LEFT 4 DEAD
【れふと ふぉー でっど】
ジャンル
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CO-OP FPS
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対応機種
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Windows XP/Vista Xbox 360
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開発元
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Valve Software
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発売元
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Valve Software 【Winパッケージ】ズー 【360】エレクトロニック・アーツ
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発売日
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【Win】2008年11月21日 【360】2009年1月22日
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定価(税込)
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【Win/360 パッケージ版】7,329円 【Win Steam版】1,980円
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廉価版(税込)
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【360】2009年9月17日/2,940円
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レーティング
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CERO:Z(18才以上のみ対象)
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判定
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良作
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LEFT 4 DEADシリーズ 1 / 2 (生存者たち)
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概要
よくあるゾンビと戦うFPSだが、普通のゾンビアポカリプスゲームとは違い、全てがオンラインでの協力プレイを前提に作られているのが特徴。
ゾンビ+協力プレイというゲーム内容が見事にマッチし世界的にヒットした。
特徴・評価点
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ズバリ、雑魚ゾンビ(通常感染者)が最近のゾンビ映画でよく見るような「走るゾンビ」であり、プレイヤーを見つけると全力疾走かつ圧倒的な数で襲いかかってくること。
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この系統のゾンビはゲームでは意外と少なく、ジリジリと迫ってくるゾンビとはまた違った怖さが味わえると同時に、慣れれば何十体ものゾンビを次々となぎ倒しながら進んでいく爽快感も兼ね揃えたゲームになった。
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ただし、特殊能力を持ったゾンビに捕まった時やダウンした時、高い所から落ちそうな時は1人きりではどうにもできず、仲間からの助けが必要不可欠。
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1人で突っ込んでいくようなプレイはほぼできないので、自然と仲間との連携がとれていく。
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ちなみに、本シリーズはゾンビ映画の撮影という設定だったりする。
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このゾンビは公式においては「感染者」という設定でもあり、また随所にゾンビ映画を意識したネタが仕込まれている。
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前述の通り感染者の中には特殊能力を持った「特殊感染者」がいる。
通常感染者を引き寄せる液体を吐き、死ぬと爆発してその液体をばら撒く「Boomer」
ジャンプで跳びかかりマウントをとって動きを封じる「Hunter」
長い舌でスナイパーの如く遠距離から巻き取って孤立させる「Smoker」
普段はおとなしいが生存者が近づいたり危害を加えると突如として狂暴になる危険なNPC感染者の「Witch」
そして巨大な体から繰り出すパンチで生存者を吹き飛ばし岩を投げつけるボス感染者の「Tank」
それぞれ異なる特徴を持っており、いずれも一筋縄ではいかない相手ばかりである。
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このおかげで通常感染者だけを倒し続けるといった単調なプレイにならず、ゲームプレイにメリハリを与えている。
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続編ではワンパターンな籠り戦法への対策と取れる新種の特殊感染者が追加されるようになった。
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このゲームには「AI Director」という自動難易度調整機能が搭載されている。
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具体的にはプレイヤー側の体力や所持アイテムなどに応じて通常感染者や特殊感染者の出現頻度や数、武器や回復アイテムの配置数と場所が変更される。
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プレイヤー達が苦戦していると判断されれば、敵が少なくなり回復アイテムが沢山配置され、逆に余裕があると判断されればアイテムが少なくなり敵の出現頻度も若干上がる。
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このおかげでプレイするたびにゲームの展開や戦略が異なるといった面白さがある。
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生存者の武器には威力・射程・リロード・弾薬数など性能に差がある数種類の銃火器と、投擲武器の「火炎瓶」または「パイプ爆弾」があり、要所々々で使い分けることが求められる。キャラ毎の性能差はない。
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生存者は体力が無くなるとダウンしてしまい、移動できなくなる。他生存者が救助すれば立ち上がれるが、この状態で一定時間が過ぎるか、3回目のダウンだった場合に死亡してしまう。
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銃火器は最初のうちは「サブマシンガン」と「ポンプショットガン」が見つかるが、ゲームが進むとより性能の高い「アサルトライフル」「セミオートショットガン」「ハンティングライフル」が登場する。
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初期装備のハンドガンは弾数無限のセカンダリだが、二丁拳銃にすることもできる。
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通常感染者を引き付ける音を鳴らしてから起爆するパイプ爆弾や、火の海を作ることで(味方を巻き込むリスクもあるが)あらゆる感染者を沈める火炎瓶は使い所が良ければ逆転も可能。
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また一時的に体力を増やしその間は死亡を避けられる鎮痛剤や、体力に加えて前述のダウン回数も回復できる救急キットもある。
