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依頼内容はオンラインモード「カオス自警団」の項目に関する加筆です。
Sunset Overdrive
【さんせっと おーばーどらいぶ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Xbox One Windows
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発売元
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Microsoft Studios(現:Xbox Game Studios)
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開発元
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Insomniac Games Blind Squirrel Games(PC版移植)
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発売日
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2014年10月30日(One) 2018年11月17日(PC)
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定価
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7,452円(One) 2,050円(PC)
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プレイ人数
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オフライン 1人 オンライン 2~8人
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レーティング
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CERO:D(17歳以上対象)
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廉価版
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2015年10月15日/3,132円
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判定
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良作
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バカゲー
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ポイント
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ルールなんざぇよ。暴れてナンボだ! 爽快感抜群のアクションとおバカな世界観
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概要
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『スパイロシリーズ』や『ラチェット&クランクシリーズ』などで知られるインソムニアックゲームズが手掛けるオープンワールドアクション。セガの『ジェットセットラジオ』のように、都市を縦横無尽に駆け回ることができる高いアクション性が特徴。
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上記シリーズに代表されるように、これまでソニーがパブリッシャーを担当するケースがほとんどだったインソムニアックゲームズが、競合相手であるマイクロソフトをパブリッシャーに据えて製作されたという点も話題を呼んだ。
あらすじ
西暦2027年。アメリカのとある都市、サンセットシティ。
この街を牛耳っている大企業フィジコは新商品であるエナジードリンク「オーバーチャージ」の製品発表先行試飲パーティーをこの街で催していた。
しかし、「オーバーチャージ」を飲んだ人々は凶暴なミュータント、OD(オーバードリンカー)へと変貌してしまった!
パーティーで清掃員をしていた主人公は難を逃れ、サンセットシティからの脱出を試みる…
特徴
ゲームの流れは一般的なオープンワールド同様、マップ上の特定のポイントへ行ってクエストを進行していくというもの。戦闘に関しては、TPS形式となっている。
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トラバーススキル
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プレイヤーの移動に関するアクションの総称。電線やガードレールなどの上を高速で滑る「グラインド」、車などに飛び乗り大ジャンプする「バウンス」、壁に張り付きながら走る「ウォールラン」、空中でダッシュする「エアダッシュ」などがある。これらを使いこなして、サンセットシティを自在に駆け回ることが本作のゲーム性の根幹を成している。
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戦闘
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サンセットシティではミュータントの他にもギャングやフィジコのロボットが襲ってくる。彼らに対抗するためにプレイヤーも武器を取って戦うわけだが、本作の敵は数が多い上に正確にこちらを狙ってくるため、普通に戦っていてはあっという間にやられてしまう。そのため、上記のトラバーススキルを駆使して高速移動しながら戦闘するのが基本となる。
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武器については、敵に当たると炎上するショットガンや酸を撒き散らすスプリンクラー、テディベア爆弾など個性豊か。
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アンプとスタイルレベル
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アンプは他のゲームで言うところの装備品であり、様々な特殊効果を得ることができる。装備しただけでは発動せず、後述のスタイルレベルに応じて発動する。
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アンプはクエストクリアによる報酬のほか、コレクトアイテムを消費して入手する。
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プレイヤーの能力を向上させるヒーローアンプ、武器に装備する武器アンプ、近接攻撃を強化する近接攻撃アンプ、広範囲の敵にダメージを与えるエピックアンプがある。
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トラバーススキルを連続で決める、または敵を倒していくとコンボカウンターが蓄積され、スタイルゲージが溜まっていく。このゲージが一定以上溜まると、スタイルレベルが段階的に上がっていく。コンボは地面に落ちると途切れてしまう。
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最大レベルは4で、ゲージは何もしないと徐々に無くなっていく。このスタイルレベルに応じて、アンプの効果が発動し、BGMが流れ出す。レベル1でヒーローアンプ、2で武器、近接攻撃アンプ、3でエピックアンプが発動する。
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オーバードライブ
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オーバードライブはアンプと似たような装備品だが、スタイルレベルに関係なく発動するという点で異なる。
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特定のトラバーススキルを複数回使ったり、特定の武器種で敵を倒し続けるなどで手に入るバッジを消費して入手する。
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武器の威力や弾数の強化、スタイルレベル上昇の補助などの効果を持つ。
