勇者のくせになまいきだor2
【ゆうしゃのくせになまいきだ つー】
| ジャンル | ダンジョン・マネージメント |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 
| 開発元 | アクワイア | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 発売日 | UMD版:2008年10月16日 ダウンロード版:2008年10月16日
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| 価格 | UMD版:3,980円(税込) ダウンロード版:2,200円(税込)
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| 判定 | 良作 | 
| バカゲー | 
| ポイント | パロディ要素・戦略性共に前作からパワーアップ 一方でバグも増加
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| 勇者のくせになまいきだシリーズ | 
| PlayStation Studios作品 | 
 
概要
前作のヒットを受けて調整・新要素を加えて作成された続編。
基本システムはほぼ前作のものを受け継いでいるが、新たな要素が多数追加されている。
ちなみに「or2」の読み方は一応普通に「つー」でいいらしい。
新要素・特徴&評価点
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ストーリーモードがエリアクリア式に変更された。
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エリアをクリアするたびに前のダンジョンの内容は全てリセットされる。
 
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主な新要素
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「ダンジョンクエイク」
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掘パワーの新しい使い道として「ダンジョンクエイク」が登場。掘パワーを20消費してダンジョン全体に地震を発生させる事ができる。
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勇者をたまに気絶させたり、勇者の設置物を壊したり、勇者の変装を解いたり、魔物の進行方向を混乱させたり、下記の突然変異を止めたりと、様々な効果がある。
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前作では戦闘が始まれば見守るか、新たに魔物を作るしかなかったが、これによりタイミングよく勇者を気絶させボコることも可能に。
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ちなみに、頭文字をとると「DQ」となる。これも狙ったものかは定かではないが…。
 
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「突然変異」
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魔物を進化&変化させる新システム。ほとんどリザルト画面でレベルアップさせるだけだった前作と違い、「あえて魔物たちを追い込むような行動を取る」ことでストレスを与え、ダンジョン攻略中にも随時進化を促す事ができるようになった。
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突然変異が起きるたびに魔物のレベルも上がるので、1ステージ目からいきなり魔物を進化させることが出来たり、進化に使うはずだった掘パワーの節約が出来たり、ついでにステージ評価も上がったりで、使いこなす事でさらに強力なダンジョンの作成が可能に。
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ただし、最高レベルの魔物が変異すると最低レベルに戻ってしまうので注意。
 
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新たな魔物
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突然変異システムの追加により、「勇者に殺させる(もしくは自分で間引く)」「餓死させる」「捕食される」といったストレスの違いによりその進化が派生。
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突然変異で生まれる魔物たちには以下の種類がある。
    
    
        | + | 今回の目玉・派生種たち | 
基本種
前作の魔物と同じ外見をしている。勇者に倒されたりつるはしで間引かれるとこの種になる。
性能は至って平均的。だが、巨大種に次ぐ戦闘力と簡単な繁殖ルーチンで「増やせる戦力」として侮れない性能を持つ。
異常種
天敵による捕食が多くなると発生。新しいパーツが追加された外見になることが多い。
能力は全体的に落ちるが、天敵に対抗するためか特殊な状態異常を引き起こす能力を身に着けることができる。
攻撃力等が基本種よりも落ちる場合が多いのがネック。身につけた特殊能力を上手く活かしたいところ。
巨大種
食料の不足により発生。名前の通り非常に大きな外見をしている。
攻撃力・生命力共に高く、単騎で勇者に対抗できるモンスターもいるほどだが、繁殖のために同族を吸収(やや異なる意味の捕食)する必要があり、数を増やしにくい。
また、仲間を吸収するたびに能力が高まる特殊能力も備えている、はずだが…(後述)
ピュア種
突然変異を起こしたにもかかわらず、環境に改善が見られないとき…つまり同系種への変異を行った時、失敗扱いとなり、そのお知らせとして現れる。基本種と同じ姿。
能力は低く、繁殖、捕食も行わないため、戦力としては論外。純粋に魔物からの悲痛なメッセージであると言える。
レア種
魔物の種類ごとに決められた特殊な条件を満たすことで生まれる。
条件が厳しいだけに、その能力は高い。
ちなみに、ドラゴン種はレア種にしか派生しない。
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これらの登場により、自由度が大幅アップ。多彩なダンジョン形成が出来るようになった。
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ついでに魔法陣から生まれる魔物も新規種族が追加。魔法陣を作る階層で使い分けが出来る。
    
