バイトヘル2000

【ばいとへるにせん】

ジャンル ポケット・ゲームセンター
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日 2005年12月22日
定価 4,800円(税別)
廉価版 UMD版:2,800円(税別)(2006年8月3日~)
ダウンロード版:1,800円(2009年9月24日~)
UMD版:1,800円(税別)/ダウンロード版:1,400円(2012年11月1日~)
判定 バカゲー
ポイント くだらないのに、やめられない


概要

電気グルーヴがプロデュースしたかの自称クソゲー『グルーヴ地獄V』の続編として制作されたミニゲーム&ツール集。
前作のミニゲーム部分を担当したピエール瀧氏が今作もプロデュースを行っている。

「バイト」と呼ばれるミニゲームで稼いだお金を使ってガチャガチャを回し、新たなバイトやドウグ(実用ツール)を手に入れていく。まさにバイトヘル。
前作の『グルーヴ地獄V』はミニゲームで音を集めるというものだったが、本作では音楽要素は無くなった。 また、本作は北米版も『WTF(Work Time Fun)』のタイトルで発売されている。*1

相変わらずのことながらゲームとして面白くすることを放棄したネタ重視のバイトもあれば、単体でもある程度はまれるミニゲームとして良質なバイトもある。
どれも演出がネタの塊であり、アイデアだけでも面白い。
以下に、そのバイトやドウグの一部を紹介する。

ドウグ

    • 名前の通り、様々なキャラの目の部分だけを表示する。自分の目と比べたり、お面がわりにして遊ぶのが正しい使い方らしい。
  • ラーメンタイマー
    • ムキムキのオッサンや、色々と微妙な水着の女の子がカップラーメンができるまでの暇を潰してくれる。
    • 一部のカップ麺に合わせて、4分や5分にも対応している。
  • フィーリングパートナー5X5
    • カップルの相性を確かめることができるドウグ。男女5人ずつ5組まで指定できる。合コンなどにどうぞ。

バイト

バイト(ミニゲーム)は全40種(通信プレイ専用のバイト5種を含む)。
『グルーヴ地獄V』から続投しているミニゲームにはタイトルに「2」が付いており、前作を知らない購入者は少し戸惑うだろう。
それぞれのバイトにはいわゆる実績にあたる「ショウゴウ」(称号)も存在しており、一定の条件で達成できる(ボーナスなどは特にない)。

