Wii Sports
【うぃーすぽーつ】
ジャンル
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スポーツ
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旧PKG
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新PKG
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対応機種
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Wii
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂 エスアールディー
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発売日
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2006年12月2日
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定価
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4,800円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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ポイント
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普段ゲームをしない層も取り込み大ヒット Wiiソフト売上1位
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判定
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良作
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Touch! Generationsシリーズ
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Wii Sportsシリーズ Wii Sports / Resort / Club / Switch
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概要
Wiiのローンチタイトルの一つ。
Wiiリモコンの特徴を生かし、5種類のスポーツを実際の競技に近い感覚でプレイする事ができる。
特徴
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「リモコンを振るだけのシンプルで直感的な操作性」でWiiらしさをアピール。
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操作性のシンプルさに並行し、分かり易い面白さにこだわった5種類のスポーツゲームを収録。
これらのうち、ボウリングとゴルフはWiiリモコン一本で4人対戦が可能。他の種目では人数分用意する必要がある。
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テニス(1~4人)
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4ポイント1ゲームで、設定したゲーム数を先取すれば勝利となる。ダブルス専用で、サーブミスやタイブレークは無い。
フォアハンド、バックハンドの打ち分けも簡単に行える。
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チームの割り振りを自由に決められ、片方のチームの2人を同時に操作することもできる他、両方のチームに入れたり、果てには4人全員を同時に操作することもできる。さらにCPUのみの観戦も可能。
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ベースボール(1~2人)
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バッティング、ピッチング以外はすべてオートで進行するため、野球のルールを知らない人も気軽に楽しめる。
バッティング時にWiiリモコンを振ったタイミングにより、打球の方向が決定する。バントも出来る。
ピッチャーは4種類の変化球(ストレートを含む)を投げ分けられるが、フォークは慣れないとキャッチャーミットまで届きづらい。
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ボウリング(1~4人)
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かなり本格的なボウリング。10フレームの合計スコアを競う。
自分の向きと立ち位置や、ボールへの回転まで掛けられる。
続編の『Wii Sports Resort』にも収録された。
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ゴルフ(1~4人)
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数多く存在するホールを回って、合計点を競うストロークプレーを採用。
Wiiリモコンのひねり方によって、ドローやフェードなどの打ち分けが可能。自分の力加減を確認するために素振りも出来る。
ボウリング同様、『Wii Sports Resort』でより本格的になって再収録。
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ボクシング(1~2人)
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両手を再現するためヌンチャクを併用する。これにより、フックやアッパーの使い分けも可能とした。
『笑っていいとも! 2007春の祭典SP』にてこの種目を用いたコーナーが放送され、攻撃とガードを巧みに利用する戦略性の高さが出演者に絶賛された。
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『似顔絵チャンネル』で作成したMiiに対応しており、登録したMiiを自分のプレイヤーとして使用することができる。
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トレーニングモードもあり、苦手なスポーツを練習する事も可能。
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特にボウリングの「なぎ倒し」は、ガターのないレーンで100個並べられたピンを文字通りなぎ倒すボウリングとなっており、インフレスコアを競う面白さが人気だった。
評価点
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どのスポーツも簡単に操作できて、ゲーム初心者やスポーツが苦手な人でも安心してプレイできる。
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基本がリモコンを振るだけなので、身体を動かすことの面白さを再確認させてくれる。
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スポーツの再現度は非常に高く、シンプルでありながら多人数による対戦も好評である。
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こだわり具合もかなりのものであり、ラケットの動き、ボウリングの玉の癖に至るまでほぼそのままに再現している。
さらにラケットを振った時やパンチを打つ時の風を切る音まで手元のWiiリモコンから鳴るため、臨場感も高い。
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チュートリアルが親切
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特にベースボールは、最初のうちはバッティング操作に「少し早いです」など細かに教えてくれる。
