三國志II

【さんごくしつー】

ジャンル 歴史シミュレーション
対応機種 PC-8801、PC-9801、X1turbo、X68000、
MSX2、FM TOWNS、Windows*1
発売・開発元 光栄
発売日 【PC88】1989年12月
定価 不明
プレイ人数 1人~12人*2
判定 良作
三國志シリーズリンク

概要

おなじみの「三国志演義」をモデルにした、光栄(現:コーエーテクモゲームス)による戦略シミュレーションゲームの2作目。
PC以外にも様々なハードに移植されている*3。特にSFC版は『スーパー三國志II』とタイトルが変えられ、同機種のユーザー層を見越して一部要素が再調整されている。具体的な変更点は下記参照。

プレイヤーは時代毎に分かれた6つのシナリオから好きな時代を選び、好きな君主を選んでプレイする。
ただし、プレイヤーが選べる君主はシナリオごとに最大11人(+新君主)のため、君主数の多いシナリオ1・2ではCPU専用の君主というのも存在する。*4
中国は41の国に分かれており、国を占領すると塗り絵のように色が変わっていく。全ての国を支配下に置くことがこのゲームの目的である。

最大12人*5でのマルチプレイが可能。

前作からの変更点

  • 1ターンごとのコマンド入力回数が「支配している1国ごとに1回」だったのが「所属武将1人につき1回」に変更された。
    • ただし「君主のみが実行可能なコマンド」「君主・太守*6のみが実行可能なコマンド」も存在する。
    • このため「人材を集める」ことの重要性が前作以上に増した。たとえ能力値の低い武将でも手数を増やす役には立つのである。
  • ゲームバランスの調整。
    • 前作より火計の威力、いなごによる食料への被害が弱められた。
      • 前作の火計は一ターンとどまれば武将も兵士もひっくるめて即死だったが、兵力へのダメージにとどまるようになった。ただし、兵士がいない状態でとどまると武将が焼け死んでしまう。
    • 商人から直接武器が買えるようになり部隊の武装を高めやすくなった、前作では、鉄を捜索して加工するという手間がかかり、そもそも鉄が出ない国ではどうしようもないという地域の格差の元になっていた。
    • 前作は些細な事でどんな名将だろうが死にまくるという尖ったバランスだったが、だいぶん改善された。
      • 前作では住民反乱で武将が殺害されることがあったが、その仕様は無くなった。
      • 戦争における「突撃」もどちらかが死ぬまで延々と攻撃が続くという仕様ではなくなり、複数回連続で攻撃する形になった。壊滅時に武将を討ち取る可能性があるのは同じだが、短い期間で敵兵を減らすには有効な手段となった。
  • 隠し能力値(マスクデータ)
    • 武力や知力といった能力値以外に、相性や義理、寿命といった隠しパラメーターが設定されている。中でも武将の性格を決めるマスクパラメータが以下の四つである。
      • 人徳…これが低いと君主時に配下の忠誠が自然減少しやすくなる。また、NPC君主時に外交の使者を捕らえやすく、使者や戦争で捕らえた敵武将を斬りやすくなる。呂布や袁紹がやたら使者を捕らえようとするのはこれが低いせい。
      • 「武将ファイル」では、「人徳の低い武将の魅力は、いくら高くても見せかけ」とある。魅力こそ高いが人徳が低い袁紹は、家柄は立派でも、真に武将の心を掴む事は出来なかった(この事が原因で、史実では配下を統率しきれずに官渡の戦いで曹操に大敗した)という部分がこのゲームではうまく再現されている。
      • 義理…NPC君主時に同盟を組んだ時の協力率などに関わる。またこれが50を切っていると戦闘中に裏切る可能性が出る。呂布が援軍以外でやたら裏切るのはこいつがすごく低いせい。
      • 野望…戦争のときに勝手に一騎打ちを申し込む(申し込まれて受ける)確率や、NPC君主時に領土を広げる確率、独立・寝返りの確率に関わる。代表的なのは曹操や張飛など。
        特に義理を上回っていると、その差に応じて太守時に謀反を起こしやすくなる。魏延・公孫淵など史実でも謀反を起こした武将が該当し、張飛などは義理の方がより高いため謀反は起こしにくい。
      • 相性…大事なのは数値自体ではなく、他人(特に君主)との差値。これの差が小さいほど忠誠度が高く留まりやすい。また、引き抜き交渉の成功率にも関わる。
    • その他
      • 血縁…武将の血縁。本作では設定されているのは君主として登場する一族のみ。君主が死亡した時の後継者に選ぶと、配下の忠誠度の低下幅が穏やかになる。また、君主の血縁武将は裏切りにくいが、絶対ではない。NPCは、血縁者がいる場合最優先で後継者にする。
      • 登場先…元服前の武将が成人した時、登場先に指定された武将の元に登場する。 血縁とは無関係 で、非血縁者が登場先に設定されている武将も多い。そもそも、君主として登場しない一族は、血縁の設定がなく、登場先だけ設定して擬似的に血縁を表現している。
  • 合戦の新要素
    • 武将同士の「一騎討ち」や「伏兵」、「寝返り工作」、同盟国と共同で敵国を攻める「共同軍」、攻められている以外の国から軍を派遣する「援軍」、「ZOC*7」などの要素が追加。
    • 基本的に兵力の削り合いだった前作の合戦から、外交や計略、戦術によってある程度の劣勢を覆すことが可能になった。
  • 外交・計略の駆け引き
    • プレイヤーやCPU君主が外交・計略コマンドを実行した際、全体マップを馬が駆け巡る演出がある。これによって、どの君主とどの君主が通じているか、あるいはどの君主がどの君主に対して計略を仕掛けているかを推測する事ができる。
      • 馬の色は赤だが、他君主に発見されると青に変わる。
    • 外交を行ったり、計略を仕掛ける際には、相手君主の領地を使者が通過しなければならないため、途中で捕らえられ、目的を達せないことも多々ある。書類を奪われて引き返してくるのならまだしも、捕らえられ、最悪の場合は斬首されてしまう事も。