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クエストとチャレンジ
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ストーリーを進行させるためのミッションの他に、本筋から外れたストーリーを扱うクエスト、限られたエリアでミニゲームに挑戦するチャレンジがある
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クエストではアイテム収集や敵の殲滅などをこなしていく。報酬は武器、アンプ、衣装など様々。
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チャレンジではタイムアタックやスコアアタック形式でアイテム収集や敵の殲滅、レースなどをこなしていく。報酬はスコアが良くなるほど良いものになる。オンライン上でスコアを競うこともできる。
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買い物
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買い物のための通貨はオーバーチャージ、ドル、収集品の3種類がある。収集品は更にバルーン、ネオン、靴、トイレットペーパー、監視カメラの5種類がある。
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オーバーチャージは武器、弾薬、収集品のマップに、ドルは衣装や近接武器のスキンに、収集品はアンプを購入するのに使う。
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その他
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この手のゲームとしては珍しくゴア表現と下品な表現をオフにできる。
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Saints Rowシリーズ同様に主人公のカスタマイズが可能。服装、髪型、顔付き、髭などが自由に組み合わせられる他、性別も変えられるので女主人公でもプレイできる。
おバカな点
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このゲームの世界観はミュータントの大発生によって崩壊した街を舞台にしたいわゆるアポカリプス物なのだが、そういった作品にありがちな悲壮感といったものは全く無い。全編メタネタ、パロネタまみれでストーリーは進行していく。
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そもそもエナジードリンクを飲んでミュータントと化すという時点でどこかおかしいが、こんなものは序の口。
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「おいxbox、ちゃんと録画しとけよ!」だの、名前を聞かれて「マルチプレイなら頭の上に出るんだろうけど、自分には見えないから分からない」などとのたまう主人公。
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どこからともなく聞こえてくる謎のナレーション。ゲームのシステムを解説してくれる他、このナレーションが主人公を褒めるだけのアンプまである。
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メタネタの極致とも言えるのがラストミッション。
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その内容
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のっけから主人公が「どうせ死んでもリスポーンできるから気楽に行こう!」などとのたまう。最後は倒壊したフィジコ本社の瓦礫に巻き込まれ、主人公は死んでしまう…かと思いきや、スタッフロールに主人公が乱入し、「こんなエンディングじゃフォーラムで酷評されるぞ!」と文句を言って復活し、その直後に登場する真のラスボスと対決するというもの。
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パロネタも豊富。特にリスポーンシーンはテレビから這い出る、どこかで見たような銃で華麗に登場したり、どこかで見たような卵の殻を破って誕生したりとやりたい放題。
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ただ、アメリカのゲームなので日本人にはピンと来ないパロディも多い。
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ここまで来ると、日本版パッケージ裏のルールなんざぇよ。暴れてナンボだ!という誤植もわざとやっているのではないかと思えてくる。
評価点
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アクションの爽快感
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本作の何が面白いか、と問われた時に真っ先に挙がるのがこの部分。トラバーススキルを駆使してサンセットシティを縦横無尽に駆け回ることができ、爽快感抜群。ファストトラベルは存在するものの、使わずともストレスがないほどである。
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トラバーススキルはいわゆるパルクール的なものなのだが、本作での挙動は明らかに現実離れしたものである。バウンスでは一挙にビルの3階ぐらいまで大ジャンプするし、エアダッシュなどは何故そんなことができるのか一切説明なしに空中ダッシュできる。しかもどんなに高い所から着地してもダメージが無いどころかひるみもしない。
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特徴の項で述べたように、戦闘中もこうした高速移動が要求される。縦横無尽に動き回って敵の群れを翻弄し、派手な武器で一気に殲滅するのはこれまた爽快感抜群。
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チャレンジや収集品集めといった作業的な要素も、こうしたアクションの爽快感によってだれずに進められる。
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ユーザーフレンドリーな要素の数々
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こうした激しいアクションとなると敷居が高いように思えるかもしれないが、全体的にユーザーフレンドリーな作りになっておりかなりとっつきやすい。
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トラバーススキルは多くがXボタンひとつで発動できる上、自分のいる地形に合わせて自動で適したスキルを発動してくれる。特に基本であるグラインドについては、Xボタンさえ押していれば多少着地点がズレていても自動で補正して着地してくれる。着地自体も着地点をマーカーで表示してくれるので思ったところに着地しやすい。Aボタン押しっぱなしで自動的に断崖を登ってくれるのもありがたい。
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トラバーススキルを使用するには基本的にオブジェクトが必要なのだが、オブジェクトが無くてコンボが途切れるという心配が無いほどマップの密度が濃い。
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しかもこれだけ激しく3D空間を動き回るゲームであるにもかかわらず、酔いにくい作りになっているのも秘めたる評価点といえる。
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ロードについても、オープンワールドとしては短い部類に入る。
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BGM
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パンクでまとめられたBGMについてはいずれも世界観にマッチしていて好評。単にクオリティが高いだけでなく、使い方も優れている。
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普段BGMは流れていないのだが、スタイルレベルが1になるとBGMが流れ始める。さらにスタイルレベルが上がっていくとボーカルも入ってくるようになる。つまり、ゲームの盛り上がりに合わせてBGMも盛り上がっていくのである。
