レディストーカー ~過去からの挑戦~
【れでぃすとーかー かこからのちょうせん】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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20MbitROMカートリッジ
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発売元
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タイトー
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開発元
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クライマックス
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発売日
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1995年4月1日
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定価
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9,980円
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判定
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なし
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ポイント
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個性派3人組が織り成す普通の冒険活劇 実はアリーナ一行になるはずだった!?
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概要
1992年にメガドライブで発売された『ランドストーカー ~皇帝の財宝~』のシステムを受け継いだクォータービューアクションRPG。
フィールドは立体的に描かれ、高さの概念などの立体を活かしたパズルのような仕掛けが多数存在する。
ランドストーカーはアクション要素が強かったが、こちらはLv上げや装備固め、仕掛けの謎解きといったRPG要素が強い。
ボンデージルックのワガママでおてんばでドSなお嬢様「レディ」が、家庭教師兼庭師の老魔法使い「ヨシオ」とオカマコックの「コックス」を従えて、謎の陰謀渦巻く「デスランド島」を冒険する。
ストーリー
大富豪の愛娘であるレディは、彼女が通った後は災いしか残らないと言われるほど非常にお転婆な少女であった。
事態を憂慮したレディの父親は、彼女を庭の離れにある屋敷に軟禁し、ヨシオとコックスを彼女の世話役と監視役に置いた。
部屋で大人しくしていられず脱走を試みるレディと、それを阻止する2人の争いは日常茶飯事であった。
ある日、いつものようにレディは軟禁されている部屋で勉強をしていたが、部屋にあったデスランド島の伝説に関する本を読み、
沸き上がる興味を押さえきれず、部屋から脱走してデスランド島へ行くことを決意する。ヨシオとコックスはレディの脱走を阻止しようとするが、
彼女の挑発に乗って暴走したヨシオによって屋敷は全焼し、ついにレディは脱走に成功する。
船に乗り、デスランド島に辿り着いたレディは期待と希望に胸を膨らませていたが、次第に島全体を巻き込む大きな事件へ関わることになっていく。
(Wikipediaより抜粋)
システム
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パワーアップは装備+Lv制。
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『ランドストーカー』における装備品は、マップ探索やサブイベントをこなして手に入れる「お宝」的位置づけだった。本作では他のRPGのようにそこそこ種類が豊富であり、町に行けばお店でも売っている。
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Lvを上げると必殺技を覚え、戦闘中にパワーをためる事で特殊攻撃を使えるようになる。武器はブーツとウィップの2系統があり、それぞれ技が違う。
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ブーツはリーチが短いが攻撃力が高く、ウィップはその反対という特徴がある
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冒険の途中で仲間になるヨシオとコックスは、要所で命令を出すこともできるが、基本的に戦闘中はAIで動く。ヨシオは攻撃・補助の魔法、コックスは武器攻撃と回復魔法で冒険をサポートする。
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斜めに描かれたマップを十字ボタン移動で歩き回るという基本的な仕様は『ランドストーカー』と同様。
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敵はフィールドやダンジョンでのエンカウントで遭遇する。画面の切り替えはなくエンカウント時点のフィールドで固定され、そこに出現した敵を全滅させるか逃走すれば戦闘終了。
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ジャンプはなく、代わりに「ダッシュ」ができる。
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ダッシュは小さな溝を乗り越えたり、高い所から落ちて遠くの場所へ移ったり、仕掛けに突進して動作させたりといった様々な目的で使用できる。
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ちなみに、1キャラ分の高さの1/4程度の段差は普通に歩いて上れる。
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「ひかるビーダマ」というアイテムがあり、たくさん集めると貴重品と交換できる(DQでいうところの「小さなメダル」)。
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中には、前作『ランドストーカー』に登場したのとそっくりなキャラもいる(名前も同じ)
評価点
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Lvを上げてキャラを強化し、謎解きをしながらダンジョンを攻略していくという、RPGの基本的な面白さのツボは押さえている。
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全体的な難易度は易しめ。攻略に詰まる局面はあまり無いと思われる。
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ポップな雰囲気でまとめられたグラフィックはあまり嫌味がなく取っ付き易い。
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グラフィックが立体的に描画されていて、全体的に軽めの色味ながらそこそこ見栄えもする。
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BGMはほぼ各ダンジョンごとに固有のものが用意されている。
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醸し出す雰囲気もダンジョンの特徴に合っているので冒険を盛り上げている。
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小さな孤島が舞台でありながら次々と場面が移り変わるテンポの良さ。
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からくり城や鉱山、火山や雪山など新たなダンジョンのたびにがらりと風景が変わる。時にはまものエキスで変身してまものの村に潜入することも。
賛否両論点
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ゲームの雰囲気。基本的には、明るい雰囲気なのだが…
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ある場所に
人間の缶詰工場
があったり、行く先々で邪魔をするジェイビーが
実はキングバロンの被害者で最終的に倒すと苦しみながら死ぬ
など、ところどころにダークな要素がある。
問題点
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序盤の難易度が高いが、後半になるにつれて簡単になっていくバランス。
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序盤はレディ1人の上に回復手段もアイテムのみなので厳しい戦いになるが、中盤からは3人になるので敵の攻撃も分散してかなり難易度が下がる。
