三國志

【さんごくし】

ジャンル 歴史シミュレーション
対応機種 PC-8801、PC-9801、X1、X68000
MZ-2500、FM-7、MSX、MSX2
FM-16β、Windows 95~XP、Windows 7~10
ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン
発売・開発元 光栄
発売日 【PC88】1985年12月10日
【PC98】1986年4月30日
定価 【PC98】14,800円(税別)
判定 良作
三國志シリーズリンク


概要

2016年現在も続く、光栄(現:コーエーテクモゲームス)の代表的な歴史シミュレーションゲーム『三國志シリーズ』の元祖にあたる作品。同時に国内初の『三國志演義』を題材としたシミュレーションゲームでもある。
2年前に発売された『信長の野望』をベースに、そちらではまだ見られなかった「配下武将」の概念を取り入れ、
後漢~三国時代を舞台にした5つのシナリオ*1を総勢255名の武将が入り乱れて覇を競う。
なお、本作は多数のPCやコンシューマー機に移植され、機種によって仕様に大きく差がある為、本項では特に断りがない限りPC98版(及び復刻版)を基とする。

  • 本作のシナリオは5つ
  1. 189年 董卓打倒
  2. 195年 曹操の台頭
  3. 201年 新時代の幕開け
  4. 208年 孔明の出盧
  5. 215年 三国の時代
  • 各シナリオで最大8勢力の中からプレイヤーが自身が担当する「英雄」*2を選択する。
    • 本作のプレイ人数は0~8人。0人にした場合はCPUによるデモプレイとなる。
      • CPUの強さは1~10と10段階、加えて好戦的か理知的かを選ぶ事が可能。
    • シナリオによっては8勢力以上の勢力が登場するが、彼らをプレイヤーとして選ぶことは出来ない。
    • 開始時にプレイヤーの選ぶ「英雄」のみ、基礎能力から-5~+5の変動が起こるルーレット方式の能力変更を行う。気に入らなければ何度でもやり直すことが出来る。
      • 本作の「英雄」は全体的に能力が高く、特に能力値が95以上の場合は最大の100になる可能性もある為、粘れば「知力100の劉備」を作るといった事が出来る。
      • 同様の試みは『信長の野望』や『蒼き狼と白き牝鹿』でも行われており、当時の光栄のSLGお馴染みの仕様となっている。
  • 本作独自の要素として各シナリオにクリア条件が設定されている。
    • 例えばシナリオ1の場合、「30国以上の国を支配しつつ、洛陽(20国)、長安(21国)も支配し、そのいずれかに君主がいる」と目標達成となる。
      目標が達成されると簡易的な祝福画面の後にシナリオ5に移行する。なお、便宜上はシナリオ5だが年代や勢力が変わるわけではなく、シナリオ5の目標(全58国の支配)が最終目標となる。
      • 最終的に58国の全てを支配する事でエンディングを迎える。

武将システム

  • 本作を象徴するシステムであり、プレイヤーが担当する「英雄」を含む全ての登場人物が「武将」として登場する。全ての武将は顔グラフィックを持ち、次のパラメーターで表現されている。
年齢
武将の年齢、マスクデータとして武将毎に寿命となる年齢が定められており、寿命の年齢を超えると「身体」が減っていく。
身体
武将の寿命に関わる。先述の通り寿命年齢を超えると下がり始め、30を切ると危険水域となり、病死する可能性が高まる。「疫病」で下がる場合もあり、疫病によって武将が寿命よりも早く死んでしまう事も起こりうる。
知力
本作では後のシリーズにおける「政治力」も兼ねており、内政、計略、外交などの様々なコマンドに影響する。知力が高い武将が所属国にいる場合、書物を他の武将に施す事で上げる事が出来る。
武力
軍事関係に影響する。後のシリーズにおける「統率力」の意味合いも兼ねている。戦争で敵を殲滅すると上昇、逆に殲滅されると下降する。
カリスマ
後のシリーズにおける「魅力」にあたる。施しの際の忠誠度の上昇や、人材登用の成功率などに影響する。
運勢
武将の運のよさ。運の悪い武将はコマンドを行った際に捕縛されやすい等の影響がある。史実で討ち取られたり非業の死を遂げた武将は低い傾向がある。
経験
コマンドを行う事で上昇、内政や捜索時には知力か経験かの内の高いほうが参照される。
水軍
「扱える」、「扱えない」のいずれかが設定されている。扱える場合は水上の移動に必要な機動力が減る。
  • 「知力」が90を超えた武将は軍師の資格を持ち、軍師がいる国でのコマンド実行の際に、成功するかどうかの助言をしてくれるようになる*3。当然知力が高いほど、助言は正確になる。
    • 諸葛亮の知力は最大の100である為、絶対に助言が当たる軍師として重宝された。逆に90付近のギリギリの軍師の助言は外れることが多く、アテにならない。
  • 各国には最低一人の武将を配属する必要があり、武将がいない国は「空白地」として扱われる。その為、時間経過等によって登場武将の総数が58人未満になった場合は最終的なクリアは不可能になる。
  • いずれの勢力にも属さない未発見武将も存在し、「人材捜索」を行った際に在野武将として発見される場合があり、改めて登用を行う事で配下にすることが出来る。

