作戦名ラグナロク
【おぺれーしょんらぐなろく】
ジャンル
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横シューティング
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対応機種
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アーケード(MVS)
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開発元
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NMK
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販売元
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SNK
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稼働開始日
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1994年
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判定
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良作
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概要
NMKの横スクロールSTG。
開発こそNMKだが販売がSNKだったため、イラストはKOFなどで有名な森気楼が担当。同社のMVS/ネオジオ参入第一弾である。
システム
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1レバー2ボタン即死制。全8ステージの1周エンド構成。
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自機選択システム搭載。
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アンクル・ベアード:パワー型。スピードが遅いものの始めからボムを4つ持っている。撃ち込み点(後述)が高い。
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ミス・シャルロット:バランス型。スピードは平均的。初期ボム数3。最も扱いやすい。
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スウィフト・アーノルド:スピード型。初期ボム数3。スピードは速いが撃ち込み点が最も低い。
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メインショット(前方)・ミサイル・リアショット(後方)選択制
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それぞれ3種類あり、自由に組み合わせ可。自機がどれでも武装の効果・攻撃力は同じ。
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パワーアップはそれぞれに、アルファベットが書かれたアイテム(メインショットは「P」、他は「M」と「R」)を取ることで可能。
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各武装ともそれぞれ最大で3段階までパワーアップする。また、パワーアップがMAXの状態でアイテムを取った場合は5000点が入る。
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ハイパーボム
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ハイパーアイテムを取ると、以降発射するボムが全て威力と攻撃範囲が強化されたハイパーボムになる。ミスをすると通常ボムに戻る。
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ちなみに通常ボムは大型のエネルギー球を前方に飛ばすというもの。同社の過去作で例えるなら『USAAFムスタング』の「ストライクフォーサー」に近い性能。
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ボムの所持数は最大で8発。所持数マックスの状態でボムアイテムを取ると5000点入る。また、ハイパーボムの状態でハイパーアイテムを取ると10000点入る。
評価点
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さんたるる(並木学)氏によるBGM。
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非常に評価が高く、出回りも(概要のMVS基板のおかげで)決して悪いわけではなかったので知名度もそこそこ。
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大容量を売りにしていたネオジオ(MVS)だが、本作ではゲーム部分に容量をあまり使ってない事もあり、その容量の大半は音楽に使用されている。いわゆるジュリアナ東京(レイヴ)系の楽曲にふんだんにボイスが使用されているのはその賜物である。
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撃ち込み点によるハイスコアシステム。
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このゲームは敵を倒すだけでなく、破壊不可能な物。例えば岩や地面に弾を打ち込んでもスコアが上昇していく。なのでスコアを上積みするには、いかに敵をしっかり撃破しつつ可能な限りの撃ちこみをするかが重要。中ボス撃破を可能な限り引っ張ったり、敵機撃破と撃ちこみどちらを優先するかなど、工夫できるところと考える点は多い。
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NMKゲームとしては珍しく難易度はそれほど高くない。
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撃ち込み点を考えなければ、初心者でも練習を積み重ねれば先へ進めるようになっている。ボムも多く出てくるし更にハイパーアイテムで強化も可能。
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とはいえ低すぎると言う訳ではなく、終盤のステージは敵の攻撃が熾烈になるので、一見さんが一発クリア余裕と言うほど甘くは無い。また、タイマーランクがあるためノーミスで進むと大体5面で急速に難易度が上がってしまう。
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自機スタイル選択幅が広い