    
        | + | 新種魔法陣 | 
ゴーレム
緑色の土から作った魔法陣から誕生。トカゲおとこを捕食する。生命力と攻撃力に優れ、さらにつつくと一定時間全ての魔物の攻撃力を高める雄たけびを発することができる。しかし実際には…(後述)
レディ
青色の土から作った魔法陣から誕生。リリスを捕食する。存在するだけで勇者のモチベーションを下げてしまう。一応遠距離攻撃も可能だが、勇者が近づくと隠れてしまうため、それほど期待はできない。
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ダンジョン構成の新顔「キノコ」も追加。
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養分キノコ、魔分キノコの2種類があり、魔物達の万能な餌となるほか、つついて壊して土に分散させる事も出来る。
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周りに土が無い状況で放出された養分・魔分を元にして発生するため、養分の循環に無駄がなくなった。
 
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勇者の強化
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新しい職業「ハンター」「錬金術師」が登場。
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「ハンター」は新たに毒や爆発樽といった罠を仕掛けてくるほか、魔物に変装してターゲッティングを逃れるなどの戦法を採ってくる。
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「錬金術師」は異常にリーチの長い攻撃を仕掛けてくるほか、ダンジョン内の魔分を勝手に使って勇者専用の魔物を召喚してくる。敵の魔物はツルハシで間引く事ができないのでいやらしい。
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おまけでDLストーリー専用の追加職も。
 
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また、他の勇者も新スキルセーブフラッグを会得。
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勇者達が不埒にもダンジョン内に設置して行く。パッと見ただの黄色い旗だが、これがあると、勇者を倒しても旗のあるところから体力全快で復活というとんでもないことになる。見かけ次第撤去しておきたい。
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魔王曰く「勇者のきろくなぞ、サッサと消しさるにかぎります!お気のどくそうなカオさえしとけば、ごまかせます!」とのこと。おいやめろ。
 
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また勇者の出現パターンに「勇者ラッシュ」が追加。先に入ってきた1~3人を全滅させても準備期間が発生せず、次から次へと新勢力が沸いてくるステージが追加されたことにより、いつもとは違ったダンジョン管理が必要となる。
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ついでに勇者達が何か行動するたびに、ニコニコ動画のごとく台詞を発する「一言コメント」が導入され、バカゲーぶりup。台詞が鬱陶しいようであればOFFにもできる。
 
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その他の新要素
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突然変異の予兆や勇者の襲来を知らせてくれるインフォメーション「天の声」、ダンジョンを構成する魔物の割合をリアルタイムで表示するバー等が追加されており、前作よりも判りやすい工夫がされている。
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新モード「魔王の部屋」
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掘パワー無限、勇者襲来による時間制限無しで好き勝手できる。いわゆるトレーニングモード。
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地中の養分・魔分の量や発生させる魔物(本編で生み出したことのある魔物限定)なども設定でき、色々な実験や戦略の組み立てができるほか、魔物の生活の様を観察したり、ネタプレイに走ったりも出来る。
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本編で倒した勇者に好きなパーティーを組ませて、襲いに来させることもできる。
 
 
評価点
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前作よりさらに高まった戦略性。
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特に突然変異は大きい。前述の通りのメリットがある一方、最高レベルの時にはむしろ起きて欲しくない他、狙っている戦術との相性が悪い種が誕生することもあり、一方的に有利な変更点ではなくなっている。
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またエリアにより各魔物の初期状態は異なるため、新しいエリアでは新しい戦略が求められる。
 
