快傑ヤンチャ丸
【かいけつやんちゃまる】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | アーケード | 
| 発売・開発元 | アイレム | 
| 稼働開始日 | 1986年12月 | 
| 配信 | アーケードアーカイブス 【Switch/PS4】2018年1月25日/762円
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| 判定 | なし | 
| ポイント | コミカル忍者時代劇アクション ボスを攻撃すると武器を落としてしまう危機
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概要
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1986年にてアイレム(現:アイレムソフトウェアエンジニアリング)からリリースされたアーケードゲーム。ジャンルとしては横スクロールアクションに該当する。
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忍者であるヤンチャ丸を操作し、愛用の刀を武器に風鈴城をのっとった妖怪軍団どもを蹴散らしていくというストーリー設定。
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1~2人交互プレイ可能。全8ステージ構成。
主なルール
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オーソドックスなアクションゲームである。
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右方向にヤンチャ丸を進ませればボス戦となり、そいつを倒して出現する巻物を取ればステージクリアとなる。
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巻物を攻撃すると稀に1UPアイテムが出現する場合があるので見逃がさずに攻撃しておきたい。
 
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各ステージの画面下には漢数字が表示されており、ヤンチャ丸を進めると「十 → 九 → 八 → ~」といった具合で数値が減少する。漢数字が「一」の状態になるとボス戦である事を意味する。
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同じく各ステージは制限時間があり、これが0になるとミスとなってしまう。
 
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使用コントローラーはレバーと2ボタン(攻撃ボタンとジャンプボタン)を使用する。
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レバー左右…左右移動。
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レバー下…しゃがみ動作。
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攻撃ボタン…くるくると刃を回す様な刀攻撃を行う。
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立ち時、しゃがみ時、ジャンプ時共に攻撃は可能だが、しゃがみ時で攻撃すると立ち攻撃となる(しゃがみ時の攻撃モーションは存在しない)。
 
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ジャンプボタン…ジャンプ動作。
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ジャンプ力は常に一定だが、ジャンプ中の移動制御は微小に可能。
 
 
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ボス戦についての特徴。
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本作のボスに攻撃を当てると、刀が吹っ飛んでしまい画面内のどこかに落ちてしまう。
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刀を落としてしまうとヤンチャ丸の攻撃手段が完全に絶たれてしまい攻撃不能となる。
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攻撃を再開するにはヤンチャ丸を落ちた刀の場所に触れて拾わせる必要がある。
 もちろん、刀を持たないヤンチャ丸に対しても容赦なくボスは襲い掛かってくるので、ボスの攻撃を避けながら刀を拾わないといけない。
 
 
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アイテムに関して。
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主に道中戦において、一部の敵を倒すか、道端に落ちているアイテムを取得すると以下の効果が得られる。
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「鈴(手裏剣)」…一定時間、攻撃を行うと飛び道具である手裏剣が放てる様になる。
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「鈴(鉄球)」…一定時間、ヤンチャ丸の周りに鉄球のバリアが付く。
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「小判」…スコアアップの効果。
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「1UP」…1UPの効果。道中戦では出現しない。
 
 
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戻り復活の残機制となっている(コンティニュー可能)。
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ミス条件は「ヤンチャ丸が敵や攻撃に触れる」「落とし穴に落ちる」「制限時間が0になる」のいずれかである。
 
評価点
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コミカルさを重視したゲームデザイン。
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ヤンチャ丸や妖怪軍団のキャラデザインは二頭身基準のコミカル調で描かれているが、媚を売っている様な甘ったるさは皆無でちゃんと時代劇っぽさは上手く表現できている。
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キャラの個性もなかなかのものであり、格別に派手な外観ではないものの愛着が沸いてくる面子が勢揃いしている。
 
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何気に演出が細かい一面も魅せる作品である。
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オープニングデモにて「"助けて候"と書かれた巻物を発見したヤンチャ丸が道場の障子を突き破って出撃する」という熱いシーンが拝める。
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ステージ内の敵を攻撃すると画面端に吹っ飛ばされる様が豪快で気持ちいい。「刀で攻撃しているのに何で吹っ飛ぶのか」なんて突っ込みは野暮だと思うので気にしない方針で。
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ボスに攻撃すると苦しそうな表情と共に「うっ」という噴出しが表示される演出が味わい深い。
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ステージをクリアすると「おみごとっ!」という巻物表示がされ、してやったぜという気分が味わえる。
 