    • 外交の成功率は使者となる武将の魅力が主に影響するが、使者の知力が高いと途中で発見されにくくなり、武力が高いと捕らえられても逃げやすくなる。魅力の他にも、出来れば知力や武力が高い武将を使者にしたい所だが、なかなかそうもいかないのが悩ましい所。
  • 新システム『新君主』
    • 自分で新しく作成したキャラを君主とし、出身国やステータスを決めて始めるモード。
    • カスタマイズ項目は年齢・性別・タイプ(武力型か知力型か)・誕生日。年齢とタイプによって決められた基本ステータスにボーナスポイントを振り分けて最終ステータスは決定される。
      • 年齢制限はないので1歳でのスタートも可能。新君主や他の武将を問わず、60~70歳くらいになると死亡フラグが立つので、若いほど寿命が長い。その代わり壮年だと初期能力値で若年よりも勝る。
      • 誕生日はマスクデータの「相性」に影響し、これによって既存武将との相性が決定される。
    • 機種によっては配下武将を1名のみつけることも可能。忠誠100だがステータス(機種によっては名前も)はランダム。
    • 設定だけしておいて、他の君主でスタートすることも可能。新君主もしっかりと敵にしたり、降伏させれば配下にすることも可能。
    • ただし君主(機種によっては配下との2人)だけで始まる、空白地から始めなければならず人口が少ない国が多い、といった制約があるため難易度は高い。特に三国時代で新君主はほぼ無理ゲー*8
  • 新モード『仮想モード』
    • 君主と配下武将は通常モードと同じだが、在野武将の出現国・出現時期が完全ランダムに設定されるモード。
    • 寿命の設定は無効となり、全武将60歳前後が寿命となる。
    • そして相性・義理・野望の隠し数値が全てランダムになる。場合によっては忠実な呂布や寝返ってばかりの関羽が登場することも。
    • これにより通常プレイをやり込みきっても常に新鮮なプレイが可能。
    • 性質上三国鼎立して在野武将の少ないシナリオ5・6よりも、群雄割拠して在野武将も豊富なシナリオ1・2向け。
  • アイテム(戦利品)
    • 戦争勝利の際、一定確率で出現する。
    • 配下に与えることで、能力値を上げられる他、忠誠心や相性を良くすることも可能。
    • 洛陽(10国)を落とすとアイテムが必ず手に入る仕様は有名。わざと洛陽を放棄し、再度攻め取ってアイテムを何度も手に入れるなんて事も有名だった。
      • 機種によりアイテム入手可能な回数が異なるが、FC、SFC版は10年ほど、PS版は2,3ヶ月に一度攻め込むのを繰り返して3年ほどで出なくなる。
    • 武力を高める武器、知力を高める兵法書、戦場から100%退却できる名馬の他にも、魅力を高める美姫が戦利品扱いである。
      • コーエー刊行の書籍には「伴侶を得た事で人間的魅力が高まる」などと説明されてはいるが、今となってはおもいっきりイリーガルな扱いである*9
      • リメイク版では装飾品や書物に置き換えられるなどによって、美姫はアイテム扱いされなくなった。
  • 信用度
    • 国がどれだけ信用されているかの勢力パラメータ。初期値は50(一部機種のみ、シナリオ2の呂布だけは30)からで、最大値は100。
    • 収入・コマンドの成功判定・忠誠度の下落具合、商人がいる確率など多くの判定に関わってくる。
      • 特定の国には商人が常駐しているが、それ以外の国では商人がいる時にしか兵糧の売買、武器の購入はできない。
    • 相性値50の君主は、これを100まで上げると配下武将の忠誠心は下がらなくなる。
    • 同盟国の輸送を発見した際に通過させる、同盟国の使者を検問せず通過させる、または同盟国の共同軍・援軍要請に応える事で上昇する(共同軍・援軍は勝利した時の方が上昇値は高い)。逆に同盟国の使者を捕える、援軍の要請を断る、戦闘中に裏切る(援軍、共同軍を攻撃する)等の行動によって低下する。
      • 信用度を上げる手段はほぼ全て同盟国への対処によるものとなっている。よって、同盟はなるべく多くの国と結ぶべき。
      • 同盟国の共同軍の要請は断っても信用度は低下しないが、援軍の要請は断ると信用度が5低下してしまうので注意。
      • NPC君主は、人徳が低いと信用度が下がる、高いと上がる行動を取りやすくなっている仕組みになっている。なので、人徳の低い君主(呂布、袁紹など)にはわざと捨て使者を送り、捕らえるよう仕向けるとあっという間に信用度が0まで下がる。
    • NPC君主の行動は、敵対心でも変わる。当然ながら、敵対心が高いと攻撃的な行動を取りやすくなる。敵対心の高い君主の領国を通る使者は要注意。
    • 外交コマンドによる同盟破棄では下がらないため、同盟は積極的に用いるのが勧められている。
    • なおアイテム「玉璽」を入手すると、強制的に100になる。
  • 寿命を知らせる「凶兆」
    • 武将ごとの寿命に迫った年からランダムで凶兆イベントが発生し、その後の次年1月にその武将は死ぬ。大抵の武将は60~70歳程度まで持つが、一部武将は発生時期が明確に前倒しされている。
    • 基本的に凶兆の発生は告知されないが、君主及び90を超える能力値のある武将は、専用のグラフィックで告知される。死ぬまで1年猶予を与えられるので、この間に後の備えをしておこう。
      • 君主が死ぬと、配下の忠誠度が後継者との相性に応じて低下する。義理が低く野望の高い太守はそのまま独立してしまうこともあるので、太守の人選・忠誠度には特に気を配ろう。
      • 長期戦の間は武将は死なないので、12月に攻め込み、わざと長期戦にもつれ込ませて寿命を1年延ばすことができる。ただし、一部機種では長期戦がないので使えない。
      • 将星大地に墜つ…袁紹に凶兆が…
  • シナリオの追加
    • 前作に登場した5本のシナリオに加えて、220年の関羽死後の三国鼎立シナリオが追加されている。