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前述の通り、自機タイプ3種×メイン3種×ミサイル3種×リア3種の組み合わせが可能。メインを汎用性のWAVE、ミサイルは単発高威力なAA、バックは拡散の2WAY…など、プレイヤーの好みとスタイルで自由に選べる。
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極端なハズレ装備も無く良好なバランス。無論、あまり極端に偏ったものは途中で辛い場面が出てくるが、進行は十分可能。
問題点
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コンティニュー・途中参加時にキャラを選べない。(ランダムで選ばれる)
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コンティニュー時はともかく、途中参加の時に使いたい機体を選ばせてくれないのはプレイヤーにとってはいい気分にはならないだろう。
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稼ぐにもクリアするにも連射が必要なのだが、MVS筐体には連射装置が標準搭載されておらず、手連射が必須。
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MVSの他のゲーム(アクション、パズル、格闘)には連射機能は不要なので、連射装置が後付けされているお店もごくわずかだった。
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余談だが、MVSは一つの筐体に最大6つまでのROMカセットを搭載でき、プレイヤーが遊びたいゲームを選ぶ仕様になっている(4本挿せるMV-4と、6本挿せるMV-6がある)。筐体1つに様々なジャンルのゲームを同居させる以上、汎用性が求められるのも道理だろう。
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MVSにはその後も『パルスター』『BLAZINGSTAR』などの連射装置がモノを言うSTGがリリースされたが、同じ問題を抱えている。
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そのような状況を反映したのか汎用筐体向けに出ている1本挿しのMVS基板(MV-1系統)の場合、運が良ければ単独で稼働しているので連射装置付きであればまだ救いようもあるが・・・
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スコアアタックを狙うならば、機体は撃ち込み点が高い&スピードが遅いため位置調整しやすいアンクル一択、武器はメイン・リア共にウェーブ一択。それ以外を選ぶ=最初からスコアアタックを捨てるプレイになる。
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一方、クリア狙いの場合は初期ボム数の多さとエクステンドが狙いやすく前半面は比較的楽な反面、移動速度の遅さが仇となって後半面はパターンを熟知しないと厳しい展開になりがち。そのため、クリア重視であればスピードも程よく比較的バランスが取れているシャルロットが推奨されている。
総評
良好なBGM、多彩なスピード×装備の組み合わせ、ほどほどの難易度と揃った良作。
90年代STGらしく出回りは芳しくなかったが、MVS筐体のおかげでオマケ・ついでやバリエーションとして搭載される事が多かったので、他のSTGと比較するとプレイ方法が多い、恵まれた作品と言える。
ただ連射装置の未搭載が多いのはMVS筐体故の悲劇と言える。
家庭用移植
稼動当時、家庭用ネオジオ版を発売する計画があったが、途中で計画が立ち消えになってしまい、その後開発メーカーであるNMKが倒産したこともあり、長らく移植版が出ない状態が続いていた。
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アケアカNEOGEO版(Xbox ONE:2017年7月20日配信/PS4:2017年8月10日配信/Nintendo Switch:2017年8月31日配信、ハムスター)
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稼動開始から23年後の2017年。ハムスターがNMK作品の権利を取得したことにより、同社が展開する『アケアカNEOGEO』シリーズの1作品として本作の配信が決定。念願の家庭用ハードへの初移植が実現した。
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内容自体はアーケード及びネオジオ版と同様だが、ボタン設定については初期にリリースされたアケアカ作品よろしく複数のボタンに各操作を割り当てる事が出来ない。それに伴い連射設定も一律という形なので、後期からアケアカ作品に入った人は注意したし。
余談
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タイトル画面にOPERATION RAGNAROKとデカデカと描かれてるため誤解されてる事が多いが、本作の正式タイトル名は「作戦名ラグナロク」である(読み方が「オペレーションラグナロク」と思われる。)ちなみに海外向けタイトルは
ZED BLADE
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BGMの評価が高い本作だが、家庭用移植版と同じくサントラCDが出ない事でも有名だった。楽曲を聞く方法は基板から抜き出すか録音するかしかなかった。
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だが、16年たった2010年に本作と同じく並木学氏が作曲を担当した『サンダードラゴン2』と共に初のサントラCD化が決定し、ファンを歓喜させた。
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そして2017年には2度目のサントラCD化が実現。こちらは『ガンネイル』とのカップリング収録。
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本作の後、MVS/ネオジオ作品第2弾を出す予定があったが、こちらも計画が立ち消えになり、結果的に本作がNMKで唯一のMVS/ネオジオ作品となってしまった。
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稼ぎ重視プレイの場合撃ち込み点の関係上、ゲーム開始と同時に地面スレスレに移動するプレイスタイルが確立しており、何も知らないギャラリーは「なんじゃこりゃ!?」と思う事請け合いである。
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この稼ぎ方法は一部で「道路工事」や「床オナ」と呼ばれている。見た目の関係もあるが、好きものにはたまらない妙な快感があることが由来な模様。
最終更新:2024年07月08日 21:50