はねるのトびらWii ギリギリッス
【はねるのとびらうぃー ぎりぎりっす】
| ジャンル | ギリギリアクション |  
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| 対応機種 | Wii | 
| 発売元 | バンダイナムコゲームス | 
| 開発元 | エイティング | 
| 発売日 | 2007年12月6日 | 
| 定価 | 3,990円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 収録ミニゲームがたった3種類 子どもでも即日飽きるレベル
 ミニゲームの低すぎる再現度
 番組の再現は頑張っている
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| フジテレビ関連作品リンク | 
 
概要
フジテレビで2005年から2012年まで放送されていたTV番組『はねるのトびら』のコーナーの一つである「ギリギリッス」をゲーム化した作品。
「ギリギリッス」とは、出演芸人たちが扮するギリギリなことが大好きなキリギリスそっくりな昆虫「ギリギリス」が罰ゲームをかけて体を張ったゲームに挑戦していくというコーナー。
本ゲームはプレイヤーが原作コーナーを模したミニゲームにチャレンジしていくことになる。
問題点
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擁護不可能な低ボリューム
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実装されているゲームは「ローソクの火消し」「ホッピング」「跳び箱」の3種類だけ。これがこのゲームの全てである。
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これら自体は実際に番組で放映された内容通りではあるのだが、番組内では本作発売までに計15種目、発売後も含めると総計36種目以上のチャレンジが繰り広げられていただけに、極めて種目が少ないと感じることだろう。
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ストーリーモードなど、このミニゲーム以外にできることは一切ない。
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定価3,990円なのでミニゲーム一つにつき1,330円という計算になる。かといって1,330円の価値があるとは思えない薄っぺらさ(詳しくは賛否両論点へ)。それだけでも金額に対してのボリュームの無さがわかる。
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当時現役だったWiiウェアに絞っても1,000円でもっと楽しめるゲームは他にある。
 
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当時のプレイヤーの中からは「親に買ってきてもらった夜に飽き、次の日に売却した」という感想も聞かれたが、このボリュームならこの評価もあながち誇張ではないだろう。
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もちろん本作オリジナルのミニゲームは用意されていない。
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これらのゲームはいきなり最高難易度を選択できるのだが、難易度はどれも初見クリア報告があるレベルで、上手くいけば10分程度で完全攻略が可能。
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パッケージには「番組そのままがWiiに登場!」と書かれている。下記の再現度の低さも相まって誇大広告の印象をぬぐえない。
 
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操作キャラの少なさ
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番組に登場した3人のみしか使用できず、司会進行のニシギリス(キングコング・西野亮廣)と罰ゲーム役の女郎グモ(北陽)を除いて他のはねトびメンバーは未登場。また、原作コーナーの合間に登場する、ドランクドラゴン・鈴木拓が扮するフンコロガシも登場しない。
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ゲスト出演経験のある芸人や有名人等も未収録。本作で操作できるということもない。
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この手のゲームにこそ「自分の分身を登場させてみたい」という欲求が湧くものだが、よりにもよってMiiに非対応。そういった需要には応えられない。
 
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細かい問題点
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ランキングでは、なぜか自分の名前が入力できずに使用キャラクターと記録が掲載されるだけである。
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ゲームオーバー画面は「
GAME OVER
 」の文字から血がにじみ出ているというもの。まさに謎演出。
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オプションは「おんがく」と「こうかおん」の音量調整しかできない。
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多人数プレイでは一つのリモコンを使いまわすしかない。
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多人数プレイ時に一つのリモコンやコントローラーを使い回すのは他のゲームでもありうることだが、このゲームの場合それが「仕様」となってしまっているため選択肢がない。
 
 
賛否両論点
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ミニゲームの品質の低さ
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「跳び箱」では、手を振ってボタン押して横持ちで振る。跳び箱に挑んでいる感覚が薄く、何故入れたのか、どうにかならなかったのかと問いたくなる。
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「ローソク消し」は息を吸い込む→吐きだすの流れを、リモコンを回す→振るという手順に置き換えている。再現度も皆無であり、ゲーム内容もただの単純作業。なお、最高難易度では筋肉痛のリスクが伴う。
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「ホッピング」はバランスをとって切株の前まで行き、ゲージを上下する矢印をクリア範囲で止めるというもの。つまり、ただのタイミング押し。
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こうして見ると悲惨だが、大きく跳んだり肺活量を駆使するといった運動は、そもそもWiiリモコンで再現するには無理があるため仕方ない部分もある。
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再現度を抜きにして、仮に「30個ほど収録されたミニゲームのうちの一つ」として見ると妥当な品質。手抜きに見えるのは1,330円という価格設定が大きい。
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ミニゲーム集の有名どころの『マリオパーティ8』でもWiiリモコンの操作で難点を抱えているので、本作特有なわけではない。
 
 
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独特なグラフィック
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リアルなのかアニメ調なのかはっきりしない。とはいえキャラたちの顔は充分に似ており、気にしない人は気にならないレベル。
 
評価点
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番組の雰囲気の再現
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ロゴデザインをはじめとして、再現しようという意欲は見られる。
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挑戦時や失敗時には原作のようにテロップが出る。先述のゲームオーバー画面と違って不自然さは皆無。
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ゲーム開始時には番組名物の「よーい、ギリギリッス!」「お願いします!」の音声が入る。もちろんキングコング・西野本人の声。
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ミニゲームに失敗すると、これまた名物の北陽(虻川美穂子・伊藤さおり)の2人が演じる女郎グモの罰ゲームがはじまる。「
GAME OVER
 」は相変わらず謎演出だが。
 
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バグらしいバグがなく、遊ぶこと自体には支障が無い。
総評
とにかく何もかもが薄いゲーム。「ギリギリス」のモチーフであるキリギリスをリスペクトし、キリギリス同様ゲームの寿命も短命にしてやったと言わんばかりである。
そもそも原作コーナーの面白さは出演する芸人達が台本通り演じるヤラセのリアクション芸が大半を占める。そのコーナーを無理やりWiiリモコンに当てはめて(しかも当てはめられてない)体感ゲームにしたところで不満が噴出するのは当たり前。
結果、中身スッカラカンで何もかもが薄いくせに価格は一人前という堅実なクソゲーとなってしまった。
「ファミレスに売ってるような幼児向けの単品簡易ゲームで作ったほうが良かったのでは?」というのはお口チャックマンである。
余談
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番組公式や任天堂公式の宣伝ではやけに跳び箱を推している。同番組の同コーナーでもこのゲームの宣伝が行われたが、ここでも飛び箱の部分のみ紹介された。別にどれを推されようが五十歩百歩なのだが。
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任天堂公式HPでの紹介ではゲーム名3つの後に「など」と書いてあり、あたかもゲームが4つ以上入っているかのように表現している。
 
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同日に同じく番組コーナーをゲーム化した『はねるのトびらDS 短縮鉄道の夜』も発売されている。
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また、はねるのトびらゲーム化キャンペーンとして、両ゲームの登場キャラクターのシールがゲームショップにて配布された。
 
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2022年12月17日、陣内智則のYouTubeチャンネル『陣内智則のネタジン』にて当ゲームが紹介された。
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当番組に出演していた梶原雄太をゲストとして呼んでいた回だが、陣内智則は当ゲームをプレイする前から本人を前にして『大クソゲー』と紹介。梶原雄太は最初「失礼や!」とツッコむが、直後「自分で言うのアレですけど、クソゲーなんですよ」と撤回して同意している。
 
最終更新:2024年06月04日 10:53