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イリスのアトリエ エターナルマナ2

【いりすのあとりえ たーなるまなつー】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 ガスト
発売日 2005年5月26日
定価 7,140円
判定 良作
アトリエシリーズリンク


概要

  • アトリエシリーズ7作目。イリスシリーズの2作目にあたる作品。
  • アトリエシリーズは初代『マリーのアトリエ』のキャッチコピー「世界を救うのはもうやめた」にあるように、RPGの定番である世界を救う英雄的な大冒険を廃して、錬金術士の視点でファンタジー世界の住人の一人として生活をしていくシナリオが特徴の作品であった。
  • それが画期的で斬新だったためシリーズファンはこの雰囲気を好んでいたのだが、前作イリスのアトリエはそれまでのシリーズとは大幅な路線変更を行い、錬金術をシナリオの軸としながらも他のRPGと同じような世界を救う大冒険をする内容になってしまった。
  • それだけならまだしも、肝心の内容は不親切な仕様の数々(錬金術によるアイテム生成が肝のシステムなのに一種類につき持てるアイテム数が少ない、素材アイテムを集めるために移動の機会が多いのに移動手段が不便、一部の素材が需要に対して非常に入手しにくい)と厳しいゲームバランス(Gutsで何度も復活する雑魚敵など)でかなりの不評。
  • 一方で後のアルトネリコを髣髴とさせる高品質の音楽、豊富かつ面白いサブイベント、それまでのアトリエシリーズにはなかった壮大なストーリー性などは評価されていた。
  • このためファンの声は「元のシリーズの路線に戻して」というものが強かったが、同時に「このままの路線を発展させて」という声も存在していた。
  • そこでガストは考えた。イリスのアトリエの路線のまま旧シリーズの要素も導入し、両方のファンを納得させようと。
  • そして、イリスのアトリエ発売から一年後、期待と不安のまなざしが向けられる中この作品が発売された。

あらすじ

人とマナ(精霊種族)がともに暮らす世界エデン、エデンは錬金術の力で繁栄し、争いもないまさに楽園のような世界であった。
そこに暮らすフェルト(男主人公)とヴィーゼ(女主人公)はともに錬金術士を目指す幼馴染同士であり、その日ヴィーゼは晴れて正錬金術士として認められることになった。
ところが、期を同じくしてエデン中のマナの聖地が消失するという異変が起こる。
異変の原因が異世界ベルクハイデにあると知ったフェルトは、封印から目覚めた剣「深蒼のアゾット」を携え、単身ベルクハイデへ乗り込んでいく。
そして、残されたヴィーゼは異世界で戦うフェルトの力になるために錬金術士としての腕を磨いていく。

では両方のいいとこ取りをしよう!

  • この作品の最大の特徴はベルクハイデで冒険するフェルトと、エデンに残って錬金術士としての仕事をするヴィーゼの二人を交互に操作を切り替えてゲームを進行していくことである。
  • 二人の操作はセーブポイントで好きなときに切り替えることができ、また双方の所有したアイテムや素材は特殊なアイテムによって互いに共有することができる。
  • どういうことかというと、ストーリーの節目節目でフェルトは何らかのアイテムを必要とする場面があり頭を悩ます事態に直面する。そこで必要なアイテムを正錬金術士のヴィーゼに作ってもらうのだ。
  • 要は、フェルトがアイテムを必要としている → ヴィーゼがレシピを手に入れ作り方を見つける → フェルトがベルクハイデで素材を集める → ヴィーゼが素材を使って必要なアイテムを作る → フェルトがそれを使ってストーリーを進行する…という流れ。
  • このシステムによってフェルトのパートでは前作イリスのアトリエのような「世界を救う冒険」の路線を、ヴィーゼのパートではヴィオラート以前のアトリエシリーズの雰囲気を実現させている。
  • そしてこのシステム自体が「仲間との協力」「フェルトに対してのヴィーゼの想い」「錬金術の便利さと危険性」といった本作のシナリオやテーマに絡んでくる。
  • ただ完成度は高いものの、ヴィーゼパートでは別に作ったアイテムを町の人に売ったりできるわけでなく(普通のRPGのようにお店でアイテムは売れる)、また町の人とのイベントもフラグを細かく立てて多くのイベントを自由に発生させられるのではなくほとんど固定であるため文字通り「雰囲気」だけが旧作路線である。
    • このため熱心な旧作ファンからはあまりいい目では見られていない。
  • またシナリオが終盤に入るとフェルトとヴィーゼが合流してしまうため互いに操作を切り替えられなくなる。そのためあくまでフェルトのシナリオが本筋でヴィーゼのパートはそれを支えるものという扱いである。