内政

  • 『信長の野望』と同様に、本作は領国経営(政略画面)と戦争(戦争画面)の2つに分けて進行する。
    • 政略画面では武将数に関わらず、国一つにつき、ひと月に1コマンド行う事が可能。属領が多いほど、ひと月に多くのコマンドを行う事が出来る。
      • また、後の作品と異なり、ひと月の間に回ってくる順番は「国単位」となっている。この為、コマンドを実行して別の属領に順番が回るまでに別の勢力の国がコマンドを実行することもある。
    • コマンドの内容は武将に関するもの(移動、輸送、人材登用、施し)、内政に関するもの(洪水対策、開発、施し)、軍事に関するもの(戦争、兵士を鍛える、築城、人材登用)、密計、外交交渉、物資の取引など、20個にわたる多彩なコマンドが用意されている。
      • 「施し」は武将に対して行うか、民に対して行うかなど、二重の意味を持つコマンドもある。
      • 「様子を見る」は自他国の国や武将の状態を調べるコマンドであり、他国を調べた場合はコマンド消費となるが、終了させるまで何度でも他国の様子を調べる事が可能なので偵察用の国を作るといった戦略も必要。
  • 一年は12ヶ月で句切られ、3ヶ月単位で季節が変わる。秋には収入が得られ、冬には移動がしづらくなるといった特徴がある。
    • 各季節のはじめには「いなご」「洪水」「疫病」「地震」といった災害が起こることもある。
      • 災害は後のシリーズに比べてもかなり凶悪で、一度受けるだけで各パラメーターが壊滅的にさがる。「住民反乱」や「地震」が起こった場合、武将が死んでしまう場合もある。
  • 外交交渉は後のシリーズとは異なり、他勢力と明確に同盟を結ぶといったことは出来ず、借金や兵糧の借り入れ、贈物、婚姻、共同作戦、停戦を行う。
    • 交渉を重ねる事で「敵対心」が下がり、関係が良くなっていく。関係を良くすることで「互いの土地を交換」をしたり「物資の借り入れを行う」いった他のシリーズでは見られないコマンドも行う事が出来る。
      • 逆に攻めたり、武将を引き抜いたりして「敵対心」が高くなった勢力に交渉しに行くと殺される場合もあるので注意。
      • 「共同作戦」も他の君主に対しての「敵対心」を上げる効果にとどまっている*4ため、約束後に攻めなかったからといって咎められたり、戦争後に報酬を渡す必要はない。
      • 「婚姻」は英雄の娘を嫁がせることで「敵対心」を大幅に下げる強力な効果を持つが、婚姻を結んだ勢力を攻めると英雄の「カリスマ」が下がってしまう*5。また、娘の数には限りはある。
      • 「敵対心」を最大まで下げると「土地を要求」する事が出来る。金か娘か玉璽を渡すといった条件はあるものの、確実に国を一つもらう事が出来るという強力なもの。逆にこちらが受けた場合も断れないので、安易に贈物を受け取り続けていると知らぬ間に都市を渡すハメになってしまう。
  • 大国に囲まれてどうしようも無くなった時は全ての国を捨てて「放浪」を行うことも可能。
    • 放浪するとターン毎に国から国へと移動をするか、隠遁をするかといった選択を行う。移動をする度に義勇兵が集まり、自身で「旗揚げ」を決意するか、20,000を超える義勇兵が集まった時点で「旗揚げ」が行われる。
      • しかし、他の「英雄」の治める国に移動した場合は捕まる場合もあり、殺されて世代交代になる場合もある。
      • 「旗揚げ」が行われる国を他勢力が治めていた場合はその国をめぐって戦争になり、太守を破ることで晴れて一勢力として返り咲くことが出来る。
      • 安全とは行かないものの捲土重来を図る事が出来るので弱小勢力で遊ぶ場合は選択肢に入ることもある。

