閃乱カグラ Burst Re:Newal
【せんらんかぐら ばーすと りにゅーある】
ジャンル
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爆乳ハイパーバトル(アクション)
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対応機種
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プレイステーション4 Windows 7~
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発売元
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マーベラス 【Win】:XSEED、Marvelous USA, Inc.
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開発元
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タムソフト
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発売日
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【PS4】2018年2月22日 【Win】2019年1月23日
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定価
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【PS4】 通常版:6,980円 限定版:10,810円 DL版:6,980円 【Win】4,100円+税
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:D(17歳以上対象)
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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『EV』を準拠した『紅蓮の少女達』のリメイク 単純に成り下がったアクション 過去作の流用や劣化も目立ち気味 操作についてはアップデート込みで比較的良好
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閃乱カグラシリーズ
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概要
評価・改善点
アクション
現バージョンでの仕様を記載する。
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EVで改悪されまくった技の硬直は大きく軽減され、『SV』ほどではないものの自由度を取り戻した。
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キャラクターを成長させることで、空中でガード、及び弾きが可能になった。
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空中での被弾を抑える…ことがメインだが、この仕様の真価はそこではなく空中での機動力を増やせる点にある。
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空中での攻撃をキャンセルすることが可能だが、技の使用回数も回復するためその気になれば空中で攻撃し続けることも可能。
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2段ジャンプ後に空中で×ボタンを押すことで、地上へ一瞬で着地する技が追加された。
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ただし、ジャンプが可能な状態でないと硬直はキャンセルできない。
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敵が攻撃する際は攻撃範囲にエフェクトが出るようになり、回避や弾きがやりやすくなった。しかもガード可否(どちらも弾きは可能)が色の違いによって判別できる親切設計。
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弾きの受付時間緩和、ガードキャンセルがやりやすくなったことにより、より相手の攻撃を的確に対処するゲーム性が生まれた。
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敵の攻撃を受ける直前にガードすると発動する「弾き」が強化された。前作までは弾ける攻撃の方が少なく敵を巻き込める範囲も狭い等性能が非常に悪く使いどころが少なかったが、今作ではほぼ全ての攻撃を弾く事が可能になり巻き込み範囲も広く確実に敵を気絶させられる等、非常に使い勝手がよくなった。
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ボス敵は防御も弾きも不能かつ発動中は無敵の必殺技(秘伝忍法)を使い放題という理不尽な仕様がなくなった。前述のとおり攻撃は全て弾き可能になり、秘伝忍法中も無敵ではなくなったので戦いの駆け引きを楽しむ事が可能になった。
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以上の点により、空中での機動を絡めたキャラクターを動かす面白さは『SV』どころか、草刈りゲーの中でも上位クラスに入る。
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訓練所(トレーニングモード)の追加
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好きな雑魚を召喚して、動きの確認やコンボといった練習が可能。
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この手のアクションゲームにしては設定が充実しており、ほぼ全てのステージ選択が可能、ゲージや変身の状態も調整可能、さらには敵の無敵化と行動停止かが可能と練習に必要なものは一通り揃っている。
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ロックオンがR2ボタンで使用できるようなり、使いやすくなった。
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バーストモードが追加。L2ボタンの広範囲攻撃はそこそこ気持ちいい。
その他
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フレームレートは安定して60fps出ているし、処理落ちもなし。
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とはいえ、『EV』は敵が多数出ても高フレームレートを出して多少のコマ落ち程度という点を考慮すると、純粋に評価点といえるかは怪しいが。
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学校ごとのシナリオの使用可能キャラクターの制限が撤廃。『真影・紅蓮』両方のシナリオを全てのキャラクターで楽しめる。
