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SIMPLEキャラクター2000シリーズ Vol.8 科学忍者隊ガッチャマン THE シューティング
【しんぷるきゃらくたーにせんしりーず ぼりゅーむはち かがくにんじゃたいがっちゃまん ざ しゅーてぃんぐ】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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バンダイ
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開発元
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童
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発売日
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2002年6月27日
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定価
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2,000円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1ブロックの空きが必要
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判定
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クソゲー
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ポイント
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科学忍者隊ガッチャマンのシューティング 薄いゲーム内容・低すぎる難易度 シューティングとしての土台は悪くない ところで竜はどうした
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SIMPLEキャラクター2000シリーズ
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タツノコプロシリーズ
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概要
有名キャラクターを使用したプレイステーション用安価ソフト『SIMPLEキャラクター2000シリーズ』の一角。ジャンルとしては縦スクロールシューティングに該当する。任意セーブ方式。
タツノコプロを代表する超有名ヒーローアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』の数少ないゲーム作品。開発は『紫炎龍』などで知られる童が担当。
主なルール
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操作系統。
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自機の操作に関しては以下の通り(全自機共通)。
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方向キーで八方向移動。
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○か□ボタンでメインショット攻撃。オートではないので、手動で連打する必要あり。
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×ボタンでボム攻撃。使用回数制限あり(初期ストック3)。自機によって性能に相違あり。
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ステージ構成について。
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本作は総計5つのステージがあり、そのうちの4ステージは各2エリアに分けられている(実質上は全9エリア構成)。
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初回4ステージは「プレイヤーセレクト」という形でステージ選択が可能。どういう選択をしようが、必ず4ステージすべてを攻略しなければならない。
選択可能ステージは「"大鷲の健"ステージ」「"コンドルのジョー"ステージ」「"白鳥のジュン"ステージ」「"燕の甚平"ステージ」がある。なお、"みみずくの竜"関連のステージは存在しない。
選択可能4ステージをすべてクリアすると、最終決戦ステージが始まる。このステージにはエリア分けがなく、1エリア分をクリアすればエンディングを迎える。
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各エリアの自機はすべて違うものが用意されており、ショット・ボム性能に若干の差別化が図られている。自機セレクトは行えず、必ずエリア専属の自機を使う事となる。
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以下、ステージ構成の表を示す。
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前半エリアの自機
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後半エリアの自機
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"大鷲の健"ステージ
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大鷲の健
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G1メカ
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"コンドルのジョー"ステージ
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コンドルのジョー
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G2メカ
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"白鳥のジュン"ステージ
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白鳥のジュン
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G3メカ
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"燕の甚平"ステージ
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燕の甚平
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G4メカ
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最終決戦ステージ
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ゴッドフェニックス
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アイテムについて。
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敵・及び"見えない箇所"を破壊する(撃ち込む)と、以下のアイテムが出現する。
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「パワーアップ」…最大5段階までの自機パワーアップ効果。パワー最大時ではスコアアップの効果。