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中盤辺りでステータスを強化できるアイテムを無限に拾えてしまうバグが存在し、ゲームバランスが完全に崩壊してしまう。
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ブーツとウィップの格差について。
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ブーツとウィップは上記のように必殺技のリーチや攻撃力の違いなどで差別化されているが、全体的にブーツの方が優遇されている傾向が強く、ウィップの存在意義が薄くなっている。
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ブーツは冒険中に宝箱やイベントで手に入ったり特殊効果付きのものが多い反面、ウィップは店売りでしか入手できず、特殊効果も少ない上にあっても貧弱気味で、さらに同時期に手に入るブーツよりもかなり値段が高いので財布に優しくない点でも敬遠されがち。
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ブーツは後半になると強力な隠し武器やデメリット有だが最強の攻撃力のものが手に入るのに、ウィップはバロンロックに到着した所でラインナップが停止してしまう点でも冷遇されている。
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ブーツの必殺技はレベルが高くなると発動時に溜めとダッシュ移動のモーションで大きな隙ができるが、ウィップはその場で即座に発動するので隙が少なくブーツより優れたアドバンテージとなっている。
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ところが、ウィップの最強技はブーツと同じモーションが発生するので数少ないメリットが失われてしまう。
ウィップの必殺技はブーツより攻撃回数に優れるが、本作では連続で敵にダメージを与える度に大きく低下していくので、元々攻撃力の低いウィップの連続攻撃はかなり影響を受けてしまう。最強技にもなるとほとんど1ダメージばかりしか与えられない上に技のモーションが長いので隙自体もブーツ技より大きくなる。
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なので、ウィップの最強技を覚えてもあえて使わずにパワー溜めを一段階まで落とした所で発動する方がウィップ技のメリットを活かせる。
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ボリューム不足なシナリオ。
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テンポがいいと言えば聞こえはいいがゲームのボリュームはかなり薄い。
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RPGではあるが寄り道要素がほぼなく、ダンジョンも分岐の少ないほぼ一本道。やりこんでも20時間もかからない。
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ジャンプが無いため、アクションRPGとして、プレイヤーの純粋な技術力を要求される局面が少なくやり応えがない。
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一部のダンジョンはストーリーが進行すると侵入できなくなる場所がある。
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序盤のバロン城、デスバレー鉱山、ラムスの塔などが該当する。これらのダンジョンではトロッコなど楽しいギミックがあるのにクリア後は遊べなくなってしまう。
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事実上のラストダンジョンであるバロンの塔もクリア後は仕掛けが元に戻らないため、再度侵入しても序盤と終盤のエリアしか遊ぶことができない。
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以下は前作から引き継いだ欠点。
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クォータービューによる斜め移動が基本+プレイヤーから見た「縦横」への移動が不可能で十字ボタンの上下左右を押してもキャラクターは斜めに動く、という操作性には慣れが必要。
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画面右上(ゲームにおける北)に進む際のキーが右となっており、他の斜め移動が基本のゲームと進む方向が異なるのも辛い。
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クォータービューによる立体性が前面にでているが、キャラクターやオブジェクトに影などがないこともあって「今どの升目にいるのか」「いまどの高さにいるのか」が混乱しがちである。特に高いところから落ちて特定の足場へ着地する、などの操作をするとき戸惑う場面が多い。
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肝心要の主人公レディがあまりしゃべってくれないため、独特の個性がゲーム中で活かし切れていない。
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強いて言うなら、ブーツの技を使うとぱんつが見える…ぐらいか。
総評
本作はいわゆる「普通に面白いRPG」である。しかし本作と関連の深かった『ランドストーカー』が、当時としては非凡な要素を持っていた作品だった事もあり、相対的にガッカリゲーの扱いを受ける事もある。
丁寧に作られた作品ではあるのだが、一部マゾゲーでもあった『ランドストーカー』経験者にとっては、難易度が易しい事も物足りなく映ったのかもしれない。
また、主人公をしゃべらせない方針を採った事が本作独自の個性を抑えてしまい、地味な印象になってしまった。
クセ者揃いの主人公パーティのキャラクター性などを押し出してシナリオやゲーム性の面でもっと活かせていれば、易しい難易度としてキャラの魅力を味わい易いRPGとして、それなりに深く印象付けられただろうだけに、非常に惜しい作品である。
余談
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ドラゴンクエストとの関係
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開発元のクライマックスは『DQIII』および『IV』のチーフプログラマーが独立して作った会社。
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本作は元々『DQIV』第二章を元とする外伝的な作品として開発されていたが、途中でエニックス側から断られてしまい、設定などを変更してオリジナル作品としてリリースすることになったという。
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発売元のタイトーは現在スクウェア・エニックスグループの企業となっている。
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主人公パーティのメンバー構成の他、敵キャラクターのデザイン・特徴、装備品・アイテムの効果や価格設定などといった多数の部分に『IV』との類似点が見られる。
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ログアウト冒険文庫から小説版が出ていた。レディ一行の濃い性格がセリフの端々に現れているため、ゲーム本編よりもキャラ付けはわかりやすい。
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ある場所で観光地によくあるパネル型の記念写真が撮れる。写真はエンディングで見ることが可能。
その後の展開
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DC『クライマックスランダーズ』にて、レディがプレイアブルキャラクターとして参戦している。
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なお、ヨシオとコックスについては最初は同行していないが、ある条件を満たすと同行キャラとして参戦可能になる。
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『レディストーカー 迷宮のワルツ』
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2006年9月21日から、「au BREW」端末専用ゲームとしてサービスイン。
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こちらはレディのデザインを一新している。
最終更新:2025年07月20日 21:46