Salt and Sanctuary
【そると あんど さんくちゅあり】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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Windows/Mac OS/Linux(Steam) プレイステーション4 プレイステーション・ヴィータ Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売・開発元
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Ska Studios
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発売日
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【Win】2016年5月18日 【PS4】2016年8月18日 【PSV】2017年4月13日 【Switch】2018年8月2日
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定価
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1,780円(税込)
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プレイ人数
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【Win/PSV】1人 【PS4】1~2人
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レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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判定
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良作
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ポイント
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ソウルライクな2DアクションRPG ゲームバランスは大味 だが世界観は本家顔負けの作り込み
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私は…どこかの国から来て…なんらかの…任務を帯びていた。
私は仕事を引き受けたの。ある王族を、海の向こうに護送するという仕事を。
使命があるのはよいことだ。私の使命を知りたいか?
難破した多くの船員たちを見てきた。
多くの生きた漂流物をな。
そしてその生きた漂流物は…ある秘密を共有している。
お前たちはみな――
概要
2人と2匹によるゲーム製作スタジオ、「Ska Studios」が開発した2Dアクションゲーム。
開発者自身が『DARK SOULS』シリーズに強い影響を受けたことを公言しており、死に覚え前提の難易度、リトライの仕様、UIなどにそれが色濃く現れている一方で、本作独自の要素も多く採り入れられた作品となっている。
『SOULS』シリーズとの最大の違いは2Dアクションゲームであることであり、いわゆる「メトロイドヴァニア」と呼ばれる探索型ジャンプアクションゲームとしての側面も強い。
ある国の王女の護衛任務に就いた主人公だったが、航海の途中怪物に襲われて船は難破、主人公は一人島へと流れつく。
王女を探して彷徨う旅、この島に住む人々との出会い、その先に辿り着くものとは……
特徴
ソルト
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本作の世界観におけるソルトボーン(=人間)の本質にあたるもの。ゲーム的には『SOULS』シリーズにおける「ソウル」に相当し、ソウル同様、敵を倒す事で自動的に入手できる。
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ソルトはレベルアップ、武器の強化に必要となる。本作にはソルトとは別にお金も存在し、アイテム・魔法の売買についてはお金が用いられる。
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お金はソルト同様敵から入手できるが、ソルトが自動入手であるのに対してお金はドロップであり自分で拾いに行く必要がある。
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本作でも敵に倒され戦闘不能になった場合、ソルトの全てをその敵に奪われてしまう。そして再挑戦時にその敵を倒すことで奪われたソルトを取り返すことができるが、取り返せないまま再度死亡した場合はそのソルトは永久に失われてしまう。
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それ以外の要因(トラップ・落下など)で死亡した場合は死亡地点の近くに異次元の生物「ソルトバット」が現れる。ソルトバットを倒すことで同様にソルトを取り返すことができる。失敗すると失われることも同様。
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お金は死亡しても全額取られることはないが、死亡要因によらず所持金の1割が蘇生代として失われる。
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また、ボスにソルトを奪われた場合は必ずしも倒す必要はなく、一定のダメージを与えることで取り返すことが可能(必要な与ダメージ量はボスのライフバーに示される)。
サンクチュアリ
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こちらはSOULSシリーズにおける「篝火」に相当する、ソルトボーンにとっての安息の地。例外はあるが基本的に1エリアに1つずつ存在し、アイテムやNPC(後述)によって行き来できるファストトラベルポイントになる。
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サンクチュアリに触れることによってHP等が全回復し、所定の回復アイテムが最大所持数までペナルティなしで補充されるが、倒した敵はすべてリポップする。
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死亡時には最後に触れたサンクチュアリからの再挑戦となる。
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また、道中で手に入れた特定のアイテムを捧げることで、ショップなどの機能を持つNPCを4人まで配置することができる。
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NPCは売買やアイテム強化を請け負ってくれるだけでなく、存在するだけでそのエリアに能力値増加などのボーナスをかけてくれる。