評価点

  • 前作より大きくボリュームアップした内容
    • 前述した前作からの変更点はそのまま評価点と言ってよい。
  • 様々なプレイ方法が楽しめる自由度
    • 普通に好きな君主で始めても、複数の君主を選んで自演・自分対自分を楽しむのも自由。
    • 但し中には、国力及び配下武将が極めて貧弱であり、かつ周辺国が極めて強大である状況から始まる、一見無理ゲーな君主もいたりする。シナリオ4の金旋や、シナリオ5~6の孟獲あたりが該当する。
    • 金旋、韓玄、趙範、劉度のいわゆる「荊州四君主」でプレイできるのも本作からである。腕に覚えのある人は一度挑戦してみるのもいいだろう。

賛否両論点

  • 戦争が基本的に守備側優勢である。
    • 最大で出せる部隊は攻撃側5部隊、守備側10部隊。同盟している隣国から出せる援軍(4部隊)・共同軍(5部隊)で戦況は変化すると言えど、敵味方共に最大兵力となり共同軍も期待できない後半では守備優勢に苦しむ事もしばしば。
      • この仕様とAIの頭の悪さから、コンピュータ勢力が中国統一を達成することはまずない。
      • 埋伏の毒*10や一騎討ち*11など、今作の新要素を引き立たせるためとも見て取れるが。
      • 一騎討ちは自動的に10度打ち合い、決着が付かなければ引き分けとなる。なお、一騎討ちで相手よりも武力が低い武将が勝利すると、相手との武力差の半分の数値分、武力が上昇するという利点がある。当然ながら大変な危険を伴うので、多用するべきではないが。
    • 但し攻撃側が大軍を動員しづらいというのは現実的な話である。その意味でこの仕様は間違ってはいない。補給線の長さやその護衛を考えなくて良いだけでも、まだ難易度は低い方。
    • また長期戦になっていない国には何度でも攻撃できるため、下手に長期戦にせず退却して未行動の武将達で2戦目を挑む波状攻撃が可能。
      • PS版は一度攻め込んで総退却した場合、同月中はその国への再度攻め込みが出来ない制限が課されている為、君主を残り一国に追い詰め、その結果武将数と兵力が膨れ上がるような状況になると意図的に1部隊を残して周囲の国から援軍を送る入れ替え戦略を取らざるを得なくなるので一気に勝負を付け難くなっている。
  • ゲームで一番重要な合戦では後のシリーズ以上に武力が物を言うので、どうしても文系キャラの影が薄くなりがちになる。
    • しかし知力90以上の武将は「敵の伏兵を無効化できる」という特性を持つため、戦争では被害軽減に役立つのも事実。
    • また、知力の低い武将は敵からしょっちゅう火計をかけられる。武力の高い武将だけで攻め込めばいいというわけでもないのが悩ましい所。

