メタルマックス2改
【めたるまっくすつーかい】
| ジャンル | ロールプレイングゲーム |  
 | 
| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 32MbitROMカートリッジ | 
| 発売・開発元 | ナウプロダクション | 
| 発売日 | 2003年6月20日 | 
| 定価 | 4,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| 劣化ゲー | 
| ポイント | メタルマックス2改悪 仕様変更では済まない劣化っぷり
 大量のバグと不具合
 埋蔵アイテムがどこかへ行った
 再現度の低いBGM
 ソフトごとまるやきにしてくれるわ! がががー!
 | 
| メタルマックスシリーズ | 
 
概要
隠れた名作としてコアな人気を誇るスーパーファミコン用ソフト『メタルマックス2』に追加要素を加え、ゲームボーイアドバンスに移植した作品。
元がファンの多い名作でありながらも、当時は原作発売元であったデータイーストの経営事情が深刻で続編の発売も絶望的であったこともあり、移植決定の報はファンを喜ばせた。
しかし、追加要素は強力すぎる戦車とコンパチの賞金首を増やしただけ、加えて移植作品としてもレベルが低すぎたため、ファンの怒りを買った。
問題点
致命的なバグの数々
- 
守備力のオーバーフローバグ。
- 
守備力が255を超えた数値になると、数値が振り切れて守備力0扱いになってしまうというもの。
- 
このゲームにおいて守備力255は中盤で達成できる数値であり、それ以上上げられないということは戦略上においても成長の楽しみという点でも少なくないダメージが生じる。
 
- 
普通は倒せない敵を倒して強引にイベントを進行させることができる。
- 
エンディングで本来表示されるはずの賞金首が表示されない、エンディングで表示される全滅回数がカウントされていない、など最後までバグが続く。
問題だらけの追加要素
- 
追加戦車が狂ったように強いため、ゲームバランス崩壊。明らかに序盤に使えてよい性能ではない。
- 
加えて追加戦車はレンタルタンクという店からレンタルする種類の戦車。自分だけが入手できる戦車ではない。
 
- 
追加賞金首「ホーク」「フクマル」は既存ボスのグラや行動パターンのコンパチボスであり、追加する意味が分からない追加要素。
- 
なお、追加賞金首はセーブ1で倒すと、セーブ2では出現しない。
- 
ちなみに、ホークはテッドブロイラーがベース。ステータスも同様で、クリア寸前のパーティーでも普通に全滅する。…のだが、そんなのが序盤の山場・グラップルタワーの西(酒場サースティの北)の森の中にいる。
 一方フクマルはモンキーセンターから真東に6歩の固定位置に出現。戦車砲の数発も打ち込んでやればあっけなく死ぬ。
 行動パターン・ステータス・賞金額どれをとっても明らかに出現位置が逆だとしか思えない。
- 
もし逆であったのなら、
 「グラップルタワーに挑む際に喉から手が出るほど欲しいサースティ&バザースカで買えるアイテムの資金として生身限定(森なので)で戦うそこそこの強さのフクマル」と、
 「テッドブロイラーは本来戦車で戦えないため、戦車で戦ってみたいという願望をかなえる歯ごたえのある相手として用意されたホーク」、
 この2体の追加賞金首は良かった点として評価されていたことだろう。
 
 
原作からの劣化
- 
「埋蔵アイテム」が90%以上消滅している。希少アイテムがない。
- 
SFCの画面比率を無理やりGBAに合わせたため、常に画面がちらつきキャラクターが縦に押しつぶされたような感じになっている。
- 
圧倒的な強さゆえに語り草となっていたテッドブロイラーの能力が大幅に弱体化。
- 
白兵戦前提故の調整と言えなくもないが、この仕様にはがっかりした人も多い。
 