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「案内人」を招致することで、任意のサンクチュアリへと移動が可能。
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レベルアップ及び、スキルツリーでのスキル取得(後述)はサンクチュアリでのみ行うことが可能。
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なお、エリアにはサンクチュアリとは別に、全回復とアイテムの補充のみ行える祠も存在する。ここではNPCの配置やレベルアップ、スキル取得は行えないし、ファストトラベル対象にもならないが、多くの場合ボス戦前に存在し、いわば中間ポイントの役目を持っている。
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サンクチュアリ、およびプレイヤーには「宗教」が存在する。
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宗教によってそのサンクチュアリのNPCの品揃え・補充されるアイテムの性能が変化するため、自身のキャラ特性に合った宗教を信仰することが重要となる。
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例えば回復魔法を購入できる「デヴァラ」、毒アイテムがショップに入荷される「石の根」、全体的にクセのない「三神」、回復アイテムの性能はピカイチだが他宗派との敵対心が増大する「造反者」……
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宗教は全部で7つあり、プレイヤーはゲーム開始時に自身の宗教1つを選択する。ただし最初に選択可能なのは7つのうち3つのみ。
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世界には各宗教に対応した7つのサンクチュアリと、数多くの無名のサンクチュアリが存在する。後者はプレイヤーによって自身の信仰のサンクチュアリに変化させることができる。また、信仰していない他宗派の場合、改宗することや、アイテムを使って穢し、自身の宗派に塗り替えることが可能。
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穢した時点でその場にいたNPCやモンスターが襲い掛かってくるため、撃破する必要がある。
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ただし、他宗派であってもレベルアップやアイテムの補充など、進行に十分な恩恵は変わらず得られるため、特定の目的でもない限り、塗り替えは必須の作業ではない。
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NPC「指導者」を任意のサンクチュアリに配置し、指定されたアイテムを捧げることで、所属する宗派への貢献度を上昇させることができる。貢献度を上昇させるとNPCの品揃えが向上し、また、補充アイテムの所持個数を増加できるといったメリットがある。
キャラクター育成
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ステータスは全部で筋力・技量・体力・精神力・魔力・信仰心の6つ。
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筋力・技量は武器の攻撃力に、魔力・信仰心は魔法・祈りの効果に影響する。
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HPはレベルによって上昇し、スタミナは精神力に、装備重量は体力に依存する。スタミナの一部が「フォーカス(MP)」となる。
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『SOULS』シリーズとの大きな違いとして、本作ではレベルアップ時にステータスに直接ポイントを付与するのではなく、レベルアップ時に得たポイントをスキルツリーに適用することによってキャラクターを成長させる点がある。
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スキルツリーを伸ばす方向によってメインで成長するステータス・装備可能なアイテムの種類が大きく変わるため、筋力戦士・魔法特化、もしくはそれらのハイブリッドなど、ある程度方向性を定めた上でキャラクター育成を行うこととなる。
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スキルツリーを伸ばすためのアイテムはレベルアップ毎に1つずつ貰えるが、ごくわずかながら道中の宝箱にも入っている。また、消費することで取得済みのスキルをキャンセルすることができるアイテムもある。狙いのスキルに辿り着く過程で取得した無駄なスキルを消すことも可能。
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『FFX』の経験者であれば、スフィア盤を思い浮かべれば分かりやすい。
アクション
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基本は一般的な2Dジャンプアクションだが、ドッジ(ローリング)・パリィなどSOULSシリーズを意識した操作がいくつか採り入れられている。
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武器攻撃は弱攻撃と強攻撃の2種類で、武器種によってモーション・攻撃範囲が変化する。
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術は魔法と祈りの2種類がある。魔法にはさらに杖・ワンドとセットで使用する触媒タイプとアイテム枠で独立して使用できる詠唱タイプがある。祈りは全て詠唱タイプとなっている。
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本作の独特な仕様として、HPやスタミナを消費すると、それらの最大値も減少していく点がある。
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敵の攻撃や落下によってダメージを受けると、その数割分、最大HPも減少する。減った最大HPはアイテムでは回復せず、元に戻すにはサンクチュアリで休憩しなければならない。
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このため、ダメージを受けるたびに回復可能なHPも減っていくことになり、追い込まれる緊張感に拍車が掛かる。逃走できないボス戦では一際強いプレッシャーと戦うことになる。
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また、上述のようにスタミナとフォーカスは連動しているため術を使用するとスタミナの最大値が減っていく。但しこれによって減った値は専用の回復薬で回復が可能である。
