ガンネイル
【がんねいる】
ジャンル
|
シューティング
|
アーケードアーカイブス版
|
対応機種
|
アーケード
|
発売元
|
テクモ
|
開発元
|
NMK
|
稼動開始日
|
1993年1月
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
NMK製にしては珍しく難易度控えめ 瀕死状態でスコアを稼ぐ危険行為推奨STG
×100
|
概要
NMK開発の業務用縦画面シューティングゲーム。8方向レバー2ボタン使用、ライフ制。
1P、2Pの同時プレイ、途中参加可能。
ディップスイッチで日本語版と英語版の2つに切り替えることができるが、タイトル画面以外に変わりは無い。
主なルール
-
プレイヤーは自機を操作し、全8ステージを攻略するのが目的である。
-
ステージ3、6はボスが出現せず、一定時間が経過するとクリアとなる。
-
1ボタンでショット。セミオート。メインショットとサブショットを同時に発射する。
-
2ボタンでボンバー。ボンバー発動中移動速度が速くなり、自機は無敵となる。
-
アイテムキャリア、もしくは特定の敵撃破でアイテムが出現。
-
パワーアップ(Pマークのアイテム)
-
自機のメインショットとサブショットを強化。最大8段階。また画面には今現在のショット段階が表示される(LV1、LV2と表示されていき、最高でMAXとなる)。1個取得すると自機左右にオプションが付くが、このオプションに攻撃判定、弾消し判定はない。
-
スーパーアクセル(Sマークのアイテム)
-
3、6ステージに登場し、敵の出現周期を早める事が出来る。
-
ボーナスアイテム(紫の水晶のようなアイテム)
-
取得するとステージクリア後にボーナススコアが加算される。
-
自機のライフについて
-
初期ライフは3。敵の攻撃を喰らうと1ずつ減る。0の状態で被弾するとゲームオーバー。スコアが50万、200万に達するとライフ上限が1増え、ライフが全回復する。このライフが少なければ少ない程スコアに倍率がかかる(後述)。
-
スコアシステム
-
敵を撃破した時に得られるスコアはライフが少ないほど倍率がかかる。満タンの状態だと1倍だが、ライフ上限5の残りライフ0だと10倍にもなる。
-
ライフ上限によって倍率のかかり方が違う。同じライフ0の状態でも、ライフ上限が3と5の場合では後者の方が高倍率となる。
-
ボス敵は道中でいくら高倍率を取得したかで異なるが、最終的になんと100倍となる。
-
雑魚、ボス共に撃破時に倍率表示が出るのでわかりやすい。道中を10倍で繋げていき、ボス敵を撃破した時画面上にデカデカと表示される「×100」の文字は圧巻の一言に尽きる。
評価点
-
NMKらしからぬ手頃な難易度。
-
その理由としてライフ制である事、ボンバーが出やすい事が挙げられる。稼ぎを無視してライフ上限を上げるポイントをしっかり決めてプレイすれば初心者~中級者でも十分クリア出来る。
-
NMKが開発するゲームは難易度がおしなべて高いものが多いが、本作は普通にクリアするだけなら比較的無難な難易度に落ち着いている。これは前作にあたる『P-47』と後作である『オペレーションラグナロク』や『ラピッドヒーロー』にも言える事であるが。
-
ショットがセミオート連射。連射装置要らず。
-
時代が既に対戦格闘ゲームがブームだった事を踏まえるとこの仕様はとても有難い。
-
グラフィックの描き込みは良好。
-
細部まで描き込まれており、当時としてはかなり美麗。メカデザインもカッコいい。
-
BGMも丁寧に作られている。
-
作曲はHIDE-KAZ(秀谷和則)氏。地味ではあるものの、メロディアスで中々カッコいい。NMKらしさがよく出ている。
問題点
-
弾に当たりやすい。悪く言えば敵の攻撃が素直でない、陰険なものが多い。
-
とにかく敵が撃ってくる弾に先読みや自機半狙いの類が多く、慣れない内はこれらの攻撃がどうにも卑怯に感じてしまう。
-
さらに本作は自機の当たり判定がかなり大きい為、尚更弾避けがしづらい。
-
加えて本作の敵は至近距離からでも容赦なく弾を撃ってくるものが多く、上記で手頃な難易度であるとは述べたもののある程度のセンスは必要。
-
自機の仕様に問題が多い。
-
ボンバー発動中は自機の動きが速くなるが、無敵である為この恩恵がいまひとつ感じられない。
-
また、サブショットの1つである「バルカン」が他の二つの武器と比べてみても弱い。ショットレベルが最強段階だとそこそこ使えるが、接近して全弾命中させてもそこまで強くない上、そもそも敵に接近する機会の少ないゲームなのであまり使えない。
-
限界まで稼ぐ為には常に死と隣りあわせである為精神衛生上宜しくない。上記の問題点の関係もありハイスコアを狙うには相当なやり込みが必要。
-
おまけにライフが0になった時の警報音がうるさく、ゲームのプレイを阻害する一因にも。嫌がらせである。
-
これは人によって意見がわかれる所だが、スコアや稼ぎに興味のない人にとっては「普通の東亜インスパイアSTG」という感想で終わってしまう。
総評
今までクリアすらさせてくれない高難易度な物ばかりをリリースしてきたNMKとしては珍しくクリアしやすいゲームに仕上がっている。
この時期はシューティング自体が対戦格闘ゲームの影に埋もれていた為に、クリアラー・スコアラー両者が満足出来るゲームを作ろうとしていたのではないだろうか?
不親切な部分も色々と目立つが、やろうとしていた事は大いに評価出来るだろう。
基板の枚数が少なく出回りの悪いゲームではあったが、アーケードアーカイブスにて配信された事でプレイする機会が出来たため、興味があれば触れてみるのもいいかもしれない。
余談
-
上記の総評にもあるよう長らくプレイが難しい作品ではあったが、2022年1月13日にアーケードアーカイブス(PS4/Switch)で配信される事となった。
-
こだわり設定で前述の残ライフ0状態の警報音をOFFに出来るようになっている。当初はハイスコアモードおよびキャラバンモードでは反映されなかったが、後にアップデートで反映されるようになった。
-
また、本作は長年サントラが存在していなかったが、2017年にハムスターがNMK作品の版権を取得したことで稼働から24年の時を経てようやくサントラ化が実現した。
-
『オペレーションラグナロク』の新録音源とのカップリング収録となっている。
最終更新:2023年09月09日 01:27