本稿は2024年7月5日時点(ゲームバージョン:Ver.1.2.0)を基準としています。
オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。


不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんしっくす とぐろじまたんけんろく】

ジャンル ダンジョンRPG
対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 スパイク・チュンソフト
発売日 2024年1月25日
定価 6,350円(税別)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 約13年ぶりの新作
「原点回帰」を目指した作り
シビアさと親切さの両立
風来のシレンシリーズ関連作品リンク


概要

前作『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』から約13年もの時を経て発売された、『風来のシレン』シリーズのナンバリングタイトル第6弾。
「Nintendo Direct 2023.9.14」にて本作の発売が発表され、翌年1月25日に発売された。
本作のテーマとして「原点回帰」が掲げられており、初代シレンこと『不思議のダンジョン2 風来のシレン』のような、ローグライクゲームの原点の楽しさを追求した作品となっている。

下記の「あらすじ」にもある通り、本作はシレンGBこと『不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物』の後の時系列にあたる。*1


あらすじ

月影村の冒険から数か月後……

とある不思議な夢を見た、旅の風来人「シレン」と語りイタチ「コッパ」。

その夢に導かれて訪れたのが、内海にある小さな島々のひとつ「とぐろ島」。

その島には、いたるところに海賊のお宝が隠されているうえ、

山頂にいる怪物の腹の中には、とびっきりのお宝が眠っているという。

そんな風聞を聞きつけ、一攫千金を夢見た全国の強者どもが島に集まった。

果たして、二人の見た不思議な夢と島の関係は?

そして、この島に眠るとびっきりのお宝とは?

シレンとコッパの新たな冒険が幕を開ける。


特徴・新要素

基本的なゲームシステムについては、過去のシレンシリーズのものを踏襲しており、UIも前作のものをベースに改良がなされている。
『シレン4』および前作ではドット絵であったが、今作のグラフィックは『シレン3』以来の3D表現がされている。
キャラクターがリアル頭身で描写されていた『シレン3』と異なり、本作のキャラクターは3頭身ほどにデフォルメされている。
ダンジョン内の視点は見下ろしで固定。

「原点回帰」

「概要」にも記載した通り、本作では「原点回帰」をテーマに掲げており、初代シレンや『2』に登場したモンスターやシステムが多く登場しているほか、ゲームデザインも初代を意識した作りとなっている。
4』『5』で追加された要素は便利機能を除いて大半が実装されておらず、初代シレンに近いゲームデザインとなっている。

  • 本作のメインシナリオのダンジョンは、タイトルにもある「とぐろ島」。全31階層。
    初代シレンの「こばみ谷」や『4』の「エメラルドテラス」と同じく、道中に村や集落などが中継地点として存在している。
    宿屋や店、鍛冶屋、倉庫といった施設が存在していたり、最深部ではボス戦が控えていたり、実力があれば冒険1回目でエンディングに到達できるのもそれらと同様。
  • 過去のシレン作品と同様、冒険を進めていくと、村や集落で各種NPCによるイベントが発生するようになっている。
    ゲーム開始時点では登場しないアイテムや旅仲間がダンジョン内に出現するようになったり、とぐろ島クリア後は各種ダンジョンの解放にも関わってくる。
    • 本作ではシリーズおなじみの「合成の壺」や「脱出の巻物」の他、「身代わりの杖」や後述の「桃まん」、さらに合成モンスターの「マゼルン種」もイベントにより解放される形となっている。
  • シレン2』『シレン3』『外伝』に登場していたアスカが久々に登場。
    • 残念ながら本作ではプレイヤーキャラとしては使えないものの、『2』に近い旅仲間性能になっている。
    • 時系列は前述の通り『GB』の後だが、これは『3』の前でもある。この理由についてはインタビューで、『3』で変更されたアスカの口調を元に戻すためであることが語られている。

本作の新要素

ドスコイ状態

  • 本作で新たに登場した状態変化。
    満腹度が150以上になると、シレンが丸々と太った「ドスコイ状態」になる。
    • ドスコイ状態になると最大HPと攻撃力が強化されるほか、つるはし(および「壁堀り」の印が付いた武器)」を装備していなくても、通常攻撃で壁を壊せるようになる。
      また、吹き飛ばしや引き寄せといった強制移動技を無効化し、罠を踏むと破壊して無効化する効果が付与される。
    • 一見するとメリットばかりに見えるが、デメリットも存在する。
      • ドスコイ状態中は満腹度が減りやすくなり、通常は10ターンで満腹度が1減少となるが、ドスコイ状態では5ターンで1減少と通常の2倍の早さで満腹度が減っていく。
        また、満腹度が120以下になるとドスコイ状態が解除され、同時に最大満腹度も5減少してしまう。
      • 加えて、上記の通りドスコイ状態中は道具やモンスターの特技で移動させられる効果が無効化される。
        一部モンスターが使用する転び・ワープの特技を受けなくなる一方、「場所がえの杖」や「飛びつきの杖」等による移動が行えなくなるため、敵に囲まれた時のリスクが高まる。
    • フロアを探索して積極的に戦闘を行う上では有用だが、使いどころを見極めないと思わぬピンチを招きかねない。
    • 以上の点から、プレイヤーの腕が問われる状態変化となっている。
      • 今までのシリーズでは単なるフロア滞在制限に過ぎなかった満腹度に一石を投じ、ゲームバランスに大きな変化を与えた。

神器

  • 通常の武器・盾よりも性能が強化された「神器」が手に入ることもある。
    神器は「青の神器」と「金の神器」の2種類存在し、それぞれアイテムのアイコンが青・金色に光ったものとなっている。
    いずれの神器も、基本的に通常時よりも高い性能となっており、強化の内容はランダムとなっている。
    • 青の神器は基本的に基礎値(武器・盾の元々の強さ)が高くなっていることが多い。
    • 金の神器は空き印の数が増えていたり、初期状態で印が付いていることが多い。
      付いている印の中には、神器でしか付けられない特殊な印、「天然印」が付いていることも。
    • 神器はダンジョン内でランダムに入手できる他、各種ダンジョンクリア時の報酬にもなっている。

桃まん

  • 初代シレン、『シレンGB2』、『シレン3』に登場した「モンスターの肉」が形を変えたもの。
    モンスターの肉と同様に、モンスターの名前が記された「桃まん」を食べることで、モンスターに変身することができる。
    モンスターに変身後は任意のタイミングで変身を解除できる。
  • 桃まんは「桃まんの杖」の魔法弾を当てたり、「桃まん棒(および「桃まん」の印が付いた武器)」で敵を倒すと手に入る。
    • モンスターの肉と同様、モンスターに変身すると各種モンスターの特技が使えるようになる。
      モンスターや旅仲間に投げた場合も同様に変身できるが、旅仲間の場合は一度変身するとフロアを移動するまで変身が解除されない。
    • 一方で、初代シレンの肉から変更されている点も存在する。
      • 食べた時の満腹度回復量が25に増えた。
      • 初代シレンではモンスターに変身中は手持ちアイテムを確認できなかったが、本作では変身中でもアイテムを確認したり、手持ちアイテムを床に置くことができるようになっている。
      • 初代シレンでは変身を解除する際に1ターン消費したが、本作ではターンを消費しなくなった。
      • また、初代シレンではモンスターに変身中はシレンのレベルアップが行われず、変身解除後にレベルアップするようになっていたが、本作では変身中でもシレンのレベルが上がるようになっている。
      • 初代シレンではモンスターの肉は腐らなかったが、本作の桃まんはデロデロの罠などで腐ってしまうようになっている。
        腐るとアイテム名が「腐った桃まん」に変わり、モンスターに変身できないどころか、食べると何らかのマイナス効果が発生してしまう。
        シレン3のモンスターの肉に近いが、こちらは焼くことができない。