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ゲーム進行とともに「焼印」が手に入り、プレイヤーが行動可能な範囲が増えていく。
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焼印は全部で5つあり、特定の仕掛けを起動させるものが3つ、プレイヤーのアクションを拡張する(壁蹴り・空中ダッシュ)ものが2つとなっている。
機種ごとの違い
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本作は複数プラットフォームでの展開がなされているが、Win/PS4版(据置機版)とPSV版(携帯機版)では少々仕様が違う。
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主な違いは以下のようになっている。基本的に据置機版が上位互換だが、高解像度のWin/PS4版をとるか多少の要素を諦めても携帯機であるPSVをとるかは好みで選ぶと良いだろう。
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PS4/PSV間でのクロスセーブは不可能だが、一方を所持しているともう一方を100円で購入できるようになっているのでハードを持っているなら両方購入するのも有力な選択肢といえる。
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据置機版の方がグラフィックが良い。画面全体に霧がかかったような効果がPSV版ではオミットされている。
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据え置き版の方が画面に対するキャラクターが小さく、視界が広い。
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オンライン要素は据え置き版にのみ存在する。
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オンライン要素はメッセージの書き残しなどであり、プレイする上での影響は少ない。オンライン共闘・対戦はこのゲームには存在しない。(PS4版のみオフライン2Pプレイで可能)
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フリーズバグの報告頻度は環境にもよるが携帯機版のほうが多い。
評価点
ソウルライクゲームとしての完成度
先述のように本作は『SOULS』シリーズに大きな影響を受けて作られているのだが、『SOULS』シリーズが持つ面白さの本質をしっかりと受け継ぐよう作られている。
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何度もリトライしたくなる、「死んで覚える」「覚えたら死なない」ステージデザイン。
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本家に倣い、プレイヤーが何度も死ぬことを前提としたゲームバランスとなっているため基本的には難易度の高いゲームである一方で、試行錯誤を行うことでそれらの障害を乗り越え、達成感を覚えられるという『SOULS』シリーズのツボもしっかり押さえられている。
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「この敵はパリィすると楽」「この敵は属性を変えると楽」のように厄介な敵には対処法が用意されていることが多い点も重要である。
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そのため、何十回と殺されたボスも少し後回しにして再挑戦すればあっさり倒せることも。また、初回プレイでのエンディングまでの所要時間は概ね20時間強だが、慣れるとその半分~4分の1の時間でクリアすることも可能である。
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秀逸なワールドの構造と、探索のやりがいがあるステージ構成
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各エリア同士は決して一本道ではなく縦横に網目状の繋がりをもって配置され、未知の領域を進んでいくうちに意外なエリアへと繋がっていく。その構造はまさに『DARK SOULS』を彷彿とさせる。
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一見攻略に不可欠に見えるエリアもスキップ可能など、自由度に富んだ進め方が可能である。
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各エリアの構造もよく練られており、分岐点等を注意深く探索し、怪しい箇所を徹底的に調べることでそれに見合ったアイテムや新しいエリアへの繋がりを発見できるようになっている。
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特に後半のエリアでは、それぞれ別エリアから行き来可能な2方向の入り口が存在することがある。これによって、2回目以降のプレイでは逆順からボスを攻略していくことも、ある程度可能。
ソウルライクの枠に留まらない面白さ
上のような『SOULS』シリーズへのリスペクトに留まらず、独自の面白さが模索されていることもまた本作の魅力である。
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本家顔負けのテキスト量
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『SOULS』シリーズを語る上で欠かせないのが各アイテムに付随するテキストとそれに秘められたストーリーであるが、本作でも世界観を深めるテキスト情報がたっぷりと用意されている。
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アイテムに留まらず、モンスター図鑑やスキルツリーの各スキルに至るまで、読み応えのある解説が付いている。
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その内容も、多くの情報を繋ぎ合わせることで島の歴史や背景を窺うことができ、なおかつ想像の余地も残るという、難解すぎず説明しすぎずの絶妙なものになっている。
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サンクチュアリと宗教
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本作のタイトルとなっているサンクチュアリは作中に存在する7つの宗教と密接に関わっており、宗教によって変化する補充アイテムの種類・品揃えなどによって、ビルド毎にユニークなプレイスタイルでゲームを楽しむことができる。