戦争

  • 他国の領土に対して「戦争」を行うと戦争画面に切り替わる。戦場はHEXマップで表現される。
    • 武将それぞれが最大20,000までの兵を持ち、攻撃側と守備側でそれぞれ最大10部隊まで参戦する事が可能。
    • 戦闘は1ターンにつき、3日経過し30日を超えると長期戦となり、来月へと持ち越される。戦争はいずれかの勢力が勝利条件を満たすまで何ヶ月でも継続する。
      • 攻撃側:マップ上に存在する全ての城を占領する。
      • 守備側:攻撃側の総大将(攻撃側の部隊に「英雄」がいない場合は総大将として選ばれた武将)を倒す。
      • 共通:すべての部隊が壊滅(退却)、兵糧か軍資金が0になる、総大将(英雄)の部隊が壊滅。
    • 攻撃側のみ、マップに部隊を配置した後、「兵糧」も配置する必要がある。守備側が「兵糧」の上に移動した場合、兵糧を全て奪う事が可能。そのまま次のターンまで持ちせば即座に攻撃側の敗北となるので実質勝利条件ともなりうる。
    • ターン毎に兵糧に加えて「軍資金」も微量に消費されていくため、うっかり軍資金無しで出陣すると1ターンで敗北するハメになる。
    • 戦闘中のコマンドは「移動せよ(通常、罵りながら移動、散開)」「攻撃せよ(通常攻撃、一斉攻撃、突撃、計略、火計)」「退却せよ」「降参せよ」「状態を報告せよ」から選択する。
      • 「散開」は部隊を2つに分ける。移動できなくなるが、城を占領する、一斉攻撃の効果を高めるといった使い方が可能。
      • 「突撃」は他のシリーズと異なり、行ったが最後、どちらかの部隊が殲滅するまで攻撃を続ける。殲滅した(された)場合、武将は高確率で首をはねられて死亡するか、捕虜になる。突撃を実行した側が生き残るとその武将の武力が上がるうえ上昇幅も結構大きいので、結構簡単に武力100の曹豹を作ることも可能。
        本作の戦争は時間の経過が早いので1ターンで敵を殲滅出来るという点は大きいが、武将が死にやすい上に損害も馬鹿にならない。
        通常攻撃(一斉攻撃)で殲滅した場合は武将を確実に捕らえることができるので、どうしても欲しい人材の場合は突撃を控えた方が良い。
      • 「火計」に成功すると部隊やマップが火に包まれる。部隊が火に包まれた状態でターンが経過すると問答無用で武将が部隊ごと焼け死ぬというシリーズを通しても最強の火計である為、これの扱いでいくらでも戦況を変える事が出来る。
      • 「計略」はダメージを与えるとともに「機動力を0に落とす」という効果を持つので「火計」が同時に決まると退却か焼け死ぬしかなくなるという凶悪なコンボになる*6
      • 部隊を殲滅されるか、退却に失敗し捕虜になった武将は即座に処置(頸を斬る、逃がす、召し抱える)を行う。召し抱えた場合は次のターンに戦場に配置する。
      • 忠誠度が低い武将の場合はターンの経過時に敵方へと寝返る場合がある為、召し抱えたばかりの捕虜や忠誠度が低い部隊が寝返って兵糧を奪われるといったアクシデントが発生することも…。
        本作では義理の概念はまだない為、三国志では義理堅い事で有名な関羽といった名将でも忠誠心が低ければすぐに裏切る。
      • 本作にはZOCの概念*7はなく、隣接直後の攻撃も無い。その為、兵士0の部隊でも敵をすり抜けて兵糧を狙いに行ったり、「火計」や「計略」をしかけるチャンスがある。
  • 本作では戦争中は10ターンでひと月が経過するため、長期戦になる事が非常に多い。長期戦となると一度政略画面に戻って政略を行った後に同じ状態から戦争が再開される。
    • なお、この間に他の国から援軍を送る、外交で停戦を行う、戦争中の武将を引き抜くといった手段を取る事が出来る。
  • 部隊の能力として、「武装」「兵の忠誠度」「兵の能力」が存在する。
    • 「武装」は攻撃力に関わる。国を「捜索」して「鉄」を見つけ、鍛冶屋に加工してもらうことで初めて上昇する。ただし、「武装」が上昇すると機動力が落ちる。
    • 「兵の忠誠度」は部隊の機動力に関わる。武将に金や兵糧の「施し」をした場合、武将は兵にも物資を施す為、「兵の忠誠度」が上がる。その為、英雄自身にも「施し」をする事が可能となっている。
    • 「兵の能力」も同様に部隊の機動力に関わる。「兵を鍛える(訓練)」で上昇。他のシリーズと違って、「訓練をしても部隊の攻撃力が上がるわけではない」という点に注意。
      • 余談だが、武装が不十分な状態で兵を鍛えようとすると、軍師に「他にすることはないのですか?」と言われてしまう。これが妙に印象に残り本作を象徴する名言となっている*8