問題点

  • 史実をシミュレートしているゲームであるためやむを得ないのだが、国によって戦力差が大きい。ただし、初心者は強国で、慣れた上級者は弱国でプレイすればよいだけの話で、選択肢が広く取られていると言えよう。
    • 特にシナリオ2(194年)の時点で曹操軍の強さは頭抜けている。初心者はシナリオ1で始めるか、シナリオ2以降は曹操を選ぶこと。シナリオ6は、後述するが初心者にはお勧めしない。
    • 逆に劉備はシナリオが進むほど弱さが目立つ。相性値が有利であること、1人1人の能力値は優秀であり、これは頭数が少ないという最大の弱点を補ううえでの一つの調整だと思われる。ただし、引き抜きを行いやすい本作では、多少の劣勢は引き抜きでカバーできる。
      • 後述するように魏の武将の能力は軒並み低評価なので、正史補正の入った後のシリーズに比べると、劉備はかなりプレイしやすい*12。NPC担当時でも、弱小に見えて、いつの間にか引き抜いた人材を引き連れて大国に育っていることがままある。
    • 孫堅・孫策・孫権は両者の中間。問題は孫堅と孫策が短命に設定されているためすぐ代替わりの忠誠度低下が起こること、そして後半シナリオの頭数の少なさは深刻。
      • 何しろ蜀漢より国数は多いのに、武将数は少ないのである。魏・蜀漢の双方に攻め込まれたらひとたまりもない。
    • 最後のシナリオ6は、曹丕(曹操の子)が有利ではあるが、タイトルに反して三国時代の武将はあまり登場していない。まして羊祜や杜預といった晋の武将はいない。ぐずぐずしていると武将がどんどん減って行き、ついには41国を埋める頭数が足りなくなってしまう。統一を急ぐ必要があるので、初心者にはお勧めできないのである。
      • その代わり、一部の武将を除くと史実より長寿に設定されているので、史実で寿命を迎えている武将でも、年齢が若ければすぐ死ぬことはない。
      • シナリオ5でも言える事だが、そもそも、国や武将の数が多すぎて、状態を把握する事すら一苦労である。勢力が強大すぎる故に、逆に初心者にはプレイしづらいという皮肉な状態である。
    • NPC勢力は、一部勢力に金収入・初期物資・内政値・訓練度のチートが行われている(後述する『三国志ツクール』で公表されることになった)。曹操・劉備・孫権はじめ、有力君主に設定されており、一見弱く見える序盤のシナリオでも、最初の年からガンガン攻め込める。
      • 強豪を順当に勢力拡大させるための細工は、形を変えて後のシリーズにも引き継がれる事になる。
      • 余談だが本作189年シナリオの董卓がさして強くないのは、呂布・賈詡がすぐに引き抜かれる上に、チート設定も無かったからである。反董卓連合軍の有力諸侯は軒並みチート設定があり、戦力を充実させた彼等の草刈り場になってしまったのである。
  • データの間引きがある。
    • 一部の後半年代の武将(例:孟獲)は、前半のシナリオではいくら待っても絶対に登場しない。当時の環境では容量節約のために、意図的に武将を間引いていた。
  • 前述の相性値について100段階の中間にあたる50前後の君主の勢力が有利。
    • 中間値の武将が率いる勢力は人材関係で有利。逆に1や100の両端値の君主の勢力は不利。
    • 本作の曹操は1、劉備は50、孫権は100。各一族や史実での主要な配下等はそれに近い数字。
    • 劉備は勢力間を巧みに渡り歩いたという史実を汲み取り、この相性値の有利を強みとして勢力の弱さを補っているとも言える。
    • 新君主の相性値は新君主作成時の誕生日で決定される*13ため、やはりそれが50に近くなる誕生日ほど相性値の影響を受けにくくなる。
    • 後のシリーズでは「1と100が隣接扱い」となる、いわゆる円環状の判定に変更され、曹操・劉備・孫権勢を約30刻みに分布させることでどの相性値も有利不利が起こりにくくなった。
  • 歴史ゲームではありがちなことだが、武将の能力値が問題視されることもある。
    • 本作ではまだ史実よりも演義での活躍を重視されていると思しき設定がなされている*14