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フレーバー的側面でも宗教の影響は強く、サンクチュアリに招致できるNPCはなんと7つある宗教全てで外見や会話時の台詞が違う。
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2Dアクションゲームとしての楽しさ
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中盤以降、焼印による壁ジャンプと空中ダッシュの開放によりアクションの自由度が飛躍的に高まる。これらの組み合わせによりプレイヤーの行動可能範囲が広がり、ステージ進行と探索の面白さが大きく増す。
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終盤のステージはそれらをフル活用することを求められる、まさにアスレチックである。
賛否両論点
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対処の難しい厄介なタイプの雑魚敵がいる。
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画面内を高速で移動しながら攻撃してくる敵。
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プレイヤーのビルドにもよるがいちいちジャンプして攻撃する必要があり、攻撃を当てづらく、しかし被弾しやすく、分かっていても安定して対処することが難しい。中には移動中完全無敵になる敵もいる。
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しかも移動速度が早いため無視することができない。中盤の難所「ヘイガーの洞窟」はこのタイプの敵の巣窟であり、雑魚が鬱陶しい、ボスが強い、ボスまでの道のりが長いと三重苦である。PSV版ではさらにフリーズバグまである。
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拘束時間の長い掴み攻撃を行ってくる敵。
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掴み攻撃は威力が高いことが多く、一瞬触っただけでもアウトであり死亡要因となりやすい。単体なら注意深く回避することで対処も容易だが、複数で出現した場合が厄介。
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終盤は突進しながら掴みかかってくるようになる。「暗い森」に出現するスピンドルビーストは特に悪名高く、ガード不能の掴み攻撃でプレイヤーを「即死」させる(厳密には耐性無視の高ダメージ攻撃なのだが、普通にゲームクリアするのに必要なレベル以内ではほぼ確実に一発死するダメージとなる)。しかもこいつが「消える足場」の下に3体固まっており……
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余談だが、スピンドルビーストはネタとしても昇華しており、開発サイドはエイプリルフールに「すべての雑魚敵がスピンドルビーストになるパッチを当てます」と発言したことがある。
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ボス敵の対処法がワンパターンにもなりやすい。
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敵の攻撃方法は比較的バリエーションに富んでいるものの、そもそも2Dアクションであるため回避方向は基本的に前か後ろしかない。多くのボスは、攻撃パターンを覚えてドッジで背後に回り込めば対処できる。
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一部、複数で出現するボスや、空中ダッシュを駆使して回避する必要があるボスなどもあり、そういったボス戦では新鮮なアクションを楽しむことができる。
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本作最強ボスとしてよく名が挙がる「湖の魔女」は、ドッジだけでは避けきれない高速・高ダメージの魔法弾攻撃を持ち、ドッジ一本で凌いできたプレイヤーの鬼門になっている。
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極悪ストレスボス「人間ノ樹」
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ボス本体と同時にステージギミックにも対処する必要があり、多くのプレイヤーが詰まりやすい難敵になっている。
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触れると崩れる足場と、一定周期でバーナーの炎により踏み場が無くなる足場が設置された、縦に長いアスレチックステージで戦う。更にステージ両端には落ちれば即死の大穴が空いており、転落死狙いの吹き飛ばし攻撃も行ってくる。
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前半戦ではボスの身体に吊るされた鎌を投げる雑魚を撃破して回る必要があるが、ボスが不定期に放ってくる光線も含めて攻撃の軌道がすべて異なるため、完全回避はなかなか難しい。後半戦はボスの吹き飛ばし攻撃を避けつつ、足場を伝って弱点の頭部を狙う必要がある。
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転落死が頻発する巨大ボス戦という点で、『DARK SOULS』の「混沌の苗床」リスペクトであると思しい。
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ボス本体は斬撃耐性が高く、強武器とされる大剣に頼った戦い方をすると後半の追い込みで苦戦させられるが、直前のダンジョンで炎ダメージ100%軽減の盾が手に入り、これを装備すればバーナーの炎ダメージを完全に無効化できる。
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また、『メタルスラッグ』シリーズの鬼避け同様、段差を上り下りしている間はノーダメージなので、タイミングを合わせれば多くの攻撃を無効化できる。
これらの要素に気付けば安定して攻略できるようになるが、そこに至るまでは何度となく転落死と焼死を繰り返すことになる。
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中盤に急上昇する難度曲線
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上述の「人間ノ樹」の撃破後に挑むステージが「ヘイガーの洞窟」であり、難関に次ぐ難関という構成になっている。
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「人間ノ樹」がボスを務める「紅の牢獄」、その前の「嵐の城」も、高速でしつこく追ってくる浮遊敵「アンバー・スカル」が装備やステータス次第で脅威になりやすい。「嵐の城」のボス「クラウケン・ドラゴン」も全体に敵の有利時間が長めで、対策ができていないとジリ貧の展開が多くなる。
