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【げげげのきたろうつー ようかいぐんだんのちょうせん】
ジャンル
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RPG
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 高解像度で見る
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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トーセ
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発売日
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1987年12月22日
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定価
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5,500円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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描写に凝りすぎて逆に煩雑な画面 「調べる」コマンドの形骸化 攻略のヒント・情報の乏しさ 適正レベルでも厳しい雑魚戦を強いられるゲームバランス 原作キャラや雰囲気の再現は良好
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ゲゲゲの鬼太郎シリーズリンク
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概要
TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第3シリーズ)を原作としたゲームだが、ストーリーはオリジナル。
前作『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』の続編にあたる作品で、アクションゲームであった前作に対し、こちらはRPGとなっている。
ストーリー
過去に日本征服を目論み、殺生石に変えられて地中深く封じられた中国妖怪、九尾の狐が現代に復活し、
日本列島を妖気の雲で覆いつくして妖怪軍団をはびこらせ、関東地方を残して占拠してしまった。
妖怪大魔境での戦いを終え、海外に修行の旅を出ていた鬼太郎は、強大な妖力を感知するとともに
天女のお告げを受け急遽帰国するが、自宅に保管してあった3種の武器が行方不明となり、仲間たちの姿も消え失せていた。
鬼太郎は仲間を探し出し、新たな妖怪軍団を倒すべく日本列島の旅にでるのであった。
特徴
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フィールドは関東・東北・中部・近畿・中国・四国・九州・伊豆諸島・謎の大陸の9ブロックに分かれており、順に攻略していく。なお中部と近畿、中国と四国はイベント的にセットの様な扱いである。
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北海道は会話画面の中で登場するのみ。
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各ブロックは「妖気バリア」で覆われており、洞窟を通って内部に侵入する事になる。バリア内の中ボスを倒せばバリアは消滅する。
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各ブロックには宿屋に当たる家があり、回復を行える。またコンティニュー用のパスワードも見る事ができる。
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但しパスワードで再開すると、必ず関東の自宅から再スタートとなる。
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消費アイテム「カラスの餌」を使うと、カラスに掴まって空を飛ぶことができるが、フィールド上の森にしか着陸できない。またバリア内では使えない。
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特定の中ボスを倒すと「イカダ」が入手でき、以降は砂浜から海へ出る事が可能となる。但し上陸も砂浜からしかできない。
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イカダに乗っている状態からカラスに乗り換える事はできる。
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戦闘は鬼太郎と敵妖怪の1対1で行われる。敵は同時に最大3体まで出現するが、1体ずつ順番に倒していくことになる。
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鬼太郎側にも仲間はいるが、戦闘中に呼び出して替わりに戦闘して貰うという「召喚魔法」の様な扱いで、鬼太郎と2人がかりで攻撃する事は出来ない。
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仲間にもHPが設定されており、基本的に妖怪ハウスなどで回復できるが、敵の攻撃を受け続けてHPが0になると病院送りとなる。病院送りになった仲間は妖怪病院に行くと再度仲間に加えることできる。
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仲間は猫娘・砂かけ婆・子泣き爺・一反木綿・ねずみ男・塗り壁の6人で、1人ずつ見付けて加えて行く。なお強制的に加入するのはねずみ男と塗り壁のみ。
問題点
戦闘面
戦闘で負けても自宅に戻される以外特にペナルティはないが、ゲーム自体がペナルティと言われるほどの高い難易度。
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海や川に隣接時、海や川の方向を向いた状態でエンカウントすると、本来中盤でイカダを入手してから戦うはずの海上の雑魚敵が現れる。序盤では当然勝てるはずがない。『ドラクエ2』でいうと、城を出て間もない状態でメドーサボールが出てくる感じ。
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配置以前にバトルバランスに難があり、中盤から雑魚敵がやたらと強力になる。最強技を2発浴びせても倒せない奴がザラ。妖力(MP)は家でないと回復できない仕様だというのに。
