ゲバラ
【げばら】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| メディア | 2Mbitロムカートリッジ | 
| 発売・開発元 | SNK | 
| 発売日 | 1988年12月26日 | 
| 定価 | 5,300円(税抜) | 
| プレイ人数 | 1~2人(同時プレイ) | 
| 判定 | 良作 | 
 
ストーリー
1956年南米キューバ大統領バティスタは、重い税金と秘密警察を使って、この国を支配していた。
ゲバラはカストロに協力し独裁者バティスタを倒す為、密かにキューバへ上陸した。
しかし、すでに軍隊が彼らを待ちうけていたのであった。
概要
キューバ革命で知られる歴史上の人物「チェ・ゲバラ」を主役とするトップビューアクション。
キューバ革命を題材とした同名のアーケードゲームの移植作品である。
ゲーム内容
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十字キーで八方向に動き、Bで銃を撃ち、Aで手榴弾を投げる。
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二人同時プレイが可能で、1Pはチェ・ゲバラを操作し、2Pはカストロを操作する。
特徴・評価点
SNKのトップビューアクションといえば『怒』が有名だが、あちらのファミコン移植版はもっさり操作やのっぺりグラフィックなど、業務用の面白さをオミットしていた。
本作は開発元のSNK自身が手掛けたこともあり、期待を裏切らない良移植となっている。
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主人公の動きが素早くなっており、やりこめばサクサク進めるようになった。
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業務用ではせかせか歩いており、業務用から知った人は違和感を覚えるかもしれないが、これは逆に良いアレンジである。
 
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敵やステージの配置が巧妙で、「ただ適当に進む」ことは通用しにくい。集中して臨むことができる。
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アイテムのバリエーション。散弾銃やバズーカなど多数のアイテムが登場し、ゲームの幅が広がっている。
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ステージによってアイテムの有利・不利があるため、これまた「ただ適当に取る」ことは通用しにくい。
 
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ステージは荒野や村、炭鉱などバリエーションが豊富で、進むたびに新鮮な気持ちになれる。
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トロッコに乗って前方に突き進む炭鉱内部ではレールの曲がり角に差し掛かると画面の回転処理が行われる。ファミコンには回転機能がないので疑似的なものであり描画パターンも少ないが、画面全体がダイナミックに変化するので驚かされる。
 
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グラフィックは業務用の再現を意識してしっかりとメリハリがついており、茶色の地面や緑の森林などが識別できる。
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業務用で印象的だった爆破演出もファミコンのゲームとは思えない程忠実に再現されている。
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主人公も水色(ゲバラ)と黄色(カストロ)という目立つ色なので、ポーズ後もどこにいるか識別しやすい。
 
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二人同時プレイが可能。
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当時は二人で協力して進行するゲームが少なく、『魂斗羅』などしかなかった。
 
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無限コンティニューを採用。
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コンティニューしてもその場で復活するため、じっくりやれば誰でもクリアできる。
 
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ステージセレクトや難易度選択なども可能で、裏技ではなく説明書に記載されている。
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裏技で『サスケ VS コマンダ』が遊べる。
賛否両論点
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ゲーム性の変更
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業務用では『怒』シリーズから受け継いだループレバーによる操作で敵を狙い撃つゲーム性だったが、ファミコン版では十字キーで移動と銃口の変更を行うというカプコンの『戦場の狼』を彷彿とさせるシステムに変更された。
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前2作の反省からか本作の移植は比較的素直な戦場の狼タイプのゲームに変更される措置が取られたが、業務用の熱烈なファンからは「コレジャナイ」という反論意見もある。
 
問題点
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画面がチラつきやすい
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爆風の演出を業務用に忠実に再現したため、画面の点滅演出が頻繁に起こるようになってしまった。
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画面の点滅が頻繁におこる関係上、長時間プレイには注意。
 
総評
完成度が素晴らしい、初期SNKの集大成となったトップビューアクション。
ハード仕様上のゲーム性の変更という大きな相違点のため、原作ファンにとっては賛否あるが、それ以外の要素においてはできうる限り業務用を再現しようとした尽力の跡が見られ、いずれも原作を著しく劣化させることなくファミコン向きのアレンジにまとめあげている。
『怒』の完成度の低さにリベンジしたと言えるだろう。
余談
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キューバ革命で活躍するカストロは2名おり、兄のフィデルと弟のラウルであるが、このゲームで登場するカストロは兄の方である。
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ゲバラとカストロの2人だけで上陸するのも、マイケル・ジャクソンみたいな奴や巨漢ハゲ兄弟と対決するのも、巨漢ハゲ兄弟によって地面に開いた大穴から地下にぶん投げられるのも、トロッコ上でチェーンを振り回して捕虜を回収するのも、バティスタ大統領を殺すのも、もちろん全てフィクションである。
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海外では「Guerrilla War」というタイトルで販売された。
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内容は同じだが、登場人物も舞台も架空のものとなっており、ゲバラやカストロの名前も出てこない。当時は、キューバ革命を範とする過激派や反政府組織がテロを繰り返しており、それをネタにした不謹慎ゲームとして扱われる可能性を回避するためだったのだろう。
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ただしゲーム中に登場するマップはキューバ、主人公の顔はゲバラのままである。
 
 
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アーケード版のゲバラはFC版以上に高難易度の作品とされている為、気軽に楽しみたいのであればFC版を購入する価値があるだろう。
最終更新:2022年03月06日 17:11