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原作で問題だった忍部屋に戻れないという仕様もほぼ撤廃され、詰み辛くなった。
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成長の秘薬と呼ばれるアイテムの追加。このアイテムを使用することで出撃させることなくレベルアップが可能。
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『EV』の使い回しとはいえ、原作に実装されていなかった真影の飛鳥が追加され、ストーリーにも絡む。
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紅蓮編のラストの演出が強化された。
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ボス4連戦だが原作では元キャラのモデル違いだったのに対し、本作ではNPC専用エフェクトが追加、最後に至ってはラスボスに相応しく仕様そのものが変更されている。あと結構強い。
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更衣室で肌の色を色白から色黒まで選べることが可能になった。日焼け跡も付けることが出来る。
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肌が黒い飛鳥、肌が白い焔、という面白い姿も見られる。
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最近のゲームにしては珍しく説明書が厚い。特別面白いわけではないがありがたく読もう。
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トロフィーコンプリートは非常に楽。入門用にお勧めできるほど。
入門用ってそういう意味じゃねえから
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絶・秘伝忍法はストーリーを進めないと解禁されなくなったが、オプションから解禁できるようになっている。
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ただし、一度オプションから解禁すると再封印は不可能なので、ストーリーが台無しになる。よくよく考えるべし。DLCストーリーの深淵も絶・秘伝忍法がストーリーに関わるので注意。
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飛鳥と焔(の中の人)のデュエットによる新規OP曲『燐廻』は、刹那を懸命に生きる忍らしい疾走感のあるナンバー。作中での使われ方も相まって評価が高い。
賛否両論点
閃属性
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閃属性(変身前の状態)の熟練度が、原作に合わせて廃止。とはいえ、縛りプレイに近い状態での熟練度上げは苦行に近いので廃止されても仕方がない。
ストーリー
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真影と紅蓮はパラレルの世界観、ということはすでに『紅蓮の少女達』をプレイしたユーザーなら分かるだろうし、学校ごとのストーリーは全てパラレルというのも『SV』でもあったので、シリーズファンなら問題はない。
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しかし、本作はカグラ入門用にお勧めとの通り、新規や初心者を取り入れようとマーケティングしている。そのため、そういったユーザーからは戸惑いの声もあった。
オンライン関連
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SVから存続している、マルチ対応のネット対戦が搭載されていない。もっとも原作の『紅蓮の少女達』にはそもそも存在していなかったが…
ボイス
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ほぼ原作と『EV』の使い回し。とはいえ原作からそれなりに年月を経ていることもあり、下手に新緑して違和感が出るよりはマシかもしれない。
紅蓮のラスト
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原作と違い紅蓮の焔でなく、通常の焔で戦うことになる。絶・秘伝忍法による紅蓮の焔では戦えるが時間経過で通常時に戻ってしまうのも技の仕様通り。
一応、この仕様になった理由は最後までプレイすればわかるようになっている。
+
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ネタバレ
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ラストの春花で体力を0にすると演出が起こり、6本の刀と春花の絡繰りが相討ちになったところを、焔が7本目の刀を抜いて覚醒し、春花を斬るというのが追加された。
紅蓮の焔を引き立たせる良演出と言えるか改悪と見るかは人によって意見が分かれるか。
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問題点
アクション面
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敵の同時出現数の大幅減少
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『EV』どころか『SV』と比較しても少なめで、大量の敵を吹き飛ばす快感はほぼ無いといっていい。草刈ゲーとしては駄作。
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勝利条件で敵を一定数撃破というパターンが多く、残った敵は消滅してしまう。確かに取りこぼした敵を追いかけてチマチマ倒す作業感が無くなったともいえるが、爽快感には貢献していない。
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ただし、前作「EV」では敵の殲滅が進行フラグのエリアで敵が本来は通れないはずの壁の隙間を通ってエリア外に出てしまい、忍務放棄するしかなくなるという不具合がまれに発生していたので、同じ現象が発生しないようにする為の措置とも言える。
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急降下だが、技の硬直をキャンセルできないのと、着地時に硬直が発生するため少々使い辛い。
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一応ガードキャンセルすることでどちらも対処可能だが、操作が少々忙しくなる。空中落下攻撃の硬直が緩和されたことで、積極的に使える技ではないのが残念なところ
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ボス戦が非常につまらない
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強いアーマーを持つため、相手の隙にただ反撃、ゴリ押しするだけでは一方的に負けてしまう。連続攻撃で強引にアーマー耐久値を削るか、弾きで隙を作る必要がある。