デッ怪

  • 一部ダンジョンの特定の階層にランダムで出現する、その名の通り巨大なモンスター。
    • デッ怪のサイズは3x3の9マス分となっている。
      その巨体にもかかわらず、幅が1マス分しかない通路も問題なく移動できる。
  • デッ怪は攻撃力が非常に高いが、常時行動速度が遅くなっている。
    • デッ怪の前方と左右、計5マス分に「デッ怪バリア」が張られており、それらの方向からの通常攻撃や各種飛び道具はデッ怪バリアで無効化される。
      ただし、それ以外の方向(デッ怪の中心部、後方)は無防備となっており、矢や石などの攻撃が当たるようになっている。
    • HPは非常に低くなっており、1ダメージ与えられれば倒れるようになっている。ただし、通常のモンスターよりも経験値が大幅に少なくなっている。
    • デッ怪は倒さなくても、ターン経過で自動的に消滅する。
    • 通常のモンスターと同じく特殊能力も使用してくる他、レベルアップ・レベルダウンも行われる。
  • フロア内の部屋に発生する特殊なオブジェクト「デッ怪ホール」から出現する。
    • デッ怪ホールはマップ上に常時表示され、ターン経過でフロア内の部屋にランダムで移動する。
      シレンが居る部屋、店、果てはモンスターハウス内にも発生し得る。
      何もない部屋だと思ったら、突如としてデッ怪ホールが現れるという事態に見舞われることも少なくない。
    • 同一フロアに出現するデッ怪ホールは一つのみ。
    • デッ怪ホールが出現中は、BGMが専用のものに変更される。
    • フロア内の全ての部屋に一度でも入ると、フロア内のデッ怪及びデッ怪ホールが消滅し、最後にデッ怪ホールが出現していた場所にアイテムが一つドロップする。
      ドロップアイテムは「背中の壺」や「復活の草」、「特製おにぎり」など、有用なものが多い。
  • 上記の通り、デッ怪ホールを消滅させれば跡地にアイテムが配置されるというささやかな特典もあるものの、基本的にデッ怪と戦うメリットは皆無。
    デッ怪が出現するフロアでは慎重に行動したり、時には逃げに徹することも求められる。

手帳・探検録システム

  • 手帳は前作の道具図鑑・モンスター図鑑をパワーアップさせたもの。
    「道具手帳」「もののけ手帳」「罠手帳」「印手帳」「罠手帳」の5種類に分かれており、アイテム、敵モンスター、印、ワナといった情報が自動的に手帳にまとめられる。
    • アイテム情報をまとめた「道具手帳」のうち、武器・盾については、3Dモデルを360度回転させて閲覧できるようになっている。
    • 「もののけ手帳」は『GB2』『DS2』にもあった機能だが、本作ではモンスターの特殊能力の説明のみならず、HPや攻撃力・防御力といったステータスも載っている。
      • モンスターの攻撃力や防御力は、旧作のシレンシリーズではほぼマスクデータであった。非常に攻略の参考になる。
      • 前作のモンスター図鑑はサブカルネタや悪ふざけが多く、不快に感じるプレイヤーの声もあって賛否両論だったのだが、今回はその手のネタは完全に削除されて真面目な内容となっている。
  • メッセージ履歴から手帳にジャンプ出来る機能も付いている。
  • 探検録はダンジョンごと、フロア別に出現する敵モンスターが記録されるもの。
    • 出現モンスターは1フロアごとに非常に細かく記載され、プレイしていくうちに自動で攻略本が作成されると言っても過言ではない程。

もののけ道場

  • 手帳に登録済みのアイテムやモンスターをフロア内に設置して、自由に試すことができる機能。
    アイテムの効果やモンスターの能力を確かめたい場合に色々と試すことが出来る。
    例えば「飛び道具を反射する能力を持つモンスターに対して、巻物の効果で眠らせた状態で投擲を行うと有効なのか、それとも反射されるのか?」といった疑問を試して確かめることが可能。
  • Ver.1.1.0のアップデートにて、「道場破り」のモードが追加。
    こちらは初代シレンの「フェイの問題」に類似したパズル的ダンジョンとなっている。
    • お題はボスモンスターを除く各モンスター種毎に設定されている。
      クリア条件もお題によりまちまちであり、「フロア内の敵を全滅させる」「階段にたどり着く」「規定ターン以内にクリアする」といったクリア条件が設定されている。
    • クリアすると「御神木」の「もののけアタック」で使用できるモンスターが追加される。(後述)

パラレルプレイ

  • 新しいオンライン要素として、新たにパラレルプレイが実装された。
    • 攻略しているダンジョンのデータを保存することできるシステム。
    • 保存したパラレルデータを自分で遊ぶほか、他のプレイヤーに配布して遊んでもらうことも可能。
    • 2024年4月以降は、スパイク・チュンソフト公式が作成した特殊なパラレルデータも不定期に配信されている。

御神木

  • Ver.1.1.0のアップデートにて追加された機能。
    既にクリア済みのダンジョンに通常とは異なるルールで挑めるモードとなっている。
    • 通常通りのルールで挑めるほか、「1ターンあたりの時間に制限時間が掛けられた状態」「できるだけ少ないターン・時間でのクリアを目指す」「特定のアイテムの使用を禁止する」といったルールで挑むことも可能。
      一方、通常プレイ時と異なり、どのルール・ダンジョンであっても風来救助が行えないようになっている。
  • 通常のシレンのみならず、操作キャラクターを変更して挑むことも可能。
    • 装備品や飛び道具が使えない代わりに、満腹度を消費して必殺技が使える「狐渇シレン」「竜海シレン」という特別な操作キャラが使える。
    • 「もののけアタック」では、「道場破り」にて解放したモンスター種に常時変身した状態で挑むことができる。

ダンジョン内の仕掛け・イベント

新たな仕掛け・イベントとして、「願いのほこら」「クロンの挑戦」「熱狂の祭り」などが登場している。
基本的にプレイヤー有利な仕掛けが多い。

  • 「願いのほこら」は、『シレン2』の「黄金の間」に似た、ボーナスフロアで特定のアイテムを入手できる仕掛けである。
    隠し部屋や壁の中に埋まっているほこらを調べることで、特定のアイテムを入手できるフロア「願いの横穴」に移動できるようになっている。
    • ほこらを調べると「○○が欲しい」(例:食料が欲しい、保存の壺が欲しい)とアイテムの種類や具体的なアイテム名でランダムに3つの選択肢が表示される。
      選択肢を選ぶと、「願いの横穴」に移動し、選んだ種類のアイテムを床落ちで拾うことができる。
    • 願いの横穴は1フロアのみの構成。出現するモンスターは、ほこらを調べたフロアのそれを引継ぐ形となる。
    • 願いのほこらが出現した場合、そのフロアに特殊なモンスター「金のぴーたん」が1体出現する。
  • 「クロンの挑戦」は、フロアを降りた直後に発生するイベントの一つ。
    旅の神クロンが気まぐれに風来人に与える試練で、ランダムに出される試練にクリアするとご褒美がもらえるようになっている。
    • 試練の内容は「巻物を読め」「『読む』を使わずにフロア移動しろ」「なるべくダメージを受けずにフロア移動しろ」等。
      クリアに必要な条件が3段階(松・竹・梅)で提示されており、必要な条件を満たしてフロアを移動するとクリアとなる。
      ただし、落とし穴やフロア移動の罠で移動してしまった場合はクリア扱いにならない。
    • クリア時のご褒美はHPやちから等のステータスアップや、アイテムの祝福・使用回数の増加など、シレンや手持ちアイテムに対して与えられるものになっている。
  • 「熱狂の祭り」は、フロア移動中に何の前触れも無く発生する突発イベント。 熱狂の祭りの間、特定のアイテムがフロアに大量出現したり、モンスターを倒した時に経験値が多くもらえるようになる。
    • 熱狂の祭りが始まると画面上にカウントダウンが表示され、カウントが0になると祭りが終了。
      カウントの経過はターン経過ではなく、 リアルタイム で進行する形であり、アイテム関連の場合は30秒、モンスター関連の場合は60秒となっている。
    • 熱狂の祭りの間は一時的にアイテムやモンスターの位置が分かるようになる。
    • 特定のアイテムが出現するものであった場合、熱狂の祭り終了と同時に出現していたアイテムがフロアから消滅する。
  • この他、「大砲」「流れる水路」「ボヨヨン壁」等の仕掛けがダンジョン内に登場している。