      そのため、史実では活躍したが演義ではいまいちな人間の能力は低く、史実ではほとんど事績がないが演義では活躍している人間の能力値が高いと指摘されている。中には楽進や于禁など史実では名だたる将なのに悲惨なまでに能力が低い者や、関索のように演義ですら存在があやふやなのに高能力値の人間もいる。
      • 全体的に見て蜀漢が能力値面で優遇されている。蜀漢優遇については人数優位なゲームバランスへの打開策としては間違ってはいないといえるのだが…。
+ 一部武将の扱いの酷さについて
  • 周瑜
    • 三国志中でも最も人気が高い武将の1人である。彼の本作での問題は野望が義理以上に高く設定されていること。
    • このせいで戦争時、勝手に一騎打ちに挑むことが多い。もっと武力の高い武将はいくらでもいるので「他を一騎打ちに出したいのに…」と苛立つことも。しかもそのせいで負けやすい。
    • 他、太守にすると謀反を起こしやすい。魅力の高さからやってしまった人も多いのでは?
    • 仕方ないとはいえ寿命設定も短く、優秀なのに冷遇されている。
  • 黄忠
    • 蜀漢の五虎将軍の1人で、「老いてますます盛ん」な武将の代名詞。
    • これも仕方ないといえばそうなのだが、初めて配下にする時点でかなりの高齢であることが祟り、活躍期間は短い。下手をすると三国時代が始まった直後に死ぬ。
    • 初期のシナリオで始めたら登場が早い、といった設定にすればよかったのではないだろうか?
  • 張郃
    • 「泣いて馬謖を斬る」という諺があるが、そのとき馬謖を破った魏の将軍。
    • 上の2人に比べると地味ではあるが、活躍期間は董卓の時代から三国時代までとかなり長く、最後は魏で厚遇されて戦い抜いた武将。
    • しかし彼も戦争中、呂布ほどではないが寝返りやすい。また、太守にすると謀反を起こしやすい。
    • 「当初は袁紹に仕えていたが官渡の戦いでの不和から寝返り、以降は曹操に仕えた」という経歴から考えると、曹操に対する忠義よりも袁紹に対する裏切りを強く反映されたのであろう。*15
  • 魏延
    • 五虎将亡き後蜀漢を支えた将軍。武力は五虎大将にはやや劣るも高水準。
    • 劉備には忠実に使えたが諸葛亮とはそりが合わなかった事から、張コウと同じく裏切りやすくなっている。
    • シナリオ6ではそんな彼が29国太守となっており、敵国の駆虎呑狼の計*16に掛かって謀反を起こす事も。「駆虎呑狼の計は前線ほど食らうと恐ろしい*17」という事を体験させてくれる。
  • 孫堅・孫策
    • 呉を建国した孫権にさっさと後を継がせる目的なのか、確実に若死にするように設定されている。両名とも不自然死であるため、他のゲームでは意外と長生きしたりする事もあるのだが、本作の仕様ではまずあり得ない。
    • さらに君主であることが災いし、君主死亡で配下の忠誠度が軒並み低下の被害を受けやすいため他国の引き抜きで弱体化する事もしばしば。
    • 後のシリーズでは史実で戦死・処刑・暗殺されたような武将は割と長生きするようにはなった。
  • 曹豹
    • 全パラメータ20以下というあんまりな扱い。FC版では江戸時代の町人のような顔グラフィックになっていた。
    • そのネタ武将ぶりが一部でカルトな人気となり、コーエー刊行の雑誌で『曹豹血盟軍』なるコーナーを組まれ愛されたネタキャラでもある。
    • 後のシリーズでは南蛮・西涼のザコ武将レベルにまで武力が上げられるも、「それじゃつまらない」と嘆く声もある。
  • 徐庶
    • 劉備軍に最初に仕えた軍師。知力は高水準。
    • しかし彼だけは計略「埋伏の毒」関係で固有の問題があり、埋伏させるとそのまま敵国に仕えてしまい、埋伏の確認*18に行かせると唯一「大変です、(埋伏武将)は敵に寝返っていますぞ」と言われることがある。
    • 曹操に心ならずも仕え、その後は曹操のために献策することをよしとしなかった事の再現とはいえあんまりである。