  • ボールペン工場2
    • 前作グルーヴ地獄Vのミニゲームであった「ボールペンコウジョウ」を踏襲。名前の通り、延々と流れてくるボールペンの本体にキャップをかぶせて商品化していくだけのゲーム。
    • 嵌める→送る→嵌める→送る…の繰り返し。たまに上下逆になったボールペンが来るので、その場合はひっくり返す。単純労働にも程があるが、時間制限がないので稼ごうと思えばかなり稼げる。
    • ちなみに今回の工場は中国で、画面上には中国語の書かれた幕が張られており、従業員のおばさんがボソボソと中国語で話す声も聞こえる。
  • 地獄!!!1000本ノック
    • 本当に1000本ノックをやらされるミニゲーム。『ファミスタ』っぽいドットグラフィックが特徴。
    • 言うまでもなく、かなり根気が必要。100本捕球するごとに全回復するが、それまでに3回ミスすると終了。
    • たまに変化球を打ってくるので油断出来ない。
    • 定期的に、少年が転がったサッカーボールを取りにきたりUFOが現れたりして集中力がかき乱される。
      • 当たり判定は全くないので物理的に邪魔にはならないのだが、視覚的なうざったさにイライラさせられること間違いなし。
  • 地引き網
    • ゲームを開始すると漁師が現れ、集合時間を指定してくる。プレイヤーは集合時間まで、実時間で実際に待たなければならない
      • 時間指定は漁師のランクにより、数分後~数時間後まで様々。
    • なお、PSPやPSVitaのスリープ機能は無効。電源は付けっぱなしにしておかないと時間は経過しない。(PSP goは有効である模様)
    • 時間になったら漁師が現れ、ミニゲーム開始。20秒以内に反応しないと待ち合わせをすっぽかしたことになり失敗、もちろん報酬は1円も貰えない。
      • それほど確率は高くないが、時間になっても「雨が降ってきたので中止にしよう」と言われ、強制的に失敗になることがある
    • ミニゲーム自体は、スティックをグルグル回すだけの単純なもの。ほとんど待つことがメインで、ミニゲーム自体は単なるおまけに近い存在である。
    • 引き上げた海産物の金額に応じて報酬が貰える。宝箱や玉手箱などを引き上げてボーナスがついたり、幽霊船や産業廃棄物などを引き上げてしまい報酬が減額されたりする
    • 待つ時間も含めると単位時間あたりの金額は微妙ではあるが、一度に多額の報酬が貰えるチャンスではある。
      • 特に時折現れる伝説の漁師は、本当の漁師が活動するような時間を指定してくる代わりに高額の報酬が期待出来る。
  • みんなのGOLF場ボール拾い
    • 言うまでもなく、同じくSCEのゲーム『みんなのGOLF』シリーズのパロディ。ちなみに同シリーズのデベロッパーであるクラップハンズもこっそり開発に協力しているためか、タイトルロゴやBGMは本家のものが使われている。
    • ひたすら落ちているゴルフボールを拾い集めるだけのゲームである。報酬は1個たったの3円、10個セットにしてようやくボーナス込みで80円。
    • おまけに地面をアップにした視点になっており、画面は芝生で緑一色。たまにバンカー。
      • 単調極まりない画面を動かしてひたすらゴルフボールを追い求める様は、元ネタとの対比もあいまって非常にせつなさが漂う。
    • 普通のゴルフボールのほか、たまに絵柄付きのボールも落ちている*2どう見てもドラゴンボールなボールも混じっている
    • ゴルフ場にはボールの他にも色々なものが落ちているが、殆どがただのゴミなので拾っても報酬は1円も増えない。
      • たまにお金も落ちており、こちらはネコババして懐に入れられるが、大抵の場合1円や10円程度なので大した儲けにはならない。
      • バンカーにはゴルフボールに混じって、なぜか稀にウミガメの卵(拾うと1000円)も落ちている。ただしゴルフボールと似ているので見分けにくく、おまけにうっかりスルーしてしまうと割れてしまい、戻ってきても入手できなくなるため慎重さも要求される嫌らしさ。

評価点

  • バカバカしいものから本格的にやり込めるゲームまで、豊富なミニゲームが潤沢に揃っている。
    • 前述したが演出のネタがよくできており、演出だけでも面白いものが多い。
    • パロディネタも多数。楽曲や効果音関連のパロディは思わず吹いてしまってもおかしくない。
    • 画面のタッチなどもそれぞれ異なり、それぞれのバイトが独特の雰囲気を持っている。
    • クリア型のバイトは難易度が全体的に高い。「地獄!!!1000本ノック」「スラ仏百人組手」「魔王」などは、クリアするだけでも十分賞賛に値する
  • なぜか遊び続けてしまう中毒要素。
    • だらだらと遊べる継続型バイト、手軽に遊べる短いバイト、クリアできるかの緊張感がある長いバイトと色々揃っているためプレイにメリハリがある。
    • 「ショウゴウ」の存在もあって、そのゲームを極めるまでやり尽くしたいと思わせてくれる。
  • 全体的にレトロな雰囲気作り。
    • カタカナのシステムメッセージやバイトの入手手段であるガチャガチャ、一部のドット演出などが懐かしさを感じさせる。
  • バイトやドウグを出すためのガチャガチャからは、「ハズレ」として特に意味のない様々なアイテムも出てくる。
    • 全448種と非常に大量の数が用意されており、ハズレリストに登録されるためコレクションとして楽しむことができる。
    • こちらも何らかのパロディになっているものが多く、ハズレリストから見られる説明文も面白い。