本作特有の特徴(現象)

  • 「美女」というパラメーターが存在。これは都市で「略奪」する事でしか手に入らない
    • 「略奪」は「都市の人口」や「民忠誠度」に加えて英雄の「カリスマ」が激減する禁断のコマンドのように思えるが、その都市の武闘派の武将の忠誠が上がって文官の忠誠が下がるといった効果もある。
      • その為、「略奪」をすると関羽や張飛の忠誠が上がり、李儒の忠誠が激減するといった武将のイメージとしてあり得ない珍妙な事も起こる。
      • 具体的には武力と知力の差分によって忠誠度が上下する。その為、脳筋武将を1都市に集めて「略奪」する事で全員の忠誠をお手軽に底上げ出来るという強みもある。
      • また、寿命が近い高カリスマな英雄のカリスマを下げて世代交代時の武将の忠誠度の減少を抑えるという事も可能なので意外と有効なコマンドでもある。
      • こうして得た「美女」を「武将への施し」や「人材登用」に使うといった悪逆なプレイも本作では可能。
  • 些細な事で武将が死にやすい。
    • 外交交渉では使者に対する返事として「承知する」「断る」「この者を味方につける」「この者を殺す」といった選択肢が登場。
      • 味方につける場合は「残念ですが○○は意志の固い人にございます」と断られる場合もあるが「この者を殺す」を選んだ場合、斬殺されるカットインとともに高確率で武将が切り捨てられるな、なにをするきさまらー!
    • また、「婚姻」を結ぶ場合は、上記の選択肢に加えて「娘ごと皆殺し」という物騒な選択肢が登場。選ぶと、姫が殺されるカットインの後、「姫様を始めとして全員殺されました。おいたわしや…」というショッキングなナレーションが入る。
      • どこか物悲しげな「婚姻」のBGMの上でこの選択肢なのですさまじいインパクトを放ち、語り草となっている。FC版でも存在しているが、SFC版『SUPER三國志』ではさすがにカットされた。
      • ちなみに敵対心が高いCPU勢力に「婚姻」の使者を送ると皆殺しにされる事がある。自分では選ばなくともCPUに選ばれて絶句したプレイヤーもおり、尚更この選択肢のインパクトを強めている。
  • 運勢が低い武将の場合、些細な事で捕まって首を切られる事が多い。孫堅や孫策が在野武将を登用しようとして何故か捕まって処刑されるといった理不尽な目に遭うことも。
    • つまり、「外交」も「人材登用」も他のシリーズに比べて命がけであるという事。加えて先述の戦争でも戦死する事が多いため、些細な事で武将は死んでしまう。後半の武将不足は本作の場合は特に深刻である。
      • 本作では国が58ヶ国に分けられているが、2016年発売の『三國志13』が60ヶ国と更新するまでシリーズ最多であった。一方、武将数255人は、本編(ナンバリングタイトル)ではシリーズ最少*9。しかも、1国に最低武将1人が必要なので、武将の貴重さは他作品の比では無い。
      • 後のシリーズでも外交や人材登用中に武将が捕らえられることもあるが、確率は本作よりもかなり低く調整されており、よほど運が悪くない限りは逃げ切れる。
    • 武将の病死の判定も厳しく、孫堅の場合は基の身体が37と低く、身体が下がり始める寿命年齢も38歳と早いために病死しやすい、特に疫病を受けると身体が30を切ってしまい、史実よりも早い年齢で死んでしまう事もしばしば。
      • 陳珪は寿命年齢は長いものの、基の身体が22なのでシナリオ1開始後1年で病死するのが風物詩となっている。
  • 冬に移動をしたら何故か武将の兵が壊滅的な被害を受けた! 軍師曰く「寒さで多くの兵が死ぬでしょう。
    • 冬に移動を行うと兵士の何割かが凍死するという仕様だが、軍師がいない国の場合は何の報告もなく兵が減るので気をつけなければならない。