  • ただし曹豹と黄忠を除いてはマスクデータの問題である。気に入らなければ、仮想モードで始めれば運次第で改善は期待できる(寿命あたりはほぼ確実)。
  • COMの挙動が一部おかしい。具体的には、
    • 引き抜かれた武将はその直後は行動不能のはずなのに移動している。
    • 武将が移動した際、太守が移動していないのに太守が交代している。
      • 太守より忠誠度が高い武将が配下にいる状態で、その国を委任しておくと確認できる。場合によっては明らかに太守に不向きな武将が選ばれていることも。
  • それを差っ引いてもAIが馬鹿。
    • 具体的には、食料を十分に持たずに領土を広げたり、後先考えず戦争を起こす、戦争中にも無駄な突撃が多い。
    • 兵の与え方も、武力よりも忠誠度を優先して兵士を与えている模様。確かに忠誠度が高ければ寝返りにくいので間違いではないのだが…。
    • 戦争を起こすときも兵力差しか見ていないため、訓練も武装もせず攻め込むことがある。そのため1/10の戦力差でもCPUは負けることがある。
    • 自国の操作が面倒なときにAIに任せる「委任」というコマンドがあるが、このせいで”絶対にやってはいけない”と言われている。
  • CPUによる委任戦争の不出来
    • 確実に勝てるであろう戦力を整えた上で国をCPUに委任し敵国に攻め込ませた場合、勝利後、攻め込み側の兵力が各武将につき2程度しか減っていない(PC版)。兵の最大数は100であるので、事実上ほぼ無傷である。このため敵国を上回る戦力を用意できる状況下においては、プレイヤーが戦争を行う意味がなくなってしまっている。
  • 一度のゲーム中に存在できる武将数は216人まで。
    • あまり気付かないことであるが、シナリオ1から始めていると武将の人数が限界に達してしまい、登場するはずの武将が登場しないということがある。
    • そもそも現在ゲーム中に何人武将がいるのか数えるのも面倒であり、限界に達していることにはまず気付かない。
    • そして限界に達したのなら武将を殺さなければならないのだが、自軍の武将を処刑する、などというコマンドがあるわけでもないため、なんらかの方法で敵軍へ送り、戦争で捕虜にし、最後に首を斬らなければならない。
      • 戦争で突撃により部隊が壊滅すると、戦死することがある(突撃する、されるのどちらでもよい)。また、火計を仕掛け、兵士0の状態で火に巻かれてターンを終了すると、武将は焼死する。味方に火を放つ非道を行うかどうかは、あなた次第。
    • 登場する武将の中には、能力が低い武将も多いので、そのような武将を戦争で捕えたらある程度は積極的に首を切っていくのが望ましい。
  • 武将が裏切る頻度が高い
    • 義理の低い武将なら当然だろう、と思われがちだが、このゲームでは一般的に義理堅いと思われる武将でも裏切る。
    • 忠誠度が90程度の武将でも裏切る時は裏切るので、どうしても裏切られたり、引き抜かれると困る武将に対しては、早めに忠誠度を100にしておくしかないだろう。
      • 本作では捕虜の登用は確実に成功するものの、忠誠度は基本的に低いため、登用した武将を実用に持っていくにはかなりの時間と金を要する。ただし、相性がよければ最初から高い忠誠度になる(元の君主への忠誠度の高さは考慮されないようで、敵に捕まった後、引き抜き返そうにも引き抜けない状況も起きる)。また、信用度が低いと忠誠度の自然低下が大きくなり、裏切りやすさに拍車がかかる。
    • 義理の低い武将は本当に裏切りやすく、不義理な武将の代表格である呂布に至っては、1回の戦争で複数回寝返る事もある有様。いくらなんでも節操が無さすぎである。
      • たとえ君主の血縁武将であっても、義理が低く野望が高ければ普通に裏切る。
      • 呂布や公孫淵など、極端に義理の低い武将は 忠誠度を100にしても無駄 である。彼らを戦場に出した瞬間、敵軍はひたすら寝返りを仕掛け、忠誠度100だろうがすぐに寝返る。ハッキリ言って使い物にならない為、戦争では君主でもない限り、冒頭の一騎打ちに出してすぐ退却させるのが無難な使い方。