賛否両論点
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オープンワールドとしては目新しさに欠ける
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このゲームのコンテンツはストーリーを追っていくミッションにそれを補完するクエスト、ミニゲームであるチャレンジ、収集品集めなど、結局のところオープンワールドゲームのテンプレをなぞっているだけであり、真新しさに欠ける。
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武器も「リボルバー」や「アサルトライフル」などがあるもののそれ以外はデッドライジングシリーズで見たような日用品をゴテゴテくっつけた武器ばかり。
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やっている事自体はテンプレとはいえ、主人公の自在なアクションによってコンテンツ一つ一つが面白いものになっているので、気にならない人にとっては気にならないものと言える。
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体術や格闘要素が貧弱
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トリックを決めて高速で移動しながら銃撃が基本戦術のゲームなのか、格闘や接近戦が物足りない。手持ちの武器で3連続コンボ、グラインド中の格闘、前転に攻撃判定を発生させる「ダメージ・ドッジロール」。「バウンス」から急降下して着地地点周辺に攻撃を加える「ダイブ・ボム」などがあるが、これだけである。相手を掴んで他の相手へ投げ飛ばしたり、ダメージを受けてフラフラになった怪物に残虐で容赦ないトドメの一撃を喰らわせるといったことは出来ない。続編に期待か。
問題点
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マップがやや狭い
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マップはオブジェクトが濃密に配されている代償なのか、少し狭め。縦方向にも広がりがあるため、マップを見た印象よりは広く感じるが、主人公の機動力が桁違いなため結局狭い感じがするのは否めない。
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稼ぎにくい
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収集品については数が決まっているため問題ないのだが、オーバーチャージとドルについては敵を倒したりして自力で稼ぐ必要がある。しかし、敵を倒しても大した量を落としていかない。
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クエストやチャレンジをこなせばまとまった量が手に入るのだが、入手可能なのは初回のみ。それで足りなければ地道に稼ぐしかない。
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キャラクターメイキング
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衣装については豊富なので問題ないが、顔や体型はプリセットされたものを選択する形式で、細かく弄れない。
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特に体型については男女2種類ずつの4種類しかない。
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バグ
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オープンワールドにバグは付き物だが、ご多聞にもれず本作もバグが多い。
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女主人公のボイスがいきなり男のものになるなんてものはまだいいが、壁の中に閉じ込められる、クエストが進行しなくなる、敵がいきなり死ななくなるなど厄介なバグは多い。
総評
数あるオープンワールドの中でも、主人公の圧倒的な機動力によって抜きん出たアクション性を誇る本作。
一方でメタ、パロディに溢れたバカゲーとしての一面も持ち、超人アクションと併せ、そのぶっ飛びぶりは本作以前に発売されたオープンワールドバカゲー『Saints Row IV』といい勝負である。
アクションとギャグ、どちらを期待しても満足できるであろう名作といえる。
後の展開
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2018年11月16日にPC版がSteamとMicrosoftストアにて配信開始。移植はBlind Squirrel Gamesが担当。価格はどちらも2050円(税込)
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2019年にはインソムニアックゲームズがソニーに買収され、SIEワールドワイド・スタジオの一員となった。
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2021年には本作がSIEに商標登録されたことが判明。その時のインタビューにて同社クリエイティブディレクターのマーカス・スミス氏は、本作のPlayStation版のリリースについて「止めるものは何もない」と語っており、ソニーハードでの発売に期待が高まっている。更に氏は続編の製作にも意欲を見せている。
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各種相違点等について
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PC版の対応OSについてMicrosoftストアでは「Windows10のみ」となっているが、Steamでは「Windows8以降」になっている。但し、本作で使われているのはDirectX11なので表記のOSに合致していて、かつ動作環境を満たしていれば問題はない。
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字幕やUIは日本語に設定可能だが、音声は英語(XboxOne版と同じ)。
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解像度は5K(5120×2880)まで設定可能。フレームレートも60fps動作は当然ながら「無制限」に設定することも可能。但し、テクスチャ等を含むグラフィックデータはXboxOne版をそのまま流用しており、シャドウマップの解像度も元のままなのでフルHD以上の解像度にするとジャギー等が目立つ部分もある。
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マウス+キーボード操作に対応しているが、最適化はされておらずマウス操作で妙な加速がかかったり強制的にオートエイムが働くため、基本的には360かOneのコントローラーでのプレイを推奨。
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追加シナリオDLCである「Mystery of the Mooil Rig(邦題:「モーオイル・リグの謎」)」と「Dawn of the Rise of the Fallen Machines(邦題:「没落ロボットの台頭」)」の2つは最初から収録されている。
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XboxOne版ではデフォルトで収録されているマルチプレイモード、「Chaos Squad(邦題:「カオス自警団」)」が削除されている。XboxOne版の段階でも本モードでのマッチングがし辛かったり、協力プレイではなく対戦プレイの側面が強かったことから評判も芳しくなかったため、移植における各種コスト等との折合いがつかないと判断されたのか、PC版はシングルプレイオンリーとなっている。
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Windowsのユーザー名に日本語が含まれているとセーブに失敗する場合があるため注意。また、特定のウイルス対策ソフトを使用していると起動しないトラブル報告も出ている。
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最終更新:2022年02月28日 09:14