※本稿では、初代『pop'n music』及びその家庭用移植版について解説する。(ともに良作)
シリーズ全体の概要についてはシリーズ項目、同名タイトルのWii版についてはポップンミュージック (Wii)を参照。
【ぽっぷんみゅーじっく】
ジャンル | 音楽シミュレーション | |
対応機種 | アーケード | |
販売元・開発元 | コナミ | |
稼動開始日 | 1998年9月28日 | |
判定 | 良作 | |
ポップンミュージックシリーズリンク |
(1990年代当時の)女子高生を始めとする女性層をターゲットにした音ゲーをコンセプトに企画された音楽ゲーム。
初代『beatmania』を女性向けに展開するというコンセプトの、いわばbeatmaniaの姉妹作に当たる作品であり、多人数向けのパーティーゲーム的な志向性の元にターンテーブルと5つの鍵盤を9つボタンに置き換えたデバイスと、コンセプト通り女性に受け入れられやすいポップでキャッチーな作風を主軸として差別化されている。
ジャンルに捕らわれない多種多様な楽曲と、ポップでかわいらしいデザインのキャラクター群を大きな特徴とする作風は本作の時点で既に確立されており、その後のシリーズの礎となった。
ボタン配置と配色 |
黄2 青4 青6 黄8 |
白1 緑3 赤5 緑7 白9 |
上記のうち、基本的にセレクト画面などでは左右の青(4・6)をカーソル移動、赤(5)を決定に使用する。
本家beatmaniaと異なり、本作にはムービーは存在しない。
その代わり、画面中央に配置された演奏画面の左右にひとりずつキャラクターが表示されるようになっており、プレーヤーキャラ(プレー中に使用しているキャラ)とライバルキャラに分かれる。
ライバルキャラはプレーする楽曲の担当キャラクターとしてプレー中画面の右側に登場し、プレー中は画面右側でプレー中の判定に応じて様々なアクションを取る。プレーヤーキャラクターは画面左側に表示され、相手キャラと同様に判定に応じたアクションを取るようになっている。
よい判定を取るとプレーヤーキャラが成功のアクションを取りライバルキャラが失敗のアクションを取る、ミス判定を取るとその逆のアクションを取るという演出になっている。
これは「マリィとキングがライバルキャラとダンスバトルで勝負する」というバックストーリーに基づいた演出で、初作含めシリーズ初期には格闘ゲームを彷彿とさせる演出が多かった。
各キャラクターには色違いとなる2Pカラーも存在し、隠し操作でキャラクター選択も可能。
また、キャラクターには実在ゲームやアニメのパロディなどのも多く、楽曲と併せて「なんちゃって・ごっこ遊び」的なお遊び要素を取り入れているのも大きな特徴である。
アーケードでの収録曲はデフォルト12曲+隠し2曲。3ステージそれぞれに4曲ずつ振り分けられ、出現条件を満たしていればステージ3に隠し曲も登場するという形式(筐体のDIP設定により全曲オープンも可能)。
楽曲のバリエーションは広く、当時DJ風味で渋いイメージにまとまっていた『beatmania』に対し、コンセプト通りキャッチーかつ可愛いらしさを重視した楽曲作りが行われた他、アニメソング風の曲・スパイ風の曲のようなパロディ・ネタ要素も多く取り入れた(公式曰く「なんちゃって・ごっこ遊び)ユニークな楽曲も存在した。
長年愛される事になるポップンミュージックシリーズの第1作目。
この時点で多種多様なジャンルやキャラクター等の「ポップンミュージックの基礎」が確立され、音ゲーとして一番大事な曲を演奏するゲームとしての面白さもこの時点でほぼ完成されている。
後のシリーズで取捨選択されていった要素も多いが、根幹的な部分はその後のシリーズにも受け継がれていった。
家庭用移植版が1999年2月25日にプレイステーション・ドリームキャストで発売された。
標準コントローラでもプレー可能な他、アーケード版の配置を模した専用コントローラ「ポップンコントローラ」も発売された。
ハード性能の関係でPS版はDC版よりやや劣る内容となっているが、基本的な内容は共通している。
ボタン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AC | 白 | 黄 | 緑 | 青 | 赤 | 青 | 緑 | 黄 | 白 |
PS | L2 | L1 | ← | ↑/↓ | →/□ | △/× | ○ | R1 | R2 |
DC | L | ← | ↓ | ↑ | →/X/ST | Y | A | B | R |
家庭用第一弾となる作品。
初移植のため荒削りであり、専用コントローラが過剰に敏感などの問題点もあるが、家庭用オリジナル要素であるオプション・ハイパー譜面・新曲等は好評で、後のアーケード版にも影響を与えた。
現在では後述の『2』が発売されており、本作の楽曲はそちらに全て再録されている上にシステムも改善されたため本作独自の価値はやや落ちている。
*1 演出が変わるのみでスコア配分はGREATと同等
*2 ただし今作の使用音源は初代ではなく、beatmania 2ndMIX収録のアレンジ版「e-motion(2nd MIX)」のシングルプレー音源となっている。
*3 AC6-8までのノーマルモードでも同様に標準設定では選曲制限が施されており、公式のQAで初心者が誤って高難度の曲を1曲目に選んでしまわないようにするための配慮である旨が明かされている
*4 厳密には、モニターの仕様、eAMUMENTシステムの採用に伴うカードリーダーとテンキーの付加、遊び方パネルの記載内容など、形状以外の部分で変更がある。
*5 元々は1995年稼働の格ゲー『ドラグーンマイト』のデザイナーチーム。他に「MZD FIRE-FLY(hotaru)」など数名が所属していた。
*6 後にスパイにもハイパー譜面(現行のレベル29)が実装されたが、これはアーケード版『3』からの追加譜面である。
*7 非公式の変換アダプタを使えば使用は可能であるが、当然動作保証はされていない。またPS3本体はPSのソフトへの互換性があるが、PS2のソフトに対する互換性は極初期の特定の型番のみに限られる上、個体差があるらしく該当の型番を使っても使用できるとは限らない点に注意。