総評

若干粗さも目立つが、時代が時代のため仕方がない部分も多い。
システムが単純なためシミュレーションゲーム初心者には丁度良く、
一方で強国も弱国も自由に選べる作りのため上級者でも手応えを感じられるだろう。


スーパー三國志II

【すーぱーさんごくしつー】

対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売日 1991年12月26日
定価 14,800円(税抜)
判定 良作

変更点

  • アイテムについて
    • アイテムをパワーアップしたスーパーアイテムが追加。強力だが、入手は極めて困難。たいてい手に入れる前に全国統一してしまっている。
    • 洛陽を攻め落としてもスーパーアイテムは手に入らない。
  • 一騎打ちのアニメーションが追加された。
    • 戦争が始まると両軍の同意があれば一騎打ちがあるのだが、このアニメーションが当時としては非常に良く出来ている。
    • また、季節ごとに背景色を調節しているのも良い。
  • 顔グラの大幅変更。
    • 全体的に綺麗である。また顔のよく似た曹操と曹丕、いかにも悪党面の董卓、綺麗な髭の関羽、若干女顔の周瑜など、実際のイメージによく合うように描かれている。PC版で使い回しのモンタージュ顔だった人物も、陳泰、孫亮など一部は新たに描き下ろされた。
    • 一方で目立たない武将に関しては、兜の色や表情を変えただけなど使い回しが目立つ。
  • コマンドが一部削除された。
    • 砦を作る。
      • 戦争エリアに砦を作ることができる。但しお金がかかるうえに防衛にしか役に立たない為、対費用効果は薄い。
    • 医者を呼ぶ。
      • 自国に一定確率で医者がいて、それを呼ぶことで戦争によるケガや疫病を治療してもらう。なお、ケガや疫病は最大三ヶ月で自然治癒する。
      • コマンドが無くなった代わりに「華陀の医学書」というアイテムが追加され、手に入ると一か月で治るようになる。
    • 放浪・旗揚げ。
      • 国を捨てて逃亡し、空白地で1からやり直すコマンド。戦争で最後の国を失った時に、敵君主に解放されても放浪の身になった。当然、コマンドの無いコンシューマー版では必ず斬首されてゲームオーバーになる。
    • 軍師の助言。
      • 「能力が非常に高い敵武将」「自国を狙っている敵君主」「義理が低い(野望が高い)太守・武将」「すぐにでも攻め取れる弱小国」「兵力が強大化している隣接している敵国」といった、国防に関する情報を教えてくれる。
      • 助言を得られる確率は軍師の知力が高いほど上昇する。低いと「進言することはございません」と言われるのみで、なかなか助言してくれない。
    • うわさ。
      • 諸国を旅する学者「司馬徽」、人相見の「許子将」の2人が様々な情報を教えてくれる。前者は「死期が近い武将」「自国にいる敵からの埋伏武将に関する警告」、後者は「未発見の高能力の武将」「自国にいる義理が低い(野望が高い)武将に関する警告」を教えてくれる。「蒼天既に死す…」といった、ゲーム進行上直接は関係のない一言を述べるだけの場合もある。
  • コンシューマー移植版では、「軍師の助言」「うわさ」に該当する情報を、月の初めにランダムで軍師が助言してくれる場合がある。この助言も軍師の知力が高いほど得られやすい。
  • 上記の情報に加え、「CPU君主についている軍師」「アイテムの効果の説明」など、ゲーム進行上役立つ情報もあれば、「天下の名馬も太らせては何の役にも立ちません」「時には清きものも汚きものも併せて呑む事が必要かと」「必勝の信念なくしては戦には勝てません」といった、ゲームには直接関係はない情報もある。しかしどれもなかなか味のある発言なので、ゲームに華を添え、雰囲気を作る役割は果たしている。
    • 「東方の島に倭人が住むといいます」というセリフもあるが、卑弥呼が登場するといった裏技は無いのであしからず。
  • 仮想モードがない。
    • これについては批判も多いが、ゲーム自体の面白さを損なうほどでもない。
  • ROMと本体との相性なのか、ROM差によるものか、原因は不明であるが癖が強いケースがある。具体的には、
    • 一騎打ちで武力が低い側がやたら勝ちやすい。または攻撃側がやたら勝ちやすい。
    • 疫病、イナゴの被害が起こるとかならず洪水も起こり、しかも洪水が起こる国は特定されている。
    • 洪水の被害に遭う国が異様に多い。
    • 台風が全然起こらない。

