メタルギアアシッド2
【めたるぎああしっどつー】
| ジャンル | タクティカルカードゲーム |  
 | 
| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 開発元 | コナミ(小島プロダクション) | 
| 発売元 | コナミ | 
| 発売日 | 2005年12月8日 | 
| 定価 | 5,040円 | 
| レーティング | CERO:15歳以上対象 | 
| コンテンツアイコン | 暴力、恋愛 | 
| 判定 | 良作 | 
| メタルギアシリーズ | 
 
概要
『メタルギアアシッド』の続編。
『アシッド』は実験ゲームとしての色が濃く問題点も多かったが、それを差し引いても満足できるほど濃厚なシナリオや独特のシステムによって人気を得ていた。
前作から1年という異例のハイペースで製作されたが、前作でのユーザーの意見をきちんと反映して、ほぼすべての問題点を解消している。
時系列は前作の後となっているが繋がりはほとんど無く、本作から始めるプレイヤーでも問題なくプレイ可能となっている。
ストーリー
北米の孤島を占有する軍事会社、ストラテロジック(SL)社。 
ここに単独潜入するひとりの男の姿があった。 「スネーク」と男は名乗った。
そしてその指揮を執っているのはなんとFBI捜査官であった。
作戦の目的はSL社の極秘捜査。
一見何のことはない容易な作戦、任務は容易に達成されるかに見えたが、任務完了の直前、敷地全体に警報が鳴り響く。
介入する軍隊、独立して行動するSL社警備部、そして起動するメタルギア。
当初は容易そうだった任務は、今や最も困難な任務になろうとしていた…。
※公式サイトより引用
改善点・評価点
基本的なシステムや前作の問題点は前作『メタルギアアシッド』を参照してほしい。
- 
移動時の操作性
- 
前作では立ちやホフク状態の決定は移動ルート決定の終了後にしか切り替え出来なかったが、今回は□ボタンでいつでも立ちホフクに切り替えができるようになった。
- 
また、ドアを開けて部屋に入るという行動を行う際、前作はドアの前で立ち止まらなければならず無駄にカードを消費していたが、今作は移動を一マス一マス決定可能になったため一枚のカードで実行可能になった。
 
- 
マップ構成
- 
前作の「火力発電所」のようなものすごく長いステージは存在しなくなった。
- 
テンポのよい長さとなり、ターン性であることを利用したギミックが増えより楽しめるようになった。
 
- 
カードバランス
- 
前作は優秀なカードでもなんでも4枚デッキに投入可能だったためバランスが崩壊しかねなかったが、今作はカードごとにデッキの投入枚数が細かく指定されている。
- 
特に前作で猛威を振るった「ゴルルゴン」「ステルス迷彩」などはコストが増加したり仕様が変更されたりと大幅に弱体化した。
 
システム面
- 
カード枚数大幅増加
- 
カードは前作から倍以上で500枚以上が収録されている。
- 
また新たにポイントを消費してカードを強化する「グレードアップ」が追加された。
- 
カードには「WEAPON」「ITEM」「ACTION」「CHARACTER」「SUPPORT」の属性があり、今回は新属性の「TRAP」「LINKAGE」が追加され7種類となった。
- 
ちなみにこのカードはゲーム内では「ナノチップエキスパンション」という戦闘行動支援プログラムという設定。
 
- 
WEAPONカード
- 
銃、グレネード、マシンガン、ナイフなどの様々な武器のカード。「チャフグレネード」や麻酔銃「Mk22」もここに分類される。
- 
武器には「USE型」(ユーズ型)と「EQUIP型」(イクイップ型)の2種類があり、USE型は使うとその場でそのカードを消費して発動する。
- 
EQUIP型はそのままでは使えず、装備欄に「装備」した後に、同じ口径を持つカードをそのカードに重ねることで射撃を行える。
 
 
- 
ACTIONカード
- 
特殊なアクションをするカード。装備できるアイテムの数増やしたり、上記のEQUIP型の武器カードに重ねて使用することで様々な特殊効果を付加できる「ヘッドショット」などが分類。
 
- 
ITEMカード
- 
自分の体力を回復する「レーション」と、味方の体力を回復する「サバイバルキット」に加え、ダメージを軽減する「ボディ・アーマー」などのアイテムが分類。
 
- 
CHARACTERカード
- 
『メタルギア』シリーズに登場したキャラクターのカード。カードごとに移動に使えるカード、攻撃に使えるカード、サポートに使えるカードなど様々な効果がある。
 
- 
SUPPORTカード
- 
攻撃のサポートや回避、状態異常回復、コストの回復を行うカード。特にコストを減らすカードは重要。
 
- 
TRAPカード
- 
トラップを配置することで、そのマスに特殊な効果を付加するカード。TRAPカードの配置されたマスを踏むことで効果が発動する。
- 
落とし穴のように相手にマイナスの効果を与えるだけでなく、テントのように配置したマスにプラスの効果をもたらすカードもある。
 
- 
LINKAGEカード
- 
手札にある状態でカードごとの発動条件を満たすことで自動的に効果を発揮する。例えば「転倒付加リンケージ」はWEAPONカードを使った際に手札にあれば攻撃と同時に相手を転ばせることができる。
 
ミッション、新モード
- 
1つのステージに複数のEXミッションが追加されており、前作からミッション数は倍に増えた。
- 
敵に一度も見つからずに目的地を目指す、敵をすべて殲滅するという前作からあった「EXTRA MISSION」以外にも、固定デッキで条件を満たす「TRIAL MISSION」や、自分の製作したデッキで攻略する「SPECIAL MISSION」がある。
- 
とくにTRIAL、SPECIALはかなり頭を使わねばクリアできない分、PTS(カードを購入したりアップデートするポイント)が多く手にはいる。
 
- 
対戦
- 
プレイヤー同士がスネークと本作のヒロイン「ヴィナス」の2人を、自分たちの製作したデッキを用いて対戦する「LINK BATTLE」が追加された。
- 
今作のシステムと合わさって、『MGS』シリーズとはまた違った楽しさ、緊張感を味わうことができる。
 
- 
アリーナ
- 
『MGS』~『MGS3』までの歴代ボスに戦いを挑む「アリーナモード」もある。
- 
登場ボスは『MGS』から「リキッド・スネーク」「リボルバー・オセロット」と、『MGS2』から「ヴァンプ」「フォーチュン」に加え、『MGS3』から「ザ・ボス」「ジ・エンド」の6人。
- 
それぞれの特徴を再現したデッキを使用し、さらに勝ち抜いていくと前作のヒロイン「テリコ」と今作のヒロイン「ヴィナス」のペアと戦うことができる。
- 
難易度もEASY、NORMAL、HARD、EXTREMEと4つあり、最高難易度ではとにかく敵は強力なデッキであるため、自分のデッキの戦略性を存分に振るうことができる。
 
賛否両論点
- 
シナリオ
- 
今作のシナリオは、今作の監督である野尻真太が担当している。しかし、前作のような濃密な伏線を張り巡らせたシナリオではないため多少賛否が分かれた。
- 
前作とは全く別の話となっており、前作未プレイの人でも楽しめるのは良点ではあるのだが、反面、前作でかなり残した謎や伏線に関しては回収されることは無かった。
- 
対して本作自体は後ろ暗い含みをほぼ残さずスッキリ完結している。最後にシリーズ恒例の不吉なメッセージはあるのだが、これも半ばネタのようなものである。
 
 
- 
グラフィック
- 
前作の3Dグラフィックからアメコミのようなグラフィックになった。「前作のほうがリアルでよかった」「こちらのほうが細かく描かれていてよい」とさまざまな意見がある。
 
問題点
- 
デッキ保存
- 
前作から言われている点だが、今作はデッキによって戦略等が変わるため、複数のデッキを保存しておける機能がほしかったという意見が多い。
 
- 
グレードアップ
- 
カードが500枚以上となっているものの、そのうちの3分の1~半分はグレードアップによるカードの強化版(「○○」→「○○+」)であるため手抜きといわれることもある。
 
総評
システム面はほぼ完璧に改善され、思考型ステルスゲームの基礎は完成したといえる。
前作をプレイした人もそうでない人も、手にしてみれば損はしない作品に仕上がっている。
余談
- 
本作の売り上げは前作を下回ってしまい、続編は現在製作されていない。
- 
しかし、今も新たなカードを追加した続編を望む『アシッド』ファンも多い。
 
- 
本作にはオマケとして、ゲーム本編と収録された一部のムービーを立体的に鑑賞できる付録「飛び出シッド ソリッドアイ」がある。
- 
ゲーム本編で特に必要があるわけではなく、飛び出シッド専用に収録されたムービーの鑑賞などでしか用途が無く本作ではあまり役に立たないと思われがちだが、ゲーム以外の所で役立ったりする。
- 
飛び出シッドを使用すると、PSPのフォトビューアーから立体視(平行法)の画像や動画が手軽に鑑賞できる。裸眼立体視が苦手な人にオススメである(それ以外ではやはり役に立たないが)。
- 
もし、新品や中古品でコレが付属しているものがあれば買ってみてもいいかもしれない。
 
 
- 
公式サイトでは本作のシステムについて紹介する漫画が掲載されていた。アメコミ風のグラフィックに合わせてか、漫画自体もアメコミチックになっている(アーカイブ)。
- 
最後のコマでは「METAL GEAR SOLIDシリーズしかプレイしていないメタルギアファンは不幸である」と結ばれている。大仰な文句だが、確かにそれだけの面白さを持っているのも事実だろう。
 
最終更新:2024年07月17日 22:22