評価点

  • マルチプレイとの相性が良い
    • 一つの国につき、1コマンドなのでさくさくとターンが周り、後のシリーズに比べて多人数でのプレイに向いている。本作を多人数でワイワイとプレイした人は多い。
      • 次回作以降は武将の数だけコマンドを行えたり、すべての都市の命令を終えるまでターンが回ってこない為、非操作プレイヤーの待機時間が長くなり、マルチプレイのテンポは本作ほどよくない。
  • 全体的に演出が良い。
    • コマンドを実行した際はカットインが入ったり、ドット絵によるアニメーションが入ったりと演出に拘っている。
    • また、独特なセリフ回しも印象的。「地震発生 慌ててはなりません」「ああイナゴだ…」「住民反乱 ひどい政治をするからです!!」「人徳のなせる技です」といった印象に残るナレーションが多い。
    • 同様に軍師のセリフも特徴的で本作の武将が単なる駒ではなく、助言をしてくれる人物であると感じさせてくれる。 諸葛亮曰く「何をグズグズしているのです、戦いの手を休めてはなりません」。
    • 本作のBGMは『信長の野望 全国版』と同様に「菅野よう子」女史が担当。いずれも短いながらも印象的な名曲が多い。
      • 河北、河南地方で政略、戦争時のBGMが変わる他、英雄の国に手番が回った場合はメインテーマである「英雄のテーマ」が流れる。
      • 『三國志X』以降の作品の起動時には本作のBGMのフレーズのアレンジがジングルとして使用されていたり、BGMそのものがアレンジして使用されている事もある。
  • 自由度が高い
    • 攻略するにあたっても様々な手段が用意されている。例えば太守の「忠誠」が低いのを見計らって引き抜いてしまう、他勢力との「敵対心」を下げて都市をもらう、わざと貧相な都市と主要都市を交換してもらうといった手段で戦わずに勝つといった事も出来る。
      • 特に最初期の頃は兵をたくさん持つ敵武将を引き抜いて、兵士を再編成で奪うといった手段で、普通に兵を雇うよりもはるかに効率よく兵力を上げる事も出来る等、攻略におけるテクニックは非常に多い。
      • また、相性や義理、怨みフラグといった要素がない為、武将を揃えやすいのも特徴。曹操さながらに気に入った人材を片っ端からスカウトして自分好みの優秀な家臣団を組むことも出来る。
      • 上述の鬼畜な選択肢がある為、他のシリーズに比べて悪の道に関しても自由度が高いのも魅力。やってくる使者を斬ったり、各都市で略奪の限りを尽くして美女を奪い尽くすといった董卓のような振る舞いも出来る。
  • 武将の個性
    • 武将の能力に関しても自由度が高く、気に入った武将に愛着を持ちやすくなっている。
      • コマンドを繰り返して経験を積めば凡将でもしっかりとコマンドの効果が出せるようになる。
      • 戦争で部隊を殲滅させまくって武力を上げ、軍師のいる国に送って「書物」を施しまくって知力を底上げするといったカスタマイズが自由に出来る。
    • 有名武将には固有の顔グラフィックが当てられており、低い解像度でありながらもいずれも連環画をイメージとした「らしさ」が滲みでており、非常に完成度の高いグラフィックになっている。
      • 有名とは(演義基準で)特徴的なエピソードを持つ武将であり、有能であるとは限らない。その代表例はやはり闞沢であろう。彼は能力的には凡庸な文官だが、赤壁の戦いの際、苦肉の策の一環として曹操に内通を申し出る使者として赴く際に、怪しまれずに謁見するために漁師の格好で赴いたというエピソードから、ゲームのグラフィックでも(顔自体はモブ顔だが)麦わら帽子をかぶっている。この強烈なインパクトから後のシリーズでも麦わら帽スタイルがスタンダード化し、いたって普通の文官顔が割り当てられた作品でも「麦わら帽子が見える」などと言われるまでに至った。
      • それ以外の武将の場合はクローン顔とも呼ばれるモンタージュグラフィックになっているが妙に弱そうな華雄目が赤い糜芳チョンマゲ姿の陳宮といった変なグラフィックも多い。
      • 劉禅は劉備と顔グラフィックの輪郭がほぼ同じでありながら、顔つきが凡庸なので血はつながっているお坊ちゃんという雰囲気がにじみ出ている。

