スーパーロボット大戦リンクバトラー
【すーぱーろぼっとたいせん りんくばとらー】
ジャンル
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シミュレーションRPG |

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対応機種
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ゲームボーイカラー(全GB共通)
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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招布
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発売日
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1999年10月1日
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定価
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3,500円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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1個(バッテリーバックアップ)
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周辺機器
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GB専用通信ケーブル,64GBパック
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判定
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なし
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ポイント
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スパロボ初の対戦特化 ユニットバランスは悪め 主な用途は『64』の経験値タンク
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スーパーロボット大戦シリーズ
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概要
ロボット同士を出し合い、1vs1で対戦するスパロボ。
『スーパーロボット大戦XO』のオンライン対戦モード「スーパーロボット対戦」や、『スパロボ学園』等とはルールが異なる。
『スーパーロボット大戦64』とリンクする事によりレベルと経験値を共有し、更に一部ユニットを『64』に参戦させる事が可能。
逆に『64』のオリジナルキャラや一部ユニットを今作に参戦させる事もできる。
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参戦作品一覧
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★は新規参戦。☆は携帯機初参戦。
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マジンガーZ
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グレートマジンガー
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UFOロボ グレンダイザー
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ゲッターロボ
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ゲッターロボG
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真ゲッターロボ(原作漫画版)
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機動戦士ガンダム
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★機動戦士ガンダム 第08MS小隊
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機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
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機動戦士Ζガンダム
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機動戦士ガンダムΖΖ
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
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機動戦士ガンダムF91
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機動武闘伝Gガンダム
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☆新機動戦記ガンダムW
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☆無敵超人ザンボット3
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無敵鋼人ダイターン3
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聖戦士ダンバイン
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☆蒼き流星SPTレイズナー
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超電磁ロボ コン・バトラーV
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☆戦国魔神ゴーショーグン
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★六神合体ゴッドマーズ
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超獣機神ダンクーガ
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★ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-
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バンプレストオリジナル
※「UFOロボ グレンダイザー」「真ゲッターロボ(原作漫画版)」「バンプレストオリジナル」は『64』とリンクで出現。
「新機動戦記ガンダムW」は一部リンクが必要
※リンクで購入可能になるユニット
グレンダイザー、真ゲッター、ガンダムWの後継機5機、64の主人公機&後継機&ライバル機
※パイロット
グレンダイザーのキャラ、64の主人公&ライバル
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新規参戦作品は『六神合体ゴッドマーズ』『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。
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この内、『第08MS小隊』は紹介されず、新規参戦作品は『ゴッドマーズ』『ジャイアントロボ』だけと紹介された。
プロローグ
AC(アフターコロニー)191年の、コロニー「サイド3」の独立から始まったスーパーロボット大戦から既に1世紀半・・・。
人類の生活圏は木星までに至り、地球圏と呼ばれる世界を作りだしていた。
それに伴い情報ネットワーク網も著しい発展を遂げていった。
人々はそのネットワーク網を使い新たなネットゲームを生み出した。
それは「リンクバトル」と言われ、かつての大戦で活躍したスーパーロボットやパイロット達でチームを作り、ネットワーク上で戦わせるというゲームだった。
「リンクバトル」はアッという間にネット上に広がっていった。
やがて「リンクバトル」を管理する「LBセンター」が設立され、「公式リーグ」がスタートする。
「公式リーグ」に登録された「リンクバトル」のプレイヤーは「リンクバトラー」と呼ばれた。
「リンクバトラー」はみんなの夢であり憧れだ!