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前作よりさらに高まったバカゲー度。
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一言コメントは、前作ではただの蹂躙者であった勇者たちの心の声を知ることができる。
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ずかんも全面的に書き直されている。前作から続いているネタもあり、前作を知っているとさらに面白い。
 
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ボリュームが増えている。
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ステージ数は合計40ステージで、前作の表裏合わせて16ステージから大幅に増加している。
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さらに前作の表、裏それぞれのクリアデータがあると、表、裏の勇者全てによる勇者ラッシュが解禁される。当然、裏ラッシュの最後は前作で驚異の強さを見せつけた「ああああ」である。
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トレーニング、チャレンジも前作同様充実。トレーニングでは新要素の突然変異を演習を行いながら学べる。もちろん基本の講習も備わっているので、今作から始めても安心。
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有料だが、ダウンロードステージも存在する。いずれも本来のストーリーとは一味違った変わり種ぞろいである。
 
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魔王の部屋。
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普段はなかなかわからない魔物たちの生活をじっくりと観察できるようになっている。
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前作にも同様のものはあったが、チャレンジを最後まで進める必要があった上、本作ほどの自由度はなかった。しかし本作では最初からプレイ可能であり、各種設定の変更、状態の保存などにより、自由度が非常に高い。
 
 
賛否両論点
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やり応えにも繋がるが、やはり難易度は高い。
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とはいえ今回はエリアごとに分けられているため、始めの方のエリアならばそんなに苦労せずにクリアできるはずである。
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ただし、最終エリアの難易度は前作の裏モードを上回ると言われる。そしてラストステージでは前作の悪夢も上書きされるような鬼畜パーティが存分に暴れまわってくれる。
 
 
問題点
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「突然変異」の分かりづらさ。
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かなり細かい幾つかの変異条件があるのだが、どれをどの程度満たしているか等は一切表示されないため、非常に分かりづらい。
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最大のネックは「誕生してから一定時間経たないと死亡数にカウントされない」という点。魔物の種類ごとに細かく規定時間が違う上に、それらの表示も無いため管理も分析もたいへん難易度が高い。
 
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また条件のヒントなども無いため、初見では分かりづらい(現在は攻略も進み詳細な条件が判明しているが)。
 
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バグがなくなるどころか増加している。
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前作のサたーん、ハイサたーんのバグが修正されていない上、「特定の操作で掘パワーが増加する」「巨大種の魔物の能力が融合しても上がらない」「ゴーレムの特殊能力が発動すると、攻撃力が上がるどころか激減する」などのバグが追加。
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掘パワー増加バグ以外、不利に働く上に回避不可能な物ばかりというのが痛い。一応巨大種はデフォルトでもそこそこ強いし、ゴーレムは生命力と攻撃力に優れるため、最初から特殊能力がないものと割り切れば、サたーん、ハイサたーんよりはまともに使えるが…。
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ちなみにこれらのバグは次作の『3D』で自虐ネタになっている。
 
 
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戦略性
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やっぱり使えるコケ地獄
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コケのステータス調整などはされたが、威力はやっぱり相変わらず。勇者にも高威力&広範囲の攻撃スキルが追加されたが、使わせなければ別に問題は無い。
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ただ今作も意図しなければ発生しないので気になるようならば封印は楽。
 
 
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ダンジョンクエイクの連打
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突然変異の存在も相まって後半は掘パワーが余ることが珍しくなくなり、ダンジョンクエイク連打でごり押せる事も。
 
総評
全体的なボリュームが増えた上に、新要素により戦略性も向上。
魔王の部屋の登場により、「魔物たちの生活する様子を観察するビオトープを作り上げる」という楽しみ方も加わり、ステージをクリアしたらそれで終わりとならなくなっているのも良い。
バカゲーとしても(良い意味で)悪化しており、総合的な完成度は高いと言えるだろう。
余談
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本作では、勇なまシリーズ初の有料DLCが販売された。
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パックは『魔王のいない日』『NO MORE CHRISTMAS!』『わたしは「しょうた」』の三つ。それぞれ5%税込300円で、難易度も高め。
 
最終更新:2024年11月18日 06:07