…と、これだけでも十分に劣化移植といわざるを得ない作品であるのに、それらを上回るほどのBGMの劣化具合は目を覆いたくなる物がある。
史上稀に見る最低BGM
- 
とにかくBGMの再現度が低い。「携帯電話草創期の4和音の着メロより酷い」、「素人が作ったMIDI以下」とまで評される。
- 
『2』の原曲と比べると、各パートごとの音色選択がでたらめだったり、1オクターブ低い、あるいは高いままであったりとハチャメチャ。
- 
全体的に物凄く音が軽く、原曲の持ち味でもあった重厚さが完全に消えている。それどころかこれを採用したスタッフの神経を疑いたくなるような酷い有様。
- 
特にシリーズ最高クラスの名曲である「お尋ね者との闘い」は完全にノイズと化してしまっている。あまりに改悪度合いが酷すぎてもはや曲なのかどうか疑いたくなるようなレベル。
- 
ベースは完全に音を外している。音楽的に言えば、全ての音が完全5度高い状態、原曲よりテンポが遅くなっている。携帯機だからとか、素人が作ったとか、もはやそんなレベルではない。
 
- 
ラスボス曲「バイアス・ブラド」に至っては最初からベースラインが1オクターブ高い上に音が外れている。さらに曲末端のベースのピッチベンド(音を滑らかに変化させる表現法)が下がったまま元に戻っていないため、2周目以降は更に音が外れたままで演奏が続くという前代未聞のBGMが展開される。
- 
似たような境遇にある『ダライアスR』と比較される事もある。
 
評価点
- 
強引に挙げるとすれば、追加のレンタルタンクが使える事と賞金首と戦える事。
総評
完全な劣化移植作品。
その商品失格レベルのお粗末さは、まともテストプレイをしないまま発売したのかと邪推させるもの。
原作ファンはもちろん、原作を知らない人がプレイしたとしても、楽しめるとは言えない作品になっている。
数少ない長所は全部原作で面白かった部分であり、移植ならではの独自の評価点というものは皆無。
これからメタルマックス2をプレイする人はSFC版かDSリメイク版を選ぶ事をお勧めする。
その後の展開
- 
2011年11月までは携帯機で遊べる唯一の『2』だった。
- 
2010年7月、Wiiのバーチャルコンソールにてオリジナルの『メタルマックス2』が購入できるようになったため、『2改』の存在意義はほとんど消失した。
- 
トドメに2011年12月、ニンテンドーDSにて『メタルマックス2: リローデッド』が発売され、携帯機で遊べるという唯一のポイントさえも奪われたため、『2改』の存在意義は完全に消失した。
- 
その後、Wiiのバーチャルコンソールは2019年1月31日にサービス終了し、メタルマックス2: リローデッドは1万円以上するプレミア価格が付いたため、携帯機で『2』を遊びたいが費用は抑えたいという人向けの需要ができた…かもしれない。なお品薄のせいか、本作も決して安くはない。
 
余談
- 
当時2chの『2改』スレでは埋蔵アイテムに対し「埋蔵位置が変更されているのではないか」という一縷の望みにかけ、住人によるMAP上を1マスずつしらみつぶしに調べるローラー作戦が展開された。
- 
だが、データ解析により埋蔵アイテムが存在しないことが判明。その結果、ゲーム中のセリフ「死にてぇ」が大量に書き込まれ祭り状態に。
 
- 
FCで出ていたMM1をリメイクした『メタルマックスリターンズ』の移植も半ば決定していたが、権利関係の問題のため立ち消えとなった。
- 
『2改』と『R改』を購入してはがきを送ればサウンドトラックをプレゼントという企画も結果的に立ち消えとなった。
 
- 
リメイク発表時にナウプロ公式サイトには『2改』『R改』のリメイクに関する掲示板が作られていた。
- 
ゲームシステムやバランス、SFC版では入手不能だったアイテム、新戦車、新賞金首などに関するマニアックで熱い意見・要望が凄まじい勢いで書き込まれ大いに盛り上がっていたのだが、その掲示板は何のアナウンスもなく突如謎の消滅を果たした。
 
最終更新:2025年05月12日 13:40