スカイランサー
【すかいらんさー】
ジャンル
|
シューティング
|
|
対応機種
|
アーケード
|
発売
|
ESCO
|
開発元
|
オルカ
|
稼働開始日
|
1983年7月
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
アーケード史上初のロボゲー 前後撃ち分けシューティングのルーツ? 凶悪速度な敵編隊の恐怖
|
概要
-
1983年にてかつて存在していたメーカーであるオルカからリリースされたアーケードゲーム。ゲームジャンルは下方向への横視線縦スクロールシューティングに該当する。
-
開発元のオルカは今作がリリースされる1か月前の1983年6月20日に倒産してしまっており、その関係なのかESCOからの発売となた。
-
宇宙を舞台にロボット型の自機を操作し、迫り来る敵共を破壊していく設定である。
特徴
-
画面中央部に自機を設置し、その上下だけが行動範囲となっているのが大きな特徴の作品。
-
ゲーム的にはインベーダーライクだが、前方と後方の双方に敵が迫ってくる様が従来のインベーダーにはない緊張感を持っている。
主なルール
-
操作方法。
-
本作はレバーと1ボタンでの操作となる。
-
レバー上下で自機の上下移動。
-
レバー左右で自機の向きを前後調整。
-
ボタンでレーザー(ショット)攻撃を撃つ。
-
自機の移動範囲について。
-
本作の自機の移動範囲は画面中央部の上下のみとなっている。
-
前後移動は一切できず、常に上下のみの操作となる為、従来のシューティングに比べると敵や敵弾を避ける行動が大幅に限られてしまう。
-
敵は自機の前方後方を問わずに出現してくるので、片方だけの方向に集中していると危険な目に遭いやすい。
-
自機は前後の向きを変え、2方面へのレーザー撃ち分けができる。
-
これを利用して前後から迫る敵どもを撃ち落さなければ、確実に己の命が縮むのはいうまでもないだろう。
-
また、レーザー攻撃を連続して撃つと、攻撃と攻撃の間に若干の隙間が発生する。よって、ただ連打するだけでは隙間中に敵の突進などをもらってミスしやすいので要注意。
-
ステージ内容とクリア条件について。
-
メインステージは下方向へスクロールしながらも、様々な雑魚敵が自機に襲い掛かってくる。
-
雑魚敵の多くは「編隊を組み自機に突進してくる」タイプが中心となる。それ以外にはミサイル攻撃を仕掛けてくる砲台も登場する。
-
インベーダー系とは違い、雑魚はすべて倒す必要ななく、あえて破壊せずにかわし続けてもゲーム進行に問題はない(出現した敵は倒さないと逃げていく)。
-
ステージ内の雑魚敵がすべて出現させると、ボスに該当する敵ロボットが出現する。
こいつを倒せばステージクリアだが、一定時間経過しても倒せないと逃走し、どの道クリアとなる(もちろん、倒さないとボス撃破のスコアは入手できない)。
-
ステージ3とその4の倍数ステージはボーナス面となっている。
-
このステージではミス要因はなく、編隊雑魚敵が何回が出現するだけに留まる。
-
また、このステージでは上下移動が封じられる。よって、前後調整とレーザー攻撃だけ自機を操作しなければならない。
-
ミス条件について。
-
従来のシューティング同様、「自機が敵に衝突したり、敵の攻撃を喰らうと」ミスとなる。残機制でミス後は戻り復活となる。
-
残機をすべて失うとゲームオーバー。当時の仕様に違わず、コンティニューは搭載されていない。
評価点
-
アーケードでは初となるロボゲー
-
今作は数あるロボットを題材としたゲームの中でも最古に当たる作品の一つ。
-
厳密には、今作の稼働より少し前に家庭用ハードのアルカディアで『機動戦士ガンダム』が発売されていたのだが、同作の数か月後に登場した今作は「アーケードでは」初となる存在。
-
その様な事からなのか、ロボゲーの歴史が書かれているサイトなどでは、年表の先頭の方で名前が挙げられている事が多い。
-
グラフィックの書き込みはしっかりとしており、自機のロボットのデザインがなかなかかっこよく描かれている。
-
近い時期に登場した上記『ガンダム』はタイトルこそ原作を忠実に再現したデザインになっているのだが、実際のゲーム画面では当時の家庭用ハードらしくグラフィックのレベルは非常に低い。
対して今作は上述の通り、当時のアーケードらしく、しっかりとしたグラフィックになっている。
このため、『ガンダム』では実現しなかった、「まるでアニメの様なグラフィックのロボットを自分の手で操作できるゲーム」として評判になった。
-
1983年当時のアーケードゲームとしては斬新なシステム
-
今作特有の下方向に進んでいくスクロール形式は、1983年当時としては非常に斬新に映っているが、そもそも下スクロールを採用したゲームは現在でも少なく、その意味でもレアと言っても良いだろう。
-
今作の自機は主に雑魚敵を貫通するレーザーをメインの攻撃として使用するのだが、今作は1985年にコナミから『グラディウス』が発売される約2年前にリリースされた事から、過去のオルカ作品同様に時代を先取ったシステムと言えなくもない。
-
自機を左右方向調整させて撃ち分けるシューティングは後に『セクションZ』や『サイドアーム』(共にカプコン)が採用しているが、本作はそのシステムを先取りしていたルーツ的な存在となっている。
賛否両論点
-
これといったBGMが収録されていない。
-
しかしながら、逆に「静寂な空間の中で自機のレーザー音と敵が破壊される音が交互に繰り返される様が小気味良い」と感じるプレイヤーも。
問題点
-
難易度がかなり高い。
-
雑魚敵の編隊が「変則的に動き、恐ろしい勢いでこちらに突進してくる」という凶悪さであるが故に、慣れていないと「訳の分からないままミス連発」なんてことがザラにある。
-
本作は縦画面表示なので自機前後の視野がかなり確認し辛く、さらには敵編隊の動きを感知できる予備動作なんてものもないのが難易度の高さに拍車をかけている。
-
その為、アドリブで攻略するのは相当困難であり、敵編隊の行動パターンを頭に叩き込む覚え要素が必要不可欠であろう。
砲台や敵ロボットも破壊しようとすると脅威の強さだが、回避に徹していけば引き分けに持ち越せる程度の強さに留まっており、このゲームにおける脅威はほぼ敵編隊に集中している。
-
全面通して黒背景一色で外観の変化に乏しい。
総評
ガンプラの発売により『機動戦士ガンダム』が大人気になった事を発端とする80年代前半のリアルロボットブームの最中に登場した、アニメさながらのデザインのリアルロボットを操れるシューティングゲーム。
画期的なキャラクター性に加えて、当時としては斬新な試みを多く行っている作品でもあるのだが、
反面、硬派なゲーム性で賛否が分かれる結果になってしまった。
余談
-
今作の発売からわずか半年後の1983年12月には、今作同様のリアルロボットを題材にした『バスター』(発売元・セサミジャパン(藤興産))が稼働開始した。ちなみに同作の稼働と同時に開発チームが解散する事になった。
-
ちなみにwikipediaによると、今作から『バスター』までの間は3作もロボットを題材にした作品が連続でリリースされていた。
最終更新:2025年06月08日 01:47