賛否両論点

  • ゲームの構造上、人によって向き不向きが大きい。
    • だらだらと遊ぶようなゲームが好きでない人にはあまり合わないだろう。
  • 稼げるバイトとそうでないバイトにかなりばらつきがある。難易度と賃金が全く釣り合っていないものも多い。
    • 「受粉」が慣れれば分給数百円~1000円以上になるのに対し、「アニマル調査団」は数十秒かかる1回のプレイにつき30円しか貰えないなど。
    • もっとも、お金を稼ぐ専用のバイトとも言える「心霊写真鑑定人2」の登場後は、お金がなかなか貯まらないということはほとんど無くなる。その後は報酬に拘らず好きなバイトをする選択肢も出てくるので、あまり問題はなかったりする。

問題点

  • 獲得した「ショウゴウ」が確認しづらく、おまけに未獲得のショウゴウの数や条件が全く分からないためモチベーションの要因になりにくい。
    • ショウゴウの確認欄ではバイトを問わず獲得したものが獲得時系列順に縦にずらっと表示されるだけでかなり見づらく、個別のバイト別などに並べ替えたりすることはできない。
    • ショウゴウ自体ただの実績なので報酬と言えるものは基本的になく、困難な条件を満たした割にはいまいち物足りない。
  • 特定のショウゴウを獲得しないと出現しないハズレアイテムが存在しており、ハズレアイテムコンプリートの大きな障害になる。
    • 「まき割り」300本や「ひよこ鑑定」における全レアひよこ制覇など、莫大な精神力や根気が必要で、獲得が極めて困難なショウゴウを必要とするものも多い。
    • 通信プレイ専用のバイトである「イタコセッション」「YAJIKITA」などのショウゴウを必要とするハズレアイテムもあるので、絶対に1人プレイでのコンプリートは不可能である。
      • 他のプレイヤーとハズレアイテムを交換する機能もあるが、どちらにしろ通信プレイ必須となる。
    • ハズレアイテムのコンプリートなどおまけの中のおまけではあるが、やはり相当やりこんでもリストにポツポツと空欄ができるのは快く思えないプレイヤーも多いだろう。

総評

多数のくだらないバイトやドウグをごった煮のように詰め込んでおり、それぞれに独特の演出が込められている。
完全な作業ゲーのバイトや、実用性の低いドウグもそれなりに手を入れられて作られている様は見ていて清々しい。
無論全てがそういったものではなく、やり込みや攻略を意識した一部のバイトに延々とハマってしまう中毒者も生んでいる。

インパクトを重視したことで純粋な意味での完成度は二の次になっている部分も若干あるものの、多数のミニゲームを一つずつ見ていくだけでも楽しい。
万人が認める名作という訳ではないが、こういうゲームを1度はやっておきたいと言える作品である。しかし下述の事件が発生したことにより、今後プレイが困難になることが想定される。


余談

  • バイトの一つ「デモ行進」は、後にPS3で発売されたゲーム『The Last Guy』の原型となっている。
  • プロデュースを担当したピエール瀧は、2019年3月12日にコカインを使用していたとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕されている。報道によると、20代のころからコカインや大麻を使用していたと供述しているため、これが事実ならば本作や『グルーヴ地獄V』の開発時期は薬物使用期間と重複することになる。
    • これらのような突拍子もない作品が生まれたのも薬物の影響なのかは定かではないが、ピエールの逮捕により、彼が音楽、俳優などで関わった作品に放送自粛、回収などの動きが広まっている。ゲーム作品も例外ではなく、すでにセガ・ゲームスでは彼が携わったゲーム作品の自粛を発表しており、他にもこれらの影響が及ぶ可能性がある。