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ならばと空中で連続攻撃をしようにも、受身からのアーマーで気が付いたら反撃、ダウンや吹き飛ばしを食らうといった理不尽な展開も起こる。もっとも『EV』の時点でも普通にやってきたことではあるが。
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敵が忍転身を使うことで体力が全回復する。敵の耐久力が高めの本作では徒労極まる。
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忍転身した敵は被弾すると一定確率で秘伝忍法で割り込んでくる。しかも回数制限が無い上、ゲージを多量に消費する上位の秘伝忍法で潰すか、こちらは逃げるしか手が無く時間稼ぎを強要されるのでので非常に鬱陶しい。
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ただし、秘伝忍法割り込みは頻度は敵やステージによって極端にムラがある。
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これらの仕様と、敵の火力が高めになってしまう序盤のボス戦がかなり難しい。
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ではどうすればいいのかというと、ボスを角に追い詰めて怯む状況を作ってからひたすら□→ガードを繰り返す、いわゆるガーキャンハメである。
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厳密には忍転身や秘伝忍法で軽々と割り込みされるが、それでもよほど低難度でない限りダメージ効率が良く、これ一辺倒になりがち。これが出来ない詠は詰み。
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常時忍転身かつ秘伝忍法を使えない真影の飛鳥・紅蓮の焔戦では完全なハメになって可哀想なことになるのである程度の割り込みは必要悪であるものの、それでも戦法が一辺倒になるほどの割り込み頻度は極端すぎてクソゲーと言わざるを得ない。
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それでも全ての攻撃を弾ける為、ガードも弾きもできない秘伝忍法をぶっ放しまくってくる「SV」「EV」よりは駆け引きを楽しめるようにはなっている。
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良くも悪くもガードキャンセルありき
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評価点で硬直の緩和を記載したが、その大半はガードキャンセルを使用してのこと。裏を返せば、ガードキャンセルを使用しなければボスの理不尽さ、硬直の数々に悩まされるともいえる。
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仮にガーキャンをマスターしても、いちいちガードを押したりしなければならないのは負担がかかる。また、習得したとしても敵の攻撃を弾けるかは反射神経ありきである。
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敵に吹っ飛ばされると至近距離だろうとロックオンが切れる。特に敵ボスは1発で吹っ飛ばす技を使用するため頻繁にロックオンが切れ、非常に鬱陶しい。
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リメイク元に存在した強襲攻撃と空中秘伝忍法が廃止。EVに存在したダッシュ攻撃も無し。
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バーストモード発動中は攻撃力が上昇するという効果があるが体感し辛く、L2追加入力の攻撃が強力なためそれ一辺倒になりがち。
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過去作からとはいえキーコンフィグ一切不可。
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Steam版では過去作を含めてキーコンフィグ対応されている。
ただしキーコンフィグを適用しても、チュートリアルの説明文や一部のUI上では常にデフォルトのキーアイコンが表示される。
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その他
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リメイク前に合わせてか、命駆は戦闘開始時にしかできないが不便。
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原作を意識したのか体力ゲージ等のUIのデザインが変更され左上に移行したが、見辛い、格好悪いと不評。
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相変わらず陰陽の熟練度が上がり辛い。こちらは成長の秘薬使用不可能。
その他
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ステージの再挑戦が出来ない。必ず忍部屋に戻る必要がある。
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原作もそうだったが、ステージ中に会話が殆どないのもSV以降からすれば物足りない所。
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『紅蓮の少女達』や『SV』にあった、忍部屋で歩いたり仲間と会話する機能が廃止。
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代わりに忍部屋で各メニューにカーソルを当わせるとそれぞれの機能に対応した場所とそこにいるキャラがクローズアップされるようになっている。
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各キャラはパターンこそ少ないがそれぞれの忍部屋での過ごし方がうかがえるアクションをしており、シナリオの進捗具合によって表情や仕草が変わることもあるなど、それなりに臨場感は伝わってくる。完全な手抜き仕様というわけではない。
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忍部屋での衣装が固定なのは従来作品通り。
新作としての意義
使い回しが多すぎる
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九割九分は『紅蓮の少女達』と『EV』からの流用で、目に見えて分かる新規要素はラスボスステージとその敵ぐらいしかなく、『EV』のDLCで十分、フルプライスの価値が無いとも言われる。
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『EV』の時点でマンネリが指摘されていたが、本作ではさらにマンネリを加速させてしまった。
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そして最大の問題は、使い回しが多すぎながら『EV』から劣化した点が多数存在する点である
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更衣室