その他の変更点

呪い・祝福の仕様変更

  • 前作にあった「道具封印」は廃止され、「呪い」に一本化された。
    呪いの仕様は『GB2』とほぼ同様。(装備品:外すことができない それ以外:アイテムを使用できない)
  • 祝福については、祝福対象のアイテムが食料・桃まん・草・巻物の4種類に限定されるようになった。
    また、祝福の効果も「アイテム使用後、アイテムが無くならず手元に残る(祝福は解除)」に一本化された。
    • 「識別の巻物」や「天の恵みの巻物」など、たまに手持ちアイテム全てに効果が及んだり、大きく強化される効果(通称「ラッキー」)を持つ巻物については、祝福時に必ず「ラッキー」が発生するようになっている。
    • 祝福する手段についても、今作では前作にあった「祝福の巻物」「祝福の壺」が登場していない。
      床落ちでランダムに祝福されているものを拾うか、クロンの挑戦で祝福してもらうくらいしか、祝福済みアイテムを入手する手段が無くなっている。

武器・盾の仕様変更

  • 前作にあった武器・盾の「成長システム」は廃止された。
    • これに伴い、武器・盾の強化上限が一律+99に変更された。
  • 印数については、「印増大の巻物」で空き印を増やすことが可能。最大30個で、無限にはならない。
  • 印の状態に「銀封印」が追加された。
    「封印」の名の通り、銀封印された印の効果は発揮されなくなる。
    空き印も銀封印の対象となっており、合成の際は銀封印された空き印に対して印を付けることができない。
    • 神器の多くは、拾った時点でいくつかの印が銀封印された状態となっていることが多い。
      また、「銀封印の巻物」や「銀一封の罠」の効果により、後天的に銀封印されることもある。
    • 「銀はがしの巻物」の効果や、上位のミドロ種の特技を受けることで、銀封印を解除することが可能。
  • エンディング後に拠点で、行商人がロストした武器や盾を高額で売ってくれるようになる。

その他アイテム関連

  • 前作に登場していた「札」「仙桃」は本作では登場していない。
  • 前作に登場した「お香の壺」は、「お香」として壺とは別のアイテムとなって続投。
    お香の壺と同様、壺・お香以外のアイテムを「焚く」ことで、フロア中に特定の効果を撒き散らすことができる。
    • 前作では、フロアを移動するか、別のお香を焚くまでお香の効果が持続していたが、今作では150ターン経過で効果が切れるように変更された。
    • 壺とは別扱いのアイテムになったため、前作のように「壺増大の巻物」で使用回数を増加させることはできない。
    • 前作に登場したお香の壺に対応するお香は全種続投している他、新たなお香も追加されている。
  • お金「ギタン」を投げてダメージを与える、シリーズおなじみの「ギタン投げ」も引き続き可能。
    前作までは「金額の10%のダメージ」を与える仕様であったが、今作では「金額の20%のダメージ」に引き上げられた。

ステータス関連

  • 前作ではレベルが上がるにつれてターン経過時のHP自然回復量が減る仕様になっていたが、今作ではその仕様が改善された。
    • レベル1の状態でも1ターンで1ポイント回復し、20レベルまで上げると1ターンで3ポイント回復するようになる。
      この回復速度は過去作品と比較すると異例の速さになっている。
    • アイテムを使ったり敵を攻撃したターンはHPが自然回復しないが、素振りしたターンは回復するようになった。
    • 一方で敵の攻撃力も高くなっている為、的確なHP管理が求められる。
  • ちからが10以上になった場合、腕輪を2個装備できるようになった。
    • 前作では一部装備品の共鳴効果で得られる能力であったが、今作では装備品に関わらず上記の恩恵にあずかれるようになっている。

ダンジョン内の店

  • ダンジョン内の店のうち、前作に登場していた「高級店」「二択屋」は廃止され、通常の店と行商人のみになった。
    行商人(ナゾーさん)は『シレン2』準拠のグラフィックだが、前作の行商人(タヌキ)と同じ仕様となっており、勝手にアイテムを拾うことはない。
  • 宝物庫(埋蔵金部屋)のように、通じる通路が無い店も出現するようになった。
    • この場合、店の出口にバネの罠が一つ仕掛けられた状態となる。
    • 店に入るには壁を掘る手段などが必要になる。
  • シリーズ恒例の泥棒も引き続き可能。ただし、様々な泥棒対策を施した店が登場するようになった。
    • 『シレン4』及び前作では、泥棒時はフロアのモンスターが全て店主となっていたが、今作では久々に番犬・盗賊番が出現するようになった。
    • 前作同様、シリーズお馴染みの赤い店主のほか、それ以外の店主が登場している。杖の魔法弾を無効化する「魔法よけの盾」を装備した黄色い店主、壊れない壁で囲った店内に居る灰色の店主、床がじゅうたん敷では無い店内に居る黒い店主と、店によってこれらの店主がランダムに出現する。
    • 店主が複数人配置されている店も発生するようになった。
    • 店によっては、店内に番犬が配置されていることも。
      • 泥棒時以外は話しかけても唸っているだけで無害であるが、「トドの壺」による盗みを無力化する特技を身に着けている。
    • 他にも、店内に罠を作れなくなった*2、泥棒後に階段の周囲に盗賊番4体が発生するようになった、番犬がシレンを執拗に追跡してくるようになったなど、店のセキュリティが厳しくなっている。
    • 一見泥棒が難しくなったような印象を受けるが、「大部屋の巻物」の復活や壁を自在に掘れるドスコイ状態の追加により、工夫次第で泥棒を行いやすいバランスになっている。店主の泥棒対策をどう搔い潜るか、といった楽しみもある。

モンスター関連

  • 主に初代シレンや『シレン2』から登場しているモンスターを中心に、シリーズ常連のモンスターは軒並み登場している。メジャーなモンスターで参戦しなかったのはギャザー種ぐらい。
    • やみふくろう・よせカエル種など、再登場の機会が少なかったモンスターもチョイスされている。
    • 一方で、直近のシリーズ作品で初登場したモンスターについては、『シレン4』から登場したバリズドン種くらいしか登場していない。
      • フィアーラビ種、すいだすゾウ種、うたたねバク種などの厄介なモンスターが本作には登場しないため、難易度が下がった部分もある。
    • また、本作初登場のモンスターについては、忍者や山伏といった人型のモンスターが多くなっている。
  • ぼうれい武者やいやしウサギなどを除き、本作もほぼ全てのモンスターがレベル4まで存在する。
    • 過去作では数字式のレベルアップだった火炎入道も、名前が変わる上位種が登場した。
  • 前作に登場した「魔法属性」「植物属性」は無くなり、「ゴースト属性」が復活。
    特攻武器はシリーズ恒例の「成仏のカマ」。
    • おばけ大根種*3、死の使い種、パコレプキン種、ガイコツまどう種*4、ぼうれい武者がこちらの属性持ちとなっている。
  • 新たな属性として「ケモノ属性」が追加。特攻武器は「原始の斧」。
    チキン種やデブータ種、タイガーウッホ種など、いかにも獣な見た目のモンスターがこちらの属性持ちとなっている。
  • 過去作に登場したモンスターの一部に対し、名前や能力の変更がなされている。
    • 名前が変更された例としては、畠荒らし種のレベル3・4が「袋荒らし(旧:物荒らし)」「俊足荒らし(旧:大物荒らし)」などが該当する。
    • 能力が変更された例としては、上記の「袋荒らし」「俊足荒らし」が手持ちアイテムを「雑草」に変える能力の廃止などが該当する。
    • 特に大きな変更点は、「にぎり見習い」もアイテムを大きいおにぎりに変える能力を得たこと。これにより、序盤からドスコイ状態を維持するプレイも可能になっている。
  • シリーズ恒例のモンスターハウスも、通常モンスターハウス・突発型モンスターハウス・特殊モンスターハウスがそれぞれ続投している。
    • 特殊モンスターハウスは前作に登場したものが全て続投している。*5
      加えて、過去作のゴーストハウスに相当する「おばけ屋敷」、マムル種やチンタラ種といったマスコットキャラクター扱いのモンスターが出現する「ゆるキャラハウス」や、忍者・山伏・武者系モンスターが出現する「ジパングハウス」等の新規のモンスターハウスも追加されている。
    • モンスターハウスに入ると気配察知状態になる(敵の位置が分かる)仕様が復活した。