だが「リンクバトラー」になるには様々な審査があり、誰もがなれるわけではないのだ・・・。
そして今・・・、新たな「リンクバトラー」が生まれた・・・。
ルール
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各ユニットごとに1~2.5設定されている「出場ポイント(要はコスト)」が合計5以下になるようにチームを編成し、相手チームと1vs1で勝負。
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1ターン6ラウンド制で、6ラウンド中、ユニットに設定されたAP(行動回数)だけコマンドを配置できる。
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アタックコマンドで攻撃し相手ユニットのHPを0にすれば撃破。これを繰り返し、相手チームを全滅させれば勝ちとなる。
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序盤は、ユニット性能の低さやパイロットの使用可能コマンドの少なさから思うように行動できないが、後半に登場するユニットはAPを含めた性能の向上とパイロットのレベル上昇に伴うコマンドの充実と相まって自由度が増すようになる。ユニットによっては「変形」で1増加する。
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コマンドの一覧
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パス
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コマンドを行わない。APが足りなかったり消費したくない場合はこれでラウンド枠を埋める。
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アタック
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射撃・格闘・攻撃の3種類からコマンドと武装を選び、攻撃する。使用武器のレンジが適正でないと不発したりダメージが減る。
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「射撃」「格闘」はそれぞれ射撃・格闘武器しか選べない代わりに火力が25%上昇し、ターン中の装甲が25%減少する与ダメージ重視のコマンド。「攻撃」は射撃・格闘両方の武器が選べ、火力・装甲に補正が掛からない。
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ガード
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回避・切払い・シールド・バリア・分身など。相手の攻撃を避けたり軽減する。
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回避は相手のコマンドに合わせないと回避不能で使い所を選ぶ。回避に成功すると気力が大きく上昇する。
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切払いは剣を裝備していないと使用不能など、ユニットに依存しているコマンドも多い。
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スペシャル
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狙う・底力・変形・V-MAX・妖精など。回避系以外の特殊コマンド。
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「変形」は変形可能なユニットのみ、「妖精」は妖精を乗せたオーラバトラーのみ、「V-MAX」は(ニュー)レイズナーのみと使用者は限られる。
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「狙う」は自らの気力を上昇させつつ、使った後の攻撃に対して「回避」されても当たるようになる。ただし精神コマンド「ひらめき」で避けられる。
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「底力」は説明が無いが、精神コマンド「熱血」と同じ効果(攻撃力1.5倍)。SP無消費で毎ターン熱血を使える破格の性能だが、習得は遅い。熱血・魂との重複もしない。
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レンジ
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相手との間合い。前進・後退・突撃・離脱の4種類を用いて、近・中・遠距離のいずれかに変化する。「前進」「後退」は1レンジ変化、「突撃」「離脱」は最大2レンジ変化する。武器の適正レンジは1レンジ異なっても(「近」→中、「中」→近or遠、「遠」→中)攻撃はできるがダメージは小さくなり、2レンジ異なると(「近」→遠、「遠」→近)攻撃自体できなくなる。相手も同様なので適正レンジ外へ逃げる時にも使える。
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地味に気力も上がる。コマンドの少ない序盤は適当に前後して気力を上げる事もある。
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スピリット
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精神コマンド。いつも通りに精神ポイントを消費する。
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効果は大幅にアレンジされており、ぶっ壊れ性能のものや、かなり使い難いものも存在する。
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これらコマンドはユニット固有のものを除き、パイロットのレベルを上げると習得。レベルを上げると回数が増えるキャラも多い。
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パイロットのステータスは精神ポイントのみ。パイロットによる違いは上記のコマンドと精神コマンドで、誰が乗っても攻撃力は変わらない。
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大半のスーパーロボットはパイロットが固定化されているが、宇宙世紀ガンダム系・ガンダムW系・マジンガー系・ダンバイン系は自由に乗せ換え可能。レイズナー系はエイジ以外はレイズナーに乗れない。
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区別する方法は無いがオールドタイプはファンネル使用不能。
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ユニットステータスはHP・装甲・AP・出場ポイントの4点。前述通り運動性は存在しない。
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武器は4種類しか使用できず、5種類以上ある場合はウエポンショップ(ショップと名はあるが無料)で入れ替える必要がある。
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剣・盾や変形など、ユニットの特殊能力によって様々なコマンドを扱える。
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お馴染みの改造はできない。強化パーツも存在しない。
評価点
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『64』とリンクが可能。『64』の周回プレイに大きく貢献できる。
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ただしセーブデータに一つのみのために生じる問題点も存在。
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版権BGMが一通り揃っている。主役機しかいない作品でもしっかり流れる。
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「機動戦士ガンダム」は味方として使えるパイロットがいない事もあり、『64』同様に未収録。
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「燃え上がれ闘志~忌まわしき宿命を越えて」等、モード変化によるBGMの変更は無いのが難点。
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携帯機ながらもユニットのグラフィックと戦闘アニメは(当時のスパロボにしては)それなりに作られている。
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特に「ゴッドマーズ」の「ファイナルゴッドマーズ」で原作通りにゴッドファイヤーを打っていたのは『第2次Z』までは今作だけ(『64』や『D』では省略されていた)だった。
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『64』で自軍入りしたキャラクターをほぼ全員使える。
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隠しキャラクターは勿論の事、中盤以後離脱するクワトロやスポット参戦のガトー、最終話でしか使えないクェス達も使用可能。
