部位だけは場に出したら、ゲーム終了までそのままである。
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戦闘中ではメダルと同属性のパーツのアシストをつかさどる。
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『メダロット・カードゲーム』基準の57枚を収録している。
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メダロッターカード
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ロボトル中に場に出すことで、味方の補助や相手への妨害を行うことが出来る。
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『メダロット・カードゲーム』基準のメダロット1のキャラ43枚に加え、メダロット2のキャラ20枚のゲームオリジナルカードが追加。
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その他の基本カード
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パーツやメダロッターカードを使用するために、エネルギーカードを場にだしエネルギーを支払う必要がある。
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格闘症状攻撃の追加効果を与える「エフェクトカード」、条件を満たす時に場に出すことでダメージを0にする「回避カード」が存在。
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プレイヤーはこれらのカードを使って『スターター』と『デッキ』を作成する。
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『スターター』は戦闘に出す2体のメダロット。メダル・各部パーツカード1枚ずつを使って作成する。計10枚。
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セッティングは実際のメダロットシリーズと同じ感覚で編集できる。
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『デッキ』は戦闘中にカードを引く60枚の山札のこと。
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パーツ交換用のパーツカード、メダロッターカード、エネルギーなどの基本カードが含まれる。
カードロボトルに関して
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互いにスターターとデッキを持ち寄って、2体のメダロットを戦わせる。
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脚部タイプの機動値で行動順を決め、数値の高い順からメダロットの行動(=所有者の手番)となる。
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ターン開始時のドロー、エネルギーを場に出したり、ターン終了の手札整理は両プレイヤー同時に行う。
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相手メダロット1体の頭部パーツカードの装甲値を0にして破壊したプレイヤーの勝利となる。
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本作ではロボトルで取引するカードは事前ベット制になっている。
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自分のデッキ・スターターから1枚提出するか、ランダムで1枚にするか選ぶことが出来る。
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勝利すると自分が賭けたカードのレアリティと自分の現ランクに応じたポイントが入手できる。
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このポイント自体が現ランクでのランキングを決め、ブースターパックなどのカード購入の資金となっている。
TCG『メダロット・カードゲーム』との違い
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ルール・呼称の大幅な変更。
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具体的には「エネルギーを場に出す・メダロットの行動順を決める・行動内容に関する」部分が変更。
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大きく簡略化され元のTCGに比べると分かりやすいルールになっている。
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「カードロボトル」のみのゲームオリジナルカードの存在。
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パーツカードはメダロット2からの人気機体が登場しており、強力なレアカードが多い。
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メダロッターカードは本作にも登場する「イッキ」や「アリカ」といった主要人物だけでなく、「マルガリータ」や「フユーンようさい」などの意外なキャラクターが選ばれている。
評価点
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「メダロットらしさ」を再現したTCGとしての特徴。
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集めたパーツでセッティングしたメダロットを戦わせるという原作の要素がそのままTCGとして再現されている。
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漫画やアニメでしか見られない「戦闘中のパーツ交換」が行えるのも本作の特徴の1つ。
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複雑だったTCG版に対し、本作はルールを根底から作り直しており、非常にわかりやすくなっている。
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月並みだがゲーム冒頭ではチュートリアルも導入されている。
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メニュー画面には用語辞典、各地にはカードコンボに関するヒントなども盛り込まれている。
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パーツカード収集における要素の追加。
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パーツカードを4枚集め、メダロット一式をそろえるとその機体のイラストを見ることが出来る。
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元々TCG版には上記のカードだけでなく、「完成体」と呼ばれるメダロットの1枚イラストが描かれたカードが封入されていた。
絵柄はゲームに使用できない「完成体」カードのものを採用している。
また、メダロット2登場のゲームオリジナルカードにも新たに画像が用意されている。
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主人公同士の決戦ということで、イッキ戦に専用BGMが使用されている。
問題点
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カードグラフィックの読み込みに時間がかかり、テンポが悪い。
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そのせいでデッキ編集やロボトル時のカーソル移動が非常に遅く、ストレスが溜まる。
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初代メダロットのメニュー画面還移時やパーツ組み換え時のもたつきに近い。
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本作では、せっかくルール改定によってゲーム自体の煩雑さやテンポの遅さが改善しているのに、それが台無しになってしまっている。
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シナリオ進行のためのフラグがやや分かりにくい。
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ランクアップのために特定メダロッターとのロボトルや、特定人物へのアイテム受け渡しなど。
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ロボトルにおいて低いカードを賭けるメリットがあまりない。
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条件を満たすのは終盤以降になるが、光学攻撃でハメて倒すことができてしまう。
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推進の高いパーツで先手を取る→低コストの光学攻撃で相手の脚部を指定してダメージを与える→脚部にダメージを受けたメダロットはそのターン行動権利を得られない→ずっと俺のターン!
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エネルギーが足りないとハメられない、回避カードを使われる等の確率を考えると100%ではないのだが。
総評
カードゲームとしての体裁はできているものの、システム部分のテンポの悪さが大きく足を引っ張っている。
『メダロットR』のように世界観こそ共有するものの本編とは独立しており、ジャンルの違いもあってファンからもあまり注目されていない作品。
しかし、元のTCGが抱えていた問題点『煩雑なルール』を一から見直すことによって、「様々な能力を持つパーツ・メダル・メダロッターの連携」や「メダロットのカスタマイズ」という、ゲームや漫画・アニメに存在する『メダロット』のフィーチャーをより再現している点は評価したい。
余談
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マップチップや歩行グラフィックなどは『メダロット2』のものだが、フェイスグラフィックは本作新規のもの。
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BGMも『2』のものが一部使われているが、従来シリーズと比較すると音源自体が別物。
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フォントや画面構成が異なることもあり、ナツメ開発の本編GB作品とは違う本作独自の雰囲気が漂う。
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当時の出荷数が多すぎたのか、メインとジャンルが違うのもあって近年値上がりしつつあるDS以前のメダロットシリーズの中古価格の中でも、このタイトルのみ100円前後の相場を保っている。
最終更新:2023年03月10日 19:43