どーんと下がったハードルと完成度の上がった戦闘システム

  • とにかく前作からの改善点が多く、特に戦闘バランスはアトリエシリーズのライトな雰囲気にそぐわったものへ改善されている。
  • Gutsをはじめ凶悪なスキルを持った敵は激減。基本的に低難易度であるものの普通にプレイする分にはぬるすぎないバランスに落ち着いている。
  • パーティーバランスはキャラごとに長所・短所が明確にされたバランスの良いものに改善。使いにくい技やスキルも減少し、6人いる仲間は極端に強い・弱いキャラが存在しない。
    • ただし、終盤でフェルトと合流するヴィーゼはその時点では極端にレベルが低く足手まといになりがち。しかし成長させると技の組み合わせ次第ではパーティー内で最もダメージを叩き出す強キャラとなる。
  • 戦闘システムは前作の戦闘システムに『グランディア』の戦闘システムを加えたようなもので、素早さが高いほど行動順が早く回っていき、特定の技や「ブレイク」攻撃で相手の行動順を遅らせることができる。
    • 攻撃はコストの低い通常攻撃チャージと、コストが高いが敵の行動を遅らせられ、気絶を狙うこともできるブレイクの二種類。コストが低いほど次の行動が早く回ってくる。
      • この二つの通常攻撃を行動順を考えながら使い分けるのは戦術性を向上させることとなった。特にボス戦などではブレイクの使うタイミングが重要になる。
  • アトリエシリーズらしくアイテムの数や質は豊富で、前作とは違い全てのアイテムが99個まで持てるようになったこと、一度作ったアイテムはマナ調合という素材の代わりに元素を消費することで簡単に作れるようになったため、アイテムを使いまくって戦闘の補助をする、といったことが気軽にできる。
    • 錬金術士らしい戦闘が実現できるようになった反面、アイテムの種類が豊富なためバランス崩壊に近いアイテムもある。それらも含めて大量に作れることもあり駆使しすぎると戦闘が簡単になりすぎてしまう。
      • ただしこういったバランスが崩れるようなアイテムが作れるのは終盤になってからのため大方は問題ない。また雑魚戦に対してラスボスは非常に強いため戦闘が苦手な人に対する救済措置にもなっている。
    • 全体的にどこかで見たことがあるシステムではあるが、オリジナリティも十分にあり完成度は高い。マナケミアをはじめ後の作品の戦闘システムが高評価なのも、この作品で培ったシステムがある故である。

その他評価されている点

  • 王道を地でいくシナリオ。先が読めることも多いが、熱いシーンも感動シーンも押さえるべきツボはしっかり押さえていておおむね評価は良好。
    • レジスタンスとともに敵の本拠地へ攻め込むイベントは、弱い敵と大量にエンカウントする仕様に変わりいかにも戦争という雰囲気が味わえる。
    • 終盤、フェルトがライバルとの一騎討ちにやられ石化してしまうが、彼を助けるためにヴィーゼが単身ベルクハイデへ旅立つ展開は絆の深さを感じられる名イベント。
  • 全体的なテンポのよさ。
    • ロードは皆無に近い。こまごまとした作業が多いゲームだが、慣れればごく短時間でそれらを済ませることができる。特に調合中はボタン押しっぱなしで早送りも可能。
    • マップ移動は前作のように広いマップをいちいち歩いていくのではなく、ロマサガシリーズのように指定した場所に瞬時に移動できるようになったため短時間で遠くへいけるようになった。
      • こういった変化は「世界が狭くなった気がする」「手抜き」と批判されるゲームもあるが、この作品では錬金術の素材を集めるために各地へ頻繁に移動する機会が多いため歓迎の声が強い。
  • 良好な音楽
    • ガスト作品の例に漏れず、音楽は剣と魔法のファンタジー世界をしっかり体現していて聴き応えのあるつくり。
    • 主題歌も好評である。
  • 調合のハードルが低くなった。
    • 前述のマナ調合の導入、マップ移動が手軽にできることになったことによる素材収集の容易さ、持てるアイテム数の増大などによって手間さえかければ好きなだけ調合できるようになった。
  • 視覚的にわかるエンカウント
    • ダンジョンなどで移動している際に、画面の隅にゲージがあるのだが、移動するごとに青から赤色へ変わっていき真っ赤になると敵とエンカウントする。
    • また同一フロアでエンカウントするたびにゲージが減少していき、ゲージがなくなればそのフロアでは敵がでなくなるため、素材の収集などでフロア内を長時間滞在する際もテンポが悪くならない。ただしゲージはフロアを切り替えれば回復し、再び敵が出るようになる。
      • このため雑魚敵との戦闘の際でも戦闘前にきちんと準備をすることができ、痒いところに手が届く親切仕様となっている。

総評

  • アトリエシリーズとして考えれば、あまりにも普通のRPGになってしまい残念がるファンも少なくないのは確か。
  • しかし普通のRPGとして考えれば全体的な完成度は高水準。
  • 前作で批判された要素はほぼ完全に駆逐され、ずば抜けて優れた点こそないものの欠点といえるほどの欠点は存在しない。
  • 傑作とまで呼ぶのは難しいが、確実に良作以上の作品である。

その他

  • ゲーム内容自体には関係ないがこのゲームが発売されたとき、限定版を買ったプレイヤーの一部に買ったゲームの箱の中にゲームソフトが入ってなかったという問題が起き、公式サイトや関連掲示板が大騒動になった。