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その代わり、救済措置として、敵からの逃走確率が非常に高く、ほぼ100%成功(但し、中盤にある「地獄」というダンジョンだけは逃走確率が低くなる)し、ボスの強さは雑魚敵とあまり差は無い(体力が少し多い程度。ボスが弱いのではなく、雑魚敵が強いのだ)
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敵の不意打ちはあるが、こちらは不意打ちできない。また戦闘の最中にも不意打ちされることがある(敵が2回連続で攻撃してくる)。
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その上敵から得られる経験値も全体的にかなり少ない。そもそもレベル上限が10、経験値のカンストが999である割には敵のバリエーションが多めなので、同じ経験値を得られる敵の間でも強さに相当の開きが出てきている。
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例えば序盤の関東では、フィールドに出現する最弱の敵と、ダンジョンの妖怪城に出現するそこそこ強い敵がともに経験値1。理不尽と言わざるを得ない。攻略本にさえ「妖怪城の敵は苦労して倒しても経験値1。ボスを目指したほうがいい」とはっきり書かれてしまっている。
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また、獲得経験値が全体にしょっぱいとは言え、上限が999であるためカンストも早い。進行に詰まって徘徊しているうちに前半でカンストということもあり得る。そしてカンスト後はザコと戦う意味が薄れる。
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一部の敵は「はなす」事で会話が成立し、結果次第では見逃してくれたりアイテムをくれる事もある。もちろん不意打ちもあれば、怒って襲ってくる事もある。
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なお、中盤のダンジョン「地獄」をクリアすると「地獄の炎」という非常に強力な武器が手に入る。これが逆に最強技の存在意義を失わせるほどの威力。
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これらの「武器」アイテムは、何度でも使える点は便利だが、「オカリナ鞭」だけは地獄の炎の強制獲得後に入手するため使い道が無い。
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鬼太郎は「妖気変換」というMPを消費してHPを回復する技を覚えるが、この技は戦闘中しか使えない。またHPを回復する消費アイテムは2種類存在するが、戦闘中はアイテム自体が使えない。
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つまり移動中にHPを回復したい場合は消費アイテムを使うしかなく、戦闘中に回復したい場合は妖気変換を使うしかない。このため、後半の戦闘はザコからはひたすら逃げ、ボス戦では地獄の炎を連打してHPが減ったら妖気変換というだけのルーチンワークになる。
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ある場所で特定の選択肢を選ぶと経験値を吸い取られる。何度でも。テキストの説明や画面演出も何も無い為、その場では気付けない。
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パスワードのある文字を入れ替えれば経験値だけをMAXにできるという裏技があるので、間違って選んでも対処できなくはないが、あくまで裏技なので…。
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お金は存在せず、店も無いのでアイテムは宝箱や敵のドロップなどでしか入手できない。
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ヒントをくれる「地蔵」の中には、ただでアイテムをくれる地蔵もいるが、アイテムをくれる条件が「そのアイテムを1つも持っていないこと」。地蔵から貰えるのは消費アイテムのみなのでこの点は仕方ないが、既に持っている場合、突然「ワシは忙しいのじゃ!早々に立ち去れい!」と怒鳴られるので面食らうだろう。
イベント面
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「調べる」コマンドが無意味。どこを調べても「妖気アンテナは何も感じない。危険は無いようだ」と表示される(中ボスが潜んでいる場所であっても!)ので役に立たない。
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イベントが発生するマスでは、マップ画面でAボタンを押してメニュー画面に入れば自動的にイベントが始まる。つまり「調べる」コマンドを実行することで何かが起こることはゲーム中一度もない。完全な死にコマンド。
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フィールドを区切っている妖気バリアは雲のグラフィックを超高速で点滅表示させているため非常に目に悪い。
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何よりバリア内にいる時は画面が非常に見にくく、特に中部エリアでは「バリアを発生させているボスの元に通じる洞窟の入り口が見えない」という困った事態に…。
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バリアの境界に接する直前にメニュー画面を開くと、バリア内に侵入できたり脱出できたりする事がある。裏技として悪用は可能だが、バリアの境界と地形の段差が重なっている場所でメニュー画面を開くと1歩も移動できなくなるというバグも起こり得る。その場合はカラスの餌を使えば脱出できるが、持っていなければ完全に詰み。
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地獄の閻魔大王のいる場所は当たり判定がおかしく、鬼太郎をうまくスライドさせないと会話イベントが始まらない。ここでどうすればいいのかわからず詰まった人も多い。
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町に当たる場所は無い。そのため情報をくれるキャラが非常に限られており、詰まりやすい。その上セリフも使い回しが多く、会話が成り立っていない場合も有る。