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後にとある計測結果で実際のスポーツとWii Sportsのスポーツの消費カロリー量を比較したところ、ほとんど同じだった事が明らかになっている。
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そのため『脳トレ』と同じく、ゲームに興味のない家庭が健康のためにWiiと同時購入するという異例の事態を引き起こした。
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体力測定という機能や熟練度システムなどといったやり込み機能もあり、ゲームらしいゲームとしても遊べる工夫がされている。
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何回も同じスポーツをやっていると熟練度が上がり、その熟練度が上がるにつれてCPUのAIが賢くなっていく。
自分の実力に比例して難易度が上がっていくため、AIが弱くてやり応えがないという問題も解消されている。
問題点
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スポーツの数が少なめ。
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どのスポーツも出来が良いのでもっと量が多かったら…という意見も多い。
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続編では一気に収録種目が増えたため、今作で物足りなかった人も満足できる内容になっている。
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Miiの表情は基本的に変化せず、勝利しても敗北しても作成時の顔そのままなのでやや不自然。
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ベースボールのみ、ヒットを打たれたときに申し訳なさそうな顔をする演出がある。
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各競技の不備や不満点
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テニス
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プレイヤーとのペアをCPUに任せる場合は最弱クラスのMiiしか選ばれないため、事実上自己ダブルス必須。しかし敵側は両者ともに「プレイヤーの熟練度に応じたCPU」である上、個別に動けるため不公平。
試合開始までは「?」で隠されているが、プレイヤー側のCPU熟練度はほぼ変化しない。
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人間2人でチームを組んで挑めばこの問題は解消できるが、その場合の敵は「1Pの熟練度に応じたCPU」と「2Pの熟練度に応じたCPU」の組み合わせで選ばれるため、2人の熟練度が同程度でないと実力不相応に強い/弱い相手と戦うことになってしまう。
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ベースボール
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CPUの投手は普通に170km/h台のピッチングをするにもかかわらず、プレイヤー側は153km/hが限度となっている。特に対CPU戦ではもどかしさを感じる点である。
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ゴルフ
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スイングの判定が敏感すぎる。実際のスイングのように思い切ってリモコンを振ると、すぐにメーターをオーバーしてしまう。
これは軽く振るだけで十分楽しめると言うWiiのコンセプトを体現しているともいえるが…
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なぜか体力測定が1日1回限定。たまたま上手くいかなかったような場合も測り直しはできない。
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折れ線グラフの都合の可能性があるが、学校の体力テストのように「良い方の記録を採用する」という制度があってもよかったのではないだろうか。
総評
Wiiリモコンを用いて体全体を使って遊ぶというそれまでのゲームの常識を変えた画期的な操作方法が大ヒットを生み出した。
ひとつのゲームとして見ても十分な出来であり、運動不足の解消もできるというこれまでに無いゲームである。
完成度の高さから以降様々なフォロワーを生み出すなど、Wiiの方向性を決定付けた作品でもある。
余談
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本作でCPUとして登場する任天堂制作のMiiキャラクターは全60人。ボクシングのチャンピオン「マット」など、謎の人気があるキャラクターも少なくない。
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以降のWiiシリーズでも、人数が増えたりしつつもこれらのキャラクターは登場し続けた。
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ただし、Wii Fit Uを除くWii Uタイトルではキャラクターが完全に一新され、本作のMiiは登場しなくなってしまった。
販売方法・売上
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日本国内では単品販売だが、海外ではWii本体に初めから無料同封されている。
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海外はホリデーシーズン等で「ハードにゲームやBDを無料同封して定価価格で売る」という販売方法をよくやる。
しかしそれはあくまでホリデーシーズン等の書き入れ時に限定した話であり、またメーカーではなく小売側が行っている販売方法であるため、メーカーが公式的に無料同封している本作とは訳が違う。
これはいわば日本ユーザーのみ余分にお金を払わなければいけないという事であり、海外の事情を知る日本ユーザーからは不満点として挙げられる事もあった。
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間口の広さから多数のカジュアルユーザーの取り込みに成功し、国内において初のミリオン・ダブルミリオンを達成した。
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全世界売上は8,290万本。Wiiソフトで1位である。(任天堂公式サイト)『スーパーマリオブラザーズ』を抜き、「世界で最も売れているゲーム」としてギネス登録されている。
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ただし、上述したように海外では本体同封のため、純粋なソフトのみの売上ではない点に注意。
その後
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2007年にWiiリモコンジャケットが開発され、その装着が推奨されたことにより本作のパッケージも変更されている。
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握られているWiiリモコンがジャケットを付けたものになっているほか、下部に「より安全に使用していただくため、Wiiリモコンジャケットを装着して使用してください」という注意書きも加えられた。
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従来版のパッケージにも店頭でジャケット着用を促すシールが新たに貼られていた。
最終更新:2025年03月04日 14:11