余談

  • 初期バージョンのシナリオ1では開幕早々かなりの確率で、王朗が君主自ら何かの使者になる→捕まって首を斬られ葬式となるシーンはあまりにも有名。
    • 王朗に限らず、このゲームにおいて配下が1人しかいない弱小国ではよくある事態であり、
      その後継ぎもまた使者となり捕まって首を斬られ国が滅亡、までの流れが本当に起こりやすい。
    • 結果、本作の王朗は上記の曹豹に次いでネタにされやすい人物になった。
+ 王朗死亡シーン
  • PCオリジナル版では特定の条件を満たすと「貂蝉」コマンドが現れる。
    • 逢う度に貂蝉が脱いでいき、最後には…という内容。エロゲーメーカーとして昔取った杵柄が生きている要素であり、後のシリーズの「歴史イベント」の走りとも見て取れる。なお条件の関係から、攻略重視ではまずお目にかかれない光景ではある。
  • 新君主の設定によらず婚姻政策は通常通り行われる。
    そのため、女性君主に娘を嫁がせる*19、1歳で結婚、1歳で子持ちといった事態が起こる。
    • もっとも、新君主でなくても、君主が10代なのにその娘がもう結婚適齢期か?という変な現象*20は充分起こるが・・・
    • それ以前に「婚姻」コマンドが罠に近い*21ので、これもマルチプレイでもない限りお目にかかれない光景ではある。
    • 余談だが似たような年齢の現象としては真・三國無双Empiresシリーズのシナリオごとの登場武将と出生年の関係が挙げられる。
  • 文面はほとんどが「○○で宜しいですか?」「○○を配置して下さい」と敬体。ただし「○○が××に捕まった!」「○○の首を斬った」と特定のときだけ常体になるのが妙にシュールである。
  • 戦略時や外交、戦場などで表示される武将データで、その武将が君主の場合「君主 である 」と強調される。
  • 2015年12月10日に本作をベースにした『三志ツクール』がSteamにおいて配信開始。

*1 『コーエー25周年記念パック Vol.5』に『太閤立志伝』『項劉記』と共にPC98版を収録。

*2 機種によっては4人または8人まで

*3 コンシューマーにはファミリーコンピュータ、メガドライブ、ゲームボーイ、プレイステーション、ワンダースワンに移植された。

*4 もっとも、それらの君主は国力も配下も貧弱である事が大半で、余程コアなファンでない限りプレイしたいとは思わないであろう者ばかりである。

*5 最大4人・8人の機種も存在する。

*6 君主のいる本国以外の国を治める地方領主。

*7 ゾーン・オブ・コントロール。ユニットの周囲マスで敵ユニットの移動が妨害される効果。

*8 シナリオ6の1国から攻める(武将が少ない国が多く、比較的戦いやすい)など、抜け道がないことはない。

*9 PC版のハンドブックには「悲しき母」という題名の蔡文姫(今作では登場せず)に関するエピソードが収録されているが、これも今作で採用された「戦利品としての美姫」を説明していると言える

*10 忠誠度の高い自武将を敵国に潜入させ、戦場で寝返らせる計略。地味ながら潜入先の国では他の武将の忠誠度が月ごとに下がるという効果も持つ。

*11 今作では戦争の最初に一度だけ行う。断った方は兵力が7~8%程度減り、一騎討ちで負けるとそのまま一部隊ごと捕虜となる。

*12 劉備は相性値で有利な上に、人徳も最大値の100で、さらに配下の忠誠度が下がりにくい「大徳」フラグが付いている。

*13 具体的に言うと誕生月×誕生日の積、それが100を超えた場合、積の下二桁-積の100の位で決まる。例として12月31日は:12*31=372 → 72-3=69

*14 夏侯惇のよみがなが「かこうじゅん」になっているなどから、本作の根底にあるのは吉川英治版「三国志」と言われている

*15 史実・演義ともに、曹操に寝返ったのは自らの献策が袁紹に用いられずに曹操に敗れたばかりか、敗戦の責任を押し付けられたことに対する自衛のためであり、野心から寝返った訳ではない。

*16 太守に謀反を起こさせて新しい君主として独立させる計略。

*17 配下武将や所持兵力ごと独立するため。

*18 埋伏武将は敵国に信頼されていることを確認しないと戦場で寝返らせることが出来ない。

*19 これは公式ガイドブックでもネタにされた。

*20 余談だが、正史では魏の軍師・荀イクはまだ4歳の頃、宦官・唐衡の娘と婚約している。人柄・家柄・能力・人脈全て申し分ない彼の唯一の瑕疵であり、その為宦官嫌いの何進や袁紹に重用されなかった

*21 敵対度を10分の1に下げる代わりに、同盟国でなくても娘を嫁がせた国に攻め込むと信用度が下がっていくという制限が永久に外れないので将来の足かせになってしまう。後のシリーズで廃止されたのも無理はない。