金色のガッシュベル!! うなれ!友情の電撃2

【こんじきのがっしゅべる うなれゆうじょうのざけるつー】

ジャンル 対戦アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 バンプレスト
開発元 ソフィックス
ディンプス (ディレクション)
発売日 2004年12月22日
定価 4,800円(税別)
判定 なし
金色のガッシュベル!!シリーズリンク


概要

週刊少年サンデーで連載されていた漫画『金色のガッシュ!!』*1
『金色のガッシュベル!!』の名でアニメ化もされている。
本作はこの内、アニメ版をGBAでゲーム化したもので、同じくバンプレストから発売された前作『うなれ!友情の電撃』の続編。

システム

  • Bボタンで打撃、長押しで心の力を溜める、十字キー下でガード、Aボタンでジャンプという基本操作である。なお、ジャンプは全キャラ2段ジャンプ。ジャンプ力も変わらない。
  • この作品では、魔物に攻撃を当てても体力ゲージは減らず*2、パートナーを攻撃することで初めてダメージが入る。
  • 特徴的なシステムとして、Lボタンを入力すると、魔物がパートナーから離れて自動で相手を攻撃してくれる。上記のパートナーが攻撃されない限りダメージを受けないシステムと相まって非常に強力である。ただし、発動中は心の力を消費し続ける点と魔物の気絶には注意。
  • Rボタンで術を使う*3。この際、十字キーを入力することで発動する術が変わり、最大6種類(キャラによる。また、最大呪文は除く。)の術を使い分けることができる。
  • 術を使う毎に心の力のゲージの下にある必殺ゲージが溜まっていき、最大まで溜まった状態で特定のコマンドを入力することで最大呪文を発動できる。キャラ毎に威力や性能は異なるが、極端に弱い術はなく、きちんとタイミングよく出せばどの術も当てることが可能である。

評価点

  • 初心者でも取っ付き易い操作性
    • 『友情タッグバトル』シリーズ(バンダイ製)とは異なり、通常打撃とダッシュ攻撃以外にも十字キーの入力によりセントラル、下、上の3種類の打撃を行うことができる。また、無駄にたくさんあるだけという訳ではなく、上技は対空迎撃、下技は足払いや掴み系の技、と言った風に役割もきちんと分かれており、格闘ゲームとしてはこちらの方が上という評価が多い。
    • また、それとは別にパートナーアタック*4や特殊な打撃技は特殊コマンドとなっており、割と本格的。小学生等の低年齢層が格ゲーに入門する第一歩として役立つかもしれない。
  • キャラ数
    • ゲストキャラと「ラウザルクガッシュ」を含めた16体。これは『友情タッグバトル』シリーズの全作品のキャラ数を大きく上回っている*5。また、あちらと異なりパティがプレイアブルキャラである。
  • ミニゲーム
    • ミニゲームであるのにかなり作りこまれている。特に「めざせ! ベイリーメロン」と「ベルギムと歌おう」の最高難易度は非常に難しく、特に後者はパーフェクトクリアを目指すとなると、相当な技術とリズム感覚が要求される。本場の音ゲーに慣れた人でもそう簡単には達成できない。*6