問題点

  • 災害が厳しすぎる。
    • 「疫病」を始めとして、「洪水」や「イナゴ」などの災害が起こると大半のパラメーター(所属都市の人口、生産力、武将の兵数)が激減してしまう。序盤の収入が少ない時などに災害を受けると致命的。
      • 「疫病」や「イナゴ」は拡散する事があるのでギリギリ対象にならない状況でも安心できない。拡散時には高確率で発生源の都市も被害に遭うので立ち直れない程のダメージを受けたり国力の低下の煽りで洪水や住民反乱まで引き起こす結果に陥る事さえある。
    • 住民反乱は優秀な武将であろうが運が悪ければ容赦なく殺されてしまう。
  • 費用対効果のバランスが悪い
    • 内政は一度に大量の金を使って行うよりも金1だけ投入を数回繰り返す方が同じか高い効果が見込めることが多かったりする。
    • 反面、施しは一度に施したほうが効果が高いとややアンバランスな感じが否めない。
      • 武将と指揮下の兵士は同じ施しの金で忠誠が高まるので元々忠誠の高かった武将にも兵士の忠誠上昇の為に金を施さねばならない等、面倒になることも多い*10
  • 武将の数が少ない。
    • 呂布陣営に高順が登場していなかったり、蜀に引導を渡した鄧艾といった重要武将が登場していないなど、武将の数は多いとは言えなかった。その割には呂公等の後のシリーズでカットされるようなマイナー武将が登場していたりする。
      • また、最終シナリオの年代が215年と早い為、姜維や司馬昭といった後期の武将を拝むのが難しく、幻の武将とも言われる事に。
      • ただし、今作は初代である(そして現在ほど三国志がメジャーではなかった)のである程度メジャーだったり物語の構成で盛り上がる時代の武将がクローズアップされるのは仕方が無かったとも言える。
  • ハイリスクな登用
    • 登用する際には「手紙」、「金」、「名馬を送る」、「自ら赴く」と言う手段があるのだが手紙と金は効果が低く、名馬は補充手段が無い機種もある。そして自ら赴くは文字通り君主が身一つで彷徨くので移動中や勧誘する武将がいる国で捕まってそのまま処刑される可能性もある
      • シナリオ1で賈クを引き抜こうとしていきなり捕まり君主死亡→君主交代を味わったプレイヤーは多数いると思われる。
  • 国が増えてくると運営が面倒になる
    • 毎回、全ての国に命令する必要がある為、抱える国が増えると入力の手間が増えて面倒になる。
    • 委任する事で入力の手間は省けるが、方針は委任できない。そのため、太守一人しかいないのにが勝手に計略を仕掛けに行って捕まって空白都市になってしまうといった事故が多発する。これが僻地で発生するとかなり面倒。
  • 輸送が使いづらい
    • 離れた国に物資を送るのに輸送コマンドがあるが、山賊に奪われる確率が非常に高く、使いづらい。
      • 隣の国ならば移動を行えば確実に物資を送ることはできるが冬の場合は兵が減るという欠点もある。
      • また、送れる物資は「金」「兵糧」に限定されるため、「鉄」や「美女」といった物資を移動させる手段がない。
  • シナリオで全ての英雄を選択できない
    • 特に馬騰はシナリオ1から登場しているのに、選べるようになるのはシナリオ3からであり、その頃には寿命が近いという欠点を背負っていた。
    • 公孫瓚や劉繇といった英雄は本作では一切選ぶことは出来ない。
      • また、シナリオ4には荊南四英傑*11が登場しているが、(このシナリオでは5人まで選べるので)選ぶ枠は一応余っているのに誰ひとりとして選べないという扱いを受けている(加えて張魯も選べない)。
  • 国による国力差が大きい
    • 特に河南地方の場合は人口が少なく、土地が貧相な上に「民の忠誠度」が低く、かつ商人がほとんど来ないという三重苦を背負っており、うまく治めることが難しくなっている。
    • 「鉄」の産出地もばらつきがあり、全く出ない都市すらある。その場合は「武装」を上げる事が困難となり戦闘で不利になる。
      • 一応、三国志は国力の差や豊かな土地の確保が焦点となっている場面もあるので、一概に批判できるものではないが…。
  • ZOC概念がないため、敵の殲滅が面倒
  • とにかく守備側に大量に部隊を出されると、ことごとくがすり抜けて兵糧を目指してくるため、相手にするのが面倒。
    • FC版の場合兵糧に陣取らず兵糧目掛けて火計を放ち続けるとCPUは兵糧奪取のみ狙うようになるので、城の数が少ない国ならそれを利用して守備武将を倒し城を占拠する戦術も取れる。
    • 特にFC版の場合は長期戦がないため、攻撃側の部隊数が城の数より少ない状態だと、守備側は逃げまわるだけで勝てるといった問題点もある*12
  • 設定がおかしい武将が多い。
    • 全体的に『三國志演義』の評価がされているため、魏将や呉将が軒並みザコばかりになってしまっている。
      • 曹仁や李典といった(演技ではやられ役扱いの)魏の武将たちは「軒並みカリスマが高めで他の能力が50付近」という悲惨な能力になっている*13
      • 呂蒙の武力が47なのに、糜芳の武力が85もあるなど、全体的に疑問符がつくような妙な査定*14もちらほら…
      • 君主は全体的に過大評価となっており、特に袁術の武力95が槍玉に上がりやすい。
      • 極めつけは袁紹軍の文官である出ると負け軍師郭図が武力90、知力43という謎査定。顔グラフィックは文官なのに、将軍の顔良(89)を上回る武力を持つ猛将となっている。
        同様に馬騰軍の将軍の龐徳も武力44、知力87何故か智の人となっている*15
        光栄はどの勢力でもクリアできるようにバランス調整を行ったと言い訳を言っているが、大きくイメージを損なってしまっている。一部の機種ではこの二将の能力に修正が加わっている*16
    • また、孫翊(204年没)がシナリオ5(215年)でも登場している、涼州の武将の韓遂がシナリオ1では何故か劉表の配下になっているなどのミスが目立つ。
      • 能力に関しては前期のシリーズでは毎回問題点に上がるほどの難点ではあったがシリーズが進むに連れて改善されていった。
  • パラメーターがシナリオ共通
    • 兵士数や忠誠度といった武将のパラメーターがシナリオや勢力かかわらずに共通であるため、違和感が感じられる点も。
      • 曹操陣営の忠臣のイメージが強い徐晃や張郃も忠誠度が低い状態で開始される為、後半のシナリオで始めた場合、真っ先に曹操陣営からの引き抜かれる。
      • 本作には義理のパラメーターは無く*17、忠誠度を上げれば盤石なので、忠誠度が低く、かつ高能力な呂布と賈クは開始早々争奪戦になるのが常だった。
        特に呂布の場合は最初から20,000もの兵を連れているため、一国を獲るのに等しいという事を体現している。
      • 兵士も同様に固定であるため、最終シナリオでも関羽の初期兵数が500と異様に少ない。従者である周倉は1500の兵を連れているのに…。

