3Dカスタム少女
【すりーでぃーかすたむしょうじょ】
ジャンル
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カスタムエッチシミュレーター
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対応機種
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Windows 2000/XP/Vista DL版:Windows10
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メディア
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DVD-ROM
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発売・開発元
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テックアーツ3D
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発売日
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2008年6月13日
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定価
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8,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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FANZA:2018年2月16日/5,000円
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判定
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なし
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ポイント
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ソフト単体ではボリューム不足、 だがMODにより爆発的に開花 エロゲーというよりは3DCGツールとして好評
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概要
読んで字のごとく、3Dモデルの少女をカスタムメイクしてHな行為をするゲーム。
ユーザーからの通称は『カス子』。
特徴
※本作は発売後のアップデートにより、徐々に機能が追加されている。以降の記述は2011年12月7日に配信された最終アップデートが適用されていることを前提とするものである。
3Dモデル(以下「カス子」)の身長や体型、服装などを着せ替えてポーズを取らせ、好みのシチュエーションでのHシーンを演じさせる。極めて異例なまでにキャラデザインメイクに特化したソフトであり、ストーリー・イベントなどといったゲーム的な要素が一切存在しない(初回起動時にカス子がプレイヤーのPCにやって来た挨拶をするぐらいである)。
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体・眼・髪から服や下着の上下、鎧(上着)、靴下と靴といった細かい服装の指定、羽や尻尾に至るまでの28か所が変更可能。体については身長はもちろん、目つきや腕・足・ウエストの太さ、バストの大きさも調節できる。パーツは3,300種類以上あり、中には当時人気の高かったキャラクターを意識したものもある。
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カスタム中のデフォ子の胸や脇、尻などをクリックすると、カス子はそれぞれに対して声を上げて反応し、ドラッグすると反応も変わる。また、用意されているモーションを選ぶと青シルエットの男との行為が始まり、ここでも特定の箇所を触るとカス子が反応する。
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ポーズエディタ機能があり、モデルにポーズをつけるだけでなく、別のカス子や男のモデルを呼び出して複数人でのシチュエーションを演じさせることもできる。プリセットのデータも用意されているので、初めはこのデータをアレンジするところから始めるとよいだろう。
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背景としてデフォルトのワイヤーフレームのほか、教室や学校のプール、公園、砂浜、雪原などの各種シチュエーション、キャプチャ用のBB、GBなどが用意されている。モノクロやセピア、ネガポジ反転などのエフェクトをかけることもできる。
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モデルやポーズのデータは単体で保存できるが、「ヘビーセーブ」という機能を利用すると、モデルデータは使用したすべてのパーツのデータ、ポーズデータはポーズを取らせたすべてのモデルのデータを埋め込むことができる。
評価点
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基本操作は画面内のアイコンをクリックするだけ。
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エフェクトやスクリーンショットなどキーボードを利用する操作もあるが、いつでもヘルプを呼び出せば確認できるので、操作方法に悩むことはない。
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一通り用意されているパーツ。
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制服・水着・メイド服といった定番だけでなく、ツインテールやアホ毛・悪魔の角と羽・オッドアイなど、美少女キャラおなじみのものが一通り揃っている。
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セーブデータはすべて画像ファイル(.png)形式のため、ユーザー間でのデータのやり取りがしやすい。
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後述するMODと比べて容量も小さいため、自作データをヘビーセーブで配布するユーザーも多い。
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3DCGを扱うゲームにしては要求されるスペックは高くない。
問題点
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同じパーツの色違いを別パーツとして数えており、3,300種類以上という割には服装や髪型のバリエーションが少ない。このため、既存のキャラクターを再現するのが難しい。
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服装はスク水だけでも色違いで20種類、セーラー服はスカーフや襟の色違いで100種類もある。その一方で上下セットなのに色数の違うパーツがあり、色を合わせてコーディネートできないことがある。
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髪型はロングヘアーの種類が特に少ないうえに、編み込みがあったり毛先がパッツンやパーマになっていたりして使いどころが難しい。また、アニメやゲームでよく見られる髪色がなく、青は
この色
、赤は
この色
のみ、金髪は
この色
と
この色
の2つしかない。
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ポーズエディタでは「ボーン」と呼ばれる関節のようなものを支点に体のパーツを1つ1つ回転させながらポーズをつけていく。慣れるまでは操作が難しく、失敗しても1つ前にしか戻せないため、細かいポーズを取らせるには集中力と根気が必要になる。
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他のゲームやCGソフトの3Dモデルと比べると、質感で見劣りする。特に体のモデルにはプラスチックに光が当たった時のようなテカりがあり、安っぽく見えてしまう。
MODにより花開いた可能性
発売当初の本作は「自由度が高いのに用意されているものが少ない」という残念なものであった。しかし、制作側から独自のモデルデータ(MOD)の追加が許諾されると、服装や髪型の追加、版権キャラクターの再現といったところから始まって、既存のボディを好みの体形に改造したMOD、遂にはガンダムやゴジラ、飛行機や戦車といった人ですらないものを再現したMODが現れるまでになった。
また、既存のMODに髪色のバリエーションを追加するツール、ヘビーセーブのデータをMODに変換するツール、ボディを好きな体系に変更できるツールなどが開発されるなど、本作に対する不満点の大部分はユーザーたちの手によって解消を見ることになる。
こうしてユーザーが素材や環境を整えた結果、本作は専門知識がなくても簡単に3DCGを作成できるツールとして愛用されるようになった。現在でもイラスト系SNSや動画サイトで本作を用いた作品がいくつか見られ、同人ゲームのグラフィックに活用されることも多い。
だが、このことは後年、新たに本作を発展させるに当たって非常に重い枷となってしまうこととなる。
総評
単体のアダルトゲームとしてはボリューム不足であったが、ユーザーの精力的な活動によって本来の目的以上に3DCGツールとしてのポテンシャルが大きく引き出された。荒削りながら優秀なCGMのプラットフォームであったと言えるだろう。
その後の展開
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2008年にアペンドデータ『3Dカスタム少女XP』がダウンロード専売で発売。
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現在は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語のマニュアルが用意され、海外通販サイトで世界各国で購入可能になっている。
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発売時点の対応OSはWindowsVistaまでだが、最終アップデートを適用したものはWindows7以降に対応しており、Windows10でも動作する。
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FANZA配信版は正式にWindows10に対応している。
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本作のシステムを組み込んだアーケード麻雀ゲーム『3Dコスプレ麻雀』が2011年のタイトー新製品商談会で発表されたが、諸般の事情でリリースは延期された。
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その後、2014年に『牌(エモノ)は逃がさない! メンタンピンドラララッ』というタイトルで配信されたが、脱衣要素は大幅に抑えられており、「もはやアーケードで脱衣要素のあるゲームは不可能」という現実をプレイヤーに突きつけた。
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2011年11月25日に本作の最終アップデート兼USBオ○○ールとの連動機能を搭載したオ○○ール同梱版が発売された(規制品にアップデートパッチを適用したものでも連動する)。
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2013年11月15日に続編にあたる『3D少女 カスタムエボリューション』が発売された。極めてMOD制作が熱心だったこのツールとしては致命的となる「MOD非互換」がかなり大きく響いてしまう結果となった。
最終更新:2024年12月01日 02:03