ぜんまいざむらい
【ぜんまいざむらい】
ジャンル
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ミニゲーム集
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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DSカード
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発売元
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元気
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開発元
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不明
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発売日
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2007年7月19日
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定価
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5,040円(税5%込)
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プレイ人数
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1~4人
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セーブデータ
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1個(初期化不可)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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本編数話程度のボリューム 大幅弱体化された必笑だんご剣
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あらすじ
つまみ食いをしているさなかひょんなことから井戸に落ちて死んでしまった泥棒「善之助」。
井戸の底で大福の神から自らの死を知らされるが、善行を積むことを条件に200年後の「からくり大江戸」に復活させてもらうのであった。
そして大福の神から、食べたものは幸せな気持ちになれる「必笑だんご剣」、そして「ぜんまいざむらい」という名前を与えられた。
概要
本作はNHKの短編アニメ『ぜんまいざむらい』を原作としたミニゲーム群。
ゲームオーバーといった類はなく、からくり大江戸の世界を舞台にゆるい日常的なゲームを楽しめるというコンセプトなはず。
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ミニゲームについて
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本作の登場人物である「ぜんまいざむらい」「豆丸」「だんごやおばば」「ピエール」「かみちよねーさん」「あくとり代官」「ずきんちゃん&茶じじ」「なめざえもん」にそれぞれ2つずつ、合計16つのミニゲームが用意されている。
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開始前、開始後には対応したキャラを交えた寸劇(スタートボタンでスキップ可能)が挟まれる。
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経過時間もしくは残り時間で成績づけされ松・竹・梅・だめだめの4段階で評価される。
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また上位3位までの記録がDSカードに記録される。記録更新された場合は上書きとなる。
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なお、特に本作を理解するうえで説明が必要なキャラがぜんまいざむらい以外にこれといって存在しないため、残りのキャラの説明は割愛する。
ミニゲーム解説
ぜんまいざむらい編と豆丸編は原作アニメのように、ぜんまいざむらいが何かの悪事を解決するストーリーが繰り広げられる。
ただしその他のキャラ編のストーリーはほんの小話程度のもの。
ぜんまいざむらい編
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やぐらずしのけっとう
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回転寿司屋で暴れるなめざえもんを、必笑だんご剣で改心させるゲーム。
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下画面をタッチするとその方角にだんごを投げつける。
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弾切れはないが4発放つごとに補充の時間がかかる。また制限時間はないが早くクリアする程高得点。
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原作とは異なり3回食べさせなくてはならず、2回目以降はなめざえもんがちょこまかと動き回る。
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なお、以下のエドワングランプリ、ぼたんちゃんはどこ?、なべがにえたよでも、このだんご剣に関連した決闘が挿入される。
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ぜんまいざむらいめがけて障害物が降ってきたり、悪人がなめざえもん以外の人物だったり、悪人を何かの生き物が遮ったりなどするが基本的なルールは同様。
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エドワングランプリ
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からくり大江戸で開かれるF-1グランプリのようなものに挑戦することになったというあらすじ。
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プレイヤーはコースをなぞるように一筆書きで線を引いて、ぜんまいざむらいが繰るからくり車をゴールまで導くことになる。
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素早く一筆書きできた方がよいが、少しでもコースアウトするとタイムロスになる。
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これをクリアすると終了扱いなのかエンドロールに移行する。
豆丸編
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ぼたんちゃんはどこ?