問題点

戦闘面

  • 防御術と拘束術が異常に弱い
    • まず、防御呪文は発生時間が異常に長い上、途中で解除できない。
      • すぐに起き上がれるような下手な当て方をしたり、そもそも避けられたりすると、とてつもなく長い硬直を晒す。その時間たるや、格闘ゲーム(というよりアクションゲーム)としては致命的な2~4秒間。
    • また、本来の目的である「術を防ぐ」という役割も果たせていない。
      • この作品の一部の呪文以外の全ての術はジャンプやバックステップで回避・ガードが可能で、ガードによる軽減率も非常に高いので、わざわざ心の力を消費して防御呪文で対応するメリットは非常に薄い。それらができない状況(例:2段ジャンプ後の着地時)は 「全て」防御術も発動できない状況である 。ならばどこで使うのか。
      • 『友情タッグバトル』シリーズにあった「相手の必殺技を喰らう時に使うとダメージを軽減する」という効果もない。もはや何のためにあるのかすら分からない。
      • ガッシュ(ゼオン)のラシルドに至っては、原作にあった「防御出来た術を電撃付きで跳ね返す」効果が無く、他の防御術と同じものになっている。
    • ティオの最大術「ギガ・ラ・セウシル」*7はカットインがあるため術チャージ中でもない限りまず決まらない。一応相手が空中にいるときに使うと確実に接触ダメージを与えることができるが、それはもう防御術ではない。
    • 例外として発動とフェードアウトが共に非常に早い「カマキリジョー召喚」という防御技があるが、これもダメージが雀の涙である上に心の力を消費するため、普通にBボタンで迎撃したほうが良い。
    • 拘束術は更に意味不明で、なんと 術の発動後の硬直時間と当たった相手の拘束時間が全くと言ってもいいほど同じ 。つまり、自分が動けるようになるのと同時に相手も動けるようになる。拘束の意味が無い。
      • 一応、術の終了間際に当てれば相手が動けない内に動くことも可能なのだが、2つの拘束術の内「ジケルド」は異常に弾速が遅く、「ロンド・ラドム」はキャラクターの正面の地面にしか判定がないため*8、終了間際に当てるのは大変難しい。しかも、仮に当てたとしても、いずれの術もやたらと心の力を消費するので、せっかく隙を作ってもそのまま術をお見舞いする事ができない。
  • 意味不明な術の激突エフェクト
    • 術と術が激突すると、一秒弱程度キャラクター同士が睨み合うエフェクトが出るのだが、これには特に意味は無い。どちらが打ち勝つかの判定は、術の元々の威力とそれぞれが術を出したタイミングのみで行われる。睨み合っている時にボタンを連打すると打ち勝てる確率が上がる、といったことはない。
    • 挙句、どんなに良いタイミングで撃っても打ち勝てない術の組み合わせというのがあり、ゼオンのザケルガはほとんどの術に打ち勝つ事が可能*9

その他の面

  • 『バトルモード』のストーリーがあまりにお粗末
    • 「パートナーが一言」「魔物が返事」という一連の流れから始まり、4戦目とラスボス(ゾフィスペア)の前、そしてエンディングでちょっとした会話が挿入されるのだが、どれもほんの小話程度でしかない。選択肢や勝敗による分岐、マルチエンド等も一切無しの一本道。ぶっちゃけ連戦の「サバイバルモード」に幾ばくかの会話イベントとエンディングをくっつけただけと言っても良い。
      • 会話も全ての対戦前に挿入されるならまだしも、しかも4戦目と最後という途中半端なタイミングで発生する為、ストーリー仕立てになっている事もいまひとつ感じにくい。4戦目、ラスボス以外の対戦相手もはほぼ適当な為尚更。
      • 石版編の黒幕であるゾフィスでもプレイ出来、この場合ラスボスはブラゴペアになるのだが、 戦うステージは何故か「雪山」 。(原作では遺跡から離れた荒地で戦っていた。)。バトルモードやサバイバルモードでブラゴペアと戦う際はこのステージが選択されるので、その設定を使い回したものと思われる。会話そのものは遺跡で行われているので違和感が強烈。荒地の対戦ステージが存在しない為荒地は不可能でも、せめて「遺跡前」で戦うようにするなり処置のしようはあった筈。
      • エンディングも基本的に原作での流れを端折った小話レベルで、わざわざゲームで見返す程のものではない。一応原作で円満なエンディングを迎えられなかった敵キャラ等はオリジナルの展開になっているが、こちらもお察しレベル。
    • イベントの一枚絵のバリエーションもかなり少なく、バルカン&雷句先生でゾフィスに挑む際のイベントで、ゾフィスがふざけられて苛立ちながら接するのだが、苛立ってる表情差分すらなく、台詞に「(怒)」を付けるだけというかなり見苦しいビジュアルになってる事も。
  • 「ラウザルクガッシュ」の弱さ
    • 一定の条件を満たすと、ラウザルクを唱えた状態でのガッシュが使えるようになるのだが、ラウザルクの仕様上術が一切使えず、物理攻撃しか出来ない。術の発動が主軸となる本作のバランスでは、かなり不利。
    • 物理攻撃も通常ガッシュとリーチも速度も威力も大差無く、ガッシュより防御力が目立って高い訳でも気絶しにく訳でもない。そのためイマイチ肉体強化をしている感が薄い。下手したら「術が使えない通常ガッシュの下位変換」になりかねない。
    • 彼を使えるようになる際、専用のコレクションアイテムが1つ増え、いかにも強力なキャラそうに見せかけていた為、尚更弱さが目立つ。
      • 最大術にあたる技は「魔物を暫く離脱させ、パートナーのみにする」という原作の1シーン再現ともとれる特殊なものになっているが、術を発動できない以上必殺技ゲージを溜める手段が相手からの攻撃を喰らうしか無く、かなり対戦を長引かせないと拝むことすら難しい。
  • コレクションのラインナップが雑
    • 50種類の場面やアイテムのギャラリーがコレクション要素になっており、STARTボタンで説明を見ることができるのだが……
    • 「20.ツァオロン&玄宗」「35.魔界へ戻った魔物たち」等、本作に登場する訳でもない敵キャラクター達がコレクションを埋めていたり、それ以外にも微妙なアイテムや場面が多い。