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鎮痛剤は所持していない味方に渡すことが可能であり、救急キットの場合も自身だけでなく味方に使用することが可能。自身だけでなくメンバーの体力を考慮してアイテムを使用、譲渡する必要がある。
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対戦モードも他とは様相を異にする。生存者側と感染者側を各4名に分かれて対戦していく独特なルールとなっているのだ。
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プレイヤーは4人チームを組み、各マップで生存者側と感染者側を交互に操作してポイントを多く稼いだチームが勝ち。
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生存者側は進行距離に応じてポイントが入る。1人でもゴールに辿り着くことで大量得点となるが、これを感染者側が妨害して相手にポイントを取らせないように戦っていくのがこのモードの主旨。
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感染者側は一部を除き、数回攻撃されれば死ぬ程度の耐久力だが、死亡すると一定時間待った後に別の感染者に替われるので、自分の操る感染者の能力を使いこなし他感染者と連携して生存者を追い詰められるかが鍵となる。こちらは生存者への妨害行為でポイントが入る。
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実は開発当初はこのPvPモードがメインに据えられていた模様であったが、途中で敷居の高さを危惧されてPvE主体へと舵を切られた経緯があった模様。
問題点
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公式マップの数が最大6種類と少ない(PC版だとユーザーが作ったマップで遊ぶことができる)。
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難易度が全体的に高め。
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プレイヤー間の連携が必須ということは、上手いプレイヤーの1人や2人だけががんばるだけでは到底クリアは望めないということ。そして1人のミスがズルズルと致命的に足を引っ張ってしまうことにもなりかねない。
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ほぼ全員が敵の特徴を理解し、連携して対処していくまでにならないと安定したクリアは望めないだろう。感染者が大量に殺到している "ラッシュ" 中、ゴール間近のラッシュ"フィナーレ"中に誰か1人が特殊感染者などに引っかかってしまうと戦況は一気に不利に覆る。
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これらは最低難易度だろうと変わらないため、初心者はプレイしにくい。
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人との連携と比べるとBOTは足手まといになりがち。自分+BOT3体のシングルプレイ時にはBOTの行動にイライラさせられることがある。
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ただ、未熟なプレイヤーよりBOTの方が頼りになることもよくある。
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武器の種類がまだ少ない。プライマリ武器は合計5種類しかなく、セカンダリ武器に至ってはピストルだけ。
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性能だけで選ぶと最終的にプライマリ武器はアサルトライフルとオートショットガンしか選択肢がない。
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この2種は中盤以降でしか出現しないが、同じく中盤以降に出現するハンティングライフルは移動中の命中精度が極めて悪いため使いにくく、お荷物扱いされることもある。
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ダメージはないが隙の少ない「押し返し攻撃(殴り攻撃)」が無制限で出せるので、通常感染者相手なら角や小部屋に立って押し返し連打である程度切り抜けることができてしまう。
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とはいえ本作でも対戦モードにのみ籠もり防止のために、押し返し攻撃を数回連続で出すと間隔が長くなる「疲労」システムが実装されている。
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Tankの仕様
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Tankは最初に狙いをつけたプレイヤーを執拗に攻撃する。他のプレイヤーには目も暮れず、狙ったプレイヤーが戦闘不能に陥っても死ぬまで殴り続ける。
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狙われたプレイヤーが非常に死亡しやすい上、残りの3人にとっては倒れた仲間を殴り続けるTankをひたすら撃つという単調な展開になりがち。
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Tankが理不尽なタイミングで出現することがある。
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序盤などを除く全てのチャプターにTankが必ず出現する。チームが疲弊していようがお構いなしで、長いチャプターだと2体目が出現することすらある。
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ひどければクレッシェンドイベント中に出現してしまう。通常感染者や特殊感染者と同時に襲ってくるため、こうなるとクリアはほぼ不可能。
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ただしTankが近くにいるとうなり声が聞こえるため、慎重に進めば突然襲われることは基本的には少ない。
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どちらも『2』では改善されている。
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CO-OPメインとなったゲームであるが、次作が1年というハイスピードで発表されたうえに削減された要素も非常に少ないため、現在はユーザーのほとんどが『2』に移っておりこちらを買う意味が薄い。
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まず『2』を買ってみて、気に入ったら改めて本作購入を検討するのが良いだろう。結局本作準拠の特殊モードを追加するMODがあったりもするためか、CO-OPするのは厳しいが。
総評
PvPのFPSを代表する存在の一つである、Valveが打ち出したPvE型のFPS。
これまでのFPSやゾンビゲーに一石を投じた、スピーディーなゲームテンポで繰り広げられる共闘という路線が功を奏した作品である。
続編となる『LEFT 4 DEAD 2』は本作を根幹として各要素を拡張し、Steamを代表するファーストパーティーゲームの1つとなった。
余談
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本来のパッケージは「親指が根本からちぎれている」デザインとなっており、指が4本残っていることから「4人の生存者」という意味が込められている。
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しかし、日本を始めとした規制の強い国では、上の画像のように親指を隠したマイルドなパッケージが使われている。
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特に日本では部落差別と関連するため、「4本指」という表現は他作品においてもパッケージで規制される傾向がある。
最終更新:2024年05月11日 13:00