マゼルン種による合成

  • シリーズ恒例のマゼルン種による合成は今作でも引き続き登場しているが、特筆すべきはマゼルン種が大幅に強くなっているという点。
    前作では、レベル1のマゼルンの登場フロアは概ね10F前後であり、レベル10前後で難なく戦えるステータスであった。
    そのため、気軽に合成を行えていたのだが、本作では単純にステータスが強化されていて同フロアのモンスターより二回り強い位置付けとなっている。
    更に、アイテムを飲み込むたびにパワーアップと同時に状態異常が解除されるようになったため、合成を狙う際はより慎重な立ち回りが求められるようになっている。
    • ただし、今作に登場した「桃まん」により、マゼルン種に変身して合成を行う分には簡単。
      桃まんの杖や桃まん棒といった桃まんの入手手段確保が前提ではあるものの、こちらであれば安全に合成を行える。
  • 前作と違い、睡眠状態やかなしばり状態のマゼルン種もアイテムを飲み込むようになった。
  • 異種合成可能なアイテムは、前作と比べてやや減った。また、3種以上のアイテムを同時に合成する特殊合成はなくなった。
    • 前作では、「武器・盾のベースの印として存在しているが、異種合成でも付けられる印」がいくつか存在していたが、今作では武器・盾のベース印として存在している印は異種合成で付けられなくなった。
  • 前作ではマゼルン種の出現階層が少なかったが、本作では広範囲にわたって出現するようになり、マゼルン種の出現階層で粘る必要性が減った。

風来救助

  • シリーズおなじみの風来救助も引き続き続投しているが、システムが変更されている。
  • 前作までは町の施設から風来救助を行う形であったが、今作ではメインメニューから行う形に変更された。
    • 自身が救助待ちの間に、他のプレイヤーを救助できるようになった。
  • 前作までは、救助後にダンジョン内で入手したアイテムとご褒美のアイテムを入手できたが、今作ではアイテムの代わりに「奥義ポイント」を獲得する形に変更された。
    • 奥義ポイントとは、風来救助に挑む際の「奥義」を使用するために用いるポイント。
    • 奥義は救助時にシレンをパワーアップさせるものであり、HPやちから、レベルを上昇させた状態で挑めたり、常時拾い識別状態になったり、果ては剛剣マンジカブラ+風魔の盾+保存の壺が初期アイテムに加わった状態で始められる、といったものが存在している。
    • 「奥義によって通常とは一風変わった冒険を楽しめるようになった」「いかに奥義ポイントを稼ぐか考えながら、救助を楽しめるようになった」といった楽しみもある。
  • 自分自身を救助する「自分救助」が行えるようになった。
    • 文字通り、自分自身で救助する形であり、他のプレイヤーの救助時と同様に奥義も使用可能。
    • ただし、自分救助を行った場合、奥義ポイントは獲得できなくなっている。

評価点

初心者に配慮した作り

  • 手帳システムやもののけ道場といったチュートリアルやサポートが充実しており、ローグライク初心者でも取っつきやすい作りになっている。
    • 初めてのシステム等が登場した際はガイドが表示されるし、そのガイドも手帳の「遊び方」で確認できるようになっている。
      過去のシリーズ作品ではあまり見られなかった親切設計になっている。
    • 一度でダンジョンを突破できずに倒されても、自動で記録される探検録や手帳の情報を頼りに、ダンジョンの攻略法やモンスターの対策手段を考えてから再挑戦できるし、プレイヤーの成長を実感しやすい。
  • 今作では、脱出の巻物が入手しにくいことや序盤から敵が強めのゲームバランスとなっていることもあり、慣れてない未経験者は最初のダンジョンの低層で倒されることも多い。
    • だが裏を返せば、初心者を低階層の内に綱渡りな環境に放り込むことによって、しっかり基本動作を学ばせてから先に進ませる構成になっているとも言える。
      • 行動の選択肢が少ない序盤の難易度を上げることで、基本動作の学習をプレイヤーに強要している。
    • 失うアイテムや時間が少ない低層でリトライさせて経験を積ませる、という点で秀逸な設計となっている。
      • 時間をかけて進んだ深層で倒れてしまうとストレスだが、序盤なら呆気なく倒されても気軽に再挑戦できる。
  • 本編であるとぐろ島クリア後も、各種追加ダンジョンにトライする中で、未識別アイテムの識別方法や本作オリジナルのシステムに段階的に触れられる作りになっている。
    • 追加ダンジョンの攻略を経て、最終的な「もっと不思議のダンジョン」こと「とぐろ島の神髄」へとつなげる動線作りがなされている点は充分評価できる。

ローグライク経験者にも配慮された作り

  • 上記の通り、今作では序盤の敵が強めになっている等、今までのシリーズとは一味違う調整となっている。ローグライク経験者であっても、慣れないうちは思わぬところで苦戦しやすい。
    • 全般的にモンスターの攻撃力やHPが強化されていたり、出現数や発生速度が上昇している等、危険度がアップしている。パコレプキンやカラクロイドなどが顕著。
    • 油断しているとあっという間にモンスターに囲まれ、ピンチに陥りやすい。順調に進んでいても、一手のミスが命取りになることもある。
  • 一方で、HPの自然回復の高速化をはじめ、神器を始めとする強力なアイテムが多数実装されているなど、シレン側で強化されている面も多々ある。
    • 白紙の巻物や復活の草など、強力なアイテムが比較的入手しやすいダンジョンが多い。
    • 苦戦している状況から「願いのほこら」や「熱狂の祭り」等により強力なアイテムを手に入れて、一気に攻略が楽になることも。
    • また、「モンスターと正面から殴り合わず、アイテムを駆使する」「アイテム・経験値の稼ぎを行う」といったシリーズならではの基本に立ち返れば、乗り切れる局面も少なくない。
    • 運の要素も強いが、プレイヤーとしての知識と判断力が生存率に直結する手ごたえのあるバランスとなっている。
  • 本編の冒頭にて、シレンの回想という形でいきなり「とぐろ島」のボスと戦う流れになっている。
    • 操作やゲームシステムを理解してもらうためのチュートリアルで、基本的には負けバトルなのだが、アイテム運やテクニック次第では勝利することもできる。勝利した場合はそのままエンディングになり、一足早くクリア後ダンジョンを開放できる。
    • エンディングを迎えてからが本番とも言える風来のシレンシリーズらしい、驚きの要素である。
  • 合成の壺やマゼルン種が解禁されるイベントを終わらせずにクリア後ダンジョンに挑む、といったやりこみプレイも可能。

頼りがいのある旅仲間

  • 海賊のお宝が眠る島が舞台であるためか、お宝目当てにやって来た風来人や海賊のNPCが多く登場している。
    また、島内に忍者や修験者のための集落があることもあってか、忍者・山伏のNPCやモンスターも登場している。
    • 本作の旅仲間である「ヒビキ」「トゥガイ」「海賊デブータ」はそれぞれ海賊の頭領ないし一味、「セキ」は忍びの一族、そして久々の登場となる「アスカ」も風来人と、上記のNPCたちの特徴に当てはまっている。
  • 前作では旅仲間のレベルは継続制(ダンジョンを出てもレベルが維持される)であったが、今作ではシレンと同じくダンジョンを出る度にレベルがリセットされるように変更された。
    • ただし、初期レベルは出会ったフロアに応じて変化するようになっている。
      浅いフロアでも概ねレベル5の状態で仲間になり、強い敵が出てくるフロアでは相応にレベルが上がった状態で仲間になるため、足手纏いになりにくくなっている。
  • 今作の旅仲間はいずれも頼れる強さを持っており、ダンジョン攻略の一助として機能している。
    今作では敵の強さが過去作に比べて強化されている上、前作まで行えていた脱出の巻物を用いてアイテムや装備を少しずつ集めながら攻略するプレイングが本編のとぐろ島で行えなくなっている。
    ダンジョン内で完結させるゲームデザイン上、冒険中にシレンを強化しきれない局面も少なくないため、戦力強化の面でも過去作に比べて旅仲間の有用性がアップしている。
    仲間が1人居るだけでもモンスター処理が楽になり、生き残りやすくなるため、初心者救済・一部高難易度タンジョンの攻略の一助につながっている。
    • 適正レベルであればシレンと共にモンスターと殴り合えるだけの強さを持っているため、HPに気を配っていれば長く連れ歩くこともできる。
    • 3種の丸薬でサポートするヒビキ、会心の一撃を連発しつつピンチの時には身代わりになってくれるトゥガイ、デブータの石で支援攻撃する海賊デブータ、ヒット&アウェイ戦法を得意とするセキ、過去作と同じく武器・盾を装備できるアスカと、能力の差異はあれど各人ともダンジョン攻略に有用な能力を持っている。

