エレクトロプランクトン
【えれくとろぷらんくとん】
| ジャンル | メディアアート |  | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | インディーズゼロ | 
| 発売日 | 2005年4月7日 | 
| 定価 | 4,571円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | なし | 
| レーティング | CERO:全年齢(全年齢対象) | 
| 備考 | オリジナルヘッドホン同梱 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | Touch! Generations第1弾 ゲームに落とし込んだメディアアート
 プランクトンは可愛らしい
 行き届いた割にボリューム不足
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| Touch! Generationsシリーズ | 
 
概要
伝説の子供番組「ウゴウゴルーガ」のCGや、第17回現代日本美術展大賞を受賞した「時間層II」などの作品で知られるメディアアーティストの第一人者、岩井俊雄が制作した初のメディアアートの環境ソフトゲーム。
メディアアートとは電子機器やコンピュータなど、テクノロジーを利用したアート作品のことを指す。
日本における「Touch! Generationsシリーズ」の第一弾(海外では『nintendogs』が初)。
特徴
画面内に生息している「電子プランクトン」をタッチしたり、マイクに音声を吹き込むことで、個性的な音とリアクションを楽しむ。
簡単に説明するならば、簡易的なサンプラーや電子楽器の要素を取り入れた雰囲気ゲー。
電子プランクトン毎に異なる遊び方が用意されている。全部で10種類。
トレーシー
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三角形の形をした電子プランクトン。
 黄色・緑・水色・瑠色・桃色・赤の6色。タッチペンで書いた線を走る。
ハネンボウ
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オタマジャクシ様な姿で草花の上を飛び回る。
 葉の上に乗ると色が変わり、全て赤に変わると花が咲く。
ルミナリア
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8つの刺が付いた電子プランクトン。
 赤・黄色・水色・黄緑の4色。
 矢印をタッチすると向きが変わり、動き出す。
 色によって速さが異なり赤・黄色・黄緑・黄色の順番で早くなる。
タイヨウチュウ
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太陽の様な姿の電子プランクトン。
 タッチで卵を置くと音を流しながら育つ。
 時間が経つと夜になって三日月の「ミカヅキモ」になる。
レックレック
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魚の様な電子プランクトン。
 桃色・黄色・水色・黄緑の4色。
 音を録音し、リズムに合わせる。
ナノカープ
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マスコットキャラ的存在のクリオネの様な電子プランクトン。
 手拍子や声等の音に反応して、円やウェーブ等の並び方に整列する。
ヒカリノワ
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丸い輪の様な電子プランクトン。
 タッチで回すと色が変わり、音が鳴る。ヒカリノワの位置や回転の方向によって赤・黄緑・水色・紫の色に変わる。
マリンスノー
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雪の結晶の様な電子プランクトン。
 六角形・三角形・四角形・五角形の四種類が存在する。
 種類によって音が異なり、六角形はピアノ、三角形は鉄琴、四角形はオルゴール、五角形は金属系のやわらかく高い音がする。
ツリガネムシ 
ボルボイス 
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声を録音する電子プランクトン。
 姿は全部で16種類。逆再生を初めとする声を加工する性質を持つ。
評価点
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グラフィックと演出
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メディアアートの名に恥じない、DSの性能を存分に発揮したグラフィックや演出が秀逸。
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色合いが増えた事で、色が細かく変化したり、スプライトが増えた事で時代の新しさを感じさせている。
 
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また岩井作品らしく「音」の要素も拘られている。初回版にはオリジナルヘッドホンを特典に付ける気合いの入れよう。
 
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電子プランクトンの操作が簡単
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ハネンボウを狙ったところに飛ばすには多少細かい操作が要求されるが、然程難しいものではない。
 
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いつでも触れられるメディアアート
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メディアアートは(制作当時の)現代のテクノロジーを利用したアートという性質上、経年による機材の劣化を防いでそのままの状態で長期間展示保存する事が極めて難しく、短期間のみの展示で以降は映像や写真の中でしか鑑賞出来なくなるのが常であった。
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本作はメディアアートを家庭用ゲーム機という媒体に落とし込むことにより、少なくとも今後30年程度の作品の保存と鑑賞する環境作りを実現している。
 
賛否両論点
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雰囲気ゲーである事
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本作はあくまでもメディアアートであり、音ゲーや作曲ソフトではない。
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触れるアートとして楽しめるかどうかが評価の分かれ目と言える。
 
問題点
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登場する電子プランクトンは10種類のみでボリュームが少ない。
総評
「Touch! Generationsシリーズ」の原点。
ゲームという媒体を使った芸術作品のような物で、メディアアートをゲームに落とし込んだ功績は大きい。
しかし、ゲームとしてはボリュームが少なく、すぐに飽きてしまう人も多い事だろう。
演出や電子プランクトンのデザインに魅力を感じる人であれば、遊んでみる価値はあるかもしれない。
余談
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実は岩井氏と任天堂が手掛けたゲームという媒体でのメディアアート作品は本作が初ではない。
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当時からメディアアートの保存方法としてゲームに注目していた氏は、1994年にも『サウンドファンタジー』というSFCソフトを共同で開発しており、本来ならこれが世界初のゲームというジャンルでのメディアアートであった。
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しかし任天堂が要求するゲーム性と、あくまで岩井氏の追求していたメディアアートは最後まで折り合いが着かず、発売直前になって開発中止となってしまった。
 
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本作でメディアアートの保存方法の1つの答えを出した岩井氏であったが、その後は急速に活動の規模が縮小し、2007年に発表した作品「TENORI-ON」を最後に、メディアアーティストとしては表立った活動をしていない。
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2009年にDSiウェア用ソフトとして各200DSiポイント(税5%込)でバラ売りのダウンロード販売が行われた。
    
    
        | + | DSi版の詳細 | 
名前の変更トレーシー→トレーピー
 ハネンボウ→ハネンボン
 ルミナリア→ルミナリアン
 
発売日7月8日 トレーピー・ハネンボン・ナノカープ・ツリガネムシ
 7月22日 レックレック・ヒカリノワ
 8月5日 ルミナリアン・タイヨウチュウ
 8月26日 マリンスノー・ボルボイス
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最終更新:2023年09月01日 21:38