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特に団三郎というキャラは「詳しい話をしたいんだが」と持ちかけてくる割に、いざ話してみるとお礼を言うだけで全く会話にならない。
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謎解きのヒントは全体的にわかりにくいものが多く、決まった地点でAボタンを押して調べないとフラグアイテムを入手できないなど難易度は高い。
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特に最後の大陸へ渡るためには4つの玉が必要なのだが、入手してもそれからどこで使えばよいのかわかりにくい。地底湖というヒント自体はあるのだが…。
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大冒険の末のエンディングは短いセリフがちょこっとあるのみ。スタッフロールも無くあっさりと終わる。とはいえ仕様上無限ループの前作と比べると、一応エンディングが用意されているだけマシだろうか。
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エンディングへの手順は、ラスボスを倒してすぐに、入手方法がほぼノーヒントなアイテムで以って封印すること。入手にはそのアイテムの元の持ち主が望む物を、わずかなヒントを頼りに探し出す必要がある。
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そうやって苦労して手に入れたアイテムも、迂闊にラスボスの要求を呑むと取られてしまう。
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もし、それ以外の行動を取ってしまうと、撃破不可能のボス「雷雲変化」が登場する(そのアイテムを持っていてラスボスに取られていなくても!)。
これは今で言う「クリア手順を間違えた事へのお仕置き部屋」に相当する。
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特定の手順を取らないと無限に復活するボスは、ラスボスとは別に序盤にも登場しており、このボスは一種の前フリとも言える。
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なお不死身ではないが、HPが65535もあるため、敵の攻撃を掻い潜って倒すことはまず不可能。(参考までにラスボスのHPは第1形態が280で第2形態が500。)
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HPが256以上ある敵はHPの下位バイトをちょうど0にして攻撃か道具を使用することで倒せるというバグがあるが、仮にこの手で倒せたとしても、ラスボスの手前まで戻されるだけなので、基本的にペナルティキャラの域を出ない。
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終わりたければ諦めて電源を切るかゲームオーバーになるしかない(厳密には単に負けて拠点に戻されるだけだが)。
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「絶対に勝てない戦闘」というだけなら他のソフトにもあるが、それに該当するのがラスボスというだけでなく、問題のアイテムを取り逃したとしてもラスボスまで何の支障もなく辿り着けるという点から、導線の弱さを指摘する声もある。
評価点
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戦闘で使える技や武器は、髪の毛針・体内電気・リモコンゲタなど原作に登場したものが中心。
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また仲間達の他、目玉の親父や夢子といったアニメでお馴染みのメンツもイベントで登場する為、原作再現度は高いと言えば高い。
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BGMはなかなか格好いい。
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戦闘BGMはザコ戦、ボス戦共に同じ。ラスボス戦のみ専用BGMがある。
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戦闘中は、味方キャラ、敵キャラ共に攻撃や回避の際にアニメーションを行う。
総評
とにかく「やりづらい」「わかりにくい」ゲームである。
鬼太郎のゲームとしても純粋なRPGとしても作りこみがおざなり過ぎてゲーム以前の問題と化してしまい、高難度ながら原作要素をうまく織り込み程よいクオリティに仕上げた前作との落差が酷く目立つ作品になってしまった。
内容こそ薄いものの前作になかったエンディングが存在している上、戦闘アニメーションなどの挑戦的なシステムが盛り込まれており、作りこみさえきっちりできていれば評価を得られたであろうだけに、いろいろと惜しい作品である。
余談
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パスワードのフラグ管理が甘いようでネタ文章が裏ワザとして広まっている
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「かめんらいだあくらぶと3回入力する」と最強のレベルで始められる他、「げげげのきたろうはおもしろくておもしろくてなみだがでるぜへへ」等。
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これ以外にも、最強レベルで始められる語呂合わせパスワードが数多くあるが、フラグが正しく管理されておらず、「イカダが入手できず、ラストダンジョンに入れない(ゲームクリア不可)。」「キーアイテムが入手できず、謎の大陸に行けない(裏技で回避は可能)。」など、中には致命的なものまである。
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「にげる」で逃走する際、戦闘中に躊躇なく敵に背を向け、さくさくと歩み去る鬼太郎の姿は少し笑える。
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フジテレビ系で放送された東映不思議コメディーシリーズの翌年のシリーズ作品「じゃあまん探偵団 魔隣組」の27話「恋はスケボーに乗って(1988年7月10日放送)」でノボルがこのゲームをプレイしているシーンがある。
最終更新:2024年06月09日 23:56