総評

全体的に殺伐としたシビアなバランスである為、後のシリーズを知っているほど戸惑うことはあるかもしれないが、
決して難易度が高いというわけではなく、勝手がわかるようになるとシンプルなシステムも相まってテンポよくさくさくと統一する事が出来る為、何度も繰り返してプレイしたくなる魅力を持っている。
当時の『信長の野望』ではなかった武将の要素はゲーム性と世界観の両方に大きな深みをもたらし、三国志のファンはどっぷりとハマった。
また、日本初の三国志のシミュレーションゲームという点も大きく、吉川英治氏の小説や横山光輝氏の漫画やNHKの人形劇と並んで本作で三国志に興味を持った人は多く、普及に一役買った作品ともいえる。

他機種での三國志

  • 抄本三國志(FM-7、X1等)
    • プレイできるシナリオがシナリオ1に限定されている他、一部のコマンド(突撃、計略、略奪)などを削り、価格を8,800円と安くした廉価体験版と言える存在。
      また、1ドライブのPCでも動作可能であるという点も本作とは異なる。
    • 元々の金額が高いので十分安くなってはいるのだが、やはり体験版として軽く触るには高く、ガッツリ遊ぶには物足りないというどうにも中途半端なソフトだった。
  • ファミリーコンピュータ版
    • 『抄本三國志』と同様にコマンドが削られているが、シナリオは全て遊ぶ事が出来る…といった本作と『抄本三國志』の折半といった内容。
      長期戦が出来なかったり、鉄産出国であれば武装を鍛冶屋から直接買えるようになるといった独特のアレンジが加えられている他、
      顔グラフィックの解像度が上がった事に加え、本作で見られた珍妙なクローン顔の武将も描き直されており、評判が高い。
      FC本体と同価格という非常に高価なソフトだが、結果的に受け入れられて多くの人に遊ばれた作品でもある。
    • 余談になるが家庭用ゲームにおける「三国志」の商標はバンダイ(現:バンダイナムコ)が所有している。
      このためFC移植の際に商標を使わせてもらえるよう、光栄が任天堂の仲介でバンダイと交渉したところ、無償で商標の使用を認められたという逸話が存在する。
      この縁が元で現在までこの二社は良好な関係を保ち続けており、『ガンダム無双』などのコラボ作品もこの縁がなければひょっとしたら存在しなかったのかもしれない。
  • SUPER三國志(スーパーファミコン)
    • SFCに移植されたということで、「SUPER」という同ハード向けの移植作品によくあったそのままな名前が付けられた本作。
      FC版とは異なり、比較的本作に近い仕様で実装されている他、本作にはない「一騎打ち」が追加実装されており、移植よりはリメイクといった方が正しい*18
      また、顔グラフィックが妙に濃いグラフィックに描き直されており、賛否を呼んでいる。
  • 三國志リターンズ(Windows 95、プレイステーション、セガサターン、Macintosh)
    • 信長の野望 リターンズ』と同様に当時のWindowsのGUIに組み直したリメイク作品。
      本作のBGMのほか、『II』と『III』のBGMをアレンジしてミックスした物をCD音源として使用する事が出来た。
      各命令はアイコンで表現されて操作性が上がっている他、メッセージも追加されている(冬に移動して兵が減った時の報告が入るようになった)など細かい点で遊びやすくなっている。
      また、全武将の顔グラフィックが『IV』の顔をローポリゴンに落とし込んだようなものになっているのも特徴。
      • SUPER三國志で修正された龐徳と郭図の能力値がオリジナルに戻っている為、再び猛将郭図で戦場を蹂躙する事が出来るようになった。
  • 復刻版(Windows2000、XP以降)
    • 独自のエミュレーターでPC9801版がプレイできる復刻版が発売されている。エミュレーターによる再現となる為、当然、戦争中の移動や命令はテンキーで行う。
      また、『三國志30周年記念歴代タイトル全集』等にも復刻版が収録されており、2016年現在の最新のPCでも当時そのままのゲームがプレイできるのは嬉しい限り。
  • Steam版(Windows 7~10以降)
    • シブサワ・コウ35周年を記念した「シブサワ・コウ アーカイブス」の第一弾として発売*19、SteamでのDL販売専売
      内容自体は上記の復刻版と同じ。