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互いの読み合いで攻撃が決まり、各種ロボットの能力がしっかりと反映されていながらも対戦ゲームとしては一応の形は取られている。
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パイロットの能力がダメージに響かない事もあり、当時のスパロボで良く見るインフレも起こり得ない。
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敵限定ではあるが、レクチャー内のバトルテストで『64』に影も形も無かったランバ・ラル&グフが登場。
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とあるバトルでは生身の東方不敗と戦う事もできる。こちらの攻撃に合わせて回避とひらめきを連発する強敵。ただし、とある精神コマンドで即死させる事も可能。
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同じくマスターガンダムも登場する。
賛否両論点
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月を更新するとメールが届く事があり、対価に見合わないシャークトレードが良く行われる。
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ただし、明らかにこちらが有利なトレードが来る事もあり、序盤から特Aクラスの強力なユニットが手に入る事もある。
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尚、交換したユニットはすぐに買い直せる。そもそもクラスアップで買えなくなるユニットは存在しない。どうして高ランクのキャラは妙なトレードを要求して来るのだろう……?買えばいいのに……。
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当然ながら終盤になるとユニットもパイロットも充分揃ってしまう為、このトレードも意味をなさなくなる。その中でも最大の謎がミセスパスタと平八郎。前者は「このデータは使わないので」後者は「VPが足りないので」という理由で割安でユニットやパイロットのデータを売ってくるのだが、リンクバトラー達にとって使わないデータを手元に置いておくメリットは無い反面、デメリットも無いのである。
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特に平八郎は毎回毎回「VPが足らんで足らんで仕方ない」と嘆いているのだが、普通にプレイしていてVP不足で困る事はまずない。加えて時間はかかるがフリーバトルでちまちま対戦して勝利していけばVPはきちんと溜まっていく。平八郎は一体何にVPを使っているのだろう。
問題点
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ユニット間のバランスが悪い。
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基本的にはAPの多いユニットほど強い。相手の武器の適正距離から外れれば攻撃は不発にでき、「シールド」や「切り払い」など数ラウンド持続するガード行動もあるのでうまく読み勝てばAPの少ないユニットでも立ち回れるが、コスト差をひっくり返すのはかなり難しい。
特にAP2の下位ランクユニットは扱いづらく、いくらコストが低いと言ってもゲーム後半では倉庫番になってしまう。
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コストに合わない高性能ユニットがいくつか存在しており、それらを中心にしていれば負ける事はあまりない。
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コスト1にもかかわらず変形でAP4になり高火力のビームカノンを連発、更に手も足も出なければ自爆で道連れを狙えるトーラス。変身すればAPが増える上に無消費で攻撃力3000のシャイニングフィンガーを使えるシャイニングガンダム、回防不可のリスクこそあれど無限に撃てるメガ粒子砲で恐ろしく強いシュツルムディアス、気力さえ溜めれば全体的に高火力のGP02、AP4かつ「切り払い」「バリア」などラウンド持続のガード行動を持ち、「妖精」によってスピリットを他のユニットより多く使えるビルバイン等。
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一応、トーラスはAランクになるまで購入できないため、意図的な強ユニットとして設定した可能性が高い。
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一方弱い方のユニットは極めて悲惨、AP2で遠距離のメガ粒子砲しか無くトーラスの完全下位互換と化しているアプサラス、全ての武器が切り払い可能でAP4以上の切り払い持ちには手も足も出ないガンダムサンドロック等は最早使用意義が薄い。
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一部精神コマンドの効果が明らかにおかしい。
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精神コマンドの「奇跡」が輪を掛けて高性能。消費100でド根性・気合×2・幸運・努力・魂・必中・ひらめき・復活が纏めてかかる。
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今作の復活は「撃墜されてもHP15%で復活する」という鬼のような効果。
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強すぎるためか使えるのはフォウ・チャム・タケルの3人のみで、『64』で使えたビーチャは習得せず。
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ひらめきで気力が2増えるはずだが、何故かコマンド予測では気合2回分の30しか増えない。
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他にも「相手のSPを0にする」祈り、「相手の攻撃系コマンドを使用不能にする」隠れ身等、対人戦も含めて明らかにぶっ飛びすぎているものも多数存在。
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幸い、今作は『64』の経験値タンクとしての運用とストーリークリアが主なため、対戦はあまり行われなかった。
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戦闘中にユニットの入れ替えが一切できない。相性の悪い相手と当たったら捨て駒にするしかない。
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ゲームとしては変わり映えせず単調。特に序盤は互いのユニット数が多く長引きやすい。
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それでいて戦闘カット不能なので時間がかかりダレやすい。中盤辺りから2体のみのチームが目立ち始めるので、早期決着も狙えるが……。
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ユニットのグラフィックは上手く再現されているのだが、顔グラフィックは出来の差が激しい。特にレイズナー勢はコメントし難い。
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武器の入れ替えはウエポンショップでしか行えず面倒臭い。
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また、ウエポンショップで機体を選ぶと何故かBボタンでのキャンセルを行えない。抜けるにはENDを選ぶ必要がある。
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一部の敵は『64』とリンクする事によりリンク限定のユニットを使い始め、強さが跳ね上がる。
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一部ユニットは『64』とリンクしないと店に並ばない。
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『64』で仲間になるユニットとキャラしか使用不能なため、スーパー女ライバルであるアイシャを唯一仲間にできない。
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また、各種スペイザーやバトルマシン等の分離ユニット、戦艦、ガンダムWのカスタム機も登場しない。
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グレンダイザーの合体形態も登場せず。
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セーブデータが一つしかない。一度ユニットを買い尽くしてしまうと、データを消すまで『64』にF91・ザンボット3・ゴーショーグンを分けて送る事ができなくなる。
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分けて送る事によって話数を水増しさせる事ができた。
総評
『64』の経験値タンクとして有名だが、単品でもそれなりに遊べる作品。
ユニット間のバランスは悪いものの、クリアする為なら逆に利用が可能。対戦を視野に入れなければ問題はない。
最終更新:2022年04月10日 23:48