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「ボム」…ボムストックが1増える。最大で25つまでのストックが可能。
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「Gマーク」…各エリアに5つ隠されているアイテム。スコアアップの効果に加え、秘密の効果もある。
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ミス条件・クリア後の自機状態について。
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ゲージによるライフ制を採用しており、ライフがすべて尽きるとゲームオーバー。
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具体的なダメージ数は不明だが、ダメージ単体のゲージ減少率は微小程度。自機がダメージをもらうと、パワーアップ段階が1つ下がるペナルティ。
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通常時では一撃でミスするダメージはないが、タイトル画面のオプションにある「サドンデス」という項目をONにすると、いかなるダメージで一撃ミスとなってしまう。
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自機が壁に触れてもダメージはない。スクロールと壁に挟まれても、自動的に自機が上位置へと押し上げられるだけに留まる。
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エリアクリア後はそれまでのライフ残量などの引継ぎがされる場合とされない場合がある。
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各ステージの前半エリアをクリアすると、ライフ残量は回復され、パワーアップ段階・ボムストックは継続されたままに後半エリアへと進む。
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後半エリアクリア後は前述すべての状態がリセットされた状態で次ステージ(前半エリア)へと進む。
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コンティニューは無制限に可能。再開場所は「ミスしたエリアの最初から」となる。
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ギャラリーについて。
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特定条件を満たした状態でゲームを終えると、タイトル画面の「ギャラリー」というモードにおまけイラストが追加される。
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このモードは本作用に書き下ろされたイラストが鑑賞できる。ゲーム内のイベントシーンで使用されたものの他に、この項目でしか鑑賞できないイラストもある。
問題点
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薄すぎるボリューム。
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全9エリアといえばそこそこ多いボリュームに思えるかもしれないが、実際はすぐにオールクリアできる程に薄い。
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1エリアあたりの構造が短すぎるため、極めて短時間でのクリアが可能。フルプライスのシューティング作品の半分未満といっていい程。
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低価格ソフトゆえに隠しステージや難易度選択などのバリエーションもなく、一回オールクリアするとそれ以上の目的が見当たらなくなってしまう。
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低すぎる難易度。
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数あるPSシューティングの中でも本作の難易度は桁違いに低い。
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雑魚敵の耐久度が紙同然のもろさであり、適当にショットを撃っているだけでも勝手に消滅している事態が多数。自機よりも一回り大きい敵ですら即破壊できてしまう。
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ボス敵もやる気が感じられない程に弱く、それなりにシューティング慣れしているプレイヤーならばいとも簡単に撃破できてしまう(後述の例外もあるが…)。
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薄いボリューム感も相まって、必然的にプレイヤーは「一体何と戦っているのか?」という虚無感を覚えていくのは必至となるだろう。
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エリア内にて一切のライフ回復がないのは厳しいが、ダメージ時のライフゲージ減少率が雀の涙程度なので、ゲージが尽きる前にクリアできてしまう事が多い。
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「"白鳥のジュン"ステージの前半エリアボス」だけは異常なまでに強い。
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このエリアボスは「機軸が読み辛い初見殺しのレーザーを連続発射してくる」というもので、初見プレイでは連鎖ダメージの餌食となる可能性が極めて高い。
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とはいえ、レーザーを発射する複数の装置は破壊可能なので、ボス本体よりも装置優先で破壊すれば他ボス並に弱くなる。ボス本体よりも装置の方が強敵というのはどうなのか…?
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ジュンステージ前半ボス程ではないものの、「"コンドルのジョー"ステージの前半ステージボス」もそこそこ強い。
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このエリアボスは「ボス敵が画面内を四方八方から体当たりで襲ってくる」というもの。レーザー装置の様な鬼攻撃ではないが、体当たりのスピードが早く、慣れない内はダメージを受けやすい。
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ボス敵にダメージをあたえると「ボスパーツが分裂して弾幕を仕掛けてくる」という攻撃を行うが、パターンを見極めれば難なく対処可能である。
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やっつけすぎるイベントシーン。
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ステージ(エリア)開始前後には必ずイベントシーンが発生するが、「適当に入れました」感が非常に強いものとなっている。
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南部博士(司令官)「ギャラクター(敵組織)が出現した」 ⇒ ガッチャマン達「出撃するぜ!」 ⇒ ベルク・カッツェ(敵)「おのれガッチャマンめ!」
最後までこのテンプレ展開の繰り返しである。原作における主要キャラ達の濃厚な駆け引きがまるで再現できていない。尤もAVGやRPGではなくSTGである以上仕方ないのかもしれないが。
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エンディングに関しても「ベルク・カッツェが倒される ⇒ ガッチャマン勝利」位にしか描かれていない。原作最終回はそんな安直な終わらせ方ではない。