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名曲揃いのBGM。
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コミカルで明るい曲調でありながらも、時代劇活劇のゲーム内容とぴったりマッチしたBGMの数々も評価は高い傾向にある。
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リリース時期の事情もあるが、楽曲が少なく同じステージでも同じBGMが使い回されるのが物足りないところだが…。
 
 
賛否両論点
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ごく平凡なアクションゲームである。
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「先に進んでボスを倒していけばステージクリア」という現在までのアクションゲームとしては星の数程に見かけるタイプのゲームとなっている。
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全体的にそつなく作られているというべき作品であり、これといった粗もなければカリスマ的ものもない平凡な内容というべきか。
 
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1ステージあたりの構造が短くテンポ良くさくさくと進める軽快さは嬉しいところ。逆にいえばさっぱりと進めすぎてしまう節もあるが…。
 
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ごく普通の難易度である。
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アイレム製としては比較的敵の攻撃が大人しい部類の難易度であり、多少の覚え要素も絡んではくるが死ぬ程の理不尽さはない。
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よって、何度もやり込んでいけば1コインクリアは可能で、それなりの腕前があればエンディングを拝むのは難しくないと思われる。
 
 
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刀を落としてしまう危機。
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本作のおけるボス戦における「刀を落とすと丸腰になり危険を伴う」というシステムは割と画期的。
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ボスはどいつもヤンチャ丸よりも一回りごつい面子ばかりであり、「確かにこんなのに攻撃すれば刀が吹っ飛んでしまうわな…」という説得力がある。
 
 
問題点
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グラフィックやサウンドといった演出面が古臭い
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1986年といえば、ファンタジーゾーン、ダライアス、沙羅曼蛇や源平討魔伝といった派手なグラフィックやサウンドを売りにした製品が話題になっていた時代である。
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しかしこの時期に同時発色16色、PSG音源が基本のM62基板では、演出面で後れを取るのは否めなかった。アニメーションの滑らかさや、音声合成用目的であったPCM音源をドラムパートに活用するなど、まさに「ハードの限界」に挑んでいたもの、販売面で大きく苦戦した模様。
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ただその御蔭でファミコンへの移植がスムーズに進み、後のシリーズ展開に繋がった一面もある。
 
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ゲーメスト編集部にアイレムより「自信作ができたので取材に来てほしい」と連絡があり、駆け付けてみると出されたのが本作でありガッカリしたという逸話がある。
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ハードの力不足はアイレムも認識していた様で、この時期には次世代のM72基板の開発を進めていた模様。それはR-TYPEとして結実する。
 
総評
特に絶大な支持がされている程のものではないが、ゲームとしてはごく普通かつ丁寧に作られた佳作であり、プレイのしやすさという意味では優秀な作品である。
その後の展開
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アーケードそのままの家庭用移植はファミコンのみに長らく留まっていたが、家庭用オリジナルの関連作が3作発売されている。
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2018年にはSwitchとPS4でアーケードアーカイブスとして配信された。
 
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ゲームボーイの『元祖!! ヤンチャ丸』はベースは初代だが結構なアレンジがなされている。ゲームそのものの出来は悪くなく、概ね上々の評価を得ている。
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また、『快傑ヤンチャ丸2 からくりランド』及び『快傑ヤンチャ丸3 対決!ゾウリンゲン』というファミコンオリジナルの続編が存在する。
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『2』はボスを攻撃しても刀を落とさなくなったり、動物に変身する術が使えたりと、ヤンチャ丸の成長ぶりが窺える。
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『3』は刀ではなく棒術によるアクションがメイン。棒高跳びのようにジャンプしたり、壁を叩いて反動で跳ねるなどアクション性が強くなった。
 
 
家庭用移植
発売元はアイレム
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ファミリーコンピュータ版(1987年9月26日)
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当時の基準としては高い移植度を持っており、その評価は高い模様。移植担当はトーセ。NES版『Kid Niki』はデータイーストから発売。
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BGMはFCへの移植に伴いドラムパートが追加された物に変更されていて、AC版の時点で評判の良かった楽曲群も更に高い評価を得る事になった。
 
最終更新:2022年12月21日 12:58