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EVの完全流用。EVよりパーツが少なく、PBSの存在を考慮すれば劣化しているとさえいえる。
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アクション
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九割九分『EV』の使い回しで、『SV』→『EV』のように目に見えて分かる進化要素はなく、リメイク前モーションを再現するといった意図は一切ない。
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完全流用というわけではなくキャラクターによっては多少変更点が存在するものの、少し触っただけではまず分からないし、マンネリ感や不信感を拭うには至らない。
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『EV』のシステムを使用しておきながら、カメラワークが凄まじく悪い。特に少しでも壁があるとカメラワークがおかしくなって非常に見辛くなる。
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原作では別キャラ扱いだった紅蓮の焔も『EV』と同じく一定時間の変身扱い。当然永続不可で秘伝忍法もないため、上記の賛否両論点に繋がっている。
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何故か秘伝忍法の方向ロック機能が無くなり、非常に当たり辛くなった。
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また、仮に当ててもボスは平然と避けるため気絶中に当てるなど工夫しないとまともにフルヒットすらしない。工夫しても抜けられるものは悲惨。
ボリューム不足
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原作と同じく使用キャラクターは真影6人+紅蓮6人しかおらず、コラボキャラ抜きでも『EV』と比較すると大きく見劣りする。
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DLCで『EV』に登場したカグラオリジナルキャラクターがほぼ使えるものの、『EV』とほぼ変化なしでボッタクリ級の値段を要求されるのは批判が大きい。
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ただし、無料期間があったのは評価すべきではある。プロダクトキーではなく無料期間というのには疑問を覚えるが。
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しかし、ジャスミンと小百合、巫神楽三姉妹はDLCすら追加されなかったので結局使えないまま。
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ステージ数自体キャラクター制限が撤廃されたことにより多少ボリュームを増したとはいえ、元々ボリューム不足気味だったのを払拭するには至らない。
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原作もそうだったとはいえ、何度も同じタイマン戦をやらされるので体感のボリュームは少ない。
DLC
SVの前日談となるストーリーが各10話用意されている。
黒影が亡くなり、彼の残した絶対正義の意味を探し求める、雪泉が主人公の「氷王」と、雅琲が暴走し、記憶を無くすまでの5年前の物語を描いた「深淵」の2つ。
ゲストとして、両姫と『真紅』の神楽と奈楽も登場する。
評価点
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ボイスは新録。また、本編ではほぼ無かったステージ中にも会話が存在する。
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深淵の1ステージを除き、ボスは最初から忍転身をしているため、体感的な耐久力は落ちている。
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深淵編
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新規ステージ、及び新規テクスチャの敵と戦うことが可能。
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一応、雅琲の深淵(絶・秘伝忍法)の覚醒状態に変身できる経緯が描写されている。
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氷王編
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蛇女に転入する前の両備・両奈が登場し、月閃を辞めるまでの経緯が描写されている。
問題点
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同じ敵と2回戦わされるといった面倒な点が本編と同じく存在し、体感的なボリュームは10話未満に感じる。
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あくまでストーリー重視。例えば敵がたくさん出るとか、強敵と戦えるといったゲーム面での新鮮な要素はほぼ無い
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氷王編
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結局、雪泉の氷王(絶・秘伝忍法)に関しては謎のままで明かされることが無かった。
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深淵と違って、ゲーム面の新規要素が無い。
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「SVの前日談」という位置付けではあるものの、SVにおける「月閃編」の開始時点と比較すると、雪泉達の「正義」や「悪」に対するスタンスに違いがある。そのため、これがSVの直接の前日談であると言われると違和感が残る。
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もっとも、キャラや舞台設定を共有しつつもルートやタイトルによって物語がパラレルに展開されていくのはカグラシリーズではおなじみのことである。あくまで「SVの少し前にあたる時間軸」を舞台に描かれた1つの分岐ストーリー、というスタンスで捉えれば余り矛盾はないとも言える。
総評
硬直が若干緩和され、ガーキャンを絡めてキャラクターを動かす要素は楽しい。ゲームバランスに多少目を瞑れば新規は楽しめるだろう。
しかし、使い回しがあまりにも多すぎるわりに旧作からの劣化、進歩の無さが目立ち、無料期間があったとはいえボッタクリレベルのDLCが合わさってシリーズファンからの評価は低い。
遊べないほどのクソゲーではないものの、EVからのさらなるマンネリに付き合えるかどうかで評価が決まるだろう。
余談
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2020年1月23日に大型アップデートされたマーベラスの音ゲー『WACCA S』に本作の楽曲「燐廻」が収録されている。
最終更新:2024年10月11日 16:47