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画面を右往左往する犬の群れから上画面が示す「ぼたんちゃん」という犬をタッチする。
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犬の群れは全15セット用意されている。
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なべがにえたよ
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あくとり代官が指示する鍋の具材をすばやくすくい上げるゲーム。こちらも全15セット。
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もたついていると、なめざえもんに横取りされてしまう。
その他
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ひらがな遊びの類が多い。アナグラムで単語を完成させたり、しりとりをしたり、上画面のヒントから適切なことばを選ぶ、一文字変えて別の言葉にするなど。
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制限時間内の正解数が評価されるが、お手付きすると残り制限時間が減る。
問題点
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やれることが非常に少ない
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キャラ8人にミニゲームが2つずつ用意されているが、本作はそれしかやることがない。子供向けだと考えても少なすぎる。
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それもぜんまいざむらい、豆丸編以外のキャラが管轄するミニゲームは低難易度版と高難易度版になっているだけなので、事実上ゲームの種類数は10。
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同時に、ぜんまいざむらい、豆丸編以外のミニゲームは正直言って『ぜんまいざむらい』の世界観と脈絡がほとんどない。
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また反復して行うことで何かしらのポイントが蓄積する、という要素も特にないのでひととおり遊んでしまうと本当にやることがなくなる。
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ミニゲーム1つ1つのテンポが悪い
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細かくフェイズ分けされているゲームが大半を占める。しかしそのフェイズ移行時にロードをしているのかアニメーションで無駄に時間を食われることが多い。
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ゲーム自体が単調にもかかわらず、頻繁に短い読み込みが入るためなかなかゲームに没入しにくい。
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必笑だんご剣がやたらと使いにくい
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串に刺さった団子を、悪人の口めがけて投げつけるところまでは原作通りなのだが、ゲームでは原作に反してやたらと命中しない。
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悪人がフェイントもかけながらちょこまかと動く。それどころか、ぜんまいざむらいと悪人の間にしきりに別の生き物が遮りに来るので、慣れていないと長期戦になりやすい。
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制限時間はないがスキップすることもできない。
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蛇足かもしれないが一応説明しておくと、原作では大半の人間が1個のだんご剣の団子を食べれば(一時的であっても)改心するし、悪人が複数いる場合もだんご剣一振りで、同時に食べさせるという器用な芸当も披露している。まして狙いを外すという事態そのものが稀。
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ニューゲームできない
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ゲーム内容が単純なのでこれといった実害はないかもしれないが…。
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実は本作、ゲームを開いた回数をきちんと覚えておりそれが一定数に至るごとに、ぜんまいざむらいや豆丸がささやかではあるが特別な挨拶をしてくれる。こういった限定要素も一回きりしか見られないのでややもったいない。
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シナリオ関連
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ぜんまいざむらい、豆丸編以外のシナリオが、特に意味をなしていない。
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ミニゲームへの導入としてはごく自然にできているのだが、ぜんまいざむらいと豆丸のミニゲーム以外は基本的にそのキャラでやる必要が全くないもの。
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例として、だんごやおばば編で「一文字取り替えて別の言葉にする」というミニゲームが繰り広げられる。しかし原作でぜんまいざむらいの名前を頻繁に言い間違える茶じじを差し置いて何故おばばの管轄にしたのか不明。
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本編であったやりとりがわずかに再現されている場合はあるが、基本的には全く原作が関係のないオリジナル展開へと逸れてしまう。
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マルチプレイの意味が弱い
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マルチプレイで行えることはつまるところ機体を数人で使いまわして「通信で同時に行ったミニゲームの記録を比べ合う」というもの。せっかく通信するのであれば互いの行動が影響し合うようなミニゲームがあってほしい所。
評価点
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忠実なキャラデザイン
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キャラクターや背景、作中に登場したギミック等はそのままのデザインでゲームに登場する。
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さらにゲーム中ではオリジナルのアニメーションが多く繰り広げられるが、そういった中でもこのデザインが崩れない。
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事件が一件落着した際の、ぜんまいが巻かれる、天蓋男が巻物を書く、終劇のふすまがしまるという流れは原作をかなり忠実に再現している。
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レスポンス等
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ゲームを開いた時にぜんまいざむらい、もしくは豆丸が「きょうのあいさつ」と題して挨拶してくれるのだが、プレイの時間帯やさっきまでプレイしていた事、久々にプレイした事等を反映したものとなっている。
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周りにいる人物や生き物にだんごを当てるときちんと幸せな気持ちになってくれる。
総評
量が少ない=クソゲーと断じてしまうのは酷かもしれないが、ミニゲーム集であることを踏まえてもやれることが少なすぎる。
原作にあったシナリオや演出をゲームに盛り込むといった評価点はあるのだが、いかんせん肝心の出来が低すぎるのがもったいない。
最終更新:2024年05月28日 20:43