ロードの速さ、操作のスムーズさ

  • あらゆる動作が早く、スムーズに冒険を進めることが可能。モンスターが大量に居る状態で全体に効果のある巻物を使用するといった場面でも処理堕ちすることは皆無。
    • ダウンロード版の容量が1.6GBとかなり少な目になっている。

至れり尽くせりのインターフェイス

  • 店に入ると、自動的に手持ちのアイテム全ての売却価格が表示されるようになった。
    • いちいち床に置いて店主に話しかける必要がなくなった為に、非常にスムーズに値段識別が進められるようになった。
  • 『シレン5+』のSwitch版で追加された実況動画、配信プレイに適したアイテムが常に表示される特殊な表示モード機能も続投している。
  • 前作同様、矢・石・杖を「セット」し、ショートカットキーでセットしたアイテムを使用する機能が続投している。
    • 前作では1つしかセットできなかったが、今作では4つまでセットが可能になり、利便性がアップした。
  • 「一度歩いたマスはマップの色が変わる」というシステムが追加された。
  • 所持アイテムを整理しても、アイテム欄のギタンが所持金に加算されないよう設定できるようになった。

隠しダンジョンを手早く開放できる

  • 本編クリア後は車屋によるファストトラベルが解放されるので、これを利用すればダンジョンやアイテムに関連するイベントを手早く回収できる。
    • 黄金街道と脱出の巻物の二点は少し手間がかかるが、それを除く要素は短時間で解放できる。
  • クリア後ダンジョン数は17個と、『5plus』ほどではないが十分な総数。
+ クリア後に追加されるダンジョン一覧
  • (ばつ)の砂丘:とぐろ島の延長線にあたる、アイテム持ち込み可のダンジョン。
    低層からとぐろ島16階以降に登場するモンスターが出現するほか、一部アイテムが未識別で登場する。
  • 水龍の洞窟:魃の砂丘のクリア後に解放されるダンジョン。
    装備品や各種飛び道具が使えない代わりに、満腹度を消費して各種特技が使える「狐渇シレン」に変身して攻略する。
  • ヤマカガシ峠:ほとんどのアイテムが未識別で登場する、「もっと不思議のダンジョン」のショートバージョン。
    本作で登場する各種忍者種や畠荒らし種などのアイテム破壊能力を持ったモンスターが多く出現する。
  • 推測の修験道:アイテムが未識別状態で出現するが、識別候補が3種類分かる状態となっているダンジョン。
    床落ちアイテムの数も多いが、アイテムが呪われている確率も高くなっている。
  • 推測の修験道 裏:推測の修験道と同じルールであるが、こちらはアイテムを50種類識別すると自動的にクリアになるダンジョン。
    最後に識別したアイテムのみ持ち帰ることができる。
  • 鬼木島:推測の修験道と同様、未識別アイテムの識別候補が3種類分かる状態となっているダンジョン。
    本作の脱出の巻物の解放条件に関わっている。
  • 桃まんダンジョン:本作の「桃まん」を駆使して攻略するダンジョン。
    「桃まん棒」が初期装備となっている。
  • ドスコイダンジョン:落ちている食料が「ちゃんこおにぎり」のみのダンジョン。
    食べると「ドスコイ状態」となるため、これによりシレンを強化して進むことになる。
  • カカ・ルーの神意:罠の神カカ・ルーの名を冠した、シリーズ恒例の罠ダンジョン…のようなもの。
    下記の罠師の抜け道と異なり、シレン自身も罠にかかる他、床落ちのギタンによるギタン投げを駆使して攻略する形となっている。
  • 罠師の抜け道:シリーズ恒例の罠ダンジョン。
    こちらは初期装備に「罠師の腕輪」があり、罠を拾ったり仕掛け直したりできるようになっている。
  • 仕掛けの修験道:本作に登場する大砲などの仕掛けが多数登場するダンジョン。
    低層からレベル2以上のモンスターが出現するため、ある程度鍛えた武器や防具が無いと厳しくなっている。
  • 買い物上手の修験道:前作の「商人の隠れ家」に相当する、店や行商人の登場率が高いダンジョン。
    床落ちアイテムはほぼギタン、かつ低層から強力なモンスターが出現するため、予めアイテムを持ち込まないと攻略がままならなくなっている。
  • デッ怪ラッシュ:全フロアでデッ怪が出現し続けるダンジョン。
    食料やデッ怪を倒せるアイテムを入手しつつ、デッ怪を避けて進むことが求められる。
  • 神器の海廊:床落ちの武器・盾が全て神器となっているダンジョン。
    ダンジョン内で入手したアイテムは一切持ち帰ることはできないが、クリア時に金の神器が手に入る。
  • 杖と巻物の領域:その名の通り、杖と巻物が大量に手に入るダンジョン。
    それ以外のアイテムがほとんど手に入らないため、杖と巻物を駆使して立ち回ることが求められる。
  • 無双の島:低層からレベル3以上のモンスターが登場するダンジョン。
    鍛え上げた武器や盾を始めとして、予め有用なアイテムを持ち込むことが前提となっている。
  • とぐろ島の神髄:本作における、「もっと不思議のダンジョン」。
    これまでのダンジョンの攻略を通じて得た腕と知識がモノを言うダンジョンとなっている。

「和」の世界観を感じられるBGM

  • 過去のシリーズ作品ではすぎやまこういち氏・松尾早人氏が作曲を手掛けていたが、今作ではポケモン不思議のダンジョンシリーズの楽曲を手掛けた、いとうけいすけ氏が担当している。
    • いずれも和楽器を主体とした曲になっており、シレンシリーズおよび本作の舞台であるとぐろ島の世界観にマッチしている。
  • モンスターハウス・お店・メニュー画面などを含め、ほぼ全てのBGMが新規曲になった。
    • 中でも、特殊モンスターハウスで流れる和風ロックは人気が高い。警報を思わせるSEが鳴った後に、怒涛の勢いでかき鳴らされる三味線の音色は非常に印象的。突然の修羅場を乗り越えて見せろと言わんばかりにプレイを盛り上げてくれる。
    • もののけ道場のメニュー画面のBGMのみ、外伝作品である『シレン・モンスターズ ネットサル』のBGMがアレンジされて使用されるという、古参ファンにはたまらない演出もある。
  • ほとんどのクリア後ダンジョンの序盤と終盤で、そのダンジョンでしか流れない専用BGMが用意されている。

マメなアップデート対応

  • 発売以降、不具合が発生した際は短期間で修正のアップデートがなされており、プレイ環境も良好に保たれている。
  • また、2024年4月27日には、初の大型アップデートも実施されており、新要素の追加にも前向きである点は評価できる。
  • 2024年7月5日には、第2弾大型アップデートが実施された。

パラレルプレイによる新たな楽しみ方の開拓

  • 前作の「協力ダンジョン」に次ぐオンライン要素としてパラレルプレイが登場したが、新たな楽しみ方の一助として機能している。
    日夜多くのプレイヤーがパラレルデータのアップロードを行っており、飽きることなく楽しめる。
    • 動画配信者が同じパラレルデータを使い、どれだけ早くクリアできるか複数名で競争するという企画を行ったことも。
    • 公式が用意した特殊なパラレルデータも個性的で、こちらも色々と楽しめる内容となっている。
      強い装備が最初から手持ちに入っている状態で挑む「とぐろ島」のように初心者向けのデータもあれば、一部の有用なアイテムが使用不可能になっている状態で挑む「とぐろ島の神髄」のように通常のプレイより数段難しい上級者向けのデータもある。
      更には持ち込みアリ最難関ダンジョン「無双の島」にそこそこの装備、補助アイテムもいくらか揃っているという変わったデータも。

賛否両論点

デッ怪の存在

  • 本作に登場するデッ怪は、出現するフロアが限定されているものの、非常に強力な割にリターンが薄いことから、積極的に対峙したくない存在である。
    「緊張感があって良い」と感じるプレイヤーも居れば、「ただ危険なだけ」と感じるプレイヤーも居るため、賛否の分かれる要素となっている。
    • 通常のモンスターとは別枠扱いとなるため、「ねだやしの巻物」の効果でねだやし状態となっているモンスターのデッ怪が登場することも。
      おばけ大根種やケンゴウ種といった凶悪な特技を使用するモンスターをねだやししても完全には安心できないため、慎重な立ち回りを強いられる点はプレイヤーによって感想が分かれるところ。
    • 因みに、発売前の開発者インタビュー記事にて、「デッ怪は強くて危ないからここは避けて歩こう、とフロアを回る順番を考えるような仕掛けとして導入」した旨のコメントがなされている。
      • しかし、デブータの石などを豊富に持っていればほとんどのデッ怪は安全に倒すことができるし、デッ怪ホールを消すにはどちらにせよ全部屋を巡回しなければならないため、「フロアを周る順番を考えさせる」というコンセプトも形骸化している。

脱出の巻物の入手が難しい

  • ダンジョンから途中で脱出するアイテムである「脱出の巻物」は本作にも登場しているが、本作では入手可能なのが本編クリア後と、過去のシリーズ作品に比べて遅くなっている。
    • イベントによって解放される他のアイテムと同様、「脱出の巻物」についても複数のイベントを発生させ、本編クリア後に解放されるダンジョンのクリア報酬と共に、他のダンジョン内で入手できるようになっているため、相応に手間が掛かる代物となっている。
    • 本編クリア後に解放される都合上、本編である「とぐろ島」攻略中は容易にアイテムの持ち帰りが行えず、少しずつ武器・盾を強化したり、強力なアイテムを集めてクリアを目指すプレイングが行えなくなっている。
      • 「倉庫の壺」や「飛脚」は存在するが、少数しかアイテムを送れないので使い勝手は良くない。
    • 過去作における同系統の巻物*6は、初心者が脱出を繰り返しつつ少しずつ装備を鍛えてストーリーダンジョンをクリアするのに使っていたアイテムでもあるため、ポジション自体が大分異なるものになった。
  • この点に関して、開発者インタビュー記事にて「『風来のシレン』の“倒れればゼロになる”、“ダンジョン内ですべてやりくりする”というシリーズ本来のゲーム性が楽しめるように」ゲームデザインを行った旨をコメントしているため、意図的な仕様となっている模様。*7
    • 初代シレンでは脱出の巻物がそもそも存在しなかったため、原点回帰の一環とも言える。
    • 一方で『シレン2』以降、少しずつ装備やアイテムを充実させてクリアを目指していたプレイヤーも少なからず居たことから、脱出の巻物の解放が遅いことを良しとするか、改悪と捉えるかはプレイヤーの好みが分かれやすい所である。

グラフィック表現手法

  • グラフィックやエフェクトがやや簡素。あえてくっきり線を描いたグラフィック表現手法を採っている。「見やすい」ととるか「チープに見える」ととるかは、プレイヤーの感覚次第といったところ。
  • switchというハードを考慮しても、グラフィックは高品質ゲームをプレイしたプレイヤーから「チープさが否めない」という指摘もある。
    • とはいえ、ローグライク系の作品に美麗なグラフィックや派手なエフェクトを求める声は少なく、むしろ操作のスムーズさ、画面の見やすさを重視する声が多いので、そこまで問題視はされていない。
    • グラフィックがやや簡素な分テンポは良く、ロード時間も非常に短い。

パラレルプレイを最大限に活用するとヌルゲーになる

  • パラレルデータ作成は簡単に言えば冒険の状態をコピーできる機能で、自分で作成したパラレルデータを自分でプレイすることもできる。
  • シレンが持っているアイテムもそのままコピーされるため、例えば作成したパラレルデータでアイテムを使用識別すれば、コピー元となったデータのアイテムもノーリスクで識別できてしまう。
  • さらに、以降のフロアのアイテムや階段の初期配置もコピー元と一緒になるため、どこに階段やアイテムが落ちているかといった下見もできる。
  • 極端な話、パラレルデータを作成してダンジョンをクリアし、コピー元のデータでクリア時と全く同じ行動をとれば、ダンジョンを100%クリアできてしまう。
  • 知っていても使わなければいい話ではあるし、初心者救済措置の一つになっているとも言える。ただ、初心者がこの活用法に気付けるだろうか。

問題点

シナリオが薄い、キャラの掘り下げ不足

  • 『2』のように城を作りながら村人と親睦を深めたり、『5』のように人の命を救ったり、『GB2』『アスカ見参!』のように迫る危機に立ち向かって国を救うといった盛り上がる要素は薄い。
    • 久々に再登場したアスカをはじめ、旅仲間はゲーム的な性能としての差別化はなされているが、特段ストーリーに絡むというわけではなくサイドストーリー的な扱いになってそこまで掘り下げはされない。
    • とぐろ島に住む修験者の長である干天坊(かんてんぼう)もPVや発売前情報ではやたら存在感があり、重要なキャラに思えたのだが、実際には旅仲間になることも敵として戦うこともなく、完全な脇役となっている。
  • とはいえ、この点もグラフィックと同様にローグライク系の作品であまり重視されない点である。
  • 不思議のダンジョン 風来のシレンGB2 砂漠の魔城』にて、過去に会っているはずのマーモのことをコッパが覚えていないという描写があったが、本作でも既知であるはずのアスカのことをコッパが覚えていないシーンが描かれている。
    • これについて、開発者インタビューにて「設定の間違いではなくて、そうなっている理由がある」とコメントがなされている。しかし、本作中ではその理由は明かされない。
    • 同インタビューにて「タイミングが合えば、いつかはそのエピソードをできればいいな」と述べられており、続編でいずれ上記の理由が明かされる日が来るのかもしれない。
    • 「素直に再会を喜び合える設定にしてほしかった」「中途半端に謎を残さず、本作内で解明してほしかった」といった不満が多い。

容姿の似通った新規モンスター(忍者・山伏)

  • 本作の新規モンスターはタコぎん種、バッター種、いたずら小僧種、火遁/水遁/土遁/木遁/金遁の各種忍者種、般若面/狐面/翁面/おかめ面/天狗面の各種山伏種となっている。
    このうち、各種忍者・山伏については容姿が似通っており、レベルアップ前後の変化も他のモンスターに比べて分かりにくいため、コンパチ感が否めない。
    • 各種忍者種については、忍び装束・顔がほぼ同一で、忍び装束の色違いになっている。
      また、どの忍者種もレベル1から4まで忍び装束のメインカラーが変わらず、レベルアップで変化するのが手袋や足袋の色のみとなっている。
      そのため、初見ではレベルの差異に気付きにくくなっている。
    • 各種山伏種については、名前に冠しているお面で差異が分かるようにはなっている。
      ただ、服装及び手にしたほら貝の模様は各山伏種で共通しており、こちらも事実上色違いバージョンになっている。
      加えて、こちらもレベルアップで変化するのがほら貝の色のみとなっているため、初見ではレベルの差異に気付きにくくなっている。
  • 登場するモンスターの総数及び新規モンスターの種類については、前作とほぼ同じ位ではあるため、決して少なすぎる訳では無い。
    とはいえ、新規モンスターの大半が容姿の似通ったものになっているため、「新規モンスターが少なめ」という印象を抱きやすくなってしまっている。

ゲームテンポを損ねる要素の存在

  • 基本的にはテンポよくゲームを進めることができるようにはなっているものの、一部ゲームテンポを損ねる要素が存在している。
    • オヤジ戦車種の特技や、本作に登場する仕掛けの大砲など、爆発を伴う演出のエフェクトが長くなっている。
      上記の特技を使用するモンスターや、大砲の前に陣取ったモンスターと広い部屋で遭遇した際、1回行動するごとに大砲発射→爆発の演出が挟まるため、テンポが落ちてしまいがち。
      • 爆発の演出についてはアップデートである程度改善されてかなり早くなっている。
      • 大砲の演出もやや長い。レーザー砲台は一瞬で照射されるのだが、普通の大砲や火炎放射砲は少し長く、一歩歩くごとにモンスターが起動したり、複数の大砲が起動したりするとかなりテンポが悪くなる。
    • また、本作初登場の各種山伏種は、フロアのモンスターに対し何らかの効果をもたらす特技を持っており、シレンが近くに居なくても特技を使用するようになっている。
      過去作に登場したバットカンガルー種やドスコーイ種などと同様に、特技を使用する度に固有の演出が挟まり、移動が止まってしまうことから、こちらもテンポを落とす要因となっている。
  • メッセージログが流れる速度がやや遅く、一行ずつしか流れない。
    • 例えば、メッセージログが溜まっている状態で落ちているアイテムの上に乗ると、そのアイテムの名前が分かるログが流れてくるまで時間がかかる。
    • アイテムを24個持っている状態で落ちているアイテムの上にダッシュせずに乗ると、
      「持ち物が一杯で拾えなかった!」
      「○○の上に乗った」
      と、アイテム名が表示されるのが二行目になってしまう。

ダンジョンのバランス

  • 本作も多くのダンジョンが登場しているが、一部ダンジョンの難易度が高めになっている。その内の一つが「ヤマカガシ峠」。
    • 内容は本作の「もっと不思議のダンジョン」こと「とぐろ島の神髄」のショートバージョンといえるものだが、出現するモンスターの都合上、あちら並、あるいはそれ以上に難しいダンジョンに仕上がっている。
    • 最たる要因としては、アイテム破壊能力を持つ畠荒らし種、本作初登場の火遁忍者種の存在。
      前者は過去作品同様、床落ちのアイテムを「雑草」に変える能力を持ち、後者は草や巻物等の一部アイテムを燃やして消滅させる能力を持つ。
      フロア数25の内、半分以上のフロアで上記のモンスターが出現し続ける上、ダンジョン内で手に入るアイテムも決して多くないため、アイテム入手に苦労させられる。
    • 上記の2種以外にも、攻撃力が強化されたノロージョなど、殴り合いに難のあるモンスターが10F以降矢継ぎ早に登場し続ける。
      その一方で、ぬすっトド種やマゼルン種、ぴーたん種など、アイテムドロップやアイテム合成などのメリットを持つ敵が出現しないため、稼ぎどころが大きく制限されている。
    • とぐろ島クリア後に解放される他の追加ダンジョンと同様に、殆どのアイテムは未識別状態で登場する。 フロア数の短さと入手できるアイテムの絶対数の少なさも相まって、「有用な草や巻物を使用識別したが、冒険中に再入手できなかった」という事態もザラにある。
    • 更に、最終フロアではボス戦も控えている。
      そのため、安易な即降りも許されず、アイテムを上手くやりくりすることが求められる。
    • 以上の理由から非常に難しいダンジョンとなっており、Ver.1.1.0の大型アップデート前まではクリア率がとぐろ島の神髄に匹敵するほどの低さ(10%未満)であった。
      • 発売直後は7Fまでにボス専用のアイテムを確保したら、後は最終フロアまで即降りを狙う強引な攻略が推奨されたほど。
        その後、有志により「忍者種乱獲によるアイテム稼ぎ」「ノロージョによる経験値稼ぎ」といった他の攻略法が確立されてきており、プレイヤー間での情報共有も進んでいった。
        加えて、上記の大型アップデートにて旅仲間が登場するようになり、難易度の緩和が図られたことから、徐々にクリア率については改善の傾向が見えてきている。
    • 旅仲間の一人「セキ」は、このダンジョンが解放されるとクリアするまで一時的に仲間にできなくなってしまう。
  • どのダンジョンも全体的に、1Fが死にやすいバランスになっている。
    • シレンの初期HPが15だというのに、持ち込み不可ダンジョンの1Fから一撃で6~8ダメージほど与えてくる敵が出てくる。空振りや敵の先制攻撃が絡むと、HP満タンの状態で最初に出会った敵に殴り負ける可能性すらある。
      • 「シレンのHPが少なくなったら、敵から逃げてHPを自然回復する」という戦法ありきの調整だと思われる。しかし、逃げている最中に他の敵と挟み撃ちにされたり、逃げている最中に罠を踏んで余計にピンチになる恐れがあり、この戦法はあまり賢い行動とは言えない。
      • 前作のタネッコも同程度の火力だったが、本作のレベル1での回復速度は前作より遅いため、より厳しくなっている。特にオトト兵や1割バッターが危険。
    • 16以上のダメージを受ける落石の罠や、20ダメージを受ける大砲が1Fから出現するダンジョンもある。当然、レベル1のシレンがくらえば即死である。
    • せっかくゲームを始めても、ダンジョンの低層で繰り返し倒れてしまう状況を喜ぶプレイヤーは滅多におらず、1Fの高難易度化はやりすぎとも言える。
    • しかも、本作はダンジョンごとにクリア率が記録されるシステムになっており、低層の理不尽死でクリア率がどんどん下がってしまうのはいただけない。
  • 各ダンジョンのモンスターテーブルに不評もある。
    • 低層から洞窟マムルが出現する持ち込み不可ダンジョンがある。多大な経験値を持つので倒せればおいしいが、攻撃力が非常に高く、低レベルのシレンはHP満タンから一撃死する恐れがある。出現率が低いのが救い。
    • ミラクルチキンより遥かに弱いビカズドンやメガタウロスが同じフロアに出現する、ガンコ・ゴウジョウ・イッテツ戦車が同フロアに出現するなど、弱い敵と強い敵が混在するフロアがある。
    • 本作ではシリーズ初期のように、99Fダンジョンの終盤は同じモンスター構成が10フロア以上続くテーブルになっていることが多い。
      • モンスターの変わり映えの無さに飽きやすく、ねだやしの巻物の使用の有無で難易度が大きく変化しやすい。
      • 強敵の出現範囲も広いため、特定の敵の特技の対策になるお香の利用価値が落ちてしまっている。お香は容量1につき1フロアしか効果が続かないため、10フロア以上出現する強敵の対策にはなりにくい。

救助機能の改悪

  • 過去作では、風来救助の際にも持ち込み可能ダンジョンにはアイテムを持ち込むことができたが、本作では自由にアイテムを持ち込めなくなった。
    • そのため、アイテム持ち込み前提のダンジョン、特に「無双の島」の救助難易度が非常に高くなってしまっている。
      • 低層から高レベルの敵が出現するため、通常攻略では鍛え上げた武器・盾の持ち込みが前提であるが、風来救助の際は事実上アイテム持ち込みなしで挑む形となっており、苦戦を強いられる形になる。
      • 各種奥義でシレンを強化すれば救助不可能ではないものの、序盤からねむり大根・みだれ大根が登場するのをはじめ、レベル3以上のモンスターのオンパレードとなっているため、奥義全使用であっても厳しくなっている。
  • また、救助に成功してもアイテムを持ち帰れなくなった。
    • 救助は基本的に同じダンジョンになり同じアイテムが入手可能なため、過去作では「レアアイテムが出現した冒険でわざと力尽きて、そのレアアイテムが入手できる救助依頼を配布する」という活用法があったが、そのような使い方は不可能になった。
    • 過去作では、救助に成功するたびに累計でポイントが貯まっていったり、救助した人数が記録される要素があったのだが、本作では救助に成功しても貰えるのは奥義ポイントのみ。
      • その奥義ポイントも累計で貯まっていくものではなく、奥義に使った分だけ減ってしまう。
    • 「救助する側のメリットが減ってしまった」などと非難する声も多い。
    • 過去作では、救助成功時のご褒美でしか入手できないレアアイテムが存在する作品(『GB2』・『Win月影村』・『DS』など)もあり、そういった要素が救助を活発化させていた。

完璧ではない手帳機能

  • モンスターや道具などの手帳の項目は不規則な順番で並んでおり、並び替えたり検索する機能がない。
    • 特に、道具を値段順で並び替える機能がないのが不便。値段識別には使いにくい。
  • 武器・盾は基礎値・値段・共鳴相手などはきちんと記されているが、デフォルトの印数が表記されていない。
  • もののけ手帳についても、「タウロス種がミノタウロスの斧を落とす」ことは書かれているが、「オトト兵種がオトトの盾を落とす」「にぎり元締が特製おにぎりを落とす」「ベルトーベンとショーパンの特技の違い*8」等については未記載だったりと、情報が不完全。

不親切な裏神髄

  • とぐろ島の神髄を一度クリアすると、12個の星の石を集めてクリアする必要がある高難易度バージョンに挑めるようになる。裏神髄などと呼ばれる。
  • 星の石は3F~99Fまでのランダムなフロアに1つずつ配置されるのだが、出現してもメッセージなどによるアナウンスがない。
    • マップ上にはキラキラしたアイコンで星の石の位置が表示されるが、これもやや見えにくい。
  • 星の石を拾い逃すと実質攻略失敗だが、拾い逃しても警告メッセージなどは表示されず、次の星の石を見つけるまで取り逃がしに気づけない。
    • 星の石を拾い逃しても、通常クリアを目指して冒険を続けることはできる。
  • ひまガッパ種や落とし穴が出現するフロアにも星の石が出現する可能性があり、道具寄せの巻物や罠対策がなければ攻略失敗に繋がる恐れがある。
    • ひまガッパ種、ゲイズ種、マルジロウ種といったアイテムに害を与えるモンスターばかり脅威度が上がっている。
  • モンスターテーブルなどは通常のとぐろ島の神髄と同じ。
    • 『外伝』の「裏白蛇」のように、出現アイテムやモンスターテーブルを変えたもっと不思議高難易度版が欲しかった、という声もある。
      • とはいえ前作シレン5においても、もっと不思議の亜種が登場したのはplus版での追加および配信によるものである。本作も無料アップロードが精力的に続けられている(2024年7月現在)ため、そちらでの追加に期待すべき所だろう。

過去作から改善されていない、劣化した要素

  • 前作では満タンの保存の壺に中身と同じ種類の飛び道具を入れることができたが、本作では保存の壺に空きがないと入れられなくなった。
  • DS』の頃から批判されている、「ショーパン」「パコレプゴッド」「らんぶポリゴン」などセンスがないレベル4モンスターの名前がそのまま。
  • 壺の中にある飛び道具や杖をセットできない。特に、最終的に壺の外に出して持ち歩けるアイテムの数が少なくなる裏神髄で不便に感じる。
  • 風来人番付、スコア機能が削除された。冒険終了時にステータスや装備品は表示されるが、後から見返すことはできない。
    • 本体のスクリーンショット機能でクリア画面を保存することはできるが、過去の記録をゲーム内に残すことができなくなったのは残念である。
  • モンスターのレベルが4を超過するシステム(ギタンマムル2など)は削除された。
    • そのため、無双の島などの持ち込み可能ダンジョンは、最強装備だと敵が弱くて難易度が物足りないという声が多い。
    • レベル最大のモンスターが同士討ちしたりぼうれい武者が乗り移ると、攻撃力アップ・防御力アップ状態になる『GB2』に似た仕様に変更されている。しかし、最初からパワーアップ状態のモンスターが出現するダンジョンはない。
  • 背景にもよるが、通路・水路・空路の区別が付きにくい。
    • マップ上では色分けされて区別されているが、ゲーム画面だけ見ていると水路なのか空路なのか分かりにくい背景もある。
  • ほとんどのクリア後ダンジョンで初回は途中の階層で強制的にクリアとなってしまう仕組みがあり、とぐろ島の神髄以外はいきなり99Fに挑むことができない。
  • 旅仲間を拠点で仲間にすることができなくなった。ダンジョン内で会うのを期待するしかない。
    • 初代シレンと同じ仕様であり原点回帰の一環ではあるが、好きな旅仲間に狙って会えないのは不便。
+ アップデートによって改善された点

蔵の容量

  • 本編クリア後、前作と同様に蔵が使用可能となるが、その容量が180と少なめ。
    前作の蔵の容量が80であったため、前作の2倍以上に容量が増加しているものの、各種アイテムを入れていくとあっという間に容量が満杯になってしまう。
    • Ver.1.1.0のアップデートにて、蔵の容量が960と大幅に拡張された。

パラレルデータの保存期間の短さ

  • アップロードしたパラレルデータのダウンロード期間が7日間と短め。
    そのため、ダウンロードするタイミングを逃してしまいやすくなっている。
    • Ver.1.1.0のアップデートにて、ダウンロード期間が30日間に延長された。

99Fダンジョンが1つしかない

  • 発売当初は99Fまであるダンジョンが「とぐろ島の神髄」しかなく、全10~30F程度の小規模なダンジョンがほとんどであった。
  • 初代シレンでさえ99Fダンジョンは3つあった*9ため、ボリューム不足と言わざるを得ない。
    • Ver1.2.0アップデートにて、御神木モードにて99Fまで挑めるダンジョンが大幅に増えた。

その他のバグ・不具合

  • 上記以外にも、特定状況下でのフリーズ・各種イベントが続行できなくなるバグや、宿場町にてあずかり屋利用中にモンスターの子どもの鳴き声が聞こえ続けるといった不具合が発生していた。
    これらの事象についても、アップデートによって修正対応がなされている。

総評

原点回帰と新要素の取入れを両立させたバランス調整となっている作品。
チュートリアルやサポート要素が充実している一方で、ゲームバランス自体はシビアで妥協を許さない。 過去作をやりこんだユーザーにとっても新鮮さと手応えが味わえ、新規層もストーリーダンジョンをクリアする頃にはローグライクの基本が身につくという設計になっている。
オンライン要素として追加されたパラレルプレイについても、他のプレイヤーと競争したりといった新たな楽しみ方の一助につながっている。
14年という長きに渡って沈黙していたシリーズを再起させるだけの品質を確かに持っている作品であり、更にアップデートによって遊びの幅を広げるポテンシャルも秘めている。

総じて、初心者からローグライク経験者まで幅広く楽しむことができるようになっており、シリーズ恒例のキャッチコピーである「1000回遊べるダンジョンRPG」の名に相応しい作品といえる。


余談

  • 本作の売上は好調である。
    • スパイク・チュンソフトの発表によると、「2024年2月6日に国内累計出荷数20万本を突破し、かつ「風来のシレン」シリーズ史上、最速記録となった」とのことで、発売から2週間足らずで達成したことになる。
      初週の売上も約85,000本と、PS5版『龍が如く8』に次ぐ記録をマークしている。
    • また、このゲームが発売するまで、Nintendo Switchのダウンロード売り上げランキングは『スイカゲーム』が長きに渡って1位に君臨し続けていた。
      五カ月ぶりにスイカゲームを引き下ろし、1位を奪還したのはこのゲームである。
  • ストーリーが進むごとにタイトル画面の背景が変わり、最終的にはタイトル名すら変わる。『GB』を意識した演出だと思われる。
最終更新:2024年08月18日 10:58

*1 本編では『初代シレン』および『シレンGB』の活躍に言及するセリフが存在するが、同じくGBの後の時系列にあたる『シレン4』の活躍については作中で言及されていない。

*2 黒い店主の店を除く

*3 シレン3ではゴースト属性が存在するにもかかわらずゴースト属性ではなかった

*4 シレン1ではゴースト属性ではなかった

*5 泥棒時の「取り締まり隊」は「盗賊番ハウス」に改称。

*6 持ちかえりの巻物、リレミトの巻物などを含む

*7 ちなみに、同インタビュー記事では「最初は脱出の巻物はそもそも実装しない予定だった」ともコメントされている。

*8 両者ともに、もののけ手帳には「ベルを鳴らして 自分の近くに モンスターを最大3匹呼び出す」としか書かれていないが、ベルトーベンは1匹しか呼ばないことがあるのに対し、ショーパンは基本的に最低2匹は呼ぶという違いがある

*9 厳密には、掛軸裏の洞窟と食神のほこらはエンドレスダンジョン