本稿は2024年7月5日時点(ゲームバージョン:Ver.1.2.0)を基準としています。
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【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんしっくす とぐろじまたんけんろく】
ジャンル | ダンジョンRPG | |
対応機種 | Nintendo Switch | |
発売・開発元 | スパイク・チュンソフト | |
発売日 | 2024年1月25日 | |
定価 | 6,350円(税別) | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
約13年ぶりの新作 「原点回帰」を目指した作り シビアさと親切さの両立 |
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風来のシレンシリーズ関連作品リンク |
前作『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』から約13年もの時を経て発売された、『風来のシレン』シリーズのナンバリングタイトル第6弾。
「Nintendo Direct 2023.9.14」にて本作の発売が発表され、翌年1月25日に発売された。
本作のテーマとして「原点回帰」が掲げられており、初代シレンこと『不思議のダンジョン2 風来のシレン』のような、ローグライクゲームの原点の楽しさを追求した作品となっている。
下記の「あらすじ」にもある通り、本作はシレンGBこと『不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物』の後の時系列にあたる。(*1)
月影村の冒険から数か月後……
とある不思議な夢を見た、旅の風来人「シレン」と語りイタチ「コッパ」。
その夢に導かれて訪れたのが、内海にある小さな島々のひとつ「とぐろ島」。
その島には、いたるところに海賊のお宝が隠されているうえ、
山頂にいる怪物の腹の中には、とびっきりのお宝が眠っているという。
そんな風聞を聞きつけ、一攫千金を夢見た全国の強者どもが島に集まった。
果たして、二人の見た不思議な夢と島の関係は?
そして、この島に眠るとびっきりのお宝とは?
シレンとコッパの新たな冒険が幕を開ける。
基本的なゲームシステムについては、過去のシレンシリーズのものを踏襲しており、UIも前作のものをベースに改良がなされている。
『シレン4』および前作ではドット絵であったが、今作のグラフィックは『シレン3』以来の3D表現がされている。
キャラクターがリアル頭身で描写されていた『シレン3』と異なり、本作のキャラクターは3頭身ほどにデフォルメされている。
ダンジョン内の視点は見下ろしで固定。
「概要」にも記載した通り、本作では「原点回帰」をテーマに掲げており、初代シレンや『2』に登場したモンスターやシステムが多く登場しているほか、ゲームデザインも初代を意識した作りとなっている。
『4』『5』で追加された要素は便利機能を除いて大半が実装されておらず、初代シレンに近いゲームデザインとなっている。
ドスコイ状態
神器
桃まん
デッ怪
手帳・探検録システム
もののけ道場
パラレルプレイ
御神木
ダンジョン内の仕掛け・イベント
新たな仕掛け・イベントとして、「願いのほこら」「クロンの挑戦」「熱狂の祭り」などが登場している。
基本的にプレイヤー有利な仕掛けが多い。
呪い・祝福の仕様変更
武器・盾の仕様変更
その他アイテム関連
ステータス関連
ダンジョン内の店
モンスター関連
マゼルン種による合成
風来救助
初心者に配慮した作り
ローグライク経験者にも配慮された作り
頼りがいのある旅仲間
ロードの速さ、操作のスムーズさ
至れり尽くせりのインターフェイス
隠しダンジョンを手早く開放できる
+ | クリア後に追加されるダンジョン一覧 |
「和」の世界観を感じられるBGM
マメなアップデート対応
パラレルプレイによる新たな楽しみ方の開拓
デッ怪の存在
脱出の巻物の入手が難しい
グラフィック表現手法
パラレルプレイを最大限に活用するとヌルゲーになる
シナリオが薄い、キャラの掘り下げ不足
容姿の似通った新規モンスター(忍者・山伏)
ゲームテンポを損ねる要素の存在
ダンジョンのバランス
救助機能の改悪
完璧ではない手帳機能
不親切な裏神髄
過去作から改善されていない、劣化した要素
+ | アップデートによって改善された点 |
原点回帰と新要素の取入れを両立させたバランス調整となっている作品。
チュートリアルやサポート要素が充実している一方で、ゲームバランス自体はシビアで妥協を許さない。
過去作をやりこんだユーザーにとっても新鮮さと手応えが味わえ、新規層もストーリーダンジョンをクリアする頃にはローグライクの基本が身につくという設計になっている。
オンライン要素として追加されたパラレルプレイについても、他のプレイヤーと競争したりといった新たな楽しみ方の一助につながっている。
14年という長きに渡って沈黙していたシリーズを再起させるだけの品質を確かに持っている作品であり、更にアップデートによって遊びの幅を広げるポテンシャルも秘めている。
総じて、初心者からローグライク経験者まで幅広く楽しむことができるようになっており、シリーズ恒例のキャッチコピーである「1000回遊べるダンジョンRPG」の名に相応しい作品といえる。
*1 本編では『初代シレン』および『シレンGB』の活躍に言及するセリフが存在するが、同じくGBの後の時系列にあたる『シレン4』の活躍については作中で言及されていない。
*2 黒い店主の店を除く
*3 シレン3ではゴースト属性が存在するにもかかわらずゴースト属性ではなかった
*4 シレン1ではゴースト属性ではなかった
*5 泥棒時の「取り締まり隊」は「盗賊番ハウス」に改称。
*6 持ちかえりの巻物、リレミトの巻物などを含む
*7 ちなみに、同インタビュー記事では「最初は脱出の巻物はそもそも実装しない予定だった」ともコメントされている。
*8 両者ともに、もののけ手帳には「ベルを鳴らして 自分の近くに モンスターを最大3匹呼び出す」としか書かれていないが、ベルトーベンは1匹しか呼ばないことがあるのに対し、ショーパンは基本的に最低2匹は呼ぶという違いがある
*9 厳密には、掛軸裏の洞窟と食神のほこらはエンドレスダンジョン