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この一連のステージを越えると、当面かなり難度が落ち着く。特にボスに関しては、基本的な立ち回りを押さえたプレイヤーなら労せず勝てる程度の相手が続く。山場を越えたカタルシスを味わえるデザインとも言えるが、その山場はプレイヤーをふるいに掛けるほどの難度であることも否めない。
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難易度を著しく低下させる、強力過ぎる装備が多い。
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上述の厄介な雑魚敵の性質などから武器は攻撃範囲が広いほど有利であり、特に最序盤で手に入る「大剣」が頭一つ抜けた性能をしている。最初のボスのドロップ品から強力な大剣が作れることもそれに拍車をかけている。
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重装備にすることで劇的に被ダメージが減少する。また、ドロップ品限定ではあるが大盾を装備すると構えている限り被ダメージが殆ど無くなってしまう。
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魔法使いはアイテムの揃っていない時期に苦しい戦いを強いられるが、装備・魔法が充実して火力を出せるようになる中盤以降は逆に攻略が簡単になりすぎてしまう。
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大剣や大盾などは救済措置として捉えられることも多く、これらの装備以外は使う価値がない、という訳ではない。例えばリーチの短い短剣には攻撃の速さと強力なコンボがあり、それらを活用することで独自の面白さを味わうことができる。
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技量武器がやや不遇
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ステータス「技量」で威力が伸びる武器には斬撃属性を持つものが多いが、本作の強敵には斬撃耐性が高いものが多い。
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そうした敵に有利な打撃属性を持つ武器は、技量武器には僅かしかない。対してステータス「筋力」で威力が伸びる武器には多く存在し、加えて筋力武器には大剣など攻撃範囲が広く衝撃値が高い(敵を怯ませる効果が高い)ものも多い。初見プレイで技量ルートを取るか筋力ルートを取るかは、ゲームの印象を変えるほどの選択になる。
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一方で弓矢や銃といった遠距離武器はすべて技量武器であり、これらを駆使するとまた違った攻略を楽しめる。技量武器は全体に重量も軽めであり、回避や移動スキルを駆使してテクニカルに戦うスタイルにも向いている。
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転落死が発生しやすい。
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道中には難しいジャンプ移動を要求する場面が多く設けられており、足場を踏み外して転落死することも多い。2Dアクションゲームで難度を確保するには当然の手法でもあり、一概に欠点とも言えないが、巧妙に配置された敵の妨害で転落させられるストレスフルな場面もあり、不評も少なくない。
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終盤には、全貌が一画面に収まらない消える床の連なりや、落ちる先が確認できない縦穴を進ませる場面もある。正ルートでも落下ダメージを回避できない場所もあり、難度の上げ方として雑だという批判も上がっている。
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金の使い道があまり無い。
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回復アイテムがサンクチュアリで無料補給される、装備品の殆どは拾って入手するため購入機会がほぼ無い、エンチャントアイテムに代わるアクセサリ装備「アミュレット」があるといった点で、金が必要になる場面が少ない。あくせく金策をする必要もない代わりに、使途が少なく少々味気ない。
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実害は大きくないが、貯まるほど死亡時ペナルティの1割が多額になるため、気分的には宜しくない。
問題点
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多少のフリーズバグが報告されている。特にPSV版にて顕著である。
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フリーズ以外にも「焼き印なしで大ジャンプ可能」「特定地形で壁抜け」「特定条件下で死亡時の復活位置を無理やり変更」など、探索要素のバランスを壊すバグがあり、対処がされていない。ただ、バランスを壊したところで1周クリアしたユーザーでもなければレベル不足やハマリに陥るため、上級者の遊びのバリエーションの範囲ではある。
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周回プレイにおいて焼印が引き継がれない。空中ダッシュの存在は移動の快適度にも直結し、焼印入手後に既にクリアしたエリアまで後戻りして探索することも2周目以降は単純に手間なため不評である。
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アイテムは入手順にインベントリに追加されていく仕様だが、ソート機能がない。インベントリは消耗品、素材、武器、防具といった大まかなタブ分けはされているものの、同一のものを並べる、防具を部位ごとに並べるといった整頓はできない。
本作は装備品が周回で溜まりやすいが、一見では所持数が分かりにくく、売却する際に地味に不便。
総評
2Dアクションにソウルライクな要素を融合させ、よりアクションや探索の面白みを増した作品。
多少の粗は感じられるもののインディーズゲームとしては破格の完成度であり、値段以上の楽しさを得ることができる良作といえるだろう。
その後の展開
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本作の続編『Salt and Sacrifice』が2022年5月10日にPS5/PS4/Winで発売された。2023年11月7日にSwitchで発売された。Win版はEpic Games Store独占販売となっている。
最終更新:2024年06月20日 16:00