The Legend of Heroes I&II 英雄伝説
【ざ れじぇんど おぶ ひーろーず わんあんどつー えいゆうでんせつ】
ジャンル
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ロールプレイングゲーム
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対応機種
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プレイステーション セガサターン
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発売・開発元
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GMF(亜土電子工業)
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発売日
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【PS】1998年6月25日 【SS】1998年9月23日
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定価
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【PS】5,800円 【SS】6,800円(共に税別)
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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英雄伝説I・IIのカップリング移植 完全移植の割にとにかく半端…どころか劣化
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ドラゴンスレイヤー&英雄伝説シリーズ
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概要
日本ファルコムの看板RPG・英雄伝説シリーズの原点『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』『同II』のカップリング移植作品。
問題点
完全移植を謳いつつもあらゆる点が半端。それどころか悪化している。
問題点(共通)
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オリジナル再現にこだわった画面構成だが、不完全な再現のために古臭さを感じてしまう。
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先に発売されたWin『新 英雄伝説』を参考にすればよかったのだが……。
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「第○章」の表記が無駄に大きい。
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BGMがせっかくの生音なのにPCEと比べて劣化。ホームセンターでかかっていそうなだるい雰囲気のアレンジばかり。
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味方側の補助呪文の効果の判定が滅茶苦茶。
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特にオリジナルでは失敗時に「しかし何も起こらなかった」(ただの失敗で効く可能性があるということ)、「しかし○○には効かなかった」(完全に無効)の様に判定されるが、何と本作では両方共同じ意味とみなされており、逆に効く場合は絶対に効いてしまう。
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カーソルのキーレスポンスが過敏。普通に入力したつもりでも行き過ぎてしまうことが多く、ストレスが溜まる。
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毒状態になった後も普通に動けてしまう。
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オリジナルにおいては、1~3ターン目の「○○は毒がまわってきた。」の間は普通に動けるが、4ターン目になると「○○はしびれてしまった!!」となり動けなくなり、次のターンで気絶する。
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使わないボタンが大量にある(方向キー以外は○・×またはA・Bしか使わない)。PC98やSFC版の様な一発コマンド呼び出しもできない。
問題点(Iのみ)
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一部のモンスターが削除。この所為で序盤からバランスが悪化。
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例えば1章では「キャリオンクローラー」の削除の為に、レベルが不十分なうちからそれより上の強さの「ヤマネコ」に戦いを挑まされる。
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ニルギド城(ラストダンジョン)は「ニルギド城」「ギーラの道」「バゼルの塔」「バーニス城」の4区画で構成されており、オリジナルではそれぞれに一度でも到達すれば、移動呪文「ワプ2」で行けるようになるが、本作ではニルギド城にしか行けない。
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終いにはIのラスボス戦で反射呪文「リパーク」を使って即死呪文を跳ね返すだけで一撃で倒せてしまう。
問題点(IIのみ)
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IIの地下世界ダンジョンのMAP構成がオリジナルと違う。SFC版の様に簡略化されているわけでもない。ただ単に構造が若干違うだけ。
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確かにこのダンジョンは、多くのプレイヤーの心をへし折ったことでも有名。しかし「完全移植」という看板を掲げてしまっており、変えることが許されない以上、立派な宣伝詐欺である。
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曲は多くが削除され、Iの使い回しばかりに。
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戦闘BGMが地上が「スライムいじめ」、地下が「ストッパー」で統一されており通常ザコ戦の曲は削除。
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ストッパーはプレイヤー間で名曲と言われているが、もともとはボス戦の音楽。何よりこちらもアレンジが微妙。
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章間デモシーンもBGMが削除されており、雰囲気を損ねている。
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呪文カプセルの回復が、ゲージ上昇ではなく色の変化によって表現されているが、SEが削除された為判別し辛い。
評価点
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カーソルの反応の悪さに耐えられれば、遊べないという訳でもないレベル。
総評
とにかくあらゆる部分で作りの甘さが目立つ作品。PCE版より性能が優れる32ビット機で製作発売したのに、何故こうなるのか首を傾げざるを得ない。
推測だが、一枚に纏めようとした結果、作業量の増加で削られてしまったのではないかと思われる。
余談
I・IIを手軽に楽しむならバーチャルコンソールでPCE版のIやMD版のI・IIが遊べるので、そちらがいいだろう。
特にPCEはIIが無いのは残念だが(今後配信される可能性はある)、ハード性能が劣っていても内容の豪華さなら遥かに上回っているのでオススメ。
又、オリジナルにこだわるならProject EGGでPC版(88・98・MSX2)を遊ぶのも良いかも知れない(月額会費を支払う必要があるのでVCと比べると割高だが)。
最終更新:2021年07月02日 06:13