*1 厳密には後漢が滅びた220年以降のシナリオがなく、狭義では三国時代に当たらないが、広義では黄巾の乱(184年)以降、晋の統一(280年)までを三国時代と呼ぶ。

*2 後のシリーズにおける「君主」だが、本作では一貫して「英雄」と表現される。

*3 英雄と同じ国に軍師がいる場合は全ての国で助言をしてくれるようになる。

*4 CPUは敵対心が高い勢力を攻める傾向にある。

*5 ただし、婚姻を結んだ英雄が死んで代替わりした場合は問題無い。

*6 ただし、火計を受けた部隊の兵数が高く、隣接する部隊が弱い場合、死にものぐるいの突撃をかけられて討ち取られることもあるので安心は出来ない。

*7 ゾーンオブコントロール。敵の部隊に接近した際に移動が妨害される。

*8 武装が低いと機動力がそこまで下がらないので兵を鍛える必要があまりなく、助言の内容自体は正しい。また、後のシリーズでは徴兵後に訓練で機動力と攻撃力を上げるのは定石なので後のシリーズから入った人ほど不思議に思う点でもある

*9 『三國志13』は700人。パワーアップキット版では、さらに100人追加。

*10 今作は戦場のターン制限がシビアなのでテンポよく攻略するには相応の機動力や武装が必要になる。

*11 赤壁の戦い付近のシナリオに登場する、「韓玄」「金旋」「趙範」「劉度」の4勢力。いずれもシリーズを通してカルトな人気を誇る弱小勢力。

*12 ただし、敵側の火計乱発で逃げ場がなくなって焼け死んだり追い詰められて攻め殺される可能性はある。また、攻め込まれる=国力&戦力が低いという事なので何度も攻められ(居座られ)続けるとこちらの金や兵糧が減っていきジリ貧になるので何の対策も打たないと結局攻め滅ぼされてしまう。

*13 美味しい役所があった張遼や張コウ、夏侯一族や司馬懿等は高能力にされている。

*14 前者は生粋の武将であったが猛勉強の末に知勇兼備の武将となって関羽を捕えた名将、後者はその時に戦わずに降伏した蜀の武将。

*15 関羽に傷を負わせる等、勇猛で知られる武将である、一応、三国志演義では馬超の参謀を務めていた事もあった為、そこそこ知力が高くともおかしくはないのだが…

*16 『SUPER三國志(SFC)』では知力と武力の数値が入れ替わる形で修正されているが、郭図は武力43、知力85と弱体化されており、本来ならばギリギリ軍師になれる所なのになれないという残念な設定になっている。もっとも知力90の軍師は役に立たないのは上述の通り

*17 その代わりに史実で裏切りを働いたり不義理な武将の忠誠度が低い傾向がある。

*18 一騎打ちも『三國志IV』のような一騎打ちモードが搭載されていたり、『VI』に先駆けて一騎打ち中の武将指示が可能といった画期的な部分がある。

*19 ストアではRomance of the Three Kingdoms / 三國志と表記