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キャラゲー演出もショボい。
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PSのキャラゲーといえば「アニメーションによるイベントやボイス演出などのファンが喜びそうな演出」を取り入れる作品があるが、本作にはそんな演出は全くない。
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「アニメーションの類はない」「キャラは一切ボイスで喋らない」「それでいて上記のやっつけイベントシーンを見せられるだけ」。この程度で喜ぶ原作ファンは常識的にはまずいないだろう。
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同じタツノコプロ原作のPSゲーム『タイムボカンシリーズ』と比べても、目を覆いたくなりそうな程に製作愛が感じられない。
みみずくの竜の活躍が皆無。
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竜専用のステージが用意されておらず、主要キャラの中でも彼の出番が極度に少ない。
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原作自体、竜の活躍は他4人と比べても控えめだったが、「そんな悲しい再現をわざわざゲーム内で行わなくてもいいのに…」と思えてしまう。
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とは言え『II』以降ならいざ知らず、無印では竜専用機が無いも同然なので…。
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ちなみに竜が始めて活躍する最終決戦ステージ前のイベントでは、彼が「やっとワシの出番がきた」的な自虐発言をしている。泣ける…。
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とは言え、竜は出番があるだけマシである。原作における影の主人公と言える人気キャラ、レッド・インパルスは全く登場しない。
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ゲーム上の不備も幾つかある。
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オートショットができない。
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21世紀の家庭用シューティング作品でオートショットなしと言うのは如何なものか? 敵がすぐ倒せるおかげで、執拗に連射しなければならない場面が皆無なのが救いだが…。
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最終決戦ステージの背景が非常に気持ち悪い。
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「ビビッドな紫の背景の中に巨大なギャラクターのシンボルマークと丸型のスポットライトが常時チカチカと表示される」というもので、即効性の目の疲労を招いてくる。
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ラスボスも例によって弱いので、こういう背景で難易度を誤魔化しているのだろうか? 「難易度が高い」のと「目が疲れる」のは全然違う意味合いなのに…。
賛否両論点
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BGMに関してはバリバリのトランス楽曲がメインであり、ガッチャマンの曲としては相当な違和感を覚える。
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曲自体は普通に格好いいものだが、同期の現役シューティング(『サイヴァリアシリーズ』など)と同じノリの楽曲で、ガッチャマンのゲーム楽曲とは到底思えない。
評価点
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シューティングとしての土台は無難で問題ない。
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オーソドックスなショット & ボム方式の操作系統であり、オートショット不可の件を除けば操作性の不備はない。
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1つのシューティング作品として見ても、(最終決戦ステージ以外では)視野が見辛い訳でも、ロードが長い訳でも、無理ゲーを強いられる訳でもなく、ストレス要因は少ない部類にあたる。
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各エリアが短いのは「アップテンポでクリアができ、不自然な間延びを感じさせない」ともいえる。良くいえばテンポ重視のシューティングである。
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ステージ(エリア)内における、グラフィックの書き込みはしっかりと描かれている。
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ポリゴン未使用の完全ドット書きによるグラフィックだが、いい意味でのレトロチックさが表現されている。原作の雰囲気も上手く表現できている。
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ただ、各ステージの前半エリアの地形はすべて同じ背景の流用で済まされている。そこはSIMPLEならではの安っぽさを覚えてしまう。
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縦スクロールシューティングというゲームの関係上、自機がガッチャマンメンバーの場合、彼らの背中しか映されないのも寂しい(正面向きの自機パターンが用意されていない)。
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書き下ろしイラストは割と美麗。
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イラストのクオリティはそれなりに高い方。
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しかしイラストの枚数は多くなく、どのイラストも非常に地味な見栄えなものばかり。
総評
「薄い・ヌルい・飽きやすい」の三拍子が揃った極貧作品というべき存在。「ガッチャマンのキャラゲー」として見ても、到底ファンが納得する程のものとは思えない。
一応、シューティングとしては普通に遊べる出来ではある。
余談
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本作は週刊ファミ通のクロスレビューで
2点
を獲得した作品として知られる。
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PSソフトで2点を記録したのは本作と『修羅の門』『SIMPLEキャラクター2000シリーズ Vol.17 戦闘メカ ザブングル THE レースインアクション』の3本のみ。
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伝説級のクソゲーである『修羅』や、SIMPLEとはいえあまりにヘボすぎると酷評を受けた『ザブングル』と最下位タイというのは、(悪い意味で)快挙といえるはずなのだが…。
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しかし、壊滅的な出来の『修羅』などと比べて、本作はシューティングとしての体裁が保たれている分、クソゲー度は大幅に下がる。実際「2点は厳しすぎじゃないのか?」と疑問に思う声もある。
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全体では5点・6点・5点・2点の計18点。他と比べても2点は厳しいように思える。
最終更新:2024年02月12日 01:16