総評

対戦ツールとしてみると、全体的には『友情タッグバトル』シリーズと異なり、極端なキャラの強弱が出ることもなく比較的よく出来ているのだが、対戦以外の部分が「キャラゲーはクソゲー」の法則に見事に引っかかってしまっている。
所謂「キャラゲー」としての側面も大きく、随所にファンサービス要素も盛り込まれているのだが、その一番の見せ場であろうバトルモードのストーリー仕立ての酷さやコレクションの拙さ等、肝心な部分が疎かになってしまっている。
また、格ゲーとしても他のゲームと比べてずば抜けた特徴・優秀な点というものはなく、よほどのガッシュファンでなくクオリティの高い格闘ゲームを求めるならば他のを選ぶべきだろう。


*1 尚、原作者の雷句誠氏と小学館のサンデー編集部は、作品をいつ完結させるかについて揉めて以来関係が悪化し、裁判沙汰になるまでに至ったため、現在小学館は本作に関する著作権を破棄(原作・アニメ共)している。それに伴い、文庫版は講談社から発行された。

*2 ただし、あまりに殴られ続けると気絶となり、一定時間パートナーしか動かせない。パートナー単体でも打撃は可能だが、基本的に不利なので逃げまわることになる事の方が多いだろう。

*3 最初から「シュドルク」を発動して戦っているウマゴンや、そもそも魔物ではないゲストキャラは術ではない技を使う。

*4 上記のLボタンによる魔物との分離とは別。魔物と一緒にいる状態でパートナーで攻撃する技で、隙が大きい分魔物をすり抜けて相手のパートナーを直接殴れる、逆に強くはない分無敵時間があるなど、パートナーによって効果が異なる。

*5 1は8体、それに追加要素を加えた『フルパワー』は11体、2は12体。なぜなのか。

*6 「ベルギムと歌おう」に至ってはジャンルが本編と全く異なるリズムゲーであり、苦手な人はとことん出来ない。

*7 原作のティオ曰く「自業自得の術」。相手をバリアで囲い、相手が術を使うとダメージをそっくりそのまま返す。また、触れれば接触ダメージを与える。

*8 Rボタン長押しで射程が変わり、遠くの相手を止められるようになる。ただし心の力をさらに消費するため術が使えなくなる。また長押し中はためモーションがあり、見てから前進だけでかわされる。

*9 非常に強力で、一部のキャラの最大呪文並の威力。直撃すれば体力ケージの半分を奪うことが出来、2回直撃すれば一部の回復技を使用しない限り敗北確定。パートナーのデュフォーの心の力を溜める速度も非常に速く、短い間隔で発動出来る。原作でもギガノ級の術を打ち破って尚威力が衰えない等強力な描写はされていたが……