SWITCH
【すいっち】
| ジャンル | ギャグベンチャー(ギャグ+アドベンチャー) |  
 | 
| 対応機種 | メガCD | 
| メディア | CD-ROM 1枚 | 
| 発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | 
| 発売日 | 1993年4月23日 | 
| 定価 | 8,800円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 周辺機器 | セガマウス対応 | 
| 判定 | バカゲー | 
| ポイント | 大真面目に作られた脱力ギャグ | 
 
ストーリー
すべての 機械が狂った。
スイッチと コンピューターを 結ぶ回路が狂い、
世界はデタラメに なった。
このままでは テレビゲームも できない。
この異常事態を 正常に戻す為に
特別のゲームソフト 『スイッチ』が
開発された。
(OPデモより引用)
概要
原因はよくわからないが世界中のメカというメカの機構が狂ってしまったので、元凶であるマザーコンピュータの元へ向かうというストーリーのクリックADV。「画面に表示されるスイッチを押す」操作のみでゲームを進める。
企画原案の段階から「劇団ワハハ本舗」が大きく制作に関わっており、同劇団所属の芸人たちも声優としてスタッフに名を連ねている。
システム
- 
プレイヤーは画面に表示されるスイッチから1つを選んで押す。
- 
スイッチを押すと、大半は「別のステージに移動する」「一発ネタが発生する(その後選択し直し)」のいずれかの反応が表れる。
- 
ステージごとのつながりは、最終目的地であるマザーコンピュータへ向かって自然と収束するようにできている。
 
- 
「モニュメント爆破スイッチ」という恐ろしいスイッチが、全部で30個ほど紛れている。これを誤って押してしまうと、世界各地の文化遺産や有名建築や善意の一般人のお宅などが大破するシーンが表示され、20個押してしまうとゲームオーバー。
- 
だが前述の通り、普通に遊んでいれば自然とゴールにたどり着く設計のため、意図的にメモして狙わない限りモニュメントを20個破壊する方が難しい。
- 
このほか、押すと一発アウトの「強制ゲームオーバースイッチ」も存在する。
 
- 
スイッチの配置は固定であり、同じステージの同じスイッチを押したら必ず同じ結果が表れる。
- 
ただし、モニュメント爆破スイッチは一度押すと×印が付き、以降モニュメント爆破数が20個に到達してゲームオーバーになるまで押せなくなる。
 
- 
セガマウス対応。
特徴・評価点?
- 
本作収録のSEはほとんどが声帯模写の生ボイスである。SE吹き替えを担当したのはケント・フリック氏。
- 
メガCDの性能と容量を活かした大量の音声と絵が用意されている。気合が入っているのかふざけているのか、ステージに配置されたスイッチの半分以上が、画面に変化が表れるネタスイッチ。
- 
例えば「エレベーター前でスイッチを押すと、頭上からリアルなモアイが降って来て押し潰される」など。
- 
正解を探して攻略するというよりは、ハズレスイッチを押して変なリアクションを眺める方が本分と言える。
 
- 
ゲロネタ大好き。ステージに置かれているもののどこかしらのフタが開いて、生々しいボイスと共に…というパターンは、本作のお約束ギャグとしてOPからトバしてくる。
 
- 
その他、スイッチ以外でも画面上の特定の場所を押すと隠れキャラが飛び出すことがある。しかもご丁寧にもエンディング到達時に見つけた隠れキャラクターの個数まで出てくる。当然のことながら達成数によってその時のビジュアルも変わる。
その他の小ネタ
- 
スイッチ達成率はゲームオーバーになったりゲームをクリアして周回プレイを繰り返しても蓄積されるが、実は99%が最高値であり、絶対に100%にならない。これは本当に「仕様です」というギャグである。
- 
起動音の「せーがー」の部分でも一発ネタを披露してくれる。笑える保証はしないが。
- 
マニュアルのセンスもどこか狂っている。中でもマニュアル内での本編登場キャラの悪魔のこのソフトへの自虐ぶりはある意味すがすがしいほど。
問題点
- 
以上のような作風のため、合わない人にはとことん合わない。
- 
もっとも、このソフトを購入する人は十中八九こういうのを求めていると思われるので些細な問題かもしれないが。
 
- 
一発ネタのバリエーションがあまり多くないので、ネタに飽きると単にボタンを押すだけの作業ゲーになる。
- 
適当にボタンを押しているだけどステージ間をループしていつまでもゲームが終わらない。
総評
評価点や問題点という形での線引きができない確信的バカゲー。くだらない世界観、くだらないジョークを素直に「くだらない」と受け止められるか、「くだらなすぎる」と切って捨てるか。正直クソゲーすれすれの存在と言える。
しかし作り自体はいたってマジメであり、適当な仕事をした結果こうなった訳ではない。例えば50音表に対応した50個ものスイッチが配置されたステージを見れば、本作の本気ぶりはわかるだろう(もっとも、スイッチを押すと結局脱力する事に変わりはないが)。
こういったゆる路線全力投球の作品の存在が許されていたセガハードの土壌は、やはり特殊というか、ある種異様であったことを象徴するような一本である。
余談
- 
本作のグラフィックデザイン助っ人には星野一幸が参加している。
- 
どういうわけか2002年8月29日にPS2に移植された。
- 
しかし発売時期があの9.11の翌年だったためか、モニュメント破壊スイッチの演出に変更が加えられてしまい、ターゲットとなった建物がう○こ塗れになるという笑うに笑えないお寒いギャグになってしまった